ISANOTHER STORY   作:ブルーインパルス

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自分で確認しても気付かない誤字脱字。
指摘され、よく読み返せば気付きますね。
それでは第2話です。


MISSION2「転入」

「失礼します、直信様が御呼びで御座います」

 

ノックをして入室したのは、この家に仕える執事の久代邦久だ。

 

「……ああ、分かった」

 

とだけ返事すると、祖父の部屋を目指し歩きだした。

扉前に着くとノックした。「入れ」の声が耳に入ると入室する。

部屋に来たが、顔を合わせたくない。視線を下に向ける。

 

「顔をあげなさい」

 

「断る……あんたの顔は見たくない。それよりもはやく用件を言え」

 

倭は苛立った様子だが、直信は落ち着いた表情で彼が求めている答えをゆっくりとした口調で語りかける。

 

「お前はどうして、勝手な行動をした?」

 

思っていた通り、任務の最中に行方をくらましたことについてだ。

祖父の視線が冷たく感じる。まるで、使い物にならない道具を切り捨てるような視線で孫を見つめる。

 

「答える気はなさそうだな、なら仕方ない……もう下がれ」

 

言われるがままに部屋から出ていく。いつからか定かではないが、倭は人が変わったかのように感情を表に出さなくなったのだ。それとほぼ同じ時期に、自分への態度の取り方や口調までも荒くなった。

入れ違うように執事が入って、こんなことを言った。

 

「やはり、あのことを根に持ってらっしゃいますな」

 

「分かっておるが……」

 

直信は一呼吸入れてから言葉を綴る。

 

「あの年で、戦争を……戦いを経験させる。じゃが、わしも孫と同じ年で戦争を経験した。それに――この腐りきった世界を変えるための犠牲、仕方ないのじゃ」

 

「旦那様の仰ることも分かりますが、もう少しだけ……倭様の気持ちも分かってあげてください」

 

執事は一礼すると、部屋から出ていく。

しばらく、直信は椅子に腰かけたまま考え込んだ。府に落ちぬ表情の反面、世界を変えるためには仕方なのないことだと思っている。いつしか世界は、戦争によって多くの犠牲が伴い、いつになっても終わることがない。

そしてISを用いての戦争になってもおかしくもない。我々組織は武力介入によって、それを証明してしまうことになるもしれない。

 

 

4月、IS学園の始業式当日、本来ではあり得ないことが起きてしまった。

それは、4人の男子と2人の女子計6人が2年2組に転入してきたことだ。

特に異例なのが、男子生徒の転入だ。

今のところ男でISを使えるのは織斑一夏と、春風島にある南IS学園に入学した星野優人という男の2人だけなのだから。

静かな廊下に、例の転入生が待っていた。

教室の中から「今回珍しいですが、このクラスに転入生が来ます」と言う先生の話が、彼らの待つ廊下まで聞こえる。

教室の中から先生が「どうぞ」って招かれると、彼らは教室に入った。

教卓のほぼ真上に空中ディスプレイが表示され、そこに転入生の名前が表示された。

 

「月光椿です。1年間宜しくお願いします」

 

肩まである黒い髪に、少し外側にかかったウェーブ。

背も大きく、目付きが鋭くとても気の強い少女だと誰が見てもそう思えるほどの容姿だ。

もう1人、容姿が同じ少女は、大人しく、髪は肩に触れるか触れないかの長さ。

本当に双子なのかと疑うぐらい性格の感じが違う。

 

「月光遥です。皆さんこの1年間宜しくお願いします」

 

遥は丁寧に一礼し、自分の座席へと座りにいった。

次は少し変わっている。

シャツと繋がった鼻まであるマスク。額にバンダナを巻き、素顔がほとんど見えない。

いかにもミステリアスな雰囲気を併せ持つ。

服はカスタマイズが自由なので、忍者装束風の制服だ。

 

「猿飛佐助……以後宜しくでござる」

 

彼独特の口調で自己紹介を終えると、次の生徒の名前が表示される。

その男子生徒は飄々とした態度で、きっちり自己紹介を始めた。

 

「俺の名は神道翼だ。まっ、1年間宜しくな 」

 

彼が手を挙げて軽々と自己紹介を終えると、次の転入生が教室に入ってきた。

制服の色が黒。

その理由は、普段から黒衣か黒いロングコートを身にまとっているため、こういうものを着ていないとどうも落ち着かないため、制服の色を変更したのだ。

左手を腰に当て、だるそうに自己紹介を始めた。

 

「吉良直貴と言う……宜しく」

 

最後の転入生が教室に入ってきた。

さっきの生徒と容姿は同じ。右目には眼帯を着け、表情は乏しい。

彼は自己紹介を始めた。

 

「……吉良倭、以上だ」

 

 

「もうちょっと続けてもらわないかな?」

 

「……そんな必要はない」

 

彼の言葉は冷たく、人を避けるような言い方だった。

他人とはまるで馴れ合う気もなく、独りを好むように感じ取った生徒もいた。

彼は一体何を考え、ただじっと前を向いている。

前を向いているが、クラスメイトたちと考えていることが違う。どうしてこうも平和で、呑気なのか。少しは世界についてしってほしい。

その考えをチャイムが遮り、彼を現実に引き戻す。席から立ち上がり一人屋上へと行った。居心地が悪いのと、考えを遮られたからだ。

今日の天気は快晴で、気持ちのいい緩やかな風が、彼の髪をなびかせる。

そこに音の気配もなく現れた親友猿飛佐助は、彼に近付きある話を持ち掛ける。

 

「早速、任務が入ったでござるよ」

 

「……分かった」

 

倭はデータに目をやった。

 

「そんじゃ、時間までに学園内の探索をして報告書をまとめるぞ」

 

このチームをまとめるリーダー的存在であり、また吉良倭の親友である。

名は神道翼。彼は世界で五指に入る狙撃の腕を持ち、有名人として知られている。

報告書、それは学園内のあらゆるデータをまとめ、量子型演算処理システム〝ヘルシャー〟に送ること。

彼らに明確な目的を知らせていないが、一応、織斑一夏の護衛として転入した。

もし、誰かがこの情報を手にしたなら、すかさず排除をする。組織の情報は外部に知られてはいけないからである。

どんな手段をとろうが、必ず世界から存在を無くす。

それが我ら〝ブルーコスモス〟なのだから。




主人公たちは学園に入りましたが、果たしてその先に待ち受ける運命は?
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