ISANOTHER STORY   作:ブルーインパルス

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寝る前にスマホを触るのは駄目だと改めて思った日である。
削除する項目をまちがえてしまったからね(泣)


MISSION3「惨劇」

時間はあっという間に過ぎ、晩を迎える。

彼らは、格納庫へ集まって機体のチェックを入念に行っていた。

そのチェックを終えると、各々は専用のマニュアルを読み、調整を始める。

そして4時間も経ち、彼らは行動に出た。

時間は1時30分。学園はすっかり静まり返り、物音ひとつさえ聞こえない。門を乗り越えると1台の車が、彼らを待っていた。

それに乗ると、車を港へ向かって走らせた。港には、ステルス機能を搭載した高機動型の輸送機が待機していた。

最大6機のISを運用可能とし、敵拠点への急襲時などに運用される。

5人は輸送機に搭乗すると、目的地へ到着するまでミッション内容の再確認を行っていた。

目的は、北太平洋海盆に位置する基地の破壊。

民間人を利用して、軍の基地を建造させているという情報が入った。

働かなければ撃たれる、強制的に労働させられている。

酷いものだ、売り上げの成果はよいというものの、民間人をことごとく働かせ、休む暇さえ与えない。

常に銃を構え、彼らを見張り、逆らうものには死と言う褒美を与えている。

従うものには生涯の幸せを与えるなどと、甘い言葉に踊らされ働いている。

だからこそ、〝ブルーコスモス〟が武力を持って介入する。

民間人を騙しての労働は、いずれ争いを生む。全て破壊する。

確認を終えると同時に、その場所へ着いた。

とても静かで、物音1つしない。

人工島の半分は木で占められているためか、耳をすませば小枝や葉がぶつかり合いカサカサと音をたてる。

木陰から工場を覗くと、明かり1つ点灯していない。

 

「――よし、行くぞっ!」

 

翼は意を決して、掛け声と同時に、それぞれ入り口から侵入する。

次の瞬間、酷い光景が目に焼き付いた。

内部は焦げ、人の血と混ざった煙の匂いが充満し、とても居れそうにないほど酷かった。

機械は、徹底的といっていいほど粉々にまで粉砕されていた。

 

「……ひ、酷すぎる、これは……」

 

遥は手で口を覆った。匂いがとてつもなく酷いものだから。

自分たちの目的はあくまで機械の破壊。民間人に危害を加えることはミッション内容には記載されていない。

――誰だ? こんな酷いことをした?

 

「あれ……は?」

 

遥が指差す視線の先に、赤い光を瞬く間に放出する3機のISが制動をとっていた。

機体の左肩部に数字が刻み込まれている。

──RCー001と……

 

 

「誰だ!」

 

翼が怒りの声を上げ問う。

すると赤い光を放つISは、こちらに振り向く。

 

「ミッションは、我々が行ったと報告書に書いといてもらおうか」

 

聞き覚えのある落ち着いた声。これは間違いなく、2ndチームのメンバーの1人沖田宗司だ。

どうして彼らがここにいるのか、理由を聞こうとしたことろで、佐助が話に割ってはいる。

 

「承知した。きちんと報告書にまとめて提出しておくでござるよ」

 

「……すまない」

 

と告げこの地を後にした。

 

「行ったでござるな……」

 

「佐助……いやなんでもない」

 

翼はなにかを言いかけたが、口を閉じた。

同じ技術で設計されたIS、エンジン部分から放出される粒子の色は異なる。間違いなく組織のものだ。だが、何故に今になって

後から合流した双子の兄吉良直貴は、ますます組織に疑問を感じた。

それよりも今、この現場の調査報告を行うことが優先なのだ。

直貴は、やれやれといった感じでディスプレイを表示し、組織の中枢部とも言える超高性能量子演算システム〝ヘルシャー〟にその情報を求めた。

今回が初めてのケースだ。ミッションでトラブルが起き、未確認ISによる武力介入、失敗は絶対に許されないのが組織だというのに……一体どういうことなのか?

 

「これは……!?」

 

データがない……?

おかしい、出発前にはデータはそこに存在していた。レベル4を閲覧できるのは自分を含め4人のはずなのに、どこにも見当たらない。嵐が過ぎ去ったかのように、綺麗に消去されていた。

 

 

昨日の惨劇はあの時と似ている。

フランスで起きたあの事件。力を持たぬ者たちが、死んでいく構図が嫌でも脳裏で再生される。

テロリストが起こした大きな事件。これにより、約825人の命が犠牲になった。

その中で倭は生き残った。生き残ったと言うより、救われた。

突如現れた謎のIS。光の翼を広げ、テロリストたちを一掃したのをしっかりと覚えている。

そこで目が覚めた。悪夢にうなされていた。瞼を開けると天井から降り注ぐ蛍光灯の光が眩しく、手で覆い隠した。指と指の隙間からちらりと覗いた。

白いカーテンに包まれ、ふかふかのベッドに掛け布団。

そうか、ここは隠れ家だ。

起きたことに気付いたのか、カーテンをそっと開き、遥が様子を伺っている。

 

「大丈夫?」

 

「……ああ」

 

ベッドから起き上がると、しばらく呆然としている。

あの光景は目に焼き付けられ、忘れようにも忘れられない。そのことを何度振り払ってもだ。

 

「ねぇ、知ってる? 近々、陣さんが例の機体を世間へ公にするみたいよ」

 

起きてまもない倭に、遥はIS企業〝シェプファー〟の事について問う。

IS企業〝シェプファー〟は、他の企業と比べ、装甲の作りとフォルムが全然違う。

通常のISは、どちらかと言えば少々ゴツゴツしているが、〝シェプファー〟が開発するISはスラッとした完全なる人型のフォルムとなっている。

更にそれだけではなく、おもにメイン武装がビーム兵器だということ。

現在、他の企業ではビーム兵器などは試行錯誤しており、技術提供をしてほしいと頼むほど完成することがままならない。

しかし、全て断っている。

理由は一切不明だが、情報すらも開示しようとはしない。

だが、彼らだけには分かる。

組織の兵器として、戦争根絶のためだけに使用されているからだった。

 

 

しかし、その新型の発表はある有名な会社の度肝を抜くことになるのだ。

あの第2世代量産機、〝リヴァイブ〟の新型発表なのだから。

近々IS企業〝 シェプファー〟が第3世代機を発表する予定らしいのだ。

それを聞いた〝デュノア社〟は、〝シェプファー〟に抗議を持ちかけている。

その理由は、IS生産ラインが止まり経営危機に陥っていること。技術力がそれほどではないことを知られてしまう。

確かに発表されてから〝デュノア社 〟は混乱へと陥り、そのことに関して〝シェプファー〟を批判している。

だが、〝シェプファー〟は発表すると言っている。

その理由とはいずれ知るときが来るであろう。

戦争根絶を実現するため、本格的に活動を始めるのだ。それを理由に武力で阻止してくると言うなら、彼らが紛争幇助対象とし武力により駆逐するだけなのだから。

もしかしたら、このままいけば生産は確実に中止になるだろう。一体あの企業は何を考えているか分からないという声もあがっている。

 

時間は瞬く間にして過ぎ去り、放課後となった。

倭、翼、佐助の3名は部屋へと集まり、昨夜起きた事柄をまとめていた。

 

「あの型式番号からすると、おそらく……」

 

翼が佐助の言葉に続くようにして

 

「2ndチームだ」

 

と言葉を続ける。

 

「……なぜ、やつらが」

 

「なにかがおかしい、1度きちんと説明してもらわないとこっちの計画が狂ってしまう」

 

翼は顔をしかめる。

 

「もう少し情報を集めるでござるか?」

 

「――頼む」

 

「承知した」

 

佐助は頷くと、すぐ行動に出た。

何かが芽生え始めようとしている。

果たしてそれは良いものか、悪いものか。

目に見えぬ運命の歯車は、着実に狂い始めていた。




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