極星寮のお兄さん?   作:ジョニーK

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前回の続きのお出かけ回です。

5/11 電車の中で主人公が「瑛士とももと話している」とありましたが、修正しました。


距離があるのに話すとか間にいる乗客に迷惑極まりないですからね。


第十一話〜休日〜

諸星side

 

俺達四人は今、繁華街がある駅に電車で向かっている。休日ということもあって、中々に混んでいて乗る際に瑛士とももと少し距離が離れてしまった。まぁ目的地が同じだから問題無いだろう。

そういえばいつもは話しかけてくる竜胆が静かだな。そう思い、俺が立っている前に座る竜胆に話しかけようとすると、舟を漕いでいた。久しぶりだから楽しみで寝れなかったのか?まぁ目的地まではもう少しかかるし、寝かせておいてやるか。

 

 

ボーッと外の流れる景色を眺めていると目的の駅に着いた。

竜胆はまだ寝ていた。ったく仕方ねえな。

 

 

「おい、竜胆起きろ」

 

「う〜ん…なんだよ…?」

 

「駅に着いたから降りるぞ」

 

「う〜ん…わかった…zzz…」

 

「寝るなよ!」

 

 

両肩を揺すって起こしていると発車のアナウンスが鳴り、扉が閉まってしまった。マジかよ…とりあえずこいつ起こして、次の駅でUターンするか。その旨を二人に連絡をし、竜胆を起こして次の駅で降りた。

 

 

「おい、大丈夫か?」

 

 

まだ眠いのか足元が覚束無い竜胆に聞く。「大丈夫」というがどうにも心配だ。

 

 

「ほら、しっかりしろよ」

 

「あ…う、うん」

 

 

竜胆の手を握り少しだけ引っ張る。顔色を窺おうとするも目深く被った帽子と少し上から見下ろしているせいかわからない。妙に大人しいし、もしかして体調でも悪いんじゃねえのか?

 

 

「竜胆、本当に大丈夫か?」

 

「な、何が?」

 

「いや、だっていつもはこんな大人しくないじゃん。それに顔少し赤くないか?」

 

「だ、だ、大丈夫だよ!ほら、早く行くぞ!」

 

「お、おい!そんな焦らなくても問題ないって!」

 

 

顔色を見ようと近づきながら話しかけると顔を逸らされ、俺の手を引きながら勢い良く歩き出した。本当にどうしたんだ?

 

 

 

 

 

 

あの後、此方から話しかけても竜胆はボーッとしていて生返事ばかりだった。やっぱり疲れてんのか?そんなことを考えていると目的の駅に着き、今度は無事降りることができた。

瑛士に電話をし待ち合わせ場所まで二人で向かうと、瑛士達を見つけた。向こうも俺達に気づいたのか此方を見ている。何故か、口を半開きにして見つめていた。なんだ?何かあんのか?そう思い、周囲を見回しても特に珍しい物は何もない。

 

 

「悪い。待たせたな」

 

 

二人の前まで着き、謝罪をするも反応は返ってこない。

 

 

「「………」」

 

「さっきからどうしたんだよ?」

 

「………手」

 

 

ももが俺達の間を指差しながら呟く。手?…あ、手を繋いだままだった。慌てて竜胆の手を離す。

 

 

「あっ………」

 

「い、いや、これはあれだぞ!竜胆のやつがちょっと危なっかしかったからであって、別段どうこうって訳じゃないから!な、なあ!竜胆?」

 

 

さっきまでは特別意識してなかったが、指摘されると恥ずかしくなり慌てて言い訳をしてしまう。

竜胆の方に助けを求めると俯いている。

 

 

「り、竜胆?」

 

「…そうなんだよ!いや〜実は今日が楽しみであんまり眠れなくてさ、眠気で足元が覚束無かったから圭に支えてもらってただけなんだよ!」

「そうなんだよ!ってか楽しみで寝れないって小学生かよ(笑)」

 

「………」

 

 

竜胆の説明を聞いて納得して笑っていると、瑛士も納得している。ただ、ももだけは竜胆をジッと見つめている。

ももに話しかけようとするが、竜胆に拳骨をもらい中断する。

 

 

「痛っ〜…何すんだよ!?」

 

「うるせえ!笑いすぎだ馬鹿!」

 

 

涙目で訴えるもスタスタと先を歩いて行ってしまう。

 

 

「今のは圭が悪いわね」

 

「そうだね。早く謝った方が良いぞ」

 

 

ジト目で言ってくるももと、ウンウン頷きながら言う瑛士。

 

 

「う…わかったよ」

 

 

二人も俺の返事を聞いて歩き出す。俺は走って竜胆を追う。ってかやっぱり休日なだけあって人多いな。早く追いつかないと見失っちまうぞ…あ、ターゲット発見!

 

 

「竜胆!」

 

 

声をかけながら手首を掴み竜胆を止める。

 

 

「なんだよ?」

 

「さっきはごめん!笑いすぎた」

 

 

頭を下げ謝ると、溜め息を吐き「もういいよ」と言ってくれた。なんとか許してくれたようだ。

 

 

「た・だ・し…」

 

 

頭を上げるとニヤニヤと悪戯っ子のような笑みを浮かべていた。あ、これは良からぬ事を考えてる顔だ。ヤバイよヤバイよ!いかん、芸人の物真似をしてる場合じゃない!ここは戦略的撤退をせねば、俺の未来はない!

 

 

「食べ歩きの金はお前持ちな♪」

 

 

逃げようと試みるも後ろから抱きつかれ失敗に終わってしまう。

 

 

「無理!今の俺の財布の中身は閑古鳥が鳴いてるんだ!」

 

「じゃあ半額で許してやるから観念しろ!」

 

「い〜や〜だ〜〜〜!」

 

つい道の真ん中で叫んでしまい、周囲の人達がチラチラと此方を見ている。そんなもん気にしてられん!

 

 

「ったく仕方ねえな。じゃあ昼飯だけは奢れよ?」

 

「かしこまりました!」

 

 

竜胆は小さく溜め息を吐き、俺から離れる。なんとか昼飯のみになった。助かった!これだけならなんとかなるだろ。

話が終わったのを見計らってか瑛士とももが近づいてきた。

 

 

「話は終わったかな?」

 

「何やってんだか…恥ずかしくて近寄れなかったわよ」

 

 

瑛士は苦笑混じりに、ももは呆れながら話しかけてきた。チクショウ…俺だってやりたくてやってるんじゃないわい!

 

 

「それじゃまずはももの買い物からでもいい?」

 

 

特に問題も無いので、全員が頷き、ももを先頭に歩き始めた。なんか目的の前にドッと疲れてしまった…

 

 

俺ともも、瑛士と竜胆で並んで歩き、各々で談笑していると目的地に着いたのかももが足をとめる。

 

 

「ブッチーショップ?」

 

着いたのはなんともまぁファンシーな店だった。男だけじゃこんな店には入れないな。

 

 

「そっ。新しいのが出てるかチェックするのよ」

 

「ふーん、んじゃ行きますか」

 

 

店の中に入るとももは黙々と商品を見ては置きを繰り返している。竜胆は竜胆で商品を手に取りももに見せている。俺と瑛士はそんな二人を並んで眺めていた。

 

 

「こうやって見てると二人とも普通の女の子だな」

 

 

瑛士が微笑みながらポツリと言う。確かに料理をしてる時や仕事の時とは違うな。

 

 

「確かにな。久しぶりで忘れてたのかもな」

 

 

そう、彼女達はまだ成人もしていない高校生。料理をしてる時等に見せる年不相応な顔を知っている分、つい忘れてしまう。やっぱりこうして外から見てると二人ともかなりレベルが高いと思う。うん、外から見てる分には良いんだよ。

さっきも歩いてれば男達が二人を見てたし、女達は瑛士を見てたし。俺?眼中にもないらしく誰も見てなかったよ…べべ、別に悔しくねえし!

 

 

「さて、次行くわよ」

 

 

ももが袋を持って俺達の元へ来た。竜胆は満足したのか遅れて出てきた。

 

 

「ほら、貸しな」

 

 

ももから袋を取り持つ。以外と重いな。

 

 

「あ、ありがとう…」

 

「おう。珍しく素直にお礼言えたな」

 

 

ももの頭をポンポンと軽く叩く。うん。素直なことは良いことだと思います!

 

 

「う、うるさい!馬鹿星!」

 

「はいはい」

 

 

ももの罵倒を適当に流し、竜胆達の後を追う。フッ、いつまでも子供の様に言い争いをしたりしないのだよ…俺は日々成長しているのだ!

 

 

「ほら、もも。置いてくぞ?迷子になっても知らんぞ」

 

 

その場に立ち止まりももが来るのを待つ。こいつは背が低いから人混みに入ると見失っちまうからな。

 

 

「馬鹿にするな!この…馬鹿星!」

 

 

近づいてきたと思ったら罵倒+脛蹴り。あまりの痛さに脛を押さえてしまう。

 

 

「痛っ〜〜…蹴ることはないだろ!」

 

「フンッ…んっ」

 

 

ももはそっぽを向き手を差し出してくる。えっと…?

 

 

「あのぅ〜ももさん?この手はいったい?」

 

「んっ」

 

「???…あぁ…はいはい」

 

 

漸く理解し、ももの手を取る。迷子になりたくないのね。人多いもんな。

 

 

「じゃあ行くわよ」

 

「はいはい。もも姫様」

 

 

手を繋いで瑛士と竜胆を追う。あれだけでわかるとか、自分で自分を誉めてあげたい。本当、成長したな!俺!ももの機嫌も直ったし何よりだな。

しかし、手を繋いだだけで機嫌直すとか、今日も大事に抱いているブッチーも相まってなんというか…子供だな。本人には絶対言えないけど。

 

 

「あんた今、失礼なこと考えてるでしょ?」

 

「め、滅相もございません」(震え声)

 

 

いや、だから何で俺の周りの女は人の心を読めるのん?皆エスパーなのん?こんな馬鹿な考えもバレバレなのん?やめて〜〜〜!!

 

 

気づけば二人に追いついていた。またしても口を半開きにしているな。瑛士、端正な顔立ちが台無しだぞ。

 

 

「あぁ…これは人混みではぐれないようにな」

 

「そ、そうよ。ももは圭が迷子にならないように手を繋いであげてるの」

 

 

さすがにこれには俺も瑛士も苦笑いをしてしまう。明らかに逆だろうが。バレバレだぞ。

 

 

「…の………くせに」

 

「ん?竜胆?何か言ったか?」

 

 

別にラノベ特有の難聴系主人公の真似をしたわけではない。周囲の喧騒のせいで聞こえなかっただけだ。

 

 

「???」

 

「何でもねえよ。そろそろ昼飯にしようぜ。私腹減ったし」

 

「ん。そうだな。なにか食べたい物でもあるのか?」

 

 

竜胆は腕を組み思考する。時間も昼飯時はちょっと過ぎてるし人気店じゃなければ問題無いだろう。

 

 

「よし!ラーメンにしよう!決定!」

 

 

そう言ってまた先に行ってしまう竜胆。そんなに腹減ってたのか?

残された俺達は竜胆の後を追った。あ、手は繋いだままです。だって離してくれないし、本当にはぐれちまったら面倒だしな。

 

 

 

 

 

 

適当に空いている店に入り昼飯を済ませた。ラーメンは可もなく不可もなくって感じだった。もうちょっと出汁をしっかりとすれば人気が出ると思いましたまる。あ、ちゃんと奢りましたよ。全員分…だって一人だけって悪い気がして。

その後は繁華街をブラブラしながら食べ歩きをして帰宅中だ。

 

 

「瑛士、大丈夫か?」

 

「苦しい…」

 

 

最寄り駅で家が同じ方角同士で別れた。俺は寮だけど瑛士は学園寄りの方なので肩を貸して歩いている。

最初は各自で買ったものを分けて食べてたのだが、竜胆が気になった物を片っ端から買ってきて皆で食べてたんだが、そのうち女子二人は一口しか食べなくなった。最終的に俺と瑛士が食べることになりこの惨状である。ももなんて途中から食べ物が来る度に、親の仇でも見るかのような目付きだったしな。

 

 

「瑛士!頑張れ!もう少しだ!」

 

「………」

 

「頑張れ〜負けんなあ〜ちっからのか〜ぎり〜い〜きて〜やれ〜〜」

 

「圭…ネタが古いよ……俺は…ミ○姉さん派だ…」

 

 

小○田部長最高だろうが!○ル姉さんも好きだけど!

そんなやり取りをして瑛士を送り、寮に帰った。

 

 

今日は疲れた…が!明日は完全休暇だから後輩成分を補給しまくろう!カメラよし!お土産よし!レッツゴー!!

 

 

 

 

 

 

次の日、屍のように眠る圭が、寮内にて発見されましたとさ。

 




長くなりそうなので、とりあえず主人公sideのみにしました。

これはイチャイチャの部類に入るのかな?

次回は竜胆とももsideを書いていきます。

感想でこの回で竜胆がどうなるのかというものがありました。
申し訳ございません!
次回までお待ちください。


それでは!
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