ももの想いは!?
ももside
今日は、昨日四人で計画したお出かけの日だ。鏡の前で身だしなみを確認する。髪OK、服装OK、ブッチーOK。今日は楽しくなるといいな♪
駅に到着し、皆と無事合流できた。目的地までは電車で移動だ。休日のせいか中々に混んでいて、圭と竜胆と少し離れてしまった。
暇を持て余していてもしょうがないので、瑛士と話していると目的の駅に着き、瑛士と降り二人を待つがいつまで経っても二人が降りてこない。そして、二人を乗せたまま電車は出発してしまった。
少しすると、二人同時に圭から連絡が来た。どうやら竜胆が寝過ごしてしまったらしい。
「どうする?」
「とりあえず俺達は駅を出て駅前の広場で待ち合わせにしようか。連絡しとくよ」
「ん。よろしく」
瑛士と待ち合わせ場所で待っていると、圭達が手を繋いで現れた。え?この短時間で何があったの?瑛士もそう思ったのか二人して口を半開きにして、圭達を見つめる。竜胆が圭に抱きついたりは見たことあるけど、手を繋いでいるのは初めてだったので驚いてしまった。
圭達が近づいてきて、圭が謝罪をしてくるけど、驚きのあまり二人して返事ができなかった。
圭が怪訝そうな顔で私達を見てくるので、ハッとして圭の疑問を解消するために、圭達の手を指差し簡単に「手」とだけ伝える。
漸く気づいたのか慌てて手を離す圭。手を離した時、竜胆が寂しそうな表情を浮かべたのをももは見逃さなかった。
圭が何か言ってるけど、ほとんどがももの耳には入らない。やっぱり竜胆も圭のこと…。
そんなことを考えてて竜胆を見ていると、竜胆が圭に拳骨を落としていた。うわっ…痛そう。相変わらず容赦がないわね。とりあえず、どう考えても圭が悪い。瑛士も同感なのか、追って謝るようにと言っている。こんなことで楽しみにしていたお出かけが台無しになるのは嫌なので、圭を見送り瑛士と歩いて二人を追う。
少し歩くと圭がなにやら叫んでいた。その場で見守っていると、どうやら許してもらったようで、竜胆がいつものように抱きついて圭に昼飯を奢るように言っているが、圭も引き下がらない。見ているこっちが恥ずかしくなるけど、ああやってじゃれあっている二人を見ていると羨ましく思う。ももが抱きついたら圭はどんな顔をするだろう?想像をしてみるけど、恥ずかしくて顔が熱くなる。
「もも?顔が赤いけど大丈夫かい?」
「だ、大丈夫よ。ただ、こんな大衆の面前であんなことをしてる二人を見て恥ずかしくなっただけだから」
二人を言い訳にして誤魔化した。瑛士は苦笑混じりで「確かに」と言って納得していた。なんとか誤魔化せたみたいね。
決着が着いたようで、竜胆が圭から離れたのを見計らって、二人に合流した。まだ、周囲が好奇の目で二人を見ているし、早くここから離れよう。そう思って、先ずはももの買い物からするということを提案する。三人とも了承してくれたのを確認して、早くこの場から離れたくて先を歩いていると、圭が横に並んできた。ちょっと嬉しいと思ってしまうあたり、ももも相当だなと思い、苦笑を浮かべてしまう。
圭と談笑しながら歩いていると、目的の“ブッチーショップ”に着いたので足を止める。圭は、首を傾げ店名を呟いた。
ショップに来た目的を伝えて、店内に入り物色を開始した。あ、これ新作だ♪やっぱりブッチーは可愛いなぁ♪
竜胆も物色を始めて、ももにぬいぐるみを見せてくる。圭と瑛士は興味がないのか二人で話しているみたい。
ももは買い物を済ませ店を出る。竜胆も満足したのか遅れて出てきた。ふふ♪いい欲しいものも手に入ったし良かった♪でも買いすぎたかも。ちょっと重いなぁ。
次に行こうとすると圭が袋を持ってくれた。本当こういうところが狡い。もも達のことを良く見てくれてて、それが嬉しい。変なところは鈍感だけど…
ももがお礼を言うと、頭を優しく叩いてくる。うぅ〜…この子供扱いだけは許せない!
そう思っていつもの調子で罵倒をするけど、軽く流されてしまった。な、生意気な!しかも、迷子になるとかまたしても子供扱いしてくるし…圭はもものこと妹のようにしか見てくれないのだろうか…
そんな哀しみと怒りから近づいて脛蹴りをかました。ももは悪くないもん!圭が悪いんだもん。
そういえば、さっき竜胆と手を繋いでたわね。羨ましいと思うと同時に嫉妬もした。この前の膝枕に比べれば恥ずかしくもないし、ももも手を繋いで圭と歩きたい。
圭に手を繋ぐように手を出すけど、理解してくれない。察しなさいよ!馬鹿星!もう一度要求すると、少し経って理解したのか手を繋いでくれた。ももの小さな手を圭の手が包むように握られる。すごい安心する。ももはどうしようもなくこの人のことが好きだと、改めて自覚した。
先を歩いていた竜胆と瑛士が此方を見て口を半開きにしていた。さっきのもももあんな感じだったのかな?でも、まだやっぱり知り合いに見られるのは恥ずかしい。
圭が説明をする。それに追従して、ももも説明をするけど、圭と瑛士は苦笑を浮かべていた。
竜胆だけは悔しそうに小さく「私の時はすぐに離したくせに」と呟いていた。圭には聞こえなかったらしく竜胆に問いかけているが、竜胆はすぐに切り替えて、昼食を取ることになった。
昼食は圭に奢ってもらった。おそらく竜胆と揉めた時に竜胆に奢る予定だったのが気を利かせて全員に奢ったのだろう。
その後は、竜胆の食べ歩きに付き合っていた。竜胆…よくそんなに入るわね。あんなに食べてもスタイルは変わらないとか…あの栄養はその豊満な胸にいってるのかと思うとつい胸を睨み付けてしまった。も、ももだってもう少しすれば…圭は大きいのと小さいのどっちが好きなんだろう?圭のことだから、そんなの関係ないとか言いそうだけど。
最寄り駅で圭と瑛士と別れた。瑛士大丈夫かな?かなり苦しそうだったけど。まぁ圭が付いてるし大丈夫ね。
竜胆と二人で談笑しながら家に向かって歩いていると、公園が見えた。やっぱり確かめといた方がいいかな。
「ねぇ竜胆、もうちょっとあそこの話さない?」
「ん?あぁいいぜ」
公園に入り、ベンチに座る。公園には少し遅い時間のせいか、もも達以外は誰もいない。
さて、どうやって切り出そうかな…
「いや〜今日は楽しかったな♪」
竜胆はベンチの背もたれに身体を預け大きく伸びをしながら、ご機嫌に言う。
「そうね。ももも楽しかった」
他愛ない事を話していると少しの間ができた。ここしかないわね。ももは決心して切り出す。
「ねぇ、竜胆は圭のことどう想ってるの?」
「!?…どうって、友達だと思ってーー「本当に?」………」
一瞬驚いて、取り繕うように言ってくる。でも、逃がさない。
「わかんないんだ…友達だとは思ってる。…あの日から圭のことが放って置けなくて…」
俯きながらもポツポツと語る竜胆。ももは黙って聞くことにした。
「昨日も家で考えたんだ。そしたら、さ…」
そこで一旦区切るとももの方を見てきた。
「ももと圭が仲良く並んで歩いてる姿が浮かんできて…私は置いていかれて…それが苦しくて、寂しくて………ももは圭のこと好きなんだろ?」
いきなりで驚いて目を見開いてしまう。バレてたのね。
「…いつ気がついたの?」
「否定しないんだな。う〜ん…結構最近かな。圭と話したりしてる時、恋する乙女みたいな顔してたしな。まぁ私は漫画とかの知識だけだから、当たってるかどうかはわからなかったけどな」
竜胆は苦笑を浮かべて応える。それを言うならあんたもよ。そっか、自覚がないのか。ライバルが増えるのは嫌だけど、圭と同じくらい竜胆も大切な親友だしね。
「そう…竜胆、あんたもそういう表情浮かべてるの気づいてる?」
「え?」と呟いてももを見てくる。やっぱり自覚なしか。
「普段はあんまりだけど、今日とか特にそうだったわよ。手を離された時とか、ももと圭が手を繋いでいる時も。圭達は気づかなかったみたいだけどね」
「そんな…べ、別に私は…」
「それにさっき話してる時が一番そうだったわよ。友達って言う前に少し間があったのだってそうでしょ?…もう一度聞くわよ。圭のことどう想ってるの?」
竜胆は再び俯いてしまった。きっと今日のことを思い出してるんだと思う。そして、顔をあげて…
竜胆side
昨日は結局考えが纏まらずほとんど眠れなかった。化粧台の鏡に映る自分は目の下に隈を作って、ひどい顔だ。
普段は薄くしかしない化粧を隈を隠すために念入りにした。
電車では規則的に揺れる感覚が気持ちよくて、圭に起こされるまで寝てしまった。足元が覚束無い私を、圭が優しく引っ張ってくれる。昨日あんなことを考えたせいか、恥ずかしくて顔を赤くしてしまう。
圭は心配そうに此方を見てくる。バレないように急ぎ足で逆に手を引いて歩いた。
目的の駅に着いてももと瑛士と合流すると、突然手を離されて、寂しく思った。適当に圭に合わせるとバカ笑いをし始めたからムカついて拳骨をした。先を歩いていると圭が追いかけて来て謝った。先ほどの拳骨である程度は落ち着いたから条件付で許すことにした。いつものように圭に抱きついてみた。少しドキドキするけど、こうやってお互いに馬鹿をやるのが楽しいし安心する。
圭から離れた後は、もも と圭が仲良く先を歩く。瑛士と話すけど、気づくと二人を目で追ってしまう自分がいた。考えていたことが、現実になりそうで、また胸が締め付けられる。
店に着くとももが先に店内で物色を始めた。私も気持ちを切り替えて、適当に物色をしてももが持っていなさそうなぬいぐるみを見せる。私は特に買いたい物が無いので、ももの会計が終わるのをぬいぐるみで遊びながら待った。
会計が終わり、店を出て次に向かうことになった。多少気が晴れた私は瑛士と話ながら先を歩いて、二人が気になって振り向くと、ももの袋を持って手を繋ぎながら歩く圭とももの姿を見つけた。ついその場で立ち止まってしまった。
「ん?竜胆、どうし…た…」
瑛士は私が立ち止まっているのに気づいて足を止めて私の目線の先を追うと二人を見つけ、口を半開きにしていた。私も口を半開きにしてしまいながら、二人を見つめていると、追い付いた二人が手を繋いだまま説明をしてくる。何故か悔しくて、寂しくてまたあの気持ちが湧いてくる。どうして…?
「私の時はすぐに離したくせに…」
つい口に出してしまった。マズイと思って咄嗟に誤魔化した。聞こえてないみたいで良かった。
上手く誤魔化せたみたいで昼食を取りに向かった。
昼食を終わらせて気を紛らわせようとブラブラと歩きながら、食べ歩きをした。圭と瑛士が必死に残飯処理をしていた。
瑛士と圭と別れて、ももと話ながら歩いていると、ももが公園で話そうと言ってきたので着いていく。
少しの間、談笑しているとももが圭のことをどう思ってるのか聞いてきた。…なんで今なの?
真剣な眼差しで私を見ているもも。少し考えて友達と応えると「本当に?」とまた問いかけてくる。私はわからなくなって昨日考えていたことをゆっくりと話した。黙って聞いてくれるもも。普段は毒舌が多いけど、こういう優しいところもある。そして、考えていて一番苦しかった、ももが圭のことを好きなんじゃないかという気持ちを問いかける。
ももは驚いて少しの間を取っていつ気づいたのか聞いてくる。やっぱりか…。ももの問いに苦笑混じりで応えると、ももは私も同じ表情をしていたことを指摘してくる。え…?私、そんな顔をしてたの?
驚いてしまい応えることができなかった。
ももは止まらない。今までもそういう顔をしていたという。特に今日は顕著に出ていたようだ。
そして、もう一度同じ質問をしてくる。
「圭のことをどう思ってるの?」
俯いて、もう一度今日のこと、今までのことを思い返す。圭に心配されて手を握ってもらった時、嬉しかった。圭とじゃれあっている時、話している時、楽しかった。圭に頭を撫でてもらいながら膝枕をしてもらった時、守ってもらってるみたいで安心した。圭とももが手を繋いでいた時、胸が締め付けられるように苦しかった。圭が遠くに行ってしまいそうで寂しくて…辛くて…不安だった…。そっか…私は…
「私、圭のこと好きなんだ」
顔を上げて自分に言い聞かせるように言った。ももの方を見ると笑顔を浮かべていた。
「漸く自覚したみたいね」
きっとここでもものことを心配したらダメだと思う。お互いを認め合うからこそ…
「…あぁ、私達ライバルだな」
「そうね。ライバルであり親友よ!」
「そうだな♪」
今までの心の中の靄が晴れて清々しい気分になれた。これもこの優しい親友のおかけだ。
「もも、ありがとうな♪」
そう言ってももに抱きついた。ももは慌てて離そうとする。
「こ、こういうのは圭にしなさいよ!」
「ん〜?いいのかにゃ〜?今までもそうだけど、意識させたら圭なんて一発KOだと思うけど♪」
ニヤニヤとしながらももに胸を押しつけて挑発する。
「な!?や、やっぱりダメーーー!」
ももが公園中に響いたのではないかというほどの叫びをあげる。
本当にありがとう。私の大切な親友。そして、絶対負けないからな♪
前回の話や前書きであれだけ煽ってこの雑さ…申し訳ございません!(土下座)
これが今の作者の実力です。
何にしても竜胆がヒロインに決まりましたね。
親友っていいですねb
竜胆をヒロインにするかは正直かなり悩みました。書いててこのままももの応援でも良くないか?とか思ったりもしました。だから、あの苦悩だったわけです。
ギリギリまで迷いましたが、結果はご覧の通りです。
あと、タイトル詐欺じゃないだろうかと思うわけですよ。極寮生がちょっと空気かなって。
これから上手く絡めていきたいなと思ってます。
長くなりましたが、それでは!