極星寮のお兄さん?   作:ジョニーK

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お待たせしました。
事故後の十傑メンバーの動きです。
それと新キャラ登場です。


それではどうぞ!


〜入院生活と過去編〜
第十七話〜病室での出会い〜


やけに動きがスローに見える。こちらに向かってくる車もハンドルを必死に切る運転手さんの動きも…これがテレビとかで聞く事象なんだろうか…そんなことを考えていると、衝撃が身体に襲ってきて意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

司side

 

今日は、宿泊研修から圭が戻ってくる日だ。そして、彼があの日の事を話すと約束した日でもある。十傑三年メンバーは今、俺の作業部屋で、各々がどこか落ち着かない様子で帰りを待っている。それもそうだ。何があったのかはわからないが、やっと圭の口から話すと言ってくれたのだから。しかし、気になる事もあるから聞いてみよう。

 

 

「皆、仕事は良いのか?」

 

「「「終わらせたに決まってる(でしょ)」」」

 

 

全員の声が重なる。しかし、ある一人を驚愕の顔で見つめる。当の本人は、全員の反応を見て怪訝な表情を浮かべていた。

 

 

「…なんだよ?」

 

「「「あの竜胆が…仕事をした…だと…」」」

 

 

男性陣のみだが、つい声に出してしまった。ももは未だに信じられないと言ったような顔で見ている。

 

 

「フンッ!」

 

 

綜明、冬輔、俺の順に拳骨を落とされる。それぞれが頭を抑える。いや、これに関しては普段の竜胆の行動が問題なんだから、殴られるのは不本意だ。

でも、竜胆が一番圭の事を気にしていたのは確かだ。きっと今日の為に頑張ったんだろう。そう考えるとさすがに失礼かと思って、謝罪をした。

そんな一悶着を終え、しばらく寛いでいると、何やら外が騒がしい。窓から外の様子を確認すると、何やら講師達が集まって慌てている。何かあったのか?疑問に思っていると、突如部屋の扉が勢い良く開かれる。何事かと、全員がそちらに振り向くと、講師の一人が息を切らせていた。こちらを確認すると、息を整え部屋に入ってきた。

 

 

「失礼した。緊急の知らせのため許してくれ」

 

 

そう言って、もう一度自身を落ち着かせるように、小さく息を吐いた。そして、表情を沈痛な面持ちに変えて「諸星が事故に遭った」と告げた。一瞬何を言っているのか理解できなかった。

その後も説明は続き、事故の詳しい概要はまだわからないが、現場近くの病院に搬送されたそうだ。連絡を受けた学校側からは、総帥と宿泊研修に参加していたシャペル先生が向かうとのことだ。簡潔な説明を終えた講師が部屋を出ていった。俺達はただ、呆然とそれを見送ることしか出来なかった。

 

 

 

少しの時間が経ち、意識を覚醒させ椅子に座り額に手をあてる。圭が事故に遭った…

あまりの出来事に未だに脳の処理が追いつかない。他の皆もそうなのかソファーに座って俯いている。そんな中、竜胆が立ち上がる。

 

 

「竜胆?」

 

「…圭の所に行ってくる」

 

 

竜胆に声をかけると、呟くように告げて、部屋を出ていった。それに続いてももも出ていく。二人が出ていくのを黙って見送る。残った俺達は、先ほど淹れたお茶を一口飲み、お互いに目線を合わせ頷きあった。どうやら考えていることは同じようだ。

 

 

「俺達まで学園を離れるわけには…いかないか」

 

「そうだな」

 

 

綜明は言葉に出して、冬輔は頷いて応えた。仕事をほっぽり出すわけにはいかない。これから秋の選抜メンバーの選考もある。行きたくないと言ったら嘘になる。直ぐにでも圭の所へ行きたい。親友のもとへ行ってやりたい。だが、仕事を滞らせるわけにもいかない。圭のことは、とりあえず二人に任せよう。竜胆とももへ仕事についてのメールを送り、この場にいない十傑へ連絡をする。

 

 

 

 

 

 

竜胆side

 

圭が事故に遭った…最初それを聞いた時、意味がわからなかった。いや、学校側が用意してくれた車に乗って圭の所へ向かっている今も、理解は出来ていない…理解したくない。

司の部屋を後にして、後を追ってきたももと講師に場所を聞くと、事情を察した講師が仕事はどうするのかと聞いてきたから、司達が代わりに処理する旨を伝えると、車を用意してくれた。必要最低限の物を持ち、その車に今はももと乗っている。

 

 

「圭、大丈夫…だよね?」

 

 

お互いにしばらく無言だったけど、ももが呟くように言った。ぬいぐるみを抱き締める身体は小刻みに震えている。

 

 

「大丈夫に決まってるだろ」

 

 

自分でもわかるくらいに声が震えていた。さっきの言葉も自分に言い聞かせていた。膝の上で祈るように握っている両手もじんわりと汗ばんでいる。圭…圭…。

 

 

 

数時間経ってようやく、目的の病院に着いた。私達は車を降りて、受付で事情を説明して圭の場所を聞き出した。どうやら病室にいるらしい。

病室前に着き、名前を確認してノックをすると「どうぞ」と言われたので扉を開け中へ入る。中には総帥とシャペル先生がベッドの前にいた。

こちらに二人が振り向いたから、軽く会釈してベッドの前に行く。そこには、ゆっくりと寝息をたてて眠っている圭がいた。所々に包帯が巻かれていて、痛々しい姿になっている。その姿を見て、辛くなると同時に安堵もした。無事で良かった…とりあえず安心したのかももは、その場にへたりこんでしまった。

出してもらった椅子に二人で座り、シャペル先生が事情を説明してくれた。手術をして、無事に終わったこと。ただ、頭部を強く打ったためかまだ意識が戻っていないこと等。一通り説明が終わると、シャペル先生が席を立ち扉の前まで行く。

 

 

「後で迎えに来る。今は傍にいてあげなさい」

 

「そうだな。ワシも席を外そう」

 

 

シャペル先生が扉を開けて、総帥が先に出ていき、続けてシャペル先生も出ていった。

二人が出ていったのを確認して、ベッドの横にももが移動して圭の手を包むように握る。

 

 

「圭のバカ…もも達にこんな心配させて…起きたら説教ね……」

 

 

我慢していたのか、握った手に額を当てて涙を流していた。私はももの横に座り、ももの手の上からさらに包むように握る。

 

 

「そうだな…説教の後は、飯…奢れ……よな…」

 

 

私も我慢の限界だったみたいだ。ももにつられるように涙を流した。

 

 

 

しばらくして、二人とも泣き止んで圭を見ていると、扉が開かれる。誰だ?と思って扉の方を向くと、知らない男と女がいた。二人が一礼をしてきたので、ももと同時に頭を下げる。二人はベッドの前まで来て圭の様子を見て、安堵の息を一つ吐きこちらに向き直った。

 

 

「初めまして。諸星圭の兄の諸星陽一(よういち)です。こっちは妹で、圭からしたら姉になる諸星麗香(れいか)です」

 

 

お兄さんが自己紹介とお姉さんの紹介をしてくれた。お姉さんは頭を下げる。

お兄さんの方は、圭とどことなく似ている。お姉さんの方は、綺麗系であまり似ていない。こんな綺麗な人が圭のお姉さん?

 

 

「初めまして。あなたが小林竜胆さんで、そっちの子が茜ヶ久保ももさん、で合ってるかしら?」

 

 

私がジーっと見ていると、微笑を浮かべて首を傾げる。なんで私達の事を知ってるんだ?

 

 

「はい。初めまして。改めて私が、小林竜胆です。ほら、ももも挨拶しろよ」

 

 

立ち上がって自己紹介をして、私の背中に隠れるようにして立ち上がったももに促す。相変わらず仕事以外の初対面だと、こうなんだな。

 

 

「はじめ…まして。茜ヶ久保もも…です」

 

 

背中越しだけどしっかりと?挨拶をするもも。そんなももを見て、二人とも笑顔を浮かべる。

 

 

「圭が話してくれた通りだな」

 

「ふふっ、そうだね」

 

 

お兄さんがお姉さんに話しかけると、クスリと笑って頷く。圭のやつは、どんな紹介をしたんだ?

 

 

「この子ったら、会うたびにあなた達のこととか、学校のことを楽しそうに話すのよ」

 

 

お姉さんはそう言って、私達とは反対側に行き、眠っている圭の頭を撫でる。

 

 

「小林さんは、仕事の時はそれなりにしっかりとしてるけど、馴れると仕事相手でも馴れ馴れしい。明るくてグループのムードメーカー。怒ると面倒くさい」

 

 

お兄さんが私の事を言ってきた。圭が言った事はわかる。よし、起きたら拳骨と仕事押し付けよう。拳に力を入れてそう誓った。

そうしていると、もものことについても話し始める。ももの顔が一気に冷たくなった。ああ、ももも同じようなこと思ってるな。

しばらく話していると、ももも少し馴れたのか話しに参加していた。

少しだけ、圭の過去を知ることが出来た。昔は甘えん坊でお兄さんとお姉さんに付いて回っていたこと。街の小さなレストランで育ったこと等。ほとんどが今の圭からは想像できない話だった。こいつにもそんな頃があったんだな。

ふと、気になった事があったから、つい聞いてしまった。

 

 

「そういえば、圭のお父さんとお母さんは?」

 

 

話をふると、二人の顔が険しくなった。どうやら聞いたらまずいことだったようだ。

 

 

「あ、すみません!」

 

 

急いで頭を下げて謝罪する。二人は顔を上げるよう促して、顔を上げると苦笑を浮かべている。

 

 

「圭からは何も聞いてないのかい?」

 

 

お兄さんが質問してきた。私達はコクりと頷いて応える。

 

 

「そうか…」

 

 

お兄さんはそう呟いて、どこか哀しそうな顔を浮かべて圭を見つめる。私は、それ以上聞くことは出来なかった。

そして、面会時間の終わりがきたことを告げるためにシャペル先生が来た。どうやら既に二人には挨拶は済ませていたようだ。部屋を出て、少し歩いた所で私とももはお姉さんに呼び止められ足を止める。

 

 

「少しだけ二人を借りても良いでしょうか?」

 

 

シャペル先生にそう告げると、お兄さんとシャペル先生は玄関で待つということで先に行ってしまった。

 

 

「あの、話って?」

 

 

ももが首を傾げて問うと、お姉さんは真剣な表情になる。

 

 

「さっきのことだけど、圭が話すまで待ってくれないかしら?」

 

 

 

 

さっきのことっていうのは、圭のお父さんとお母さんのことだろう。この質問には答えは決まってる。

 

 

「はい。もちろんです。というか既に圭が話すって約束してくれてますから」

 

 

私は微笑んで、ももはコクりと頷いて応えた。私達の答えに満足したのか、お姉さんは微笑んで「そう」とだけ告げて、玄関へ向かった。私達もそれに倣って後をついていき、学園の車に乗り帰宅した。

とりあえず圭が無事で本当に良かった。面白い話しも聞けたし、起きたらあいつを弄りたおしてやろう♪

 

 

 

 

 

 

ももside

 

圭が事故に遭った、ただそれがももの頭の中で響く。意味がわからない…わかりたくもない。だって、圭は今日帰ってきてもも達に話すって約束したもん。

ももがブッチーを抱きしめて座って俯いていると、横に座っている竜胆が立ち上がって部屋を出ていこうとする。瑛士が竜胆に声をかけると、どうやら圭の所へ向かうようだ。そうだ。こんな所で俯いてる場合じゃない。ももも立ち上がって、竜胆に着いていった。学園が車を用意してくれたから、それに二人で乗って圭のいる病院へ向かっている。

車に乗っている間、ついもしもを考えてしまう。そうしていると自然と身体が震えてしまう。震えを止めようとブッチーを強く抱き締める。でも震えは止まってくれない。だから、そんな不安を飛ばそうと横に座る竜胆に声をかける。

返ってきたのはどちらかというと、竜胆自身に言っているような感じだった。声も震えている。竜胆だって不安なんだ。そう思うと言葉は続かなかった。ただ黙ってブッチーを抱き締めて到着を待った。

 

 

病院に到着して、竜胆が圭の居場所を聞き出してくれた。竜胆に付いていくと、諸星圭と書いてある病室に着いた。竜胆がノックをすると、中から声がした。入室許可をもらって、竜胆を先頭に部屋へ入る。中には先に向かった総帥とシャペル先生がいた。

二人が振り向いたから、一礼をしてベッドの前に行くと、圭が所々に包帯を巻かれて寝ていた。ゆっくりと寝息をたてて眠っている圭の姿を見て、安心してその場にへたりこんでしまった。良かった…生きてて良かった…。

竜胆に支えてもらって出された椅子に座る。シャペル先生が事情を説明してくれた。手術は無事に終わったこと。ただ、頭を強く打ったからか、まだ意識が戻っていないこと。一通り説明を終えた先生と総帥が気をきかせてくれたのか、部屋を出ていった。

二人が出ていったのを確認して、ベッドの横に移動して圭の手を包むように握った。

 

 

「圭のバカ…もも達にこんな心配させて…起きたら説教ね……」

 

 

もう我慢できなかった。額を握った手に当てて涙を流した。すると、竜胆の手がもも達の手を包むように握ってきた。

 

 

「そうだな…説教の後は、飯…奢れ……よな…」

 

顔を上げると、涙を流しながらそう呟く竜胆がいた。それを見て、涙が止めどなく流れてきた。

 

 

 

しばらくして、二人とも泣き止んで圭を見ていると、扉が開かれる。そこには知らない男性と女性が立っていた。ももは竜胆の背中に隠れて様子を伺っていると、二人が一礼をしてきたので、竜胆と同時に頭を下げる。二人はベッドの前まで来て圭の様子を見て、安堵の息を一つ吐きこちらに向き直った。

どうやらこの二人は、圭のお兄さんとお姉さんということだ。お兄さんの方は圭とどことなく似ているけど、体型はお兄さんの方がガッチリしている。お姉さんは、凄く綺麗。圭とは似ても似つかない。二人を観察していると、お姉さんが私達の名前を呼んで確認してくる。竜胆が先に自己紹介をすると、ももにもするように言ってくる。

 

 

「はじめ…まして。茜ヶ久保もも…です」

 

 

竜胆の背中越しだけどなんとか挨拶ができた。うう…緊張する。

そんな私達を見て、圭が話した通りだとお兄さんがいう。このバカ!どんな紹介したのよ!

 

 

「この子ったら、会うたびにあなた達のこととか、学校のことを楽しそうに話すのよ」

 

 

圭を睨んでいると、お姉さんはもも達とは反対側に移動して圭の頭を撫でる。そんな姿を見ると、怒りが収まった。

お兄さんが竜胆について語っている。どうやら圭から聞いたことを話しているみたい。あ、竜胆怒ってる。握った拳震えてるし。

 

 

「茜ヶ久保さんは、お菓子作りが得意で、小さくて恥ずかしがりで毒舌家。よく圭と口喧嘩をしている」

 

 

次にもものことを言ってくる。よし、このバカがどう思っているのかよ〜くわかったわ…これはきついお仕置きが必要ね。しばらく話していると、この二人にも馴れてきた。どこか圭に雰囲気も似ているからか、話しやすいというのもあるかもしれない。

圭の幼い頃のことを、話してくれた。なによ、普段もものこと子供扱いするくせに、自分だってそうだったんじゃない。

 

 

「そういえば、圭のお父さんとお母さんは?」

 

 

突然の竜胆の質問は、ももも気になっていたことだ。二人の様子を窺うと険しい表情になっていた。どうやら触れてはまずい話題だったようだ。

そんな二人を見て、慌てて竜胆が謝罪をしている。二人は苦笑を浮かべて竜胆に顔を上げるよう促している。

 

 

「圭からは何も聞いてないのかい?」

 

 

今度はお兄さんが質問してきた。もも達はコクりと頷いて応えると、「そうか…」とだけ呟いた。でも、圭を見つめる表情はどこか哀しそうな表情だった。そんな表情を見てしまうと、これ以上聞く気にはなれなかった。そして、面会時間の終了を告げにシャペル先生が来た。もも達は部屋を出て少し歩くと、お姉さんが足を止めてもも達を少しだけ借りたいとシャペル先生に言う。シャペル先生とお兄さんは先に玄関で待つと告げて、先に行ってしまった。

 

 

「あの、話って?」

 

 

ももが首を傾げて問うと、お姉さんは真剣な表情になる。

 

 

「さっきのことだけど、圭が話すまで待ってくれないかしら?」

 

 

さっきのことっていうのは、おそらく圭のお父さんとお母さんのことについて。この質問には答えは決まってる。

 

 

「はい。もちろんです。というか既に圭が話すって約束してくれてますから」

 

 

竜胆は微笑んで、ももはコクりと頷いて応えた。もも達の答えに満足したのか、お姉さんは微笑んで「そう」とだけ告げて、玄関へ向かった。もも達もそれに倣って後をついていき、学園の車に乗り帰宅した。

圭は無事。これだけわかっただけでも良かった。起きたら…そうね。しばらくもも専属の料理人にでもしてやろうかしら。もも達を泣かせた罪は重いんだから♪




新キャラについては、そこまで気にしなくて大丈夫です。これ以降、出てくる予定は今のところありません。
オリキャラ紹介みたいなの作った方がいいですかね?

それにしても、女性の感情表現が激しく難しい…全然上手く書けている気がしないです。何かアドバイスをいただけると嬉しいです。


感想・お気に入り登録ありがとうございます!
なんやかんやでもうすぐ300件というところです。ここまで登録されるとは思ってませんでした。
評価なんかもいただけると嬉しいです。
これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
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