極星寮のお兄さん?   作:ジョニーK

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やっと本格登場の原作主人公です。




第八話〜幸平創真〜

諸星side

 

ハローボーイズ&ガールズ。マイネームイズケイモロボシ。

俺はなぜいきなり自己紹介してるんだ?ってかなんで英語?意味がわからん。はぁ〜…疲れてんのかな…

そんな俺ですが、今寮に向かって歩いてるわけだが、地味に坂とかあって辛い。普段は自転車なんだけどタイヤがパンクしやがった。誰だよ!道端に画鋲を何個も落とした大馬鹿野郎は!帰ったら修理しなきゃ………犯人見つけたら請求書つき出してやる。

 

 

寮に着いて自転車の修理が終わり玄関に着き扉を開ける。

中からふみ緒さんと誰かの話し声が聞こえてくる。ん?この声…どこかで………

扉が開いたことにより此方に気付く二人。

 

 

「幸平創真?」

 

「ん?あんた誰?」

 

 

状況がいまいち飲み込めず二人して見つめあってしまう。目と目が逢う〜…歌ってる場合じゃないな。

 

 

「あぁ、俺はーー「圭、自己紹介は後にしな。」ん?あぁ…入寮試験やるのね」

 

「そういうことさね。さ、付いてきな」

 

 

そういって調理場に消えていく二人を見送り、俺は自室に向かった。

 

 

しばらくするとふみ緒さんに呼び出され調理場に向かった。

調理場にはふみ緒さんしかいないな。はてさて、どっちかな?

 

 

「ふみ緒さん、あの子はどうだった?」

 

「来たね。これを食べればわかるよ」

 

 

そういって差し出されたのはハンバーグ。おそらくこれを幸平君が作ったのだろう。とりあえず言われるがままに一口。

 

 

「美味いけどこれが?」

 

「やっぱり騙されたね。それは鯖缶を使った鯖バーグだよ」

 

「は!?嘘!?」

 

「本当だよ。私もビックリし過ぎてつい昔を思い出して抱きついたくらいさね」

 

「いや、年考えなよ」

 

「フンッ!女性に年の話はするなって教わらなかったのかい?」

 

「ず、ずみまぜん」

 

 

腹を殴られ口と腹を抑える。いや、今食べてたんだからやめてよ。戻しちゃうだろうが!あ、いいところに卵スープ。これで流しちまえ!

 

 

「ふぅ〜…助かった…」

 

「それも幸平の作ったやつだよ。出汁に使える物はなかったから、あいつが持ってたゲソでとったやつさ」

 

「そいつはまた…こりゃ合格だわな」

 

「あぁ、また面白そうな子が来たね」

 

「そうですね。ご馳走様でした」

 

 

手を合わせ合掌。

そうか。また騒がしくなりそうだ。それ以上に楽しそうだけど。

スキップをして部屋に戻ると風呂場から恵の悲鳴が響いた。

何事!?まさか!?変質者か!?

急いで風呂場に急行すると、脱衣場で腰にタオルを巻いて倒れている幸平君と浴場には裸の恵がいた。

………ん?裸?あ、顔がもっと赤くなった。

その姿を確認して俺の意識は何者かの手刀によって刈り取られた。

 

 

 

 

 

 

意識を取り戻すと、部屋の床に寝かされていた。俺、何してたんだっけか…あっ!やべぇ〜…恵に謝らないと。

そう思い、部屋を出ようとすると上から騒がしい声が聞こえてくる。

ということは、善二の部屋に揃ってるか。

 

 

ノックをして善二の部屋に入ると、慧と幸平君と恵以外が睨み付けてくる。まずい…ここは伝家の宝刀スライディング土下座を抜くしかねえ!

 

 

「申し訳ございませんでした〜〜〜!!」

 

 

 

 

 

あの後、土下座を続けなんとか許してもらえた。しかし、涼子と悠姫から逃れられる筈もなく、また正座で小一時間ほど説教をされた。

それに比べて苦笑しながらも許してくれる恵、マジ天使。

あ、幸平君は入浴時間を知らなかったのと素直に謝ったので直ぐに許されたみたいだ。

そして今は、宴会を再開し幸平君と話しているところだ。

 

 

「幸平君、自己紹介がまだだったね。俺は高等部三年の諸星圭だ。よろしく」

 

「あ、どもっす。幸平創真っす。俺のことも下の名前の呼び捨てでいいっすよ。よろしくお願いします」

 

「じゃあ創真、俺のことは諸星先輩で頼む。改めてよろしく」

 

「うっす」

 

 

男らしい握手を交わす。手を握った後、どうやら俺の技量をある程度認識したっぽい。

 

 

「あ、そういえばなんで俺のこと知ってるんすか?」

 

「あぁ、式典の時に君の挨拶を聞いてたんだよ。面白い子だと思って覚えてたんだよ」

 

「へぇ〜そうだったんすね」

 

 

その後は創真と恵が授業のペアになったことや、シャペル先生が笑ったこと等、この学園のことについて話して盛り上がった。

 

 

ほとんどが寝落ちをし今起きているのは、俺と慧と創真のみになった。

うん。皆の寝顔マジキュート。涼子と悠姫もこうしていれば可愛いのに。

 

 

「もう料理が尽きたね。鰆の切身があったから僕が何か作ろう」

 

「あ、慧!俺の分は気にしなくていいぞ。創真から一口もらうから!」

 

 

笑顔を浮かべ裸エプロンのまま、調理場へ向かう慧を見送り少しの間、創真と談笑していると慧が帰ってきた。

 

 

「さあ、出来たよ。鰆の山椒焼き ピューレ添えだ」

 

「へへ、いただきまーす」

 

 

創真がまず一口目を食べる。

 

 

「美味すぎる!」

 

 

慧の料理に驚いている創真。まぁそうだろ。スペシャリテじゃないにしてもこれくらいこいつはできて当たり前か。んじゃ、俺も一口。

 

 

「うん。美味いな。さすが慧だわ」

 

「ありがとうございます。ところで創真君さ、始業式で面白いこと言ってたよね」

 

 

慧の雰囲気が変わった。ふむ。ここは大人しく見守るとしますかね。慧にも何か考えあってのことだろうし。

 

 

「遠月の頂点目指すって事は、君が思っているほど甘くないかもしれないよ。改めて自己紹介させてもらおう。遠月十傑 第七席 一色慧だ」

 

「あんたが、十傑…だと…」

 

「さあ、お次は創真君の料理を食べてみたいな。君はいったいどんな品を作ってくれるんだろう。見せてご覧。君が皿の上に語る、物語を!」

 

 

なるほど。慧なりの腕試し的な感じかな。

さて、創真はどうするのかね。

 

 

「フッ、お待ちを!」

 

 

不敵に笑い調理場へ向かう創真。

どうやら慧と同じく鰆を使い春をテーマにした料理を作るらしい。

料理を待っていると、悠姫と涼子が起きて、いつの間にか起きていた峻が簡単に説明している。

 

 

「二人が対決!?なんでなんで!?」

 

「さあな。でもこの対決、一色先輩からふっかけてたぜ」

 

 

あ、結構前から起きてたのな。

悠姫と涼子の方へ視線を向けるとじーっと慧の方を見ている。

 

 

「この場合、一色先輩の服装にはコメントいらないよね」

 

「せっかくの対決に水を差すのは悪いわよ」

 

「だよね」

 

 

うん。今さらツッコミをいれても遅いぞ。

実は俺もツッコミたかったんだけど、こう〜流れ的に、ね。

 

 

「完成だ!“幸平裏メニュー その20改 鰆おにぎり茶漬け”だ!本当は鮭で作る品なんだけど、本日は鰆バージョンでアレンジしてみたんだ。皆の分も作ったから、一緒にお上がりよ」

 

 

ほお〜…ん?これはただのお茶じゃないよな。

 

 

「おお、ありがとうな。注いであるのは何かな?」

 

「塩こぶ茶っす。優しい塩気とコクが食事の〆にピッタリっすから」

 

 

なるほどね。しかし、これじゃ普通過ぎるけど、入寮試験みたいなビックリはあるのかな?

 

 

「それじゃ早速。いただきまーす!」

 

「「「いただきます」」」

 

 

悠姫の号令で各々が食べ始める。

んじゃ、俺もいただきますかね。

 

 

「う〜ん美味い!」

 

「うん!美味しいな!箸が止まらひゃい!」

 

 

皆が顔を綻ばせながら食べていく。

うん。皮もパリパリで素晴らしいな!

あ、俺は食うのに集中するから後は慧が進めるでしょ。

 

 

「鰆の身がジューシーで何より皮のこのザクザク感!噛む度に旨味が湧き出てくる!」

 

「ただ炙っただけじゃこの歯応えは出ないわ。一体どうやって…」

 

「ポアレだ。この鰆、ポアレで焼き上げられている」

 

「ぽ!?」 「あ!?」 「れ!?」

 

 

一応言っておくと、順に悠姫、涼子、創真の順ね。

ってか創真は驚くなよ。自分で作ったやつなんだから。

 

 

「ってなんであんたも驚いてんのよ!?」

 

 

うん。悠姫ナイスツッコミ。グッジョブ。

 

 

「いや、ポアレって何かなって思って」

 

「ポアレって言うのは、フランス料理における素材の焼き方、ソテーの一種だよ。素材の上からオリーブ油等をかけて、均一に焼き色を付ける技法だね」

 

 

さっすが一色パイセン!はっくがく〜〜!はい皆、拍手〜〜〜!

 

 

「教えてくれるかな、創真君。何故、君がフランス料理の技法を知っているんだい」

 

「いや〜、この焼き方はうちの親父に習ったんですよ。魚をバリッと仕上げるのには持ってこいだってね」

 

「それじゃ、創真君のお父さんはフランス料理の修行でもしていたのかい?」

 

「いや〜、それが俺にもよくわかんなくて。あ、でも、色んな国で料理してたみたいだけど…」

 

 

なるほど。確かにポアレは皮に厚みがある素材に向いているしな。

国境無き料理って感じだな。このアレンジ力は素晴らしいもんだ。

あれ?慧のやつ泣いてないか?

 

 

「美しい…美しい雪解けだったよ、創真君!」

 

「先輩こそな。清々しい春風、確かに感じたぜ」

 

「いい勝負をありがとう!」

 

 

めっちゃキラキラしながら握手してるし。完全に二人の世界に入ったな、ありゃ。

あ、ご馳走様でした。美味しかったです。

手を合わせ合掌をし、電気を付けた。

皆も食べ終わったのか善二達を起こしにいく悠姫と涼子。俺はいつも通り片付けでもするか。

 

 

「それじゃ解散!」

 

「おう。お前らちゃんと歯磨けよ。虫歯になっても知らないからな」

 

「はーい。おやすみなさい」

 

 

悠姫の返事のあと、大吾&昭二、女子組の順に部屋を後にした。

さて、善二をベッドに運んでやるか。

 

 

 

 

 

 

皆が各自の部屋に戻った後、創真は包丁を研ぎ、俺は善二をベッドに寝かせ掛け布団を掛けてやり、慧はゴミ処理をしている。

 

 

「創真君、この歓迎会で晴れて君も極星寮の一員だ。わからないことがあれば何でも聞いてくれ」

 

「そうだな。答えられる範囲なら俺も答えよう」

 

 

慧と俺から改めて歓迎の言葉を贈る。

 

 

「それじゃあ、まずは…諸星先輩、あんたはどれ位凄いんだ?」

 

「う〜ん…どれ位と言われてもな…少なくとも君よりは凄いかな。一応、俺も十傑だし」

 

「………は?」

 

 

あらら。驚き過ぎて口開けて呆けちゃってるわ。

 

 

「まぁと言っても特別席っていう今年からのやつだからな。それに最近はあんまり自分の料理作ったりしてないから、今は何か作ったり出来ないぞ。材料もないし」

 

「…そうっすか。じゃあ次、十傑ってどうやれば入れるんすか?」

 

 

あの顔、納得はしてないな。いいね!その負けん気の強さ。ってかいきなりブッコんでくるから、二人して作業の手を止めちまったよ。

 

 

「そうだった。君はこの学校のてっぺんを取るんだったね。それほどの執念、何か理由でもあるのかな?」

 

「実は俺、ちょっとした親子喧嘩の最中で。うちの親父に認められるにはそんくらいやらないとダメなんで。さっきの対決は引き分けでしたけど、今先輩に勝ったら…俺が遠月で七番目になるの?」

 

「素晴らしい〜〜!素晴らしい向上心だ!創真君っ!僕は今、猛烈に感動している!極星寮に住まう学生はそうでなくてはいけない!」

 

「実に素晴らしい!最早ここまでとは!凄い!凄いぞ!創真!!」

 

 

慧と二人であまりの嬉しさに大はしゃぎをする。こんな嬉しいことがあるか!?俺達を喰ってやろうってやつが目の前にいる!しかも一年生!

いい!いいよ!!

あ、創真のやつかなり引いてる。

 

 

「…でも、今日の所はお預けだね。我々も休もう、創真君」

 

「そ、そっすね」

 

 

まぁこいつも後々わかるだろうな。てっぺんを取るっていう言葉の重みと、この学園では料理が全てということが。

 

 

 

 

 

 

翌朝、いつも通りに目を覚まし、着替えを済ませて食堂に向かう。

すると入り口で他のメンバーが固まっている。

 

 

「おはよう。皆して何してんだ?そんな所に突っ立って」

 

「あ、おはようございます先輩。それが幸平君が一色先輩に第七席をかけて勝負を挑んでて…」

 

「あぁ…なるほど。とりあえず関係ないやつは席に座って朝飯を待ってな」

 

「「「はーい(うーす)」」」

 

 

昨日お流れになったから再度挑戦を申し込んだと、そんなとこか。

んで、今は食戟についての説明をしていると。

あ、朝食来た。

 

 

「おーい、とりあえず飯来たから、食い終わってから説明してやれ」

 

 

二人はお互いを前にして座り創真の横におそらく補足説明でもしてくれるであろうふみ緒さん。

俺?俺はまた勝負吹っ掛けられても困るから反対側の端に座ってますが何か?

 

 

「元々この学園では、学生の揉め事解決の為に制定された制度がある。そこには幾つかの決め事があるんだ。創真君が、僕の第七席を欲して勝負を挑むなら、それに見合う対価を差し出さなければいけない」

 

「第七席に見合う対価?」

 

「七席に釣り合う条件となると…君の退学を賭けても足りないな」

 

「マジ?」

 

 

マジマジ。あ、茶柱立ってる。良いことあるかな?

 

 

「そう。十傑にはそれほどの価値がある。何てたって学校の最高意思決定機関だからね。十傑評議会が決定したことには講師陣だって逆らえない。かつてはこの寮から何人もの十傑を輩出したもんさ。まさしく極星の黄金時代!それに比べてあんたたちの情けないこと」

 

 

またふみ緒さんの自慢話が始まったか。もう一年の頃から聞いてて耳にタコができちまったよ。ほら、悠姫もちょっと呆れてるし。

 

 

「まぁそんなわけで、もし僕が了承すれば対戦は可能だが、もちろん僕は君が学園を去ることなんて望まない。結論、勝負は成り立たないという訳さ」

 

「マジか〜…今朝五時起きして気合い入れたのに」

 

 

頭を抱え悔しがる創真。五時起きお疲れちゃん。皆もちょっと呆れてるし。悠姫に至っては馬鹿呼ばわりしてるし。

 

 

「それにね、好き勝手にやれる訳でもないんだ。勝負に必要な物は三つある。一つ、正式な勝負であることを証明する認定員。一つ、奇数名の判定員。一つ、対戦者両名の勝負条件に関する合意。以上により初めて勝負が成立するんだ」

 

「へぇ〜…面倒臭いんだな」

 

 

そうなの。めちゃくちゃ面倒臭いの。だからやめよ?そうしよう?

あ、今は慧に挑んでる感じだから俺は関係ないや。とりあえず諦めてるっぽいけど。

 

 

「しかし、逆にいえば、その三つさえ揃えば、この学園の全てが勝負の対象に成りうる」

 

敵対するもの

これ全て

料理を以て

捩じ伏せるべし

 

「遠月伝統 料理勝負一騎打ち。その名も、食戟!」

 

 

慧がカッコイイ!これは写真に納めなければ!あ、カメラ部屋だ。携帯で撮っておこう。パシャリ。あ、そうだ。一応、俺のことも言っておかなきゃな。

 

 

「創真。因みに俺に挑んでも意味ないからな」

 

「なんでっすか?」

 

「特別席ってのは十傑評議会が決めた一人なんだ。だから、この席は賭けることができない。しかも、慧達みたいな十傑の権限とか権利は無いし、基本的には相談役とかそういったサポート系なわけ」

 

「なるほど。わかりました」

 

「わかればよろしい」

 

「つまりは普通の生徒と変わらないってことっすよね?」

 

「ああ、すまん。説明不足だったわ。確かにそうなんだが、俺には十傑評議会で決めきれなかったことを、総帥と相談して決める権利があるのよ」

 

「なんか面倒臭そうっすね」

 

「ああ面倒臭いぞ。食戟よりも面倒臭い。それに…」

 

 

嫌そうな顔をする創真。そんな創真を威圧するように見つめる。

 

 

「俺はこの仕事に誇りを持って仕事してる。十傑からの信頼に応えなきゃいけないんだよ。それと、お前とは積み重ねてきた修羅場が違うんだよ………あまり先輩を嘗めるなよ?」

 

「………」

 

 

全員が息をのむ。

おっと、いかんいかん。ちょっとやり過ぎたな。

 

 

「っとまぁそういうことだから。んじゃ、俺は仕事があるから先に行くよ。ふみ緒さん、ご馳走様でした」

 

 

場の沈黙を吹き飛ばすように微笑みながら食器を持って去る。

本当に面白い後輩だ。

これからが楽しみだな。

 

 

 

 

 

胸中で昂る気持ちを抑えるように、自転車を思いきり漕ぎながら仕事部屋へ向かった。




これでなんとか絡ませられるけど、原作を細かく追っていっても意味がないので、カットする部分は大幅にすると思います。ご了承下さい。

たくさんのお気に入りありがとうございます!
感想や評価もいただけれると励みになります。


それでは!
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