リンは今綴の家で朝ご飯を作っていた。綴と再開したその日から毎日朝ご飯を作るのがリンの日課になっていた。
「そろそろか?」
リンは時計を見て綴が起きて来ると思いコーヒーを入れはじめる。そうすると足音が聞こえ寝起きの綴が起きて来た。
「…おはよう…リン」
寝起きの綴はまだ目が覚めてないのか、ふらふらしながら挨拶をしている。相変わらずな姿にリンは少し笑いながら挨拶を返す。
「おはよう綴。ご飯できたから顔を洗っておいで」
「…わかったぁ…」
ふらふらしながら綴が顔を洗いに行ってる間にリンは残りの料理を作り始める。今日はトーストとスクランブルエッグ、スープと比較的軽めに物を作っていた。リンは料理を作り終わり、椅子に座りながら朝のニュースを見ていると目が覚めたがいつものだるそうな綴が帰ってきた。
「目が覚めたか綴。それじゃあご飯食べようか。」
「おかげさまでなぁー…。それじゃいただきます」
これがリンと綴の朝の風景だった。
ご飯を食べ終わった綴とリンはまだ時間があるため、話をしていた。
「今日は帰り遅くなるのか?」
「そうだなぁ。私も教師だからなぁ。めんどくさいけど、授業はみないとなぁー…」
「自分で言うあたり綴らしいな」
リンは綴の言葉を聞き苦笑いだった。教師に向いてないなと心で思いながらも口には出さない。出したらリンは命があぶないのを理解しているからだ。
「それはそうと、リンはいつまで実力を誤魔化してるつもだぁ?」
その言葉を聞きリンは顔をしかめていた。
綴はそれがずっと気になっていたのだろう。リンは武偵高で浮いていて、綴は心配していたのだ。ぎりぎりランクDと、周りから落ちこぼれと言われているリンを見ていられなかった。この間もリンの悪口を言っていたやつがいたため、我慢できず、綴はそいつを精神的に追い詰め恐怖を与えていたほどだ。
「それはだな…」
リンは困ったような顔で言葉をつむげなかった。そんな顔を見た綴はため息をはき答えた。
「別にリンがそのままでいいなら別にいいよ。ただ私が落ちこぼれと言われるリンを見たくないだけだからなぁー…」
そう言った綴の様子は子供を心配する母か姉の
ようだった。そんな心配する綴の姿を見たリンは、言葉を紡いだ。
「心配かけてごめんな。今日から頑張るから」
「いいのかぁー…?何か理由があったんだろ?」
綴が質問するのも仕方がない。リンは一切無駄な事はしない。力を隠すには何か理由があると考えていた。そんなリンがあっさりと力を出すと言ったのだ。
「まぁ、あったんだけどな。もう隠す意味もあまりない、それに綴を心配させたくないからな」
そう当たり前のように言うリンに綴は顔が赤くなり顔を逸らした。
「い…いきなりは卑怯だ…」
そう、小声で吐き、しばらく綴はリンの顔が見れなかった。
そんな綴を見ながらリンはこれからの事を考えていた。リンが急に指輪を外そうと思ったのは、綴を心配させたくないとゆう理由もあったが、もう一つあるのだ。
ミハイルから貰った情報で色々な事が分かったのだ。敵の幹部、名をXIII機関と言い、13人もの幹部がいる事が分かり、 その組織の目的も少しだけ書いてあった。表向きには化物を退治する正義を名乗ってはいるが、その実態は悪魔や吸血鬼、鬼、などを捉え、色々実験をし、血を取り込み、自分を強化したりと何かの目的があるらしいのだ。
そんなミハイルから貰った情報を見たが、大々的な作戦会議があり、後2ヶ月は大丈夫だと、書いてあり、2ヶ月後には、幹部二人が何の目的か分からないが、日本に来るのだ。力を今更隠した所でリンにはもう意味がないのだ。
「そろそろ時間だから行こうか」
「そ…そうだな」
そう言い、リンと綴は家を出た。
そうして家を出たリンはこの日、1年前に出会った琥珀色の目をした少女と再会する。
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武偵に着いたリンは装備化に来ていた。
「こんにちは。頼んどいたいつものやつと強襲科の練習用の弾ありますか?」
「リン君!久し振りなのだ!頼まれた物は用意しといたのだ!」
この特徴的な喋り方をしているのは平賀文と言い機械工作の天才と呼ばれている人物でリンの数少ない友達の一人なのだ。
「ありがとう。報酬はここに置いとくから」
そう言ってリンは平賀の頭を撫でる。
「にゃは~やっぱりリン君に頭撫でられるのは気持ちいいのだ!」
リンは武偵高に来て1ヶ月経つが、その時にリンは特別な銃を使っているため、装備化で見て貰おうと思い出会ったのが平賀だった。あまりにも無邪気だったので、頭を撫でたら気にいられた。だからこうして会いに来ると頭を撫でるのはリンの日課になっていた。
「そろそろ行くよ。いつもお世話になってるから報酬は多めに入れといたよ」
「ありがとう。また来て欲しいのだ!」
充分に癒やされたリンは後ろを振り向かず手を振りながら部屋を後にした。
昼休み、いつも通り屋上でご飯を食べようと思い、ドアを開けたら先客がいた。
風に靡く綺麗な緑色の髪、ヘッドホンを頭に着け、空を眺めるその後ろ姿は、とても絵になっており。リンは一瞬、見惚れると同時に既知感を感じていた。
「レ…レキなのか?」
そう呼ばれた少女はリンの方に振り向き、その綺麗な琥珀色の目があらわになる。
「…おひさしぶりです…リンさん」
「まさかまたレキと会えるなんて思ってなかったよ…。一年振りかな?元気にしてたか?」
「はい…」
相変わらずの抑揚のない声にリンは苦笑いだった。
「あの時は世話になったな。おかげで今を生きていられるよ」
「こちらこそ命を救って貰いました」
「まぁ、あれはたまたまだよ」
「それでも感謝します」
一年前、レキがやられそうな所をリンが庇い助けて、その後、幹部と戦い怪我を負って動けなくなったリンを介護してくれたのがレキだった。その後、色々あり数ヶ月間行動を共にし、リンはレキを信頼していた。
「あ…あぁ。どう致しまして」
リンはレキに感謝され照れくさそうに髪を掻き、レキは相変わらず無表情でリンの顔を見つめていた。
「それより、どうしてここに?」
リンがそう思うのも、いつもは屋上に人がいなく、静かに食べれるため愛用しているリンだが、今日はレキがいたのだ。
「風が教えてくれました。ここに入れば懐かしい人に会えると」
「相変わらずすごいな…」
レキの風はほぼ当たるのだ。百発百中と行っても過言ではない。リンはそう考えていると昼休みが終わる時間が来ていた。
「そろそろ昼休みが終わるな。今日レキと会えて本当に嬉しかったよ。これからよろしくな」
そう言ったリンはレキの頭を軽く撫でて、教室に戻ろうとした時、ふいに裾を握られ、レキの顔を見る。
「……リンさんに会えてわたしも嬉しかったです」
そう言ったレキは横に置いてあったドラグノフを担ぎ上げ、スタスタと屋上を後にした。
リンはしばらく呆然としていたが、次第に笑顔になり、レキに続き屋上を後にした。
この日を境にすべてが出揃い物語が始まる。彼等が紡ぐ物語に未来はあるのか。
今回は短いです。いつもの半分しかありません。