「ついにこの日が来たか」
とあるビルの屋上にリンはいた。二ヶ月が経ち、今日から何かが始まる予感をリンは感じていた。ミハイルの情報によれば今日から神の教団が動き出すのだ。世界規模の相手にリンはこれから戦う事になる。普通の人ならば逃げ出してもおかしくない状況なのにリンは恐怖など感じていなかった。むしろその組織を潰してやると意気込んでいた。あの時、命をかけてまでもリンに情報をくれたミハイルとの約束を守るために、リンの大切な人達を守るために、リンは自ら戦場に飛び込む。
「守って見せる...俺の命にかえても」
そう決意しリンは屋上を後にする。空には朝を迎える太陽が屋上を照らしていた。
屋上から帰ったリンは寮に帰り、寝ているキンジの朝食とお昼の弁当を作り、リンは歩いて武偵高に向かっていた。
「さすがに朝から行動は起こさないか」
不審な所がないかリンは調べていた。敵も朝から行動は起こさないとリンが思った瞬間、リンの隣をもうスピードで抜いていった自転車に乗ったキンジとその後ろを追いかけるセグウェイがが目に入った。
「キンジか!? なんであんな物に追いかけられてる!」
リンは驚愕したが、キンジを助ける為に追いかけた。
武偵高のグラウンドにリンがキンジに追いついた頃には、少女がパラグライダーで降りながら銃を持ち、セグウェイを破壊しキンジを救い出していた。
「強いな。あの少女」
遠目から見てもあの少女の実力の高さが分かった。あのパラグライダーからの二丁拳銃の水平打ちもさることながら、一発も外さない射撃の腕。どれもが一流だった。
そんな少女とキンジが自転車の爆発に巻き込まれたのか、体育倉庫に突っ込んでいった。
「やばいな…」
その後に何台もセグウェイが追いかけるのを見たリンは急いで体育倉庫に向かう。
着いたリンは、何台ものセグウェイをベレッタで完璧に破壊するキンジが目に入った。
「キンジ…お前…なったのか?」
「あぁ...リンか...か弱い少女を守るためさ」
「そ…そうか…」
リンは相変わらずこの歯がゆいような台詞を吐くキンジに慣れず、顔が引きつっていた。
「何勝手に喋ってるのよ!それでさっきの件をうやむやにしようったって誤魔化されないんだから!」
「…お前何かしたのか?」
助けられた少女が怒鳴りつけてるため、キンジが何かしたのかとリンは疑問に思い聞いた。
「何もしてないさ。ただ丁寧に扱っただけさ」
「う、嘘よ、ふ、服脱がそうとして、む、胸見てたんだからぁ!」
そう言った少女の言葉を聞いてリンは冷たい目でキンジを見ていた。
「…へぇ、丁寧に扱った結果がそれなのか…」
「ご、誤解さ。冷静に考えよう。俺は高校生、流石に小学生を脱がしたりするわけないだろう?」
いくらヒステリアスモードのキンジでもリンの冷たい目には、堪えたのか、一瞬戸惑ったがすぐに弁解していた。
「あたしは高2よ!」
そう言い少女はキンジと争い始めたため、リンは
セグウェイを調べていた。
「手がかりはないか…教団は…ないな。武偵殺しが一番か」
ニュースで捕まったと聞いていたリンだが、武偵を爆弾で狙う武偵殺しが一番可能性が高かった。
「リンさっさと行くぞ」
「もう終わったのか。分かった」
リンはキンジの言葉を聞き、少女の方を見て体育倉庫を後にした。
「ぜったい許さないんだからぁ!」
体育倉庫からは少女の叫びが聞こえていた。
「またなってしまった…」
「大丈夫かキンジ?あんまり気にするなよ。お前は一人の人を助けたんだから」
キンジはヒステリアスモードの時の事を覚えているため、教えて貰ったリンはできるかぎりフォローしていた。
「リンにそう言って貰えると助かるよ」
ある程度気を取り直したキンジを見てリンは安心していた。
「先生、あたし、あいつの隣に座りたい」
そう言ったのは先程の少女でピンクの髪と赤い目、容姿も整っていた。そんな少女、アリアがキンジの横を指名し、挙げ句の果てにはベルトまで投げてしまったため、リンは頭を抑えた。
「これ理子わかちゃったかも。フラグばっきばきにだね!」
そう言ってありもしない事を言いそうな理子をリンは止めようとしたが、間に合わなかった。
「今朝、キーくんは彼女の前でベルトを取るような何らかの行為をした!つまり2人は熱い熱い恋人なんだよ!」
バカ推理をした理子を皆は賛同するように騒ぎ出した。
「朝からお盛んな事だな」「フケツ!」「いつのまにこんな可愛い子を!」
そんな事で盛り上がって連中をリンは静めようとした所でニ発の銃声がなり、クラスが凍った。その先には顔を真っ赤にしたアリアがいた。
「れ、恋愛なんて…下らない」
そう言ったアリアの手には二丁拳銃があり、空薬莢が床に落ち、音が鳴り響く。理子はすぐさま敬礼をし、自分の席に着いていた。
「全員覚えておきなさい!そういうバカなことを言うヤツには…風穴空けるわよ!」
リンはまた変なやつが来たと思っていた。
昼休み、リンは屋上で昼食を取っていた。キンジは今日来たアリアに追いかけられていたため、今日は1人の食事だった。
「久しぶりだな。1人の食事も」
リンはこの2ヶ月ほとんど誰かと一瞬に食事していた。理子、キンジ、綴、だから久しぶりの1人の食事は少しだけ寂しく味気なかった。
「こんにちはリンさん」
いつの間にかレキが横にいたためリンは驚いた。
「こんにちはレキ。元気か?」
「はい。いつも通りです」
「そっか。それは良かった」
相変わらずレキといると 落ち着くとリンは思った。レキはあまり喋らないが、それでも気まずくなく、一緒にいて心地いいのだ。そんな心地良さに浸っているとレキから声がかかる。
「リンさんこれから何か良くない風が吹いています。何か知ってますか?」
「いや、別に何も知らないさ」
咄嗟にそう言い顔を逸らしたリンだが内心驚いていた。相変わらずの風の声の精確さに関心してしまう。
「本当ですか?」
そう言ったレキはリンの顔を両手で挟み視線を合わせる。その顔はいつもと変わらない無表情なのだが、心配しているように少しだけ感じた。
リンは息を吐き出し、答える。
「俺は大丈夫だから..信じて」
レキの綺麗な髪を撫で微笑むリン、自分を心配してくれるレキにリンは嬉しかった。
「分かりましたリンさんを信じます。そのかわりあの時も言いましたが、あのような事はもうしないで下さい」
「あぁ...約束だ。あんな事はなるべくしない」
小指を突き出し、リンとレキは小指を絡め指切りをした。
その後しばらく無言だったがリンからレキに話かけた。
「相変わらずレキは鋭いな」
「リンさんの事なら分かります」
あの時、レキと共に行動していたため、リンがレキの事を分かっているように、レキもリンの事を分かっているのだ。
「そう言われると嬉しいな」
レキの言葉には嘘偽りなくすべてが本心なため、心に入って来るのだ。
「それではリンさん。昼休みが終わるのでこの辺で失礼します」
「あぁ、ちょっとまって」
「はい」
言われた通りレキはその場で止まり、リンはその隙にレキの首に琥珀色のネックレスを着ける。
「これは俺が作った御守りだから、嫌じゃなかったらつけといてくれ」
リンはそう言い再びポンポンと頭を撫で屋上を後にした。
レキは自分に着けられた御守りのネックレスを見ていた。
「琥珀色…」
自分と同じ目の色でとても綺麗な物だった。何故彼は自分にこんな事をしてくれるのだろうと思う。あの時だってそうだリンは自分をかえりみず、私を助けてくれた。自分にこんな事をする理由は分からないが、今度は私がリンさんを助ける。
そう決意を固めながら、レキはネックレスを宝物のように大事に握りしめていた。その時、レキは自分では気づいていないが、かすかに微笑んでいた。
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昼休みが終わり、レキと別れたリンは強襲科の授業に出ていた。今日もいつも通り不知火と組もうと思っていたリンだが、声をかけられた。
「おいリン」
リンに声をかけてきたのはリンが実力を出す前からリンに嫌がらせをしてきたやつらだった。リーダーの桜井を含め4人ともAランクの実力を持っているが、Aランクでも下の方だ。実力を見せリンがAランクになってからおとなしくなったと思ったが、突っかかって来たのだ。
「何かようか?ようがないなら行くぞ」
「最近調子にのってんなよ。雑魚のお前なんて俺の相手じゃないんだよ!放課後試合をしようじゃないか。皆の前で恥をさらしてやるよ!」
「おい、よさな…」
不知火が桜井を止めようとした所でリンが手を出し不知火を止めた。
「分かった。用件はそれだけか?それと言って置くがお前だけじゃなく、4人でかかって来ればいい。それじゃないと試合にならない」
「今の言葉後悔するなよ!覚悟しておけ!」
そう言った桜井含めた4人はリンから離れていき、周りの生徒達は気まずそうにリン達を遠目から見ていた。離れていった4人を見て不知火はリンに声をかけた。
「いいのかい?あんな挑戦を受けて?まがりなりにも4人ともAランクだよ?それに放課後って事は皆を集めて見せ付けるんじゃないかな?」
「別にかまわない。いつまでもうざかったからな。死の恐怖を与えてやるさ」
「フフ。相変わらずリンは面白いね」
不知火は相変わらずのリンに思わず笑っていた。
「なんで面白いか分からないが、4人共、不知火に比べれば全然弱いさ」
「嬉しい事をいってくれるね。放課後期待しているよ」
不知火は放課後が楽しみだった。リンが負けるとは微塵も思っていなく、むしろ相手に同情していた。リンに喧嘩を売ったのだ、骨の1、2本は覚悟しといた方がいいだろう。
「あんた、喧嘩うられて大丈夫なの?」
「あぁ...アリアか、別にかまわない。いい加減うざかったからな。丁度いい位だ」
そう言いリンは強襲科から去って行く。それを見たアリアは疑問だった。
「なんであいつあんなに余裕そうなの?」
アリアはおもわずそう声を出していた。いくらAランクの下の方だといっても4人もいるのだ。簡単じゃなく、むしろかなり難しいはずなのに、リン散歩行く程度の事しか思ってなさそうなのだ。
「まぁ、リンだからね、不思議な事じゃないさ。気になるなら放課後見てみたら?」
「えぇ、そうするわ」
そうこう言ってる間に強襲科の授業は終わっていた。
放課後、リンは強襲科の体育館にきていた。体育館といっても武偵を育てるだけあって戦闘訓練場で闘技場と呼ばれおり、スケート場みたいな楕円形のフィールドに大勢の人達がいた。この体育館は防弾ガラスが張ってあるが、外の声も少しは聞こえ、中にはマイクがあり、外に聞こえるのだ。そんな場所のすべての席が人で埋まっており、盛り上がっていた。その中には、先生や2年や3年といった面子があり、周りを見回すと綴やレキ、理子やキンジ、不知火、武藤、平賀先輩などリンの知り合いは一つにあつまって座っていた。それを見たリンの顔は引きつっていた。
「どうゆうことだ?」
リンが疑問に思っていると最初からいたのか、4人がすでに目の前にいた。
「お前の恥をかくところをみんなに見てもらおうと思ってな。そうしたら賭けをしだしてな。ほとんどの人が俺達にかけたさ。みんなお前の無様な姿が見たいんだろうな!それよりちゃんとC装備で来いと言ったよな?」
強襲科のカリキュラムで実弾.実銃を使う試合形式があるのだ。それにはちゃんとC装備でなければならないが、リンは紅いコートをきていた。
「これでいい。ちゃんと蘭豹から許可は取った」
「あぁ..許可したわぁ。殺しても何も文句はないんやと」
蘭豹は上のマイクがある部屋で堂々と座りながら酒を飲んでいた。その背には何本もの大きい刀が背負われていた。普通の人ならばあれを持ってるだけで動けなくなるだろう。それぐらい重いはずだ。そうリンは思いつつキンジ達に手話でメッセージを伝えていた。
「じゃあいつでも試合始めても大丈夫やでぇーはよ殺しあえや」
「ハッ!まさか自殺志願者だとはな。やっとお前を恥をかかせられる」「雑魚がしゃしゃんなよ!」「俺達のチームに死角はない」「俺達をなめんなよ」
「御託はいいからかかって来い」
そう、リンが言った瞬間銃弾がリンに集中砲火した。それを横に避けたリンは瞬時に状況を把握した。刀を持った青木と小太刀を右手に持ち左手に銃を持ったリーダーの桜井が左右から襲い掛かっていた。リンは自ら、刀を持った青木に接近する。そうすることで後ろにいる敵は味方が射線上にいるため邪魔で銃を撃てなくなった。刀を持った青木は刀を上に振りかぶり一閃するがリンはそれを受け流し、蹴りを担おうとしたが、危険を感じすぐさまバク転し後ろに後退する。リンがさっきいた場所には小太刀が振るわれたであろう桜井がいた。
「そう簡単にはやらせてくれないか…」
リンはいったん立て直すためにバックステップで後退しようとしたが、その途中で桜井が笑うのが分かった。
「なぁ?!」
リンが下がった時、地面に何かしてあったのか陥没し右足がはまり、リンはバランスをくずしていた。それを敵は分かっていたようにすぐ行動を起こしていた。リンはバランスを崩しながらも後方の銃を持つ敵に銃で牽制し、右から来る青木の刀を避けようとしたが、避けきれず浅く斬られ、左の桜井の小太刀を左の銃でいなしたが、がら空きになった所を回し蹴りでモロに食らい吹っ飛んだ。
「グハッ」
リンはすぐさま体制を立て直したが、それを見ていた観客は盛り上がっていた。皆が相手チームを応援してるのか、声援コールが聞こえてきた。リンは思わず顔をしかめた。
「不慮な事故でも起きたか?」
そう言った桜井はニタニタ笑っており、さっきの確信犯でもあった。
「何故ここまで俺に関わる?」
そう言ったリンを嘲笑うかのように桜井は答えた。
「きにくわないんだよ。お前のそのすかした顔が!雑魚がいきがってる感じがしてよ!見てるだけでイライラすんだよ!」
そう言ってももの足りないのか、今度は急に笑い出す。
「ハハハ。それにな、お前はずいぶんとあの綴先生と仲がいいらしいな。Aランクになれたのも綴のコネだろ?ずいぶんとお前に甘いんだな。職務乱用とはこのことだな!それにお前あのロボットレキとも仲がいいらしいな。嫌われ者同士が集まって傷でもなめあってるのか?」
そう言って笑う桜井に同調するように観客からも『そうだ』『そうだ』と盛り上がっていたが、その場にいた全員が急に静かになり会場が凍った。リンが放つ殺気に誰もが声を失っていた。
一方で試合を見ていたキンジ達は驚いていた。対面してなくても分かるぐらいリンの強烈な殺気がここまで伝わってくるのだ。最初はリンの手話で自分に50万かけろ、それで勝った金で高級レストランと余裕淡々と言ってたリンが、今じゃ相手を殺すつもりなのだ。
「あれはやばいなぁーあんなリンは初めて見たよ」
「あれが…リンリン…?」
そう言った理子と綴はいつもと一緒な口調ながら冷や汗をかいていた。キンジや不知火、平賀先輩も同様なのか、リンを見ていた。ただ一人レキだけは違っていた。
「あれを見るのはこれで二度目です…」
「あれを見たことがあるのか?」
キンジが皆の思ってた事を代弁した。
「内容は言えませんが、1年ほど前に一緒に行動したときです」
「あのリン君は怖いのだ…」
平賀は震えていた。いつものリンに戻って欲しいと願いながら。
「レキレキ...あのリンをどうにかする方法あるの?」
「ないですね…ああなったリンさんは止められません」
そう言ったレキは心配するようにリンを見つめていた。
「お…おいリンが動くぞ」
そう言ったキンジに皆がリンに視線を戻す。
顔をゆっくり上げたリンは紅の目を輝かせ、殺気がまた増していた。
「俺はな…自分がばかにされようが、殴られようがどうでもいい。だがな…俺の大切なレキと綴を馬鹿にしたんだ…許せるはずがない!!!死ぬ覚悟はできてるだろうな?まずはお前らに死の恐怖を与えてやるよ!その後でさっき桜井と同様、賛同し笑ったやつも俺が断罪してやるよ!!!」
そう言ったリンを馬鹿に出来る人などいなかった。冗談でもなく、本当にやると物語ってるのだ。
それを聞いていたキンジ達はどこまで怒ろうがリンはリンなんだと実感した。リンは自分の大切な人を馬鹿にされたから怒っているのだ。それを聞いたレキと綴はこんなに自分はリンに大切だと思われてる事に嬉しさもあったが、こんなリンを見たくないとも思っていた。
桜井は目の前の人間に恐怖を感じていたが、まだ4人いるんだと奮いたたせ声を張り上げる。
「うっうるせぇ!まだこっちは、よ…」
4人と言おうとした所で自分の斜め前にいた青木が吹き飛ばされ防弾ガラスにたたきつけられていた。
「どうした?この程度か?」
そう問いかけるリンはまさに強者だった。
「な…なにが起こった?!ふざけるな!ふざけるな!こんなの認められるか!」
桜井は残りの二人と一緒に銃を撃ったが、さっきみたいに消えたと思ったらまた一人吹き飛ばされていた。
「な…なにがどうなってやがる!」
「ただ早く動いて至近距離で何発もの銃弾を浴びせただけだ…」
それを聞いてもう一人のやつが恐怖に耐え切れなく逃げようとしていた。
「嫌だ…死にたくない!」
逃げようとするやつをリンが見逃すはずがなく、膝蹴りで腹を強打し、くの字に曲がった敵に思いっきりぶん殴り吹き飛ばした。
「…後はお前だけだな…楽に死ねると思うなよ。あいつらは骨の1.2本で済ませたがお前には死をくれてやる」
そういいリンはゆっくりと桜井に近づく。
「嘘だ、嘘だ、嘘だぁぁ」
桜井は錯乱して銃を乱れ撃つがそんなものは当たらず、ついに桜井の目の前にたどり着きリンは銃を構える。
「こ…降参だ…二度と言わないから、ゆ、許してくれ」
そんな桜井の姿を見たリンは何も言わず背を向け立ち去ろうとした。
「ハハハ、しねぇ!」
小太刀を背中からリンに突き刺そうとしたが、リンはすぐに反応し、手のひらで貫通し受け止めた、血を流しながらもがっしりと小太刀ごと桜井の手を掴んでいた。
「ば、化物!」
そう言い銃弾を2発浴びせるが、その後、『カチ』『カチ』と弾がなくなった音がなり、それでもリンはびくともせず、ただ桜井を睨みつけていた。
「紅い...し…死神…」
桜井にはもうリンが人には見えず、もはや人の命を狩る死神にしか見えなかった。
「クズが。銃技-しにが」
そう言いリンは桜井を前に突き飛ばす、その突き飛ばされた桜井に向かってリンは右手の銃に魔力をまとわせ体を回転させながら跳びそのまま遠心力を利用し、たたきつけようとしたが、自分を心配そうに見る仲間達が目に入り魔力をかきけし、技を中断させ銃だけで桜井を叩きつけた。
それでも威力は絶大だったのか、ものすごい音が鳴り響き、防弾ガラスに桜井が叩きつけられた。
誰もが声を発せられなかった。あれは人なのかと観客の誰もが思っただろう。手のひらに小太刀が貫通し、銃で撃たれて血が出ようが動じず、紅の目で睨みつけていたリンを見て誰もが死神を連想をした。まるで死神に心臓を掴まされている感じだった。
「まだレキと綴を馬鹿にするやつは出て来い。俺が断罪してやる」
それを聞いた観客達は誰も言葉を発さない。それを見たリンは二丁の銃をしまいコートを靡かせ血を流しながら闘技場を去った。
それを見ていたキンジ達は追いかけようとしたが、レキと綴に止められた。
「今はやめといたほうがいい」
「あの時のリンさんもそうでしたが、今はそっとしておくのが一番でしょう」
その二人の言葉に同意し、さっきのリンの動きについて不知火が聞きたかった事を皆に聞いた。
「さっきのリンが動き出した時の動きが見えたかい?」
「理子はかろうじで見えたよ」
「あれはなんだったんだ?」
皆あれが疑問に感じていた、あまりにも動きが早かったのだ。
「あれは足になにか纏ってたなぁーそれでおそらくスピードを上げたんやろ。それにあの歩き方に秘密がありそうやな。それにしても梅子あんな強い子やったんなら紹介してくれて良かったやん。あいつとの戦闘は楽しそうやでぇー」
蘭豹はいつの間にか、会話にまじり、久しぶりに見た強者に興奮していた。
「らんらん。私もあのリンは始めて見たんだよ」
綴もあんなリンは初めてみて、何より悲しかった。会場を出てくリンの背中は泣いているように見えていた。
「最後の方も右手の銃に何か纏ってなにかしようとしてたらしいけど途中で止めてたでそれなのにあの威力やぁ。救護科に運び込まれた桜井は全身ほとんどヒビがはいっとる報告がきたで、戦ったら4・6いや3・7で私が勝つけど、まだ何か隠してそうやったな」
その威力にも皆が驚いていたが、蘭豹にそう言わせるリンにもっと驚いていた。綴はリンが気に事を気にしていた
「まあ私はそろそろリンを迎えに行くよ。後は頼むなぁーらんらん」
そう言い綴はこの場所を後にする。
「私もいきます」
「俺もだな」
「理子も行くんだぞー」
「私も行くのだ!」
「しゃあねえな」
「もとからいくつもりでしたけどね」
皆リンを探すために綴の後に続いた。
体育館をでたリンは後悔していた。
「やってしまった。自分の大切な人を馬鹿にされるとどうしても抑えきれないな…」
リンは頭を悩ませていると声をかけられた。
「アンタここにいたのね!さっきの試合すごいじゃない!あたしの奴隷になりなさい!」
リンは頭がいたくなった。アリアがいきなり奴隷宣言をしたのだ。
「浮気は駄目だぞ。お前のパートナーはキンジだろうに。それに俺が怖くないのか?」
「たしかに怖かったけど、大切な人を馬鹿にされれば誰だって怒るわよ。そ、それに、う、浮気なんかじゃないわ!キンジとは、そ、そうゆう関係じゃないんだから!」
そう顔を赤くして言ったアリアを見てリンは少し心が軽くなった気がした。
「ありがとう。パートナーは組めないが、困った時があったら助けてやろう」
アリアはしばらく考えていたが、答えを出した。
「んーそうね。そこまでしてくれるなら納得するわ。そのかわり困った時があったらしっかり助けなさいよ!」
「あーはいはい。分かった分かった」
そう言いリンは学校を後にし、今日は帰らないとメールを打ち、リンは今日は隠れ家に行く事にした。次の日皆にかんかんに怒られる事はこの時はまだ気づけなかった。
今日はいつもより投稿が遅かったですが頑張っていつもの約2倍の9000文字書きました。原作に沿って書くのがオリジナル書くより難しい…後半のオリジナルの方が手が進んでいた…
すいません…結局、原作初日しかまだ経ってない…それにキャラがいっぱいいすぎて深くかけなかった…。武藤なんて一言だけ…
まぁ気を取り直してこれからも頑張ります。