今日も恭介君のお見舞いに行く。私は、週に二回バイオリン教室に通っているが、恭介君には毎日会いたいと思っている。
バイオリンのお稽古もちゃんとやるし、恭介君にも会いに行く。
恋する私には、どっちも大事な事だから。
――――――――――――――――見滝原国際病院――――――――――――――――
恭介君の病室へ入ろうとしたら、すれ違った女の子に呼び止められた。
「貴方も恭介のお見舞い?」
「あ、うん」
「恭介、今診察の予定がくり上がって、リハビリ室にいるって、看護師さん達が言ってた」
「そうなの。教えてくれてありがとう」
私は、この時知らなかった。
この女の子が誰なのか―――――――――――。
~~数日後~~
――――――――――――――――バイオリン教室―――――――――――――――
「音葉さん、とても上達していますね」
教室の先生が嬉しそうに言った。
「発表会までこの調子で頑張ってくださいね。音葉さんは才能があるのですからね」
才能。恭介君にも才能があった。あったのに怪我のせいでバイオリンを弾けなくなったんだ・・・。
それなのに私は、呑気にバイオリニストを目指してる――――――――。
――――――――――――――――見滝原国際病院―――――――――――――――
恭介君のお見舞いに行く前に、私は、家に戻ってバイオリンケースを置いてきた。
何故わざわざそんなことをしたのかというと、恭介君を悲しませたくなかったから。
恭介君がバイオリンを弾けたころを、思い出せたくなかったから。
「今日もさやかさんは来たの?」
「うん、まあね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私は、この前から気になっていた事を聞いてみた。
「ねえ、もしかしたらだけど、恭介君はさやかさんのことが好きなの?」
「何故、いつもいつも弾けもしない曲を聴かせる人を好きにならなきゃいけないんだい?」
「えっ?」
この瞬間だった。恭介君は叫びだした。
「もう、僕は演奏できないんだ! それなのに、それなのに・・・・・・・・・・。
音葉だって、何で腕は治らないのに折鶴なんてプレゼントして来たんだ! 嫌がらせのつもりかい?」
そんな・・・。
恭介君の為だとおもったのに・・・・・・。
私、あの時悪いことしちゃったの?
「恭介君、ごめんね・・・」