日常
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「うん。だいぶ、上達してきたわね」
「ほんと!? 母さん!」
「でも、まだ俺には勝てまい」
「恭ちゃんに敵う人っているのかな? もちろん、
「あら、私だって時々ひやっとするときあるわよ?」
「そうなの!?」
「年のせいかしらねぇ。
「
「コラッ、まだ体が出来上がってないんだから、そんなホイホイ使うものじゃないわよ」
恭也はしゅんと肩をしぼめた。
「はい」
むしろ、その年で習得してるなんてね。奥義じゃなかったのかしら?と首をかしげてしまいそうだ。それだけ二人の能力値は高いのだ。
パタパタと足音が外から聞こえる。
カラっと戸が開き、なのはが顔を出す。
「
「はーい」
「では、今日の朝
「「ありがとうございました」」
「相変わらず、いい匂いね」
「ありがとう。美沙斗さん」
「これを運べばいいの?」
「ええ、お願い」
手を洗い、キッチンに来た美沙斗はダイニングに並べられたお皿をテーブルに並ばせる。
「いつも、ごめんなさいね。私がもう少し料理がうまかったら・・・」
「あら、誰でも得て不得手はあるわよ」
謝る美沙斗に
「でも、美由希まで下手だと血のせいなのかしらって思っちゃうのよねぇ」
「母さん、ひどい!!」
ちょうどシャワーから戻ってきたところで、それが聞こえ、美由希はショックを受けた。
「ほら、美由希。リボンが曲がってるわ」
「あ、ありがとう」
「美沙斗は妙なところで不器用だからなぁ」
美沙斗は口を尖らせた。
「……兄さんは何しても、器用にこなすものね」
「いや、俺にだって苦手なものだってあるぞ?」
「へぇ、何かしら? 記憶をたどっても、不器用な兄さんって見たことないんだけど」
「ほら、剣術とか」
「……それと、これとは話が違うと思うわ」
剣術と言われ、死んだ夫の顔が脳裏をかすめた。ライバルのように、時には兄弟のように過ごした日々。誰も覚えていない夫を、私だけおぼろげに覚えていられるのは
「なのは、ちゃんとお弁当持った?」
「持ったよ」
「いってらっしゃい」
「いってきまーす」
「美由希、帰りにスーパーに寄って買い物お願いね」
「はーい。行ってきまーす」
美沙斗はなのはと一緒にバス停まで送り、美由希と恭也は自転車で高校へ。桃子と士郎は家事をした後、店に行く。高町家の日常だ。
美沙斗となのははバスが来るまで雑談をしていた。
「いってらっしゃい、なのは」
「いってきます。美沙斗さん!」
なのははバスに乗り込むと、アリサとすずかはバスの最後尾に隣同士に座っていた。
「おはよう、なのは」
「おはよう、なのはちゃん」
「おはよう、アリサちゃん、すずかちゃん」
アリサは席を少しずらし、二人の間を開けた。
なのははそこに座るとバスの中から窓に向けて手を振る。外で見送る美沙斗に気づき二人も手を振った。
ウザいほど絡んでくる男子生徒がいる学校に着くまで、気の休まる時間に三人は雑談を始めた。