「なんだこれ……力が抜ける」
「……くっそ、ここで終わりかよ」
二人の瞳から光が消え、音もなく炎上する。誰一人として気付くことなく存在そのものが消えていくのだ。
炎となった“存在の力”は人形の口の中へと吸い込まれていった。
「ふぅ。 もう、おなかいっぱい」
ぺろりと舌なめずりをして、腹をさすった。得たばかりの“存在の力”を使い、腕を生やし再生する。
「かんぜん、ふっかーーーつ!!!」
ギャハハハハ
甲高い笑い声が響く。
それを美沙斗は絶望し唖然と、眺めていた。
しかし、美沙斗は幸運だった。
たった二人の“存在の力”で、餓鬼ともいえる“
だが、美沙斗はそんな事情を知らない。
「ん? んんんんん?」
へたりこんだ美沙斗に“
「まだ、残ってるぅぅぅ。封絶の中で動けるなんてぇぇぇ。そうだ! ご主人様に持って帰ろうぉぉぉおおお」
“
助けは来ない。攻撃も効かない。なら……逃げるしかない。
何をしているの! 美沙斗! 逃げるのよ!
美沙斗は恐怖に支配され動かない体に
「まてぇぇぇぇ」
新しいおもちゃを見つけた子供のように声をあげ、美沙斗を攻める。
立ち上がろうと体制を整えたとたん、片足をつかまれた。
「つっかまえたぁぁああ」
“
「くっ! 離しなさい!」
「離すもんかぁぁ!」
人間が出しうる力をすべてを使って、美沙斗は“
人間相手には有効な
せめて近くにフレイムヘイズがいれば……――
「はあぁぁぁぁっ!!!」
美沙斗の願いが届くように“
***
「この存在の力の大きさだと、やっぱり“
「ええ、封絶を張ったってことは、喰うつもりなんだわ」
屋根を飛び越え、電柱を飛び越え、郊外についた。
「中心はこの辺ね。人が多くいるとは思えないのに、どうして……」
「アリサ、あそこに車があるよ」
封絶によって停止しているが、ここには不釣り合いな黒塗りの車があった。封絶を解けば走っていたに違いない。
「ホントだわ。何故ここに?……っ!!」
大きな“存在の力”が動いた気配がした。
「アリサ!」
「ええ!!」
小さな疑問を頭から追い出し、気配がした倉庫に潜入する。
「くっ! 離しなさい!」
「離すもんかぁぁ!」
よかった。まだ、生きてる!!
アリサは安堵と同時に気を引き締める。壁を蹴り上げ跳躍し、
「はあぁぁぁぁっ!!!」
“