その男は、背中から血を流しながら倒れていた。
男は、青年に抱き抱えられながら静かに息を引き取った。
「はっ………!」
海藤みなみは、眠りから覚めた。
(またあの夢…。
ここの所ずっと。)
彼女の目線の先には、机に置かれた小箱が置いてあった。
あの時の男が夢に現れる。
(使う時が…来るの?)
夢では時々、その小箱で異形の姿に変化し、怪人たちを倒す男が出てきていた。
(また、後で考えましょうか。)
そのまま、身支度を整え、小箱をカバンにしまい、彼女の一日がスタートした。
「ここにもいないわ。
一体、何処に?」
放課後、彼女は、一年のクラスに寄りに来たのだが、春野はるかどころか一年全員が誰も居なかった。
探している途中に書類を持った二人の女子 東せいらと西峰あやかに出会った。
「あれ?みなみ、ここで何してるの?」
「一年生全員が居ないのだけれど、知らないかしら。」
「一年生でしたら、職業体験に行っておりますが?」
(もうそんな時期だったかしら。)
最近のプリキュアでの活動のせいなのか、学校行事の把握ができていない状況が起きていた。
そんなみなみを見たことがない東せいらと西峰あやかは目を丸くして驚いていた。
そんな二人を落ち着かせようと平常心を装う。
「ありがとう。
私も書類を運ぶの手伝うわ。」
その数十分後だった。
外で爆発音が鳴ったのは。
ノーブル学園校舎裏
「はぁ…。」
特徴的な衣装に着飾った白いシルクハットの男が俯きながら歩いていた。
(ロックの奴め…。)
彼の仕事は絶望を集める事だが、同僚が上司になってしまった。
「あぁ~!
悩んでも仕方がない!
絶望を集めるのみ!」
たまたま近くにいた男子生徒の夢を覗く。
操縦士になりたい!
「その夢、絶望の檻に閉ざすのみ!
シャットヨアドリーム!」
すると、男子生徒は檻に入れられ、そこには、飛行機の怪獣 ゼツボーグがいた。
「さぁて、行け!
ゼツボー
『KEY!』
ー…え?」
青いメモリがゼツボーグに刺さる。
すると、絶望の檻に閉じ込められていた生徒は解放され、突然の事に驚き、逃げていった。
その後ろで、ゼツボーグの機体部分は徐々に小さくなり、翼部分は、カラスのそれになった。
「お前は…!」
(そんなはずはない!
そんな馬鹿な!
しかし…!)
彼がそこまで混乱するのも無理はない。
こんなことが目の前で起こっているからではなく、起こりそしてなった『者』に驚いているのだ
そこには、かつての同胞、そして、憎きプリキュアに倒された今は亡き仲間の姿があった。
「クローズ!」
黒き鴉は、ニヤリと笑った。