仮面の騎士と笑顔と希望の少女たち   作:烏賊の毒

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奇跡のハミングステージ

美しい星。

 

それが欲しかった。

 

いつまでも傍観者なのは耐え難い苦痛と感じていた。

 

だから、それがあれば退屈な現状から抜け出せる。

 

そう思ったのだが、その欲は力ある者に阻まれた。

 

私は確かに手に出来た筈だった。

 

しかし、この手は空を切った。

 

ならば、脅威が去るまでこの身を隠し、然るべき平穏の時に事を進めよう。

 

そして、彼は自分自身を誰からも分からぬよう隠した。

 

 

 

 

『奇跡のハミングステージ』

 

 

 

 

「ここね…。」

 

茶髪の少女…天ノ川きららがいる場所はあるステージ会場だった。

 

そこには大勢の人が集まりざわざわと何かを待っていた。

 

すると、突然ノリの良い音楽が鳴り響く。

 

ウワァァァアアア………!

 

観客は熱狂的に叫ぶ。

 

その声を待ってたように青い服の男女のグループが踊り出す。

 

そこからは怒濤のパフォーマンスだった。

 

グループが入れ替わりに踊り出し、その度に観客は燃え上がる。

 

彼女もすっかり魅了されていた。

 

こんな大勢を白熱させる彼らに圧倒されたと言うよりは輝いて見えた。

 

自分のステージとは別の場所だが、彼らのステージは明らかに観客に魅せていた。

 

まだ自分が到達出来ない所に彼らは立っているように見えた。

 

そう思っていると、あの赤いコートの集団が踊り出していた。

 

クールにきめながらも情熱を秘めた踊りに会場のボルテージも自然と上がっていた。

 

彼女も例外ではなく、目を輝かせていた。

 

その時だった。

 

「どうだ?

 こいつらの踊りは。」

 

後ろから声をかけられた。

 

「…え?」

 

そこにはステージで踊っているグループのコートを羽織った青年がいた。

 

「いや、ここらで見かけない顔だったんでな。

 初めてだろ?」

 

真っ直ぐな眼差しを受けて、きららは答える。

 

「…きらきら輝いてます。」

 

「そうかそうか!」

 

青年は嬉しそうに笑う。

 

それを見て、用件を思い出した。

 

「あの…!」

 

「ん?」

 

「赤いコートの男の人を見ませんでしたか?」

 

「赤いコートっつっても俺もあいつらも着てるぞ?」

 

きららは悩んだ末あの事を思い出した。

 

「バナナ!」

 

その一言に青年が顔を変えた。

 

「信じないかもだけど…

 

「バナナか!」

 

 え?」

 

きららは青年の表情に圧倒される。

 

「それは戒斗だ!

 なぁ、どこで会ったか覚えてるか?!」

 

肩を揺さぶられ、あうあうしているきららは指を指して答える。

 

「あっちの森で…。」

 

「そうか!」

 

男は一目散に走り去っていった。

 

それから数分後、ステージは破壊された。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり残っていたか…。」

 

あの森で謎の人物がベルトと金の錠前を掴んでいた。

 

「もはや始まりの男もいない。」

 

手を上げ、空間に巨大なファスナーが開く。

 

「ステージで行う物だろう?

 パーティーという物はねぇ。」

 

その足は、ゆっくりと進んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如として、現れた火球がステージに降り注いだ。

 

「一体なんなの?!」

 

ファスナーが地上に現れ、開いた空間からあばら骨のような顔に民族衣装を身に纏った異形の者が歩いていた。

 

「ん?

 君は見たことがあるな。

 そうだ思い出した。

 コウガネを倒した者じゃないか。」

 

それは歩みを止めない。

 

「ちょうど良い。

 君に見せてあげよう。

 地球を我が物にする様をね。」

 

「だれが…!」

 

きららはパフュームを取り出す。

 

「させるか!

 プリキュア!」

 

きららの姿が変わる。

 

「愚かな…。」

 

ベルトを取り出し、腰に着ける。

 

右手には、紫の骨の錠前を。

 

左手には、あの時の金の錠前を。

 

『魔蛇…。』

 

『ゴールデン…。』

 

「変身。」

 

『魔蛇アームズ…!

 邪ノ道は蛇…!』

 

『金…ゴールデンアームズ…!

 黄金の果実…。』

 

骨が彼の体を包み、体の四肢が金色になり、金のマントを翻す。

 

仮面ライダー魔蛇 ゴールデンアームズ。

 

「来い…。」

 

「てぃや!」

 

トゥインクルが蹴りを魔蛇の顔に浴びせようとするが左手で防ぎ、右足で弾き飛ばす。

 

「くっ…!」

 

しかし、トゥインクルも負けじと走り出す。

 

「うりゃあああ!

 ルナ!」

 

トゥインクルはプリンセスロッドを取り出し、キーを差す。

 

「キラキラ、月よ!

 プリキュア!

 フルムーン・ハミング!」

 

満月型のエネルギー波を魔蛇にぶつける。

 

しかし、いつのまにか持っていた大剣…黄泉丸で凪ぎ払う。

 

そして、持っていた大剣で斬り伏せようとしたがトゥインクルはロッドでなんとか防ぐ。

 

「中々やるが…まだまだだなぁ。」

 

魔蛇が弾き飛ばし、トゥインクルは倒れる。

 

「やはり始まりの男がいなければ何も出来やしない。

 蛇も既に別の星に向かい帰ってくる事もない。

 ハハハハハ!」

 

「まだ、負けてない…。」

 

「ん?」

 

トゥインクルは立ち上がる。

 

「私が負けてないと思えば、負けてないんだぁあ!」

 

トゥインクルが走り出す。

 

「死に損ないがぁ!」

 

黄泉丸を振り下ろす。

 

しかし、それを弾く金色の球体が飛来した。

 

「なにっ?!」

 

トゥインクル以上に驚いていたのは魔蛇の方だった。

 

「まさか!」

 

球体は彼女の前で止まり、それは一人の鎧を着た青年に変わった。

 

「葛葉紘太ァア!」

 

叫ぶ魔蛇を後目に葛葉紘太と呼ばれた青年はトゥインクルに言う。

 

「良く頑張ったな。」

 

「あなたは?」

 

「うーん、今はあいつを倒す神様ってところかな?」

 

「か、かみさま?」

 

「葛葉紘太ァ…、貴様なぜ私の事が!」

 

痺れを切らした魔蛇が紘太に問う。

 

「あぁ、フレイっていうやつから教えてもらったんだよ。

 んじゃ、始めるか。」

 

腰に手を当てベルトを出現させ、錠前を握る。

 

『オレンジ!』

 

ベルトにセットし、刀を下ろす。

 

『オレンジアームズ!

 花道!オン・ステージ!』

 

「いくぞ!

 …えーと、名前は?」

 

オレンジの騎士…仮面ライダー鎧武 オレンジアームズが問う。

 

「天ノ川きらら。

 今はキュアトゥインクルだけどね。」

 

「そうか、じゃあトゥインクル!

 ここからは、俺達のステージだ!」

 

「お覚悟は、よろしくて?」

 

それは、魔蛇に対する宣戦布告。

 

「邪魔を…するなあああぁぁぁあああ!」

 

黄泉丸の刃を鎧武の出した刀…大橙丸で防ぎ、魔蛇の横腹をトゥインクルの蹴りが襲う。

 

「グゥッ!」

 

直ぐ様、魔蛇は後ろに退くが追撃は止まらない。

 

「ハァッ!」

 

鎧武の無双セイバーが火花を散らし、トゥインクルの拳が炸裂する。

 

「ガァ…!」

 

魔蛇が二人を睨み付ける。

 

「何故私が貴様らに押される?!

 何故だぁ!」

 

息も絶え絶えの魔蛇にトゥインクルが言う。

 

「私たちは皆、自分の夢の為に戦っているわ!」

 

「それなら…この私も!」

 

「それに…!」

 

魔蛇の叫びにトゥインクルはピシャリと言い放つ。

 

「周りの大切な人を守りたいと思って戦っている…!

 あんたみたいに自分だけを考えて戦ってるような奴に負ける気はしないのよ!」

 

魔蛇の激昂に触れる。

 

「キィィィサァァァマァァァ!!!」

 

『魔蛇・オーレ…!』

 

『ゴールデン・オーレ…!』

 

黄泉丸を地面に叩きつけ、割れた地面から黄金に輝く骨の大群が襲いかかる。

 

それを迎え撃つ両者。

 

「行こう!」

 

「はい!」

 

『オレンジ・スカッシュ!』

 

「モードエレガント!

  キラキラ、星よ!

 プリキュア!

 トゥインクル・ハミング!」

 

鎧武とトゥインクルは空に飛び、鎧武は蹴りの体勢になり、トゥインクルは腰から巨大な星型のエネルギーを出し、鎧武の足の先端で回る。

 

「ハアアアァァァアアア!」

 

星のエネルギー波が襲いかかる骨を粉々に変え、魔蛇に放つ。

 

「グ、ググ、グアアアァァァアアア!!!」

 

爆発する中、鎧武がトゥインクルの横に立つ。

 

「やったな。」

 

「そうね。

 でも、ホントに神様なの?」

 

「ホントだって。」

 

そんな中、立ち上がる者がいた。

 

「まだだ、まだ終わらんぞ…!」

 

「魔蛇…!」

 

魔蛇が立ち上がる。

 

「お前たちは絶対に…!」

 

その背後に迫る白い怪人。

 

「チカラ…モラウ…!」

 

「何だ貴様…グアァア!」

 

魔蛇が光の結晶となり、白い怪人に吸収される。

 

「チカラ…ガ…ミナギル…!」

 

突如として現れた白い怪人。

 

彼らのステージは、まだ開幕したばかりだった。

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