某高速道路
「ベルトさん、今行くノーブル学園ってどんな所なんだ?」
車内に置かれているベルトに話しかける。
「規律正しい学園で生徒の自主性を重んじているようだね。
しかも、全寮制で学業もレベルが高い。
君の息子にピッタリの高校じゃないかな?」
ベルトさんの顔がにっこりする。
「産まれる前だけどな。
まぁ、それは追々、英志に決めさせるよ。」
「ふむ、そうだね。
しかし、ここ数ヵ月ある噂が広まってるようだね…。」
「噂って?」
「妙な怪物が出現し、颯爽と現れるプリンセスがいるらしい。」
「プ、プリンセス?!
まじかよ…。」
「まぁ、君も刑事で仮面ライダーだからね。」
「言えてるな。
でもま、そのプリキュアがルパンガンナーについて知ってそうだ。
まずはプリキュアを探してみるか。」
二人を乗せた車は着々と目的地に向かっていた。
『なぜ彼等と彼女は出会ったのか』
私立ノーブル学園、その日曜日。
四人の戦士…プリキュアがいるこの学園に今は一人しかいなかった。
その事が、春野はるかを悩ませていた。
モデルである天ノ川きららは仕事で居ないのはまだ分かるが、海藤みなみと紅城トワの二人も外出届けを出していたのだ。
因みにゆいは先生に勉強を教えて貰っている。
(何かあったら言ってくれても良いのに…。)
久しぶりの一人に思わず気が滅入る。
その時、前方で生徒と話していた特徴的なスーツに異様なベルトとプレスレットを身につけた若い男性が駆け寄って来るのが見えた。
「あっ、ちょっといいかな?」
「は、はい。」
「ここら辺でさ、こういう人を見かけなかったかな?」
男が四枚の写真を見せてくる。
そこには、ピンク・水色・黄色・赤のドレスを身に纏った少女…プリキュアが写っていた。
慌てるはるか。
「ししし、知らないですよ~!
見たこともないかな~?
用があるので失礼しま~す!」
走り去っていく彼女を見て、男…進ノ介がベルトさんに話し出す。
「…彼女、絶っっっ対何か知ってるな。」
「そうだね。
そういう意味ではチェイスと真反対のようだ。
しばらくは、彼女を尾行してみようか。」
二人は、走り去っていった少女を追いかけた。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…何でプリキュアの写真を…もしかして、バレちゃった?!
でも、聞いてきた様子だとバレてなさそうだし…。
もしかして、警察とか…?」
校庭に逃げてきたはるかは息を切らしながら座ってしまう。
そして、上を向いた時にそれが現れた。
その場に飛来する機械生命体が。
「あなたたちは…!」
「プリンセスプリキュア…春野はるかを確認。
対象を抹殺する。」
「プリキュア!
プリンセスエンゲージ!」
はるかの姿が変わり、花のプリンセス…キュアフローラになる。
「またあなたたちなの!?」
「メガヘクスは個であり多である。
よって、君が倒した私は複数存在しているのだ。」
空から続々とメガヘクスが降ってくる。
「それでは、死ね。」
メガヘクスが光線を発射する。
構えるフローラ。
しかし、その光線は小さな赤い車によって弾かれた。
「何?!」
フローラとメガヘクスの目線の先にはフローラが見た先ほどの男がいた。
その男は赤いミニカーを手に取る。
「やっぱり君がプリキュアか。
って、そんな事言ってる場合じゃ無さそうだ。
ベルトさん。」
「あぁ、そうだね。」
「ベ、ベルトが喋った~?!」
「ベルトは失礼だね。
せめて、さん付けで呼びたまえ。」
「あ、すみません…。
って、逃げてください!」
フローラの声に耳を貸さず、進ノ介は歩むのを止めない。
「いいや、逃げないね。」
「泊…進ノ介ェェエ!」
初めて感情的になるメガヘクス。
「…泊進ノ介?」
「いくぞ!
エイリアン共!
変身!」
『DRIVE!
TYPE:SPEED!』
ブレスレットに赤いミニカーを装着すると、赤い円が上下に彼を包み、タイヤがたすき掛けのように彼に突撃する。
仮面ライダードライブ タイプスピード。
「あなたが泊進ノ介さん!」
フローラが駆け寄って来る。
「ん?
俺を知ってるのか?」
「はい!
ルパンさんが言っていました…から。」
落ち込むフローラ。
「まぁ、何があったかは後にして、えぇと名前は?」
「春野はるかで、今はキュアフローラです。」
「そうか。
じゃあ、フローラ!
ひとっ走り付き合えよ!」
「はい!
お覚悟は、よろしくて?」
激情を露にするメガヘクス。
「貴様等…!」
メガヘクスが右手を彼等に突き出すと控えていた他の機体が動き出す。
「ハンドル剣!」
ドライブが呼ぶと剣が彼の手に収まる。
ハンドルを回すと彼自信が回り敵を切り払う。
遠くではフローラが苦戦していた。
「遅い!」
「きゃあっ!」
「まずい!
ドア銃!」
すると、ドアの形をした銃が飛んで掴み、それをフローラの前のメガヘクスにお見舞いする。
「大丈夫か?」
駆け寄るドライブ。
「はい、なんとか。」
「おし、じゃあ今度はバッションだ。」
『DRIVE!
TYPE:WILD!』
ドライブの姿が黒に変わる。
『タイヤコウカーン!
ランブルダンプ!』
黄色いタイヤが彼の右肩にはまる。
「はあっ!」
力任せにメガヘクスにドリルを当て、火花を散らす。
「すごい…。」
ルパンが言い残していた名前の彼はすごく強かった。
『ヒッサーツ!
フルスロットール!
ダンプ!』
「おりゃあああ!」
ドリルで三体を同時に貫いた。
「おし!
って、囲まれてるな。
じゃあ、クールに決めようか。」
『DRIVE!
TYPE:TECNIC!』
緑に変わる。
『タイヤコウカーン!
ロードウィンター!』
水色のタイヤがはまる。
「フローラ!
高くジャンプ出来るか?」
「わかりました!」
フローラは目一杯高く跳ぶ。
「おし。
お前らの相手は俺だ!」
ドライブは回転しながら冷気を放出。
囲んでいたメガヘクス達を凍らせる。
「フローラ!
これに掴まってキックだ!」
『タイヤコウカーン!
ファイヤブレイバー!』
赤いタイヤがはまり、はしごがそこから空に向けて伸ばされる。
「ハアアァァアア!」
それを掴んだフローラをドライブは回転し、フローラはキックを円を描くように凍ったメガヘクスに命中。
辺りのメガヘクスは粉々に砕ける。
残るは数体。
『DRIVE!
TYPE:SPEED!』
「おし!
そろそろ決めるぞ!」
「はい!」
『タイヤコウカーン!
マックスフレア!』
炎を模したタイヤがはまる。
ドライブはシフトブレスのボタンを押し、シフトカーを三回上下させる。
『フ・フ・フ・フレア!』
すると、一台の車…トライドロンが飛び出して、メガヘクス達を囲むように回り出す。
ドライブはその車を蹴り、メガヘクスに炎を纏った強烈なキックを無数に放つ。
「モードエレガント!」
フローラのドレスも豪華になり、そのまま上昇する。
「ハアアアァァァアアア!」
「舞え、花よ!
プリキュア!
フローラル・トルビヨン!」
ドライブの蹴りでメガヘクスが空に飛ばされ、フローラの花吹雪が襲う。
「グギャアアァァアア!」
メガヘクスは爆発四散。
「ごきげんよう。」
「NICE DRIVE。」
一息つく二人。
モードエレガントは解除され、タイヤも元に戻り、一件落着。
しかし、そうは言ってられなかった。
「メガヘクスは不死身である。」
空からはまだ数十の機体。
「おいおい、幾らなんでも多すぎだろ!」
ドライブはメガヘクスを指で指しながら言う。
しかし、メガヘクスからの返答は意外なものだった。
「…黄金の果実の反応、確認。
優先順位の変更。」
「え?」
メガヘクスは一斉にある方向へと行ってしまう。
「あ!
ちょ待て!」
ドライブの呼び掛けにも応じずにメガヘクスは飛び去ってしまう。
「どうする?
ベルトさん。」
「追いかけた方が良いね。
何をするかが想像出来ないからね。」
「だ、そうだ。
君は来るかい?」
フローラに聞く。
(ルパンさんが言っていた泊さん…。
一体どういう人なんだろうか…。)
フローラの眼はしっかりとドライブに向けられていた。
「行きます!」
「オーケイ!
乗りたまえ、キュアフローラ!」
「フローラ、もうひとっ走り付き合ってもらうぜ。」
「お手柔らかに。」
一台の車と夢の守り人は終結へと走り出した。