「お前は、クローズ!」
彼の目の前には、禍々しい黒のオーラを放つ鴉の姿があった。
「よぉ、シャット。
どうしたんだ?
死んだ奴が現れたような顔して。」
そんな事は分かっている。
今の彼には、考える余裕は生まれない。
「一体…!
どうやって…!」
鴉はニヤリと笑う。
「さぁ、どうやってだろうなぁ。
まぁ、この体は使いやすい。
世界は全部俺がお前らに代わって絶望させてやるよ!
まずは…。」
ギロリと学園の校舎を見る。
「プリキュアだ。」
そう言って、空へと消えていった。
「ロックに報告しなければ!」
学園の近くで爆発音がした。爆発音は、学園と町を繋ぐ橋の近くで鳴った。
この音は海藤みなみの耳にも届いたらしく、すぐさま橋に向かった。
すると、そこには鴉がいた。
「あなた…クローズ!」
クローズはみなみを見てニヤリと笑った。
「貴様がプリキュアか…。
まずはお前からだ!」
みなみに向かって急降下する。みなみは間一髪のところで避け、クローズから距離をおく。
「避けたか…。
まぁ良い。
次は外さない。」
やばい。
彼女は直感し、すぐさまプリンセスパフュームを取りだし、姿を変える。
「プリキュアの姿か。
妙にストレスが溜まるなぁ…!」
その一言がキッカケで二人はぶつかりあった。
最初は、両者譲らなかったが、徐々にキュアマーメイドの方が守りに入ってくる。そして、最初はいなしきれていた殴打の応酬も次第にいなしきれなくなり、遂には、腹部に当たってしまう。
「………っ!」
なんとか倒れなかったが、痛みは、すぐには引かず、マーメイドの体力をじわじわと削っていく。
「弱いなぁ、プリキュアって奴も。」
その言葉にマーメイドは反応する。
「…あなた、クローズじゃないわね…?」
またも微笑する鴉。
「なかなか鋭いねぇ。
そう、この体はゼツボーグとか言う奴の地球の記憶から俺の能力で奪ったもんだ。
しかし、オリジナルのものと同等、いや、それ以上の力を持っている。」
「あなたは…一体?」
「俺の名はない。
しかし、俺のメモリの名前はある。」
そう言いながら、クローズの姿をした者は青いメモリを取りだし、そのボタンを押した。
『キー』
「これが、俺だ。」
(メモリ…まさか!)
「さて、おしゃべりはおしまいだ。
じゃあ、…死にな。」
そう言うと、キーは青と黒の球体を作り出し、それをマーメイドに浴びせる。
(メモリを使う…?
でも、どうやって…!)
球体がマーメイドに直撃するとき、風が、パフュームからは光が放たれた。
瞬間、球体は爆発し砂煙が起こる。
「すまなかったな、お嬢ちゃん。」
そこに響いたのは、男の声。
マーメイドが一度聞いたことのある声だ。
「あなたは…!」
「仮面ライダー!
なぜここに!」
一番驚いたのはキーだった。
(仮面ライダー?)
「メモリを渡してくれないか。」
そっと差し出された手に最初は戸惑ったが、男の真っ直ぐな目に、マーメイドメモリを渡す。
「さてと…。
じゃあ、お嬢ちゃん。
一緒に戦おう。
変身。」
男は、メモリを赤いドライバーに挿す。
すると、彼の体が骸骨の姿になる。
彼は、キーに対して右手の人差し指を向けて、死刑宣告をした。
「さぁ、お前の罪を…数えろ…!」