仮面の騎士と笑顔と希望の少女たち   作:烏賊の毒

8 / 28
希望を欲した魔法使い 4/4

怪人が紅城トワに近づく。

 

「人間を絶望させて、そのエネルギーで私の目的を果たす。」

 

紅城トワに指をさす。

 

「その為には、人柱が必要だ。

 君の力は興味深い。

 指輪の魔法使いと同等の力を持っている。

 使ってあげよう。」

 

怪人の手が彼女に伸びる。

 

しかし、その手から逃れるように後退る。

 

「…絶望なんてさせませんわ…。」

 

「なに…?」

 

彼だった者に対面する。

 

「絶望なんてさせません…。

 私に居場所をくれた人を…。

 私を信じてくれる人を…。

 私の大好きな人達を…。

 

 

 絶望なんてさせません!」

 

ドレスアップキーをプリンセスパフュームにセットすると、紅城トワの姿が変わっていく。

 

「私に歯向かうつもりか。」

 

「ハアァア!」

 

紅城トワの拳、蹴りが炸裂するが、全て何事もなかったかの様な反応だ。

 

「それで私を止めるつもりかな?」

 

怪人の電撃が放たれる。

 

「キャアアアァァァアアア!!!」

 

スカーレットは弾かれる。

 

「諦めて私の夢の礎となれ、紅城トワ。

 どうせ、そんな力では何も守れまい。」

 

「絶対に止めて見せますわ…。」

 

彼女は立ち上がる。

 

「私の愛する人達を…、」

 

彼に言い放つ。

 

「絶望させるわけにいきません!」

 

彼女のポケットから一つの指輪が輝きだす。

 

「これは…!」

 

それは、彼がくれた指輪だった。

 

彼女が指輪を握るとそれは新たなドレスアップキーへと変換される。

 

「…使って、という事ですのね。」

 

怪人に立ち向かう。

 

そのドレスアップキーをプリンセスパフュームにセットする。

 

『ワイズ!』

 

「ワイズ!モードエレガント!」

 

スカーレットの姿が変わる。

 

全身のドレスは白に染まり、紅い髪は白いフードで隠され、左手には彼からの指輪、右手にはハーメルン。

 

その姿は修道女の様だった。

 

「さぁ、いきますわよ!」

 

怪人はスカーレットに襲いかかるが、彼女のハーメルンで防ぐ。

 

右、左、上、下。

 

その姿は、まるで踊っているようだった。

 

「スカーレットヴァイオリン!」

 

ヴァイオリンを取り出す。

 

「ハナビ!

 プリキュア!フェニックス・ブレイズ!」

 

すると、いつものフェニックスが出るのではなく、不死鳥を模した怪人が現れる。

 

「あなたは?」

 

「今は俺のことなんてどうでもいい!

 ワイズマンか!

 腕がなるぜぇ!」

 

その怪人は、彼に向かって大剣…カタストロフを振りかざす。

 

「ぐう゛ぅ!」

 

彼の体から火花が散る。

 

「うおりゃあ!」

 

数回振り回すと満足したのか、斬りつけるのを止める。

 

「後はてめえに譲ってやるよ。」

 

そして、怪人は消え去っていく。

 

ザッ!

 

スカーレットが彼の前に立つ。

 

その表情は、決心していた。

 

「祈れ!ワイズよ!

 プリキュア!スカーレット・エクリプス!」

 

彼女の足元には巨大な金色の魔方陣が産み出され、彼女の右足はその魔方陣から力が供給された。

 

彼女は跳ぶ。

 

その右足を彼に向けて。

 

「はあああぁぁぁあああ!!!」

 

右足は、彼を貫いた。

 

「ごきげんよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男は、紅城トワに抱えられていた。

 

「すまなかった…。」

 

彼は、今にも止まりそうな声を振り絞って言う。

 

「私は、大切な人を守りきれなかった。

 しかし、君にはまだ大切な人がいる。

 しっかり、守れ…。」

 

彼の頬に雫が落ちる。

 

「…はい…。」

 

彼女の頭を撫でる。

 

「涙は似合わないよ…。」

 

手で涙を拭う。

 

「はい………!」

 

笑う。

 

涙を堪えながら。

 

「やっぱり、笑顔が似ている……な………。」

 

彼はゆっくりと目を閉じ、その身体は紫の塵へと消えた。

 

 

 

涙の止まらない彼女を残して…。

 

 

 

 

 

 

 

バス停の前で、袋に入ったドーナツを見る。

 

本来、彼に渡せていた物。

 

彼女は、思った。

 

まだ彼の事を何も知らないのだと。 

 

そして、数日後、彼女はある場所へと向かった。

 

彼という人に辿り着くただ一つのヒント。

 

その店の看板には、『面影堂』と書かれていた…。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。