紅の騎士と星空の姫 1/4
金属音が鳴り響く。
異形の者が戦っている。
一人は、銀の鎧に身を包んだ鎧武者。
一人は、紅きステンドグラスの怪人。
怪人が鎧武者に剣を降り下ろす。
しかし、その剣は腕を確かに斬るが、鎧武者は逆に剣を折る。
そして、鎧武者は折った刃で怪人を突き刺す。
戦いは終結し、そこには涙を流している青年が血だらけの青年を抱えていた。
「なぜ泣く?」
「泣いていいんだ…それが俺の弱さだとしても…拒まない。
俺は泣きながら進む。」
すると、血だらけの青年は、彼の胸を拳で叩く。
彼は少し笑っていた。
「お前は…本当に…強い…。」
そうして、彼の人生は終わりを告げた。
『紅の騎士と星空の姫』
とある市内のビルの屋上。
そこには、黒いコートを着た青年が白いローブの少女といた。
「俺の役目は終わった筈だが?」
青年は鋭い目付きで、少女に問う。
「この町は、幾度となく危機に瀕してきた。
ヘルヘイムの侵食、バダンの陰謀、魔蛇の暴走、メガヘクスの侵略、そして、黒の菩提樹の救済。」
少女は続ける。
「問題は、最後の危機のとき、狗道供界のベルトは本当に破壊されたのか、という事。」
青年の目付きはより一層きつくなる。
「あの世界で彼は幾度となく怪人を甦らせた。
その中で、ある男が復活されていたら…。
そして、始まりの男が開けたクラックに紛れていたら…。」
「世界はまた危機を迎える…か。」
青年が悟る。
「そういう事。
僕はこの世界の住人じゃないけど、天空寺タケルが守っている世界だからね。
それに、君は僕の信頼に値する。」
そう言って、青年から背を向ける。
「行くのか?」
「うん、フレイも待ってるだろうし。」
少女が遠ざかりながらも青年に伝える。
「力は渡しておくよ…。」
そして、少女は光となって消え去った。
残った青年のコートには、バックルと錠前が入っていた。
沢芽市
ここでは何度も危機に陥った。
しかし、その都度、守ってきた。
「やっと着いた~!」
トランクケースを引きながら背伸びする一人の少女。
夏真っ盛りの沢芽市に来た少女の名前は、天ノ川きらら。
彼女の職業はモデルだ。
今回、沢芽市のPRモデルとして訪れている。
「でも、一日目はホテルで過ごさなきゃなぁ…。」
天ノ川きららは、駅近くのホテルでチェックインするべく歩き出した。
その時、彼女は彼とぶつかる。
「おととっ…、ごめんなさい。」
青年は、悪びれもせず、彼女に言う。
「お前は何のために力を使う?」
青年の言葉に、天ノ川きららは呆れる。
「は?
新手のナンパ?
言っとくけど、私そういうの受けないから。」
そう言って、天ノ川きららは彼を無視し、すれ違う。
黒いコートに身を包んだ、彼を知っている者なら誰もが驚く彼を…。