仮面の騎士と笑顔と希望の少女たち   作:烏賊の毒

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第三章 天ノ川きららの場合
紅の騎士と星空の姫 1/4


金属音が鳴り響く。

 

異形の者が戦っている。

 

一人は、銀の鎧に身を包んだ鎧武者。

 

一人は、紅きステンドグラスの怪人。

 

怪人が鎧武者に剣を降り下ろす。

 

しかし、その剣は腕を確かに斬るが、鎧武者は逆に剣を折る。

 

そして、鎧武者は折った刃で怪人を突き刺す。

 

戦いは終結し、そこには涙を流している青年が血だらけの青年を抱えていた。

 

「なぜ泣く?」

 

「泣いていいんだ…それが俺の弱さだとしても…拒まない。

 俺は泣きながら進む。」

 

すると、血だらけの青年は、彼の胸を拳で叩く。

 

彼は少し笑っていた。

 

「お前は…本当に…強い…。」

 

そうして、彼の人生は終わりを告げた。

 

『紅の騎士と星空の姫』

 

とある市内のビルの屋上。

 

そこには、黒いコートを着た青年が白いローブの少女といた。

 

「俺の役目は終わった筈だが?」

 

青年は鋭い目付きで、少女に問う。

 

「この町は、幾度となく危機に瀕してきた。

 ヘルヘイムの侵食、バダンの陰謀、魔蛇の暴走、メガヘクスの侵略、そして、黒の菩提樹の救済。」

 

少女は続ける。

 

「問題は、最後の危機のとき、狗道供界のベルトは本当に破壊されたのか、という事。」

 

青年の目付きはより一層きつくなる。

 

「あの世界で彼は幾度となく怪人を甦らせた。

 その中で、ある男が復活されていたら…。

 そして、始まりの男が開けたクラックに紛れていたら…。」

 

「世界はまた危機を迎える…か。」

 

青年が悟る。

 

「そういう事。

 僕はこの世界の住人じゃないけど、天空寺タケルが守っている世界だからね。

 それに、君は僕の信頼に値する。」

 

そう言って、青年から背を向ける。

 

「行くのか?」

 

「うん、フレイも待ってるだろうし。」

 

少女が遠ざかりながらも青年に伝える。

 

「力は渡しておくよ…。」

 

そして、少女は光となって消え去った。

 

残った青年のコートには、バックルと錠前が入っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沢芽市

 

ここでは何度も危機に陥った。

 

しかし、その都度、守ってきた。

 

「やっと着いた~!」

 

トランクケースを引きながら背伸びする一人の少女。

 

夏真っ盛りの沢芽市に来た少女の名前は、天ノ川きらら。

 

彼女の職業はモデルだ。

 

今回、沢芽市のPRモデルとして訪れている。

 

「でも、一日目はホテルで過ごさなきゃなぁ…。」

 

天ノ川きららは、駅近くのホテルでチェックインするべく歩き出した。

 

その時、彼女は彼とぶつかる。

 

「おととっ…、ごめんなさい。」

 

青年は、悪びれもせず、彼女に言う。

 

「お前は何のために力を使う?」

 

青年の言葉に、天ノ川きららは呆れる。

 

「は?

 新手のナンパ?

 言っとくけど、私そういうの受けないから。」

 

そう言って、天ノ川きららは彼を無視し、すれ違う。

 

黒いコートに身を包んだ、彼を知っている者なら誰もが驚く彼を…。

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