「御崎ウォーターランド?」
「ああ、親父の仕事の関係でチケットたくさん貰っちゃってさ。クラスの皆に配ってたんだ」
「なんやて!?」
俺は思わず机から立ち上がる。
まさか、あの楽園への切符をこいつが持っているとは。
「貰っていいのか?」
「当たり前だろ。お前なら喜ぶと思ったぜ」
「いや~、やっぱ持つべきものは友達だな」
俺は池の肩にてお掛ける。しかし、にやけ顔がなおらない。
最近話題の御崎市ウォーターランド、恐らくというか間違いなく水着のお姉さんたちがたくさんいるはずだ。正に眼福である。
「なんの話をしているんですか?」
「悠二、顔きもい……」
「うるせぇ」
いつの間にかキアラとシャナがこちらにいたようだ。さっきまで女子の連中と話していたはずだが。
「あっ、二人もこれ」
「チケットですか?」
「御崎ウォーターランド?」
「見れば分かるだろ、プールの招待券だよ」
「それぐらい分かるわ!」
シャナに怒鳴られた……解せぬ。
「うん、クラス全員に配ってるんだ。良かったら二人もどう?」
「ありがとうございます!」
「……ありがと」
二人は池にお礼を言うと、なにやら二人でこそこそ話を始めた。恐らく、水着を買いにいくみたいな話だろうなぁ。
「楽しみだな」
「ああ」
俺はまだ見ぬ美しいお姉さんたちの水着に期待を膨らませるのであった。
「そういえば、平井さんと付き合ったそうじゃえねぇか。おめでと」
「おっ、おう」
平井さんはフリアグネを俺たちが倒したお陰で生きている。平井さんは確か池に思いを寄せていたからいつかくっつくじゃないかと思っていたが……こんな早かったとは。
すると、池の後ろから見覚えのある女性が出てきたので声を掛けた。
「吉田さん、こんにちわ」
「こっ、こんにちわ坂井くん」
我がクラスメートの吉田さんだ。やっぱり、彼女もプールに来るのだろうか?
「なになに~、どうしたの?」
「なんだよ、緒方」
後ろから元気よく声を掛けてきたのは緒方。クラスの厶ードメーカだ。
「なんならさ、それ。ここにいる皆でいかない?」
ここにいる俺、池、吉田さん、キアラ、シャナはお互いの顔を見ると、別に断ることもないので緒方の提案を了承した。後これに、池の提案で平井さんも加わる。
「佐藤と田中もくるか?」
次に緒方が例の二人を誘うが見事に断られた。
「ちぇっ……」
緒方がふてぐされた表情をする。そしてこの後教室に担任の先生が入ってきて、話の続きは昼にということになった。
「このメンツでウォーターランド行くとして、何時集合にする?」
「えーっと、昼ぐらいでいいんじゃない」
「んじゃ、そうするか」
昼になり、俺たちは平井さんを加えて集まり、明日の予定について話し合いを始めた。
俺とシャナ、キアラは母さん特製の弁当を食べながら話に加わる。
「なにやら、イベントもあるみたいだしな。楽しめる要素も満載だ」
「とくに夢と希望がある(女の子の水着姿たち)!!」
俺は拳を握って強く語る。シャナとキアラは何故か俺の足を踏んできた。
……解せぬ。
「昼頃集合でいいよね?」
「ああ。特に予定もないしな。他の皆は?」
皆を見渡すが、特になにもないようだ。
しかし、まったくウォーターランドとは関係ない話だが、池と平井さんからのイチャイチャオーラがすごい。後でからかってやろう。
「それじゃあ十一時集合、昼もあっちで食べるということで」
「了解」
こうして俺たちは御崎ウォーターランドの日程を組んでいくのであった。
帰りにシャナがこれでいいのかという顔をしていたのであくまで息抜きと言うと、無事に説得することが出来た。
「ついにやってきたぜ。我がエデン」
「予想はしていたが、テンション高いな」
「当たり前だ。ここで上げずにどこで上げるんだ!」
最近はむさ苦しい徒との戦闘の毎日。少しはこういう癒しがあってもいいも思うんだ。
『まぁ、頑張り過ぎなのは確かだからな。少しはゆっくりすればいい』
まったく、その通りだよ。
俺が池と話ながら興奮していると、後から女性陣が現れた。
「おまたせ~」
緒方の元気な声が聞こえてくる。俺は振り替えるとそこには……。
「似合ってるかな……」
「どう?」
真っ先に俺の前に来たのは二人。キアラとシャナだ。キアラは薄い黄色の水着を着ており、シャナは原作と同じ水着を着ていた。その後ろではなにやら吉田さんがモジモジしている。
取り合えず、俺はみたまんまの感想を口にする。
「似合ってるな」
「そっ、そうですか」
「……ふん」
「強いて言うなら……」
俺は自然と視線があの部分に向かっていた。この時の俺は口に出してないと思っていたので地雷を口にしてしまう。
「むn……げふ!!」
俺がその先を口にすることは出来なかった。キアラとシャナの蹴りが見事に炸裂し、俺は隣のプールに吹っ飛ばされた。しかも、垂直の角度に着水。そのまま、俺の意識はブラックアウトした。
「大丈夫なのか、あれ?」
「ふん、問題ないです。それよりせっかくなんで遊びましょ」
「……やっぱりお風呂みたいで気持ちよさそう」
「さっ、坂井くん!?」
『自業自得だな……』
俺が意識を失っている間も、御崎ウォーターランドでの時間は過ぎていった。
「うっ、ここは……」
「ようやく、お目覚めみたいね」
『がっはっは。良くもまぁ、気持ち良さそうに寝てたもんだ』
なにやら、聞き覚えのある声が聞こえてくる。俺は眼をこすりながら周囲を確認し、状況を思い出した。
「そうだ、キアラとシャナに飛ばされて……って、もう夕方じゃねぇか!?」
「そうよ。というか、よく敵の前で余裕ぶれるわね」
「んっ?だって別にお前らともう敵対なんてしてないだろ」
「うるさいわね。状況によっては再び敵になることもあるかもしれないでしょ」
『はっはっは。まったく、素直じゃねぇなぁ~』
「うるさい、ばかマルコ!」
マージョリーがマルコシアスを叩く。ホントに二人は仲がいいな。
「まだあんたが銀の情報を持っていないって信じたわけじゃないわ。かならず、聞き出してやる」
「いや、だから持ってないって」
嘘だけど……。
すると向こうから一人、こちらに近づいてきた。
「マージョリーさん、頼まれた酒ですよ。というか、坂井は起きてたのか?」
啓作だ。どうやら、マージョリーにこき使われたらしい。相棒の田中は遠目で確認しただけだが、緒方と一緒に流れるプールにいた。
「悪いな、迷惑かけて」
「……別に」
俺はゆっくりと立ち上がる。すると、なんと偶然か目の前にマージョリーの胸が目に飛び込んできた。さらにそれだけならスルーすればいいのだが、つい勢いで触ってしまった。
反省も後悔もしていない……じゃなくて、まるで場の温度が急減に下がったように感じる。
俺はとにかく開き直ることにすると、親指を立て彼女に言った。
「いいむn……」
またもや俺は自分の言葉を言い終わる前に、彼女の拳が俺の顔面にめり込んで意識をなくす。
こうして我がエデンでの時間、俺はなにも出来ずに終わりを迎えることになった。聞いた話しだと水上騎馬戦などもあり盛り上がったらしい。
……無念。
そして楽しい日常があれば、それだけ非日常が存在する。この次の日曜日、俺たちが張った結界に二人の徒と一人の燐子の反応を察知した。
今回の話しで不遇だった人
悠二
吉田さん(水上騎馬戦でペア組めず)
頑張れ吉田さん(棒)