「おいおい……マジかよ」
「ほう、封絶の中でも動くことが出来るということは珍しい宝具持ちのミステスで間違いないようだな。だが、宝具とは違うもう一つの奇妙な気配はなんだ?」
目の前に現れた男は驚く俺に反応することなく、俺の元に歩いてくる。
男はオールバックで黒いサングラスをかけていている。灼眼のシャナを見ていてこの男を知らない人はいないだろう。仮面舞踏会に所属する紅世の王であり、三柱臣の一人で将軍の立場にあるもの。そう……
″千変″シュドナイ
しかも、こいつがいるということは後の二人は愛染の兄妹だろう。
……最悪だ。
「まぁいい。貴様が俺達の動向探ってたのは分かっている。目的は分からんが、中の物も気になるんでな……消えてくれ」
シュドナイは突如、俺の前から姿を消して俺の真後ろに現れた。俺は反応に遅れるが、白龍皇の光翼を出して横へ飛ぶ。
「奇妙な気配の正体はその翼か。しかし、宝具とは違うようだ。その違いに気付ける奴はあまりいないだろうな」
「随分、余裕なことで」
「なに、所詮ミステスだ」
……よし!
俺はシュドナイの言葉に心の中でガッツポーズをする。こいつは今明らかに油断している。白龍皇の光翼で力を半減することが出来れば、逃げることも出来るかもしれない。だが、そのためには相手に触れなくてはならない。俺からあいつに触れることはほぼ間違いなく出来そうにないので、触れるなら奴が宝具を抜きとろうとした時だけだろう。
『危険な賭けだな』
だからアルビオン、直ぐに半減出来る準備はしておいてくれ。
『了解した』
俺はアルビオンの返事を聞く。すると、シュドナイは既に俺の後ろへ移動していた。
「ちっ、ホントに速いな」
「では、確認させて貰うぞ」
シュドナイは俺の背中に触れる。その瞬間に俺も奴の右腕に触れた。そして……
『Divide』
俺の白龍皇の光翼が青く輝き、機械音を出した。
シュドナイの力……存在の力だろうか?それが半減されてその分の力が俺に上乗せされる。
思わず、俺もその力を上乗せされたとき、負荷を感じ膝を地面に着けそうになるが、なんとか耐える。
シュドナイは自身に違和感を感じ、すぐさま俺の元から離れた。
「……何をした?」
「さて、何だろうな」
俺はシュドナイの質問にとぼける。
しかし、奴の様子を見る限り、俺の宝具が零時迷子だとは気付かなかったようだ。これがばれれば原作の流れが大きく変わってしまう可能性があるからな。
「なるほど、それがその翼の能力か。……なら、気を失わせてから確認させて貰おう」
「そう簡単にはいかせないぜ」
ここでまた前の半減から十秒が経過する。
『Divide』
「ちっ!」
シュドナイはまた自身の力を失ったことに気付き舌打ちするが、それでも俺からすればあまり弱体化してるようには見えなかった。
強すぎだろ……。
対して俺は零時迷子があるとはいえ、これ以上力を上乗せすれば禁手になっていないので、余分な力を出せず神器が暴走する可能性がある。
俺はここで半減をやめて反撃に出た。
「吹っ飛びやがれ!」
俺はさらにスピードを上げて思いっきりシュドナイを殴った。殴られたシュドナイは後ろの方にあった小屋に飛ばされる。
「やったか……」
『相棒……』
アカン、これ死亡フラグや。
俺の自身の死亡フラグに気付くも遅し、小屋のあった場所から土煙が晴れると、無傷のシュドナイが立っていた。
「まさか、自在法なしでここまで俺を追い詰めるとはな。謝罪しよう。故にここからは本気でいかせて貰う!!」
シュドナイのオーラが変わった。俺は思わず反射的に構えてしまう。しかし……
「俺はここだぞ」
「なっ!」
俺はシュドナイの動きを捕らえることは出来なかった。奴はさっき以上に加速している。奴の拳が俺の肩を貫く。俺は空いた肩を抑えて後ろに下がった。
「痛ぇ……」
「どうやら、終わりのようだな」
「……」
シュドナイの言葉が耳に入らない。今俺の中は恐怖で埋め尽くされていた。
消えたくない消えたくない消えたくない……
突然死んだ前世のときとは違う、近づいてくる明確な死のようなもの。俺の中の恐怖はさらに大きくなる。
『正気に戻れ!!行くんだろ、私がいた世界に』
アルビオンの言葉が俺の中で響く。
そうだ、ここであきらめる訳には……。
思い描くのは未来のハーレムたちと過ごす楽しき日々。
あきらめるなんて出来ない!
俺は魂の如く叫んだ。
「こんなとこで死んでたまるかよぉー!!」
そして俺の思いに反応し、神器が輝き出す。
『土台は作っていたが、まさかここで至るとは……。相棒、歴代最速だぞ』
そうか、この力を使ってもアイツを倒せるかは一か八かだが……なにもしないよりましだ。
俺はあのセリフを呟く。
「禁手〈バランスブレイク〉」
《 Vanishing Dragon Balance Breaker!!》
俺はセリフを呟くと姿が変わる。全身に白い鎧を纏い、俺自身のオーラも前と比べて大きく上がった。
「白龍皇の鎧。さぁ、第二ラウンドといこうか!」
俺はシュドナイに向かってそう宣言した。
キアラをヒロインをどうするか検討中。なので、活動報告でどうするか聞きたいと思います。ご協力よろしくお願いします。