後書きに次の予告があります。よろしくお願いします。
クリスマスイブの夜。坂井家ではクリスマスパーティーが行われていた。
参加者は緒方、田中、池、平井、吉田さん加えたいつものメンバーだ。
田中や緒方とマージョリーで一瞬気まずい空気が流れたが俺と佐藤がフォローすることにより特に問題なくパーティーは行われた。
昼から行われたパーティーだったがどんちゃん騒ぎは止まることなく夜遅くまで続いた。
「悠二! お酒よそいなさい」
「あんた、飲み過ぎだろ。佐藤ヘルプ」
「ほら、いきますよ。マージョリーさん」
「うー」
マージョリーが佐藤に引きづられて隣にの部屋に連れてかれる。
時計を見ると時刻は夜の11時。
佐藤を除いた高校生組は既に帰宅している。
「あっという間だったな」
「そうですね」
「満足したか?」
「はい。皆と過ごす時間は楽しいです」
「悠二、キアラ。こっちの皿を運んで」
シャナの指示に従って皿やゴミを処分すべく動きだす。色々散らばっていたので時間はかかったが無事に終える。
「ありがとう。シャナちゃん」
「千草、代わりやるって言ってるのに」
「ふふ、大丈夫よ」
母さんは笑いながら皿を洗って食器棚に戻してゆく。父さんもそれをフォローしつつ片付けの手伝いをする。
「千草さんも手伝わなきゃ落ち着かないって聞かなくてな」
「貫太郎さんこそ。一人で大丈夫っていったのに」
この夫婦のラブラブ度にキアラたちも思わず苦笑いをしている。
まったく……
俺はそんな光景を傍目に作業を進める。
「あとは私がやっておくのであります」
「ヴェルヘルミナさん」
「まぁ、さすがに時間だしそろそろ」
「……そうね。ありがとう」
母さんと父さんはヴェルヘルミナにお礼を言うと二階の自室へ向かっていった。
「じゃあ、俺も帰るよ」
「大丈夫か?」
佐藤がマージョリーを背負いながら俺に声を掛けてくる。そろそろ家に帰るようだ。
「ああ、大丈夫。そんな遠くないしな」
『がはっはっは、はめ外したなぁ』
マルコの笑い声が聞こえる。まったくこいつも相変わらずのようだ。
「まっ、気をつけて帰れよ」
そんなこんなで来客は全て帰り俺たちも寝ることにする。
すると片付けを終えたヴェルヘルミナがこちらに近づいてきた。
「悠二。このような手紙を」
「手紙?」
受け取った手紙には差出人としてレベッカの名前が書いてあった。
中を見ると相変わらず彼女は変わっていないのだと分かる。
内容は近々、また遊びにいくから満全の状態にしておけよということだった。戦う気満々である。まさに台風のような女だ。
「では私もこれで」
「ああ。ありがとう」
ヴェルヘルミナも自室へ向かっていく。
俺はそんな彼女を見送るとキアラが俺に声を掛けてきた。
「悠二、明日は駅のツリーを見に行きませんか? とても綺麗みたいですよ」
「ツリー……ああ、駅のやつか」
「今日はパーティーでみれなかったから見てみたいわ」
「クラスのやつらがそんなこと言ってたな」
なんでも駅の前のツリーがイブとクリスマス限定で派手に装飾されているらしい。町ではそんな話題があちこちで話されている。
まさにカップル御用達スポットとなっているようだ。
キアラとシャナも女の子だ、興味があるのだろう。
「……行くか」
「約束よ」
「ふふ、楽しみです」
彼女たちの笑い声が静かなこのリビングに響く。そんな光景を俺は静かに見つめていた。
この後、俺たちはそれぞれの部屋に戻っていった。
「さすがに皆寝たか」
時刻な深夜1時。
すっかり寝しづまる時間帯だ。
俺は静かに階段を降りるとリビングを覗く。
「あら、悠ちゃん」
ふと冷蔵庫の方を見ると母さんが水を取り出して飲んでいた。
俺はなにかあったのではないかと心配し、近くに駆け寄る。
「大丈夫。ちょっと水を飲んでただけだから」
「まったく無理はしないでくれよ」
「ええ。悠ちゃんも寝れなくて降りてきたの?」
「……うん。そんな感じ」
深夜のリビング。そこで俺と母さんはなにげない会話を続けていく。
最近、困ってることはないかとか
学校でどんなことをしているか
友達とは仲良くしているか
そして……好きな子は出来たか
それはどこの親子も話すであろう。普通の会話をしていく。思えば普段はキアラやシャナたちが一緒でこうして二人で話すことは少なかった気がする。
俺は小さく笑いながら楽しそうに質問する母さんの話を聞いていた。
「満足した?」
「で、シャナちゃんとキアラちゃんのどちらが好きなの?」
「ノーコメントで」
相変わらず母さんは引かない。
そんな中、母さんは話を変えていく。
「まったく。もう悠ちゃんはお兄ちゃんになるんだからしっかりしないと!」
「まったく、そう言われると言い返せないな」
俺はふとこないだ二人から聞いた俺に出産直後に亡くなった双子の兄がいたという話を思い出す。
母さんのお腹の中にいる彼女はきっと大切に育てられるだろう。
「だから頑張ってね。お兄ちゃん」
「ああ、そうだな」
俺は静かに自在法を発動する。
それは眠りに誘う自在法。そして彼女やそのお腹の中にいる妹の影響をなくすために白龍皇の翼で極限にまで半減して発動する。
さらに半減したことにより他のフレイムヘイズたちに気付かれないようにした。
「短い間、ありがとう母さん」
迷いなどない。
だって母さんが見ていたのは坂井悠二であり、俺ではないのだから。
俺は母さんを寝室まで運び、時計を確認して約束の時間が近くなっていることを確認すると静かに家を出た。
「……悠二?」
下の階に降りてきた少女に気付かず。
「さすがに寒いな」
『風邪をひくなよ』
「ふっ、そんなミスはしないさ」
夜になると明るく照らす道のライトも深夜になると電源は落ちている。かろうじて街灯の光が道を照らしていた。
俺はそんな道をゆっくりと歩いていく。
「おっ、雪が降ってきたな」
『ホワイトクリスマスだな』
「はっはっは、白龍皇の新たな門出としてこんなに合っている日もなかなかないな」
『ふっ、そうだな』
俺とアルビオンは静かに笑い、これからについて話していく。
「最後に笑うのは俺たちさ」
『どんな障害が立ち塞がろうとも共に戦おう』
「ああ、一緒に戦おう。どこまでも」
そして目的地の駅前に着く。
そこには人気はなく、一本の槍を持つ男のみが静かに立っていた。千変シュドナイ。俺の待ち合わせの相手だ。どうやらしっかりと俺が作り教えていた結界の穴をとおってきたようだ。
「待たせたな」
「時間どおりだ。しかし……」
街灯の影から一人の少女が姿を現す。
それは極光の射手キアラ。ここまで共に戦ってきた仲間であり、これからは俺の目的のために戦う……敵だ。
「これはどういうことですか?」
「見たまんまさ」
「坂井悠二。状況を把握させるためわざわざ連れてきたな」
「その方が楽だからね」
キアラは光の槍を展開してこちらを見つめる。
「任せたよ。シュドナイ」
「ふん」
シュドナイは槍をふるい放った衝撃波で彼女は吹き飛び電柱にぶつかる。背中に痛みが走り衝撃走り声を挙げた。
彼女は手をこちらに手を伸ばしながら問いかける。
「なんでですか……」
「これが俺の答えだ」
その手を俺はとることなくシュドナイと共に俺は彼女とは逆の方向に歩きだす。
転移の自在法が俺とシュドナイを包み込む。
転移する瞬間、複数のフレイムヘイズがこちらに向かってくることを感じ取ったがもう遅い。
俺はシュドナイと共にこの御崎市を去った。
二ヶ月後、中国圏の上海会戦にてフレイムヘイズたちは襲撃を受けた。
また襲撃者の名はフレイムヘイズたちに衝撃を与えた。
‘’創造神‘’ 祭礼の蛇
それはこの世と紅世の狭間に追いやられたはずの神であった。
予告
我に宿りし無垢なる白龍よ、覇の理を降せ
「その気配……まさか!?」
「余を忘れるとは悲しいぞ」
我に宿りし漆黒の創造神よ、願いを叶えよ
「悠二ぃーーー!」
「無駄だ」
『Create』
「嘘、これは全てが宝具!?」
我、決して交わることのない白龍と祭礼の蛇と共に道を歩む
「勝つきまんまんというわけか」
「ああ。師匠として祭礼の蛇、否悠二。お前をみきわめる」
我、窮極を超越せし力を持って
「これがあれば俺は」
汝、あらゆる世界の頂きへ誘おう
『そろそろ正体を現したらどうだ。坂井悠二…否』
最後の戦いが幕を開ける
大戦編 始動