世界を越えたい   作:厨二王子

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すいません、昨日編集中のものを間違えて投稿してしまいました。これは編集済です。


イレギュラー

「知らない天井だ……」

 

『やっと、目を覚ましたか』

 

「アルビオンの反応を見る限り、ただ寝ていたわけではなさそうだな」

 

『ああ。相棒は丸一日寝込んでいたのたぞ。恐らく、奴との戦いが相当にこたえたと見える。トーチとやらでも疲労はあるのだな』

 

「マジか ……」

 

 俺は一度起き上がり、周囲を見渡す。明らかに寝る前とは違う場所だ。どうやら、宿周辺の病院に運ばれたらしい。というか丸一日って修学旅行終わってんじゃん。

 俺が状況確認していると、どこか見覚えのある男が近付いて来た。どこのおっさんだと思ったが、今の自分の担任でした。

 

「大丈夫か、坂井?」

 

「あっ、先生。大丈夫ですよ、元気一杯です」

 

「そうか……。丸一日寝込んだと聞いては焦ったが、ただの過労と聞いて安心したよ。親御さんも心配しているだろうから連絡してやりなさい」

 

「分かりました」

 

 俺はこの後、母に連絡を取って無事を伝えた。母はとにかく焦って帰って来て途中でまた倒れられたら怖いから、しっかり体調を良くしてから帰ってきてほしいとのこと。

 いい母親過ぎて涙が出そうだ。さすがは見知らぬ少女を家に受け入れることを許可した人物である。

 

「いい母親だ」

 

『やはり、なにかくるものがあるか?』

 

「まぁ、それはあるよ」

 

 憑依した日から、まだなにか距離を感じる。どうにか距離を短くする方法も探さなくては。

 俺が母親との距離を短くする方法を考えていると再び先生が俺の前に現れた。

 

「親御さんには連絡をしっかりしたようだな。体調の方に変化はないか?」

 

「全然問題ありません」

 

「そうか。じゃあ、今後について説明するからよく聞いておいてくれ」

 

 俺は先生の説明を聞くが、あらかた予想通りであった。俺一人で学年の皆を残すわけにはいかず、皆は先に帰宅させたのこと。つまり、俺一人で帰宅ですね、分かります。

 

「幸い学校は連休明けだし、そんなに急がなくてもいいしな。分かってると思うが先生と一緒に一般の新幹線に乗ることになる。体調も大丈夫のようだし、出発は明日でいいな。先生も準備しておくから」

 

「迷惑かけてすいません……」

 

「いや、全然問題ないよ。連休は家でごろごろするくらいだったしな。それより、坂井が無事で良かった」

 

 先生は後の処注意と、俺の荷物の場所を言うとこの場から去っていった。後、まだ寝とけって言ってたな。でも……

 

「アルビオン、また精神世界で特訓しよう」

 

『よせ、相棒。今は先生の言うとおり、しっかりと回復するんだ』

 

「だけど……」

 

『焦るのも分かるが、一昨日言っただろう。無理は禁物だ。それに、疲労の原因は精神世界での特訓のしすぎかもしれん。これからは毎日ではなく、週に二回はしっかりとした睡眠をするべきだ』

 

「……分かった」

 

 確かに、アルビオンの言うことも一理ある。

 俺はアルビオンの言うことを渋々聞いて再び睡眠に入った。

 そして、次の日俺は予定通りに新幹線に乗り、東京の御崎市に向かうことになる。しかし、その途中、イレギュラーに遭遇することを知らずに。

 

 

 

 

 

「くっ、しつこい!」

 

『最悪な状況ね……』

 

 私はハワイからの移動中に、徒に襲撃を受けてしまった。サーレさんとも逆方向に分断されちゃうし、ずっと自在法を使ってるので存在の力も残りが少ない。さらに、相手も相手だ。私は自身のパートナーであるゾリャーに声をかける。

 

「あれって、ドゥーグ……ですよね?」

 

『ええ、間違いない。でも、なにか彼の他に別の意志を感じるわ。しかも、前にあった時より強くなってる。格段に。おまけに炎の色まで変わってるわ』

 

「それは見れば分かります。それより、サーレさんとは連絡取れる?」

 

『ダメ、完全に足止めされてるみたい。本体は少し遅れて追ってきてる。もう直ぐに接触するわ』

 

「日本まで来ちゃったけど、取り合えず途中で封絶を張って良かった。後、ほかのフレイムヘイズや徒の気配は?」

 

『大丈夫、どちらの気配も感じないわ。ただ……』

 

「嘘、あれ新幹線よね……」

 

『くっ、でも燐子たちに囲まれたみたい。あそこで一度着地するしか……』

 

 私は悔しい思いで、新幹線で自在法を一度解除する。ただここで被害なく、奴等をしりぞけることは難しい。それどころか……

 

『キアラ、避けて!』

 

「えっ?」

 

 私の元に紫の炎が、向かってくる。この距離では自在法の迎撃も、避けることも不可能だ。

 

 ……師匠。

 

 しかし、その紫の炎が私の元に直撃することはなかった。その代わりに目の前に現れたのは憧れの師匠ではなく白い鎧の背中。

 

『Divide』

 

 なにか、機械音のようなものが鳴る度に黒い歩炎はなくなっていく。紫の炎が消えると目の前の人物はこちらを向き、話し掛けてくる。

 

「無事か?」

 

「……はい」

 

 いや、私にはその鎧が白い龍のように見えてならなかった。

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