世界を越えたい   作:厨二王子

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極光の射手

 俺は徒の討滅を確認すると、キアラがいる新幹線の上に着地する。

 

 無事討滅出来たようだな……。

 

『ああ、赤いのの気配も感じない。恐らく、もうこの世から消されたのだろう』

 

 俺はアルビオンの言葉に、ほっと胸を撫で下ろす。すると、後ろにいたキアラが声を掛けてきた。

 

「あの……助けてくれてありがとうございました」

 

「いや、お礼を言うのはこちらの方だ。この新幹線には一応俺だけじゃなく、知人も乗っていたもんでね。俺一人じゃあいつを仕留めきれなかったし」

 

 俺はキアラの言葉にそう笑顔で返しす。

 この時、俺はこのまま正体を隠すか悩んでいた。以前に白龍皇として活動するときは正体を隠して行動したいと思っていたが、シュドナイにもばれてしまったし、なにより彼女とこのまま会話をしてある頼み事をするのなら制限時間も過ぎて鎧が解けてしまうのもあるからだ。

 そして悩んだ挙げ句、俺は正体を明かすことにした。さらに、状況によっては白龍皇の光翼とは違う宝具の存在も明かすことを視野に入れて。

 

『素顔、見てみたいな~』

 

「もう、失礼だよ」

 

「いや、大丈夫だ」

 

 俺は申し訳なさそうな顔をしているキアラにそう一言声を掛けて鎧を解除した。

 

「俺のことを後で教えるって言ったしな。とりあえず、自己紹介といこう。俺の名前は坂井悠二。通りすがりのミステスだ。気軽に悠二って言ってくれて構わないぜ」

 

『我が名はアルビオン。相棒の……そうだな、宝具に宿っている意志と思って構わない』

 

 俺の白龍皇の光翼が青く光そう答えた。

 

「わっ、翼が喋った。まるで、同胞みたい」

 

『私たちとは違い紅世の徒という訳じゃないみたいね。けど、意志の宿っている宝具なんて聞いたことないけど……』

 

『なに、相棒が初めての宿主なんでな。それに例外というものはどこにだってあるものだ』

 

「なるほど……」

 

 キアラは俺の説明を聞いて、とりあえず納得したようだ。ウートレンニャヤたちはなんともいえないが。

 ちなみに、アルビオンの存在については話すことにした。フレイムヘイズがアルビオンを探知する可能性があったので、なら最初から伝えてしまおうと思ったのだ。もしかしたら、シュドナイにもこの白龍皇の光翼になにかしらの意志があったと気付いていたのかもしれないし……。

 取り合えず、ファーストコンタクトは問題なかったようだ。

 

「次は私の番ですね。私は極光の射手のフレイムヘイズ、キアラ・トスカナといいます。キアラと呼んでください」

 

『私は "破暁の先駆"ウートレンニャヤ よ』

 

『私は "夕暮の後塵"ヴェチェールニャヤ。よろしくね』

 

 キアラの持つ首飾りの両側からそれぞれ違うような感じの声が発せられる。これには理由があり、神器であるゾリャーには破暁の先駆ウートレンニャヤと夕暮の後塵ヴェチェールニャヤが宿っているからだ。

 そして、俺は会った時から、死にそうなくらい聞きたいことを聞いてみる。彼がもし死んでいるのであれば、それはもう絶望だ。何故なら只でさえ戦力の少なかった大戦時に、大きな影響を及ぼしかねない。それどころかまた俺の知らないところで……。

 

「顔色が悪いですが、大丈夫ですか?」

 

「ああ、大丈夫だよ……。それより、キアラは一人で行動しているのか?」

 

 思わず、息を飲み込みたくなる衝動を抑える。そして、ついにキアラは言った。

 

「フレイムヘイズは一人で行動することが多いんですが、私はサーレさんという師匠なんですけど……フレイムヘイズとコンビで行動していたんです。けど……」

 

 ゴクリンコ……。

 

「あの徒の襲撃のときに分断されてしまったんです。あっ、でもさっき連絡取れて此方に向かってるって……」

 

 良かったぁーーー!

 

 俺は最悪の展開に成らなかったことに喜び、心の中で涙を流した。後は、赤龍帝の怨念があれだけなことを祈るだけだ。

 そして、俺が一人喜びに浸ってると、キアラが俺の右肩に掴んできた。

 

 ……えっ。

 

 俺は思わず美少女が近付いてきたことから、どよってしまう。

 そして、今ゾリャーやアルビオンが少し笑ったような……気のせいか。

 

「この右肩、処置が粗い……。少しじっとしてて下さい」

 

 キアラは俺に一言告げると、どこから取り出したか分からないが、彼女は俺の肩に触れてきた。すると、俺の右肩の穴が完璧にふさいだのか、俺が感じた少ししっくり来ない感がなくなった。

 俺は思わず、自身の肩を回した。

 

「おー、しっくり来る。ありがとう」

 

「いえ。それより、そのケガってさっきの戦闘でおったものじゃないですよね?」

 

「うっ。実は前に徒と交戦したときにな……」

 

「まったく、私が治療しなきゃ、存在の力駄々漏れのままだったんですよ」

 

  ……そうなのか?

 

『ああ、彼女の言うとおりだ。とはいえ私も解決策がなかったからな、どうしようもなかったのでな。それに相棒は零時になれば存在の力は元の量に戻るだろう』

 

 どうやら、以外と危ない状況だったらしい。もしかして気を失ったのもそのせいなのか……。

 俺はとりあえず今考えてることを辞めて、ついにずっと考えていたあることをキアラに提案してみた。

 

「あっ、そうだ。もし良ければだが、俺の頼みを聞いてくれないか?」

 

「頼みですか、はい。私が叶えられることなら!」

 

「えっと、俺に存在の力の使い方とかを教えてほしいんだ」

 

「えっ、私にですか!?」

 

 キアラは俺の頼みを聞きいて驚く。

 しかし、ここまで驚くとは流石に予想外だ。

 俺は原作通りの流れより、自身の強さを優先した。もちろん流れを壊すのであって、結果を壊すわけじゃない。まず、やはり一つはフリアグネという壁だ。フリアグネの都喰らいの件もあるしな。まぁ、彼女の答え次第だが……。

 

 そして、ついにキアラが口を開く。

 

「えっーと、私もまだ一応学んでいる身ですし……。私なんかより、サーレさんに教わった方が……あっ、来た!」

 

 キアラは後ろに向き、その先にいる男性に手を振る。そして、俺も同じ方向に向いた。

 その先にいたのはカウボーイの帽子を被っており、ガンベルトも着用している。

 

「いやいや、本当に無事で良かったよ」

 

『弟子の命の危機だったんだし、もう少し心配な顔したら?』

 

「いやホント、こっちも色々あったんだ」

 

 その男は鬼功の繰り手の称号を持ち、 絢の羂挂のフレイムヘイズ、 サーレ・ハビヒツブルグがそこにいた。




この主人公は原作の流れを壊すことにしました。結果は壊さずに。
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