抜錨するっぽい!   作:アイリスさん

121 / 158
計画進行中。

 

 

「救出作戦は成功、だそうよ?沖立提督は予定通り向こうの泊地の査察をしてから明石さんと一緒に呉に戻るってさ」

 

曙よ。

やれやれ、ホッと一息って所かしら。報告に依れば夕立達は龍驤さん達の救出に成功したらしいわ。夕立が中破した時点で作戦は中止の予定だったけど、どうやらうまく行ったみたいね。風雲も大活躍だったらしいし。優男的には満足行く内容だったんじゃない?

 

「そうか。それは一安心だな。曙も疲れただろう?夜も遅いし先に休んでくれて構わないよ」

 

優男は最近いつもこれよ。前にも増して仕事が増えて、しかも熊野さんが抜けたから仕事を捌く効率はどうしても落ちてる。熊野さんに代わって補佐してる漣は言い方悪いけど大して役に立ってないしね。

 

「仕事が残ってるのに秘書艦が先に休んで良いわけないじゃない。私はまだ平気よ。さっさと仕事片付けちゃうわよ」

 

‥‥‥なによ?確かに少しは眠いけどさ。仕事だからよ。他に意味なんて有るわけないんだからね!別に優男と二人っきりの状況を堪能したいなんて思ってないんだから!

 

「しかしだな‥‥‥いや、やはり曙は寝た方がいい。顔に疲労が出ているぞ」

 

えっ、顔に疲労が!?思わず両手を頬に当てて焦っちゃったわ。優男の前でそんな疲れた顔してたなんて、私とした事が‥‥‥コイツの前でだけはお肌には気をつけてた筈だったのに‥‥‥でも心配してくれたのは素直にうれしいっていうか、ちゃんと私の事見てくれて‥‥‥ハッ!?ちっ、違う!そうじゃなくて!

 

「なっ‥‥‥なに人の顔ジロジロ見てんのよ、このクソ提督っ!そんなヒマあるならとっとと仕事終わらせろ!」

 

恥ずかしさもあって、一層強く当たっちゃったわ。ハァ。やっぱり駄目ね、私ってば。

 

「そう言うな。明日もあるんだ。これは僕の我が儘じゃなくてだな、曙の体調の問題だからね。無理をして調子を崩されても困る」

 

そっ、そこまで言うなら仕方無いわね。今日は休んで明日に備えようかしら。そうよね。体調崩して秘書艦出来なくなったら困るものね。別に優男と一緒に居られなくなるのが嫌な訳じゃないわよ?仕事!仕事の為よ!

 

コンコン

 

「御主人様、只今戻り‥‥‥オヤオヤァ?ボノたん、漣はお邪魔でしたかなぁ?」

 

漣!?なんでこんな時間に!?アンタ寝たんじゃなかったの?

 

「なんでお邪魔なのよこのバカ!漣、アンタ何しに来たのよ!」

 

「漣は僕が呼んだんだ。ちょっと用事を頼んでいてね」って優男。あ、もしかして交代要員?ちょっとは気が利いてる‥‥‥のかな?でも漣が私と代わったらかなり効率落ちると思うんだけど。

 

「ボノたん、なに?もしかして漣は役立たずと思ってない?フフフンッ、こう見えても漣は夜は有能(意味深)だお。あ、御主人様、ボノたんは夜戦(意味深)はウブだから優しくしてあげないと駄目ですぞ?」

 

「何言ってんのよ、このクソ漣!!」

 

本当に何言ってくれてるのよ漣は!アンタ本当に仕事大丈夫なんでしょうね?まぁ、確かに疲れてはいるし眠いからお言葉に甘えさせてもらうけど‥‥‥。

 

「まっ、まあ、疲れてないって訳じゃないし。どうしてもって言うなら休まない事も無いけど」

 

「そうしてくれ。明日も予定通りの時間に頼むよ、曙」

 

仕方無いか。スッゴク不安だけど漣に任せて、私は寝させてもらおう。フワァ、って無意識に欠伸をしちゃった私は、二人に促されるまま自室へ。

あー、執務から開放されたら緊張の糸が切れちゃったみたい。急激に睡魔が襲ってきたわ。そのままうつ伏せにベッドに倒れ込んで。あ、駄目だわ。もういいや。髪留めだけ外してこのまま寝ちゃおう。明日朝イチでお風呂に入れば良いわよね?おやすみなさい。明日も優男と一緒に‥‥‥。

 

 

 

私がそうして眠ってしまった後ね。執務室の漣と優男、例の夕立達の事に関して話してたみたいね。

 

「それで漣。例の件は?加賀は何と言ってる?」

 

「はい、御主人様。熊のんの改二改造の方は順調だそうですよ?後は夕星の承認待ちだってさ」

 

熊野さんの改二改造。鈴谷が改二になったんだもの。当然熊野さんにだって改二になれる算段はあった。それがいよいよ現実になっただけよ。

 

「黒潮の方はどうなった?」

 

「黒潮っちの艤装も明石さんの見立て通りですよ、御主人様。妖精さん達の話だと、陽炎とヌイヌイの艤装も同じ要領で出来そうだってさ」

 

そうよ。黒潮さんの大規模改装。それと同じ要領で不知火の改二も出来るってさ。陽炎はまだ練度が足りなくて艤装のスペックを引き出せないから一先ず置いておくみたい。

ほら、明石さんが言ってたでしょ?『陽炎型、夕雲型が使用していた本来の装備を使えば、その艦の持つ本来のスペックを引き出せるんじゃないか』ってね。その為に開発した連装砲のD型改二を清霜と島風に今回持たせてるでしょ?それと同じよ。61㎝四連装酸素魚雷後期型。そのスペックを引き出す為の艤装の最適化と基礎スペックの大幅な上昇。つまりは改二ね。

 

‥‥‥って待ってよ。どうしてそういう肝心な事を私に言ってくれないのよ?確かに仕事量は格段に増えたし、これ以上私に負担が掛からないように配慮してくれてるって事も分かってるけど。でも私は!‥‥‥私は、どんな形でもコイツの力になりたい。

 

「あ、それとさ、大和型の改二改造だけど。大和さんの艤装は相当掛かりそう。武蔵さんのなら‥‥‥って言ってるお」

 

武蔵さんの改二改造、ね。もしも武蔵さんが生きてたら更に強力な戦力になった筈だったんだけど。新たな適合者が現れるのを待つしか‥‥‥無いのか‥‥‥。

 

「そうか。武蔵が生きていたらな」

 

「仕方無いっしょ。ghostが相手だったしさ。それに御主人様に責任は無いって」

 

あ、『ghost』ってのは例の、川内さんと大鳳さん以外の横須賀連合艦隊をたった一隻で壊滅させた化け物、戦艦水鬼のイレギュラー。付けられたコードネーム『ghost』。奴は‥‥‥いや、終わった事は今はいいか。

 

「それでさ、御主人様。一つだけ問題があるんだけど。聞きたい?」

 

「ああ。聞くしかないんだろう?間宮からか」

 

‥‥‥間宮さん、今は呉に居るじゃない?あれさ、ここだけの話だけど夕立の監視を兼ねてるのよ。もう昔話になっちゃうけどさ。間宮さん、旧大本営の犯罪を暴く為に私達に協力して内偵してくれてたのよ。

その間宮さんの話だと、明石さんに『誰にも言わないでくださいね?これ内緒の話なんですけど』って前置きされた上で『沖立さん、実は作戦途中で中破、最終的に大破しちゃってたんですよ。あ、美味しい甘味ありがとうございました!』って連絡されたってさ。

 

「で?御主人様。明石さんと夕星の処分はどうするの?」

 

「‥‥‥今回は聞かなかった事にするよ」

 

ホンット呆れるわね、どいつもこいつも。このお人好し共。夕立も明石さんも命令違反だってのにさ。

 

「あ、それともう一つだお。グラーフさんの話だとさ、ヨーロッパを攻めてた深海棲艦の侵攻が一時止まったって」

 

この漣の報告。この時はまだ事の重大性に気付くなんて出来なかったわね。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「駄目ですね。C評価です」

 

「ちょっと不知火!?また!?これで5項目目よ?」

 

トホホ。

‥‥‥衣笠さんよ。

今はさ、沖立提督の代わりに泊地内を査察してる不知火ちゃんに付いて回ってる所なんだけどね。その不知火ちゃんの評価が厳しくってさ。

 

「不知火に落ち度でも?」

 

だってさぁ。ほら、作戦でバタバタしてたんだよ?ちょっとくらい評価オマケしてくれたっていいでしょ!仲間の命が懸かってる時に査察に備える余裕なんてないわよね?呉だって沖立提督が来るまでは管理は不知火ちゃん達がやってたんだから、衣笠さんの気持ちも分かってくれるわよね?

 

「査察に備える?何を言っているのですか。こういう事は不断の努力の結果なのですよ?テスト前の中学生では無いのですから、直前になって焦ってアレコレやるような事ではありません」

 

ウグッ、それはそうだけどさ。今回だけ!今回だけで良いからさ。そのC評価にした項目、B評価にしておいてくれないかしら?御礼はするわよ?あ、そうだ!沖立提督と不知火ちゃんの仲を取り持っちゃったりしちゃうから!ねっ?ねっ?どう?

 

「‥‥‥‥‥‥駄目に決まっているでしょう。おや、ココも駄目ですね。評価C、と」

 

惜しいッ、今絶対ちょっと悩んだわよね?あと一押し!一押し有ればきっと不知火ちゃんを陥落させられる!考えろ、考えるのよ私!私の給料の査定が懸かってるんだから!衣笠さんだって欲しいもの一杯あるのよ!

 

「‥‥‥おや?昨日分の資源の在庫の数値が抜けているようですが?」

 

「いや、だってそれはさ、ほら、龍驤さん達の件で執務なんて手につかなかったし、忘れちゃったっていうかさ‥‥‥」

 

あ、これ駄目なヤツだわ。あーあ、今年の衣笠さんは終わったわ。

 

「さて。衣笠さん、これは不知火の独り言で公的な意見ではありません。‥‥‥衣笠さんの今日の行動如何では、この評価も再考しない事もありませんね」

 

きたきたきた!衣笠さんにお任せっ!不知火ちゃんと沖立提督の仲、今日一日で確り取り持っちゃうからね!これで欲しかったアレも、アレも、アレも、アレも買えるわ!

 

 

 

‥‥‥次回は勿論、衣笠さんプロデュース!『不知火ちゃん・沖立提督急接近作戦』よ!

 

 




ヌイヌイ、熊野の改二改造計画進行中。
束の間の休息編です。次回は衣笠さんの宣言通りヌイヌイポイポイ回の予定です。

艦これONICEは大盛況だったようで。ガチのスケートファンの方々にも好評だったようですね。『無良提督』の演技に魅了される提督続出だったみたいです。
伊藤みどりさんはなんと『深海氷翔王女』役。これはまさか夏イベントは氷山空母とか‥‥‥。

※※以下ネタです※※

◆◆神風さんの受難◆◆

神風「えっとね」

秋月「はい」

神風「取り残されたわよね、私達」

秋月「‥‥‥そうですね」

神風「夕雲さんなんてさ、さっき満面の笑みで『ウフフッ、じゃあ演習行ってくるわね♪』って嬉々として出掛けて行ったし」

秋月「‥‥‥そうですね」

神風「大本営ってさ。二次創作とかのネタも結構知ってるみたいだし、浅く広くか深くかは分からないけど絶対チェックしてるわよね?」

秋月「発言がメタいですよ、神風さん」

神風「だって、白露ネタの後に白露改二告知でしょ?その後夕雲さんのネタを入れた直後メンテナンスで夕雲さん改二よ?ここも覗いてそうとか思わない?」

秋月「流石に自意識過剰ですよ?改二未実装駆逐一番艦のネタなんて他でも良く見ますし」

神風「でもさ、この小説に出た後に改二になった娘って多いわよね?」

秋月「ですからメタ発言が‥‥‥いえ、それも改二未実装艦を好んで出演させてる作者‥‥‥もとい司令のせいと言いますか、未実装艦にはいつかは改二が来るものですから。それに大本営にだって改二実装のスケジュールもあるんですから。偶然ですよ」

神風「でも‥‥‥鈴谷さんでしょ?熊野さんでしょ?武蔵さん、長門さん、文月、陽炎、不知火に龍田さん、今回の白露に天龍さん、名前だけだったけど朝潮もよ?あ、乙改になった浜風もね」

秋月「だからと言って流石に自意識過剰ですよ。司令にそんなに影響力があるなら何かしらアクションが起こっている筈ですし」

神風「‥‥‥それもそうよね。それなら曙か漣あたりも改二が来てる筈だものね」

秋月「そうですよ」

神風「でも改二かぁ‥‥‥いいなぁ」


――――泊地内のとある部屋――――

大東「えっ?アタイ等今からなにするの?」

松輪「えっと、あの、あの‥‥‥」

国後「外国語講座よ。今は海防艦娘でも外国に出る時勢だからね」

対馬「外国語講座も‥‥‥危険が‥‥‥いっぱい‥‥‥ウフフ」

日振「今日も勉強がんばりましょう」

福江「それより腹へった!」

佐渡「めーし!めーし!」

択捉「もーっ!みんな授業始まりますよ!」

―フランス語―

リシュリュー「merci」

大東「おお、本格的!」

―英語―

イントレピッド「Hi!」

国後「違和感の無さが半端ないわね」

―ドイツ語―

ビスマルク「‥‥‥えっ?なによ?」

対馬「ビスマルクさんは‥‥‥日本艦(日本の大型建造で作れるので)‥‥‥」

ビスマルク「違うわよ!私はフィリピン産だもの!」←前回のエンガノ岬でドロップ

択捉「あの、その言い訳もどうかと思いますよ?」

―ロシア語―

占守「ロシア語講座っしゅ!」

国後「いや、何で姉さんが講師なのよ!」

占守「占守だってロシアに居たッスよ。ロシア語ならペラペラッス!改二でロシア艦化もワンチャンッスよ!」

―イタリア語―

ポーラ「それでは~、授業を~、始めたいと思いますぅ。取りあえず飲みましょ~」←既に酔っている

択捉「大丈夫ですか?」

国後「ちょっと!誰かザラさん呼んできて!」

―中国語―

雪風「いまから授業をはじめます!」

福江&佐渡&大東 スピー ←居眠り

松輪「あの、あの、松輪は、あの‥‥‥」

国後「‥‥‥この泊地の外国語講座の講師って大丈夫なのかしら?」

雪風「中国語で『娘』は母親とかオバサンという意味です!ですから日本語の『艦娘』を中国語に直訳してしまうと『艦おばさん』とか『艦ババア』とかいう意味になってしまいます!」

択捉「成る程‥‥‥言葉って難しいですね」

日振「ある意味正しい、とも言えますけどね」

国後「意外と真面目に授業してる‥‥‥勉強になるわね。『艦ババア』、か」

神風「艦‥‥‥ババア?」ガーン

国後「えっ!?神風さん!?いつからそこに居たの!?」

神風「そうよね‥‥‥私の艦歴考えたら‥‥‥」フラフラ ←海防艦に言われてショック

国後「えっ!?いや、違うの!神風さんの事じゃなくって、授業で!」アセアセ

神風「差し入れ持ってきたんだけど‥‥‥ここに置いておくわね‥‥‥」フラフラ

国後「あっ、待って神風さん!違うのっ!違うのぉぉぉお!!誤解なのぉぉぉお!!」


海防艦増えたなぁ‥‥‥。
イッチバーンさんの改二(中破)がヤバイ。白露さん、大きい。そしてブラしてない(一部をガン見しながら)。
天龍改二は予想してましたが、まさか夕雲改二も来るとは!?完全に予想外の為に作者は大慌てで夕雲さんをレベリングしてます。決してあの夕雲改二のスケスケスカートを早く拝みたいとか思ってないんだからねっ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。