「――――――ん、―――」
ん‥‥‥、だれ、ですか。すいみんのじゃまをするのは‥‥‥。
「――、―――ヌ――イ―――」
ゆすらないでください、しらぬいはまだねむいのです。もうすこしねかせ‥‥‥‥‥‥ハッ!?
何たる失態でしょうか。まさか本当にあのまま眠ってしまうとは。完全に不知火の落ち度です。瞼を開き、ベッドの上で慌てて上体を起こした不知火の右には、椅子に座り微笑むポイポイの姿が。
「おはよう、ヌイヌイちゃん」
不覚。寝起きにおはようと言ってくれるポイポイの破壊力と言ったら‥‥‥等と堪能している場合ではありませんね。少しでもこの失態を挽回しなくては。
‥‥‥おや?この部屋、先程不知火が横になった医務室ではありませんね。何時の間にか移動されたようです。まあ、病人ではない不知火が医務室のベッドを占拠したままという状況は良くありませんからね。そこは納得しておきましょうか。
「ポイポイ、ブインの査察はどうなりましたか?まだ終わっていないのならば不知火は今すぐ‥‥‥」
ベッドから降りようとした丁度その時。不知火の左側からクスクスと笑う声が聞こえました。どうして‥‥‥どうして貴女がブインに来ているのですか?
『やっと起きたね。不知火、ちーっす』
鈴谷妖精さん、どうして貴女が此処に?何か特別な用でもあったのですか?それとも応急修理女神妖精である貴女が此方に来なければならない事態に‥‥‥深海棲艦ですか!
『あー、その様子じゃ理解出来てないみたいじゃん?ショートランド泊地だよ、ココは』
‥‥‥は?ショートランド泊地?つまり不知火が寝ている間に査察が全て終了したばかりでなく、此処まで運んでもらったという事‥‥‥なんたる落ち度‥‥‥。
ベッドの上でガックリと項垂れた不知火に『まっ、いいじゃん』と鈴谷妖精さん。良い訳がないではありませんか。これでは一体何の為にブイン基地に行ったのか分かりません。これではまるで、ポイポイとの仲を進展させたいが為に衣笠さんの口車に乗っただけであるかのようです。
『しっかし、不知火も『お姫様抱っこ』とかされるんだね。ニッヒヒヒッ』
待ってください。まさかとは思いますが、不知火はポイポイに抱かれてブイン基地から此処まで来たという事ですか!?後悔しか浮かびません。どうして抱かれている時に起きなかったのでしょうか、起きれていればポイポイの温もりを堪能‥‥‥ではなくて!
ハッとしてポイポイの方に視線を戻した不知火に、ポイポイは今度は苦笑いで応えてくれました。嗚呼、やはりそうですか。頬や耳どころか全身が真っ赤に染まるのが自覚できました。
なんたる‥‥‥落ち度‥‥‥。
今此処にいる艦娘‥‥‥つまり陽炎や風雲、鈴谷さん達にも見られたという事でしょう。
あ、駄目ですね。恥ずかし過ぎて動けません。これまでこんな事は一度も無かった筈だったのに。
「じゃあ、そろそろ起きて行こう?」
と立ちあがり掛けたポイポイの左手を掴み、不知火は弱々しい微かな声を発しました。
「待って‥‥‥ください‥‥‥」
雰囲気を察してくれたのか、鈴谷妖精さんはソソクサと退場。有り難いですね。そんなに時間は掛けていられないでしょうが、出来るならもう少しこのままで。
「うん、ヌイヌイちゃん。分かった。もう少しだけ、ね?」
首を僅かに右に傾げて笑ったポイポイ。嗚呼‥‥‥どうやら不知火はもう駄目なようです。貴女の傍に居るだけだというのに、このように。握った右手から、不知火の速まった鼓動が伝わっているかも知れません。
ポイポイ、貴女のあの言葉、決して忘れはしませんよ?こればかりは不知火とて譲れません。不知火をこのような腑抜けにした責任、必ず取ってもらいますからね?
ベッドの上で座ったままポイポイと手を繋いだまま。ポイポイは勿論拒否したりはしません。勿論あまりゆっくりはしていられませんが、この時が永遠に続いてくれたらと願うばかりです。
‥‥‥それからポイポイの変化に気付いたのは、呉に戻って暫く経ってからの事でした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「Hey、お邪魔するネー!」
ん?入口が開いて金剛が入ってきたわね。ジーンズ、それと縦のストライプの入った白ブラウスのラフな格好‥‥‥まだ開店前なんだけど何の用かしら?今は深海棲艦相手の状況は落ち着いてるのよね?飲みに来ただけなら開店まで待って欲しいんだけど。
元足柄・妙よ、って毎回これ言わなきゃ駄目?面倒ねぇ。
「今日は妙さんに会わせたいコが居るんデース」
会わせたい?うーん、誰かしら。この前先代の鈴谷とは会ったし、誰が来ても別に驚きはしないけどね。
「取りあえず座りなさいよ。で?誰よ?」
金剛をカウンターの真ん中に座らせて。一応聞いてはみる。その『会わせたいコ』ってのは姿が見えないし、店の外に待機でもさせてるのかしらね。いや‥‥‥また先代鈴谷みたいに妖精になった子かも知れないわね。誰かしら。轟沈した子は心当たりが多過ぎて分からないわ。
まさか島風とか武蔵とか?だったらどんなにいいでしょうね‥‥‥。
「レンは居ないんデスカ?」
「あの子なら今買い物行ってるわ。レンだって喜ぶでしょうし、来るなら前もって来るって言いなさいよね」
レンなら買い物。ちょっと足りない物と収入印紙を買いに、ね。‥‥‥何よ、何か言いたそうね?あの子の事は別にいいじゃない。
「で?」
仕込みも一段落したし。金剛に視線を戻して、と。
『Hi、アシガラ。雰囲気変わったノネ?』
‥‥‥え?今の声‥‥‥まさか。
声の主を探して、金剛の身体の方に視線を落としたわ。金剛が肩から提げてたバッグが開いて、ひょい、って顔を覗かせた一人の妖精。待ちなさいよ、本当に、本当にアンタなの?
「まさか‥‥‥Iowa?」
『Exactly.久しぶりネ』
これは予想外だったわ。まさかアイオワとはね。成る程、少しずつ見えてきたわ。金剛と一緒にココに来た理由もね。
「元気にしてた‥‥‥って言い方も変か」
此処にはあの時の‥‥‥金剛が蘇った時の当事者が揃っているものね。あの時と同様上手くいけば、中枢棲姫を止めるばかりでなくアイオワを復活させる事もできる。当時の、金剛が蘇った状況を事細かに知るには此処が最適ってわけね。
「んー、じゃあIowa、ドコから話しまショーカ?」
待ちなさいよ金剛。話すのはもう少し経ってから。取りあえずレンが戻って来るまでゆっくりしてなさいよ。少し早いけど夕飯でも食べながら話すとしましょうか。店オープンしてからじゃゆっくりできないからね。個人的にアイオワと話したい事も色々とあるしね。
短めで失礼します。
ぬいぬい、完落ち。ぽいぽいさんが何と言ったのかはこの話の最後の方に明かされる‥‥‥のか?
足柄さんとアイオワ、金剛さんは当時の状況のお話合い。この小説における真の意味での『ドロップ』の定義がこれです(という設定)。
ではまた次回。
※※おまけ2※※
伊58「」ボウゼン
伊168「どうしたの?」
伊58「これ見るでち。てーとくに渡されたの」つ《応急修理女神》
伊168「あっ‥‥‥」察し
伊58「単艦でね、キス島行けって」
伊168「‥‥‥キス島?どうして?あそこって何かあったっけ?」
伊58「単艦大破進軍弾薬回収周回コース、略して新キスクルが発見されてしまったでち」絶望
伊168「それってそんなに効率いいの?いつも通り最終的に『遠征で良くね?』ってなるんじゃないの?」
伊58「無理でち。今回のは旧オリョクルや旧バシクルの比じゃねーでち。時給換算で弾薬が大体5000プラスになるとかのぶっ壊れでち。弾薬目当ての遠征はもう要らないくらいの効率でち」ガクブル
伊168「ブラック‥‥‥復活‥‥‥」ガクブル
伊58「やっぱりでち。ゴーヤ達に夏休みがあるなんておかしいと思ったでち。このブラックキスクルの為の罠‥‥‥」ガクブル
伊168「‥‥‥でっ、でもそれだと敗北数が増えるからあんまり行かないんじゃない?まだ希望はあるよ」ガクブル
伊58「それも無理でち。てーとくは勝率に拘る方じゃないでち。イベント参加権の勝率75%を下回りそうにならない限りは中止は無理でち」ガクブル
伊168「そっ‥‥‥そんなぁ‥‥‥」ガクブル
―――ショートランド泊地執務室―――
漣「おっ、来た来た」
神風「今日は休みじゃなかったの?あれ?どうして如月も居るの?」
如月「居るの、じゃないわよ?今から出撃よ?」
神風「え?だって、昨日司令官が『バケツが1300程度だし回復の意味でも取りあえずイベントまで小休止』だって‥‥‥」
漣「うん。『他のみんなは』、だお」トオイメ
如月「私達は今から出撃よ。バシクルに、ね」トオイメ
神風「‥‥‥え?バシクル‥‥‥?だって、そういうのって潜水艦の仕事じゃ‥‥‥」ガクブル
漣「文句言っても仕方無いっしょ。ほらカミッカー、ドラム缶持って」
如月「それじゃ私もダイハツ装備しておこうかしら」
神風「バシクル‥‥‥私がバシクル‥‥…」ボウゼン
漣「じゃ、漣は軽空母三人呼んできますわ」
神風「バシクル‥‥‥私が‥‥‥」ボウゼン
如月「神風さん大丈夫かしら?」ニガワライ
漣「大丈夫っしょ。ブルネイ近海に突っ込む事になったランカーの鎮守府の水雷戦隊の子達と比べたら大した事ないし(※新たな戦果稼ぎエリア7―1の事)」
大和「それじゃ、後の秘書艦業務はお任せくださいね」
漣「‥‥‥‥‥‥うん。ま、いいや」ジーッ
如月(大和さん良いなぁ)ジーッ
大和 ニコニコ ←Lv100
神風「バシクル‥‥‥私がバシクル‥‥‥」ボウゼン
新キスクルは効率がエグ過ぎて修正されそうですねぇ。数日間ひたすらキスクルしてたら弾薬カンストするレベルですし。
バシクルもどうにか生きてて良かったですね。私も今月夏イベあるの忘れてウッキウキで5―2までは(7ー1も)攻略しました。全体的に羅針盤のラスボス感(荒ぶり方)がかなり下がった感じですね。1ー3とかキス島とかもの凄く楽でしたし。他の海域も思った程ではなくすんなり行けましたね。
他の提督方の報告だと、クソ任務として有名だった海上突入が滅茶苦茶ヌルくなるという恩恵もあったとか(なお、代わりに水上反撃が死亡した模様)。
それに今月はEOで二回も勲章が貰えるよやったね!
二期の高解像度で今までは見えなかった細かい描き込み部分も見えるようになりましたね。秋雲がコミケで買ったのは二航戦本だったとか、天津風の制服が思った以上にスケスケ(というか丸見え)だったとか、黒潮改二中破の下着が良く見えるようになったとか、浜風乙改中破の破れたストッキングの描き込みの細かさとか、多摩改二中破の胸の谷間に溜まった涙(?)とか‥‥‥え?何でしょうか?作者に何か落ち度でも?
‥‥‥今回の備蓄
燃料278000
弾薬297000
鉄 278000
ボーキ258000
今回の夏イベはさすがに行けるでしょう(バケツの残量からは目を逸らせつつ)
それとオマケの通り大和さんとケッコンカッコカリしてきました。いやー、演習のみでLv99は長かったなぁ。