抜錨するっぽい!   作:アイリスさん

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合流

今ワタシが向かってるのは工廠デース。実は第三改装してもらえる事になりマシタ。

 

金剛デース!

生存性、という観点から見ても第三改装は重要デス。『戦艦金剛』が最初期に積んでいた魚雷を再配備する事になったデース。イメージとしてはビスマルクに近いデスネ。

 

ワタシが提督に頼んだんデス。少しでも生存率が高くなるように、って。もう聞いてると思いマスけど、ワタシは一度轟沈してる身デス。今は運良くこうしてまた艦娘として生活できてマスケド、二度と沈む訳にはいかないデスカラネ。もし轟沈なんてしようものなら、今度こそ人類を滅ぼす程の化け物になるかも知れないからネ。

 

今回の任務は極めて危険デス。でもワタシ達の活躍で深海棲艦の力をごっそりと削ぐ事ができる可能性が有るのデスから、失敗する訳にはいかないネー!

 

『では金剛さん、こちらへどうぞ』

 

工廠に着いたワタシは、妖精さんに誘導されて改造用のドックへ。少し緊張シマスネ。

 

‥‥‥暫くの間。改造はどうやら成功デスネ。巫女風の制服は襟が付いたくらいでそれほど大きな変更は無いみたいデスネ。艤装は大きく変更、予定通り魚雷発射管を備え主砲を換装シマシタ。

 

これで、今度の任務でも活躍出来そうデスネ。テートクに早速第三改装したワタシを見てもらいに行きマショー!

 

逸る気持ちを抑えて執務室へと向かいマシタ。出来れば曙が離席しててテートクと二人きりになれたら嬉しいデス。

 

「Hey、テートク!金剛デース!」

 

「ああ、入ってくれ」ってテートクの返事で入室。曙は‥‥‥居ませんネ!他の子も居ないみたいデス。luckyデース!

 

「第三改装は無事終わったようだな」

 

「Yes、これでもっとテートクの役に立てマース!」

 

‥‥‥これはchanceデース。今ならテートクを独占できマスネ!ちょっとだけ我が儘を言っても大丈夫‥‥‥カナ?

 

「テートク‥‥‥少しだけ我が儘言っても、いいデース?」

 

テートクは「内容によるな」って返事。ムー、美鈴の事が大切なのは分かってるケドさー、ワタシの事もちょっとくらい気にかけてくれてもいいヨネ?

 

けど今はテートクと二人きり。ここで行かなきゃ艦娘が廃るデース!

勿論、動機は個人的な欲望だけじゃ無いデース。今度の任務への不安だってありマス。ワタシだって轟沈への不安が消えた訳じゃ無いデスカラネ。あんなのはもう二度と御免デース。

 

「‥‥‥‥‥‥ギュッってしてもらっても、いいデース?」

 

嗚呼、いざとなると駄目デスネ。loveなら何時でも言葉に出来るのに。今言葉に出来るのはこれが精一杯デス。

 

でも。テートクは後ろからギュッってしてくれマシタ。これってアレデス、あすなろ抱きってヤツデース。破壊力が凄いデスネ。出来るならずっとこうしていたいデース。

 

けど分かってマス。テートクは何時も美鈴の事が一番デスカラ。これもきっと前にワタシを轟沈させた事への罪滅ぼしの一つデショウネ。

 

温もりに浸ってたのも少しの時間。テートクはゆっくりワタシから離れマシタ。

 

「大丈夫デス。このくらいで勘違いしたりしないヨ。Thank You、テートク」

 

「すまないな、金剛」

 

大丈夫、テートクから力は充分貰いマシタ!これで次の任務もまた、頑張れマース!!

 

◆◆◆◆◆◆

 

萩風です。

今は呉の正門の前に居ます。突然の異動に少し困惑してましたけど、新人研修で一緒だった陽炎も所属してるみたいですし不安は少ないです。

 

IDを見せて門を通って、中へ。

先ずは執務室を目指しましょう。司令に御挨拶を。と思ったのですけど。

 

「萩風じゃない!どうしたの?」

 

後ろから声を掛けられました。懐かしい声。陽炎ですね。

 

「久しぶりね。私も今日から呉所属になったの」って返事を返してみると、ランニングウェアの陽炎と、一緒に走っているらしい駆逐艦の子が二人。ええっと。

 

「暁よ。初めましてよね」

 

「風雲よ。宜しくね」

 

あれ?なんでしょうか。暁さんも風雲さんも、何だか微妙な表情。もしかして私、あんまり歓迎されてないんでしょうか?

 

「あー‥‥‥萩風、ちょっと時間ある?司令の所に行く前に聞いておいた方がいい事があるのよ」って陽炎は言うんですが。でも早く司令に会ったほうがいいんじゃないでしょうか?勝手にあちこち歩き回るのもどうかと思いますし。

 

「へーきよ、萩風だって大湊からの長旅で疲れてるでしょ?お風呂で汗を流してサッパリしてから司令と会った方がいいに決まってるじゃない」

 

でっ、でも陽炎。他所から来た私がそんな勝手な事して大丈夫なんでしょうか?やっぱり早く司令と会った方が‥‥‥。

 

「へーきよ!いざとなったら暁先輩が何とかしてくれるわ。暁先輩、これでもここじゃ結構偉いんだから」

 

「ちょっと陽炎!これでもってどういう意味よ!もー、暁は一人前のレディなんだからね!でも‥‥‥そうね、前知識くらいはあってもいいかも」

 

ふふっ、なんだかとっても仲がいいみたい。そうね、それなら少しだけお言葉に甘えようかな。

 

「そうと決まれば。行くわよ萩風!」

 

陽炎はそう言って私の右手を掴んで引いて走ります。四人で目指してるのは勿論入渠施設。それにしても司令に会う前に知っておいた方が良い事って何でしょう?

 

お風呂にはたまたま私達四人しか居ませんでした。浴槽にゆったり浸かりながら聞いたのは、決して気持ちのいい話じゃなくって。

 

現在の秘書艦である不知火先輩。彼女の実の妹が先代の萩風って話と、件の駆逐水鬼の話。だからもしかしたら私は不知火先輩には歓迎されないかも知れないって話。

そっか。そういう事情があるなら仕方ないかも知れません。私だって不知火先輩と同じ立場だったらどうしていいか分からないだろうし。

 

それからもう1つ。不知火先輩は司令のケッコン艦で、二人は特別な関係なんだとか。ええっと‥‥‥うん、そういうのは人それぞれですよね。

 

「あっ、そうそう。それでね?いま司令の首筋に不知火が付けたキスマークがあるけど突っ込んじゃ駄目よ?」

 

「陽炎、分かったわ。突っ込まない事にす‥‥‥‥」

 

え?キスマーク?待ってください、じゃあもしかして不知火先輩と司令って‥‥‥かっ、考えないようにしましょう。それとなるべく司令の首筋に視線を向けないようにしなくっちゃ。

 

「ねえ陽炎、その話要る?」って微妙な反応の風雲さん。それと「そ、そそそそうよね!野暮ってヤツよね!」って顔を真っ赤にして焦った様子の暁先輩。不知火先輩とはどうなるか分からないけど、これなら上手くやっていけそうね。

 

そんな話をしてお風呂から出た私は、暁先輩に付き添われて執務室へ。

 

「暁よ。入るわね、司令官」

 

「ええ、どうぞ」って返事があったあと、私は暁先輩の後を追って中へ。秘書艦業務をこなしてる不知火先輩は、私を見るなり視線を逸らせました。仕方ない‥‥‥ですよね。

 

「ようこそ呉へ。沖立です。宜しくね」

 

「陽炎型駆逐艦17番艦萩風、ただいま着任しました」

 

肘をあげない海軍式の敬礼。沖立司令は凄く綺麗で。けど何処かこう、儚げな人でした。

あ、でも私の視線はつい司令の首筋の絆創膏へ。不知火先輩がそれに気付いて顔を真っ赤にしています。

 

「詳しい説明は後でするわ。先ずはそうね。暁ちゃん、萩風を案内してもらえる?」

 

私は司令の言葉通り、暁先輩に連れられ呉鎮守府内を案内される事になりました。それから執務室から出た時に、髪が凄く長い艦娘さんとすれ違いました。由良さん、だったかな?すれ違いざま、少しの間私の事を凝視していたでしょうか?

 




金剛改二丙がお披露目。それと萩風が合流。下準備は整いました。あとは欧州打通作戦開始と駆逐水鬼迎撃戦を待つばかり‥‥‥?



※※以下ネタです※※

神風「来たわね」

Fletcher「HI、カミカゼ」

浦風「ウチに何か用?」

白露「提督に呼ばれたんだけどー?」

浜風「……」

神風「うん、四人揃ったわね。みんなは他の泊地の演習担当だって」

Fletcher「演習……ですか?」

浦風「うーん、何でウチらなんじゃろうね?」

白露「そうだよね?どうせならケッコン艦単艦とかの方が相手も助かると思うけど」

浜風「……」

神風「ええっと、理由言った方がいい?」

浜風「……いえ、結構です。理解しましたので」ハァ

Fletcher「私は教えて頂けると助かるのですけれど」

神風「ええと、艦隊名は……『その乙πで駆逐艦は無理で』だって」ハァ

Fletcher「!?」カァァ

浦風「……ああ」呆れ

白露「……そういう」呆れ

浜風「メンツを見た時からそんな気はしていました」ハァ

神風「漣が血の涙を流してたわ。『大きさか!?やはり大きさが絶対的な戦力の差なのか!?』って」



ドーモ、作者デス。
フレッチャー掘ったどー!!!

令和初の春イベントお疲れ様です。6月2日時点での各海域突破率は各海域出撃のうちE1が90%、E2が65%、E3が50%、E4とE5が50%だそうです。
つまり2日現在でイベントクリアしてコロラド入手してる提督は全体の7%程度(90%×65%×50%×50%×50%)、という事に。E2で道中の空襲を切り抜けられたかの差になってますかね。皆さん友軍艦隊待ち、というのも有ると思いますが。何せあの『某パラオのまるゆ提督』がE5第2ゲージで燃料枯渇する程の難易度ですからね。

フレッチャー掘りがかなりキツイ、という先行勢の情報があったので私はE4E5は丙でとっとと抜けてフレッチャー掘りに専念という選択をした訳ですが。
丙はA勝利では出ないらしい、という情報が途中で判明した為に艦隊半分程入れ替えて「A勝利でいいや編成」から「S勝利狙い編成」に変更。S勝利安定はしたもののフレッチャー掘り当てるまでに燃料20万近く溶かす羽目になりました。溜め込んでたプレゼント箱も全開封、勲章まで叩き割って掘った結果、フレッチャーは何とか来てくれました。これで来てくれなかったらもうどうしようかと。

(消費燃料20万)÷(一周で燃料約1200前後)=(周回数)

これを見てもらえればいかにフレッチャーが出なかったか分かるでしょう。ホント丙に落としといて良かった。(甲A勝利と丁S勝利はドロップ1%程、丙S勝利はドロップ2%程)

総評としては最強の烈風は逃したもののコロラドは無事入手。フレッチャー、それにルイージがドロップしたのでイベントとしてはまあまあの結果でしょうか。
コロラド、フレッチャーの二隻が入手出来なかったら今回は負けだと思ってたので。何せ『艦隊』これくしょんですからね。
‥‥‥え?石垣?無理無理、もう掘りできるような余裕無いです。今燃料ギリギリ5桁ですし。今回は大人しく諦めです。

それではこれから後段作戦に挑戦する提督の皆さん、頑張ってください。

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