抜錨するっぽい!   作:アイリスさん

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肯定

神通です。

今は呉鎮守府の執務室です。通常の執務はそこそこにして、戦況を見守っています。

二航戦の御二人が間に合った事もあり、現在戦局は此方に有利に動いています。瑞鶴さんが大破、という報を受けた時はどうなる事かと思いましたが、鈴谷さんの活躍もあってどうにか踏み留まったのが大きかったようです。

 

横須賀からの通信です。当然、通信の主は山本中将。彼方に動きがあったのでしょうか?

 

『不知火は現在何処にいる?』

 

「今は部屋で休ませています。阿賀野さんに付いてもらっていますから、一人で暴走したりはしないとは思います」

 

不知火さんに何か用があるのでしょうか?それともまさか、沖立提督の身に良くない事が?

おや?どうして山本中将が不知火さんと沖立提督の関係を知っているのでしょうか?

 

「一つ聞いても宜しいでしょうか?」

 

私がそれを聞くまでも無く、察した山本中将は答えてくださいました。『漣に聞いて知っている』と。嗚呼、成る程。漣さんですか。確かに彼女なら話していそうではありますね。

 

『結論から言おう。沖立を保護した。彼女は生きている。今は横須賀で軍医達が鋭意治療中だ』

 

良かった。ホッと胸を撫で下ろしました。何せ沖立提督がたった一人でレ級と対峙していると聞いていましたから気が気ではありませんでした。不知火さんはそれを聞いた瞬間気を失い倒れた程です。それもあったので阿賀野さんに付いてもらっている訳ですが。

そうですか。沖立提督は無事‥‥‥え?あれ?山本中将、無事とは言っていない?嫌な予感がしますね。

 

『今はまだ、金剛達がレ級と交戦中だ。戦況は良くはないが、何とか堪えてくれている。戦場に出れない自分が歯痒い限りだよ』

 

やはりあのレ級が相手では撃破するのは容易い事ではないようです。向かった金剛さん達の練度は全員が最高かそれに準ずるものだった筈。それでも苦戦を強いられるのですから。沖立提督、そんな相手に一人で‥‥‥全く、無理ばかりして。

 

「あの‥‥‥沖立提督の容態はどうなのですか?」

 

想像は出来るのですけれど。どうか私の思い過ごしであって欲しい。祈るような気持ちに、しかしながら現実は応えてはくれなくて。

 

『今夜が峠、といったところだ。はっきり言って、非常に良くない。危険な状態だ』

 

やはり、ですか。山本中将に依れば、沖立提督を連れ帰ったのは熊野さん。入れ替りで、緊急帰国途中だった霧島さんが艦隊に加わったそうです。霧島さんが間に合っていなければ、沖立提督は間違いなく亡くなっていただろう、とも。

 

『応急修理女神妖精の力も大きかった。どうやら沖立の出撃を幇助したのもその妖精らしい』

 

応急修理女神妖精?そんな子、呉に居たでしょうか?思い当たるような子は‥‥‥あ、もしかするとあの新任の、鈴谷さんの改二改造を担当したリーダーの子でしょうか?

 

『それで、だ。確認したい事がある。戦場の鈴谷と連絡、取れるか?』

 

「直接通信を、という事でしょうか?」

 

鈴谷さんと?確かに鈴谷さんは何時もとは全く違う雰囲気らしいですし、まるで‥‥‥いえ、空母として戦っているようですが。それが沖立提督の状態と関係あるのでしょうか?

 

「分かりました。中継してみます」

 

私は言われた通り、通信を繋ぎました。先ずは向こうで連合艦隊の総指揮を執っている長門さんと繋ぎ、そこから分隊の一つを指揮している曙ちゃんへ。

 

『何よ、優男?今は交戦中よ!要件があるなら手短にしてもらえる?』

 

『すまない、曙。直ぐに終わる。鈴谷と連絡、取れるか?』

 

曙ちゃんから鈴谷さんへ。何故か『曙との通信は繋いだままにしておいてくれ』という中将の命令に従ったまま、今度は鈴谷さんに通信を。

 

『何かしら。今は忙しいのだけれど。気が散るから後にしてもらえるかしら?』

 

やっぱり。鈴谷さんは様子が何時もとまるで違います。別人と会話しているかのようですね。

 

『‥‥‥加賀だな?』

 

中将の言葉を理解するのに、少し時間を要しました。鈴谷さんに向かって『加賀だな?』ですよ?普通ならば一体この人は何を言っているのだろう、と思いますよね?ですが、通信の向こうの鈴谷さんの反応は‥‥‥。

 

『此処は戦場です。提督と言えども、場を混乱させるような質問は控えてもらえないかしら?』

 

『『鈴谷』から聞いた、と言えば分かるな?』

 

『そういう事ですか』と溜め息をついた鈴谷さん。ええと、どういう事でしょうか?鈴谷さんは戦場に居て、中将はその鈴谷さんを『加賀さん』と呼び、それを鈴谷さんから聞いた‥‥‥?すみません、私の理解力が足りないのでしょうか?

 

『やはりか。そっちの鈴谷はどうしている?やはり意識を失っているのか?』

 

『いえ。此方は意識は確りしています。今も貴方の声を聞いたせいで頭の中がこの子の声で五月蠅いくらいね』

 

鈴谷さんは『少し静かにしなさい。‥‥‥ええ、言ったりはしません』と何やら独り言を。すみません、誰か私に分かりやすく説明してもらえないでしょうか?

 

『そうか。空母水鬼相手ではお前にも思う所はあるだろうが‥‥‥そっちは頼んだぞ、加賀』

 

『鎧袖一触よ、問題無いわ』

 

鈴谷さんとの通信を切った後。呆気に取られていた私の耳に聞こえてきたのは、曙ちゃんの啜り泣く声。成る程。何となくですが理解しました。つまり、鈴谷さんの身体を使って艦載機を射ち出しているのは、どういう原理かは分かりませんが亡くなっている筈の加賀さん、という事でしょうか。

 

『この‥‥‥クソ提督!後でちゃんと説明しなさいよ!アンタもよ、鈴谷!』

 

その通信が切れた後でしょうか。部屋の外でガタンッと物音がして、誰かが走り去る音。慌てて扉を開け確認した時には既に誰も居ませんでしたが、それが誰かは直ぐに分かりました。阿賀野さんが慌てた様子で駆け込んできましたから。

 

「神通さん、ごめんなさい!不知火さんが部屋を飛び出していっちゃって」

 

困りました。厄介な事になってしまいましたね。先ずは‥‥‥何か事が起こる前に不知火さんを拘束しなくては。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

どうしてなのですか。これで何度目だと思っているのですか。この不知火を何度泣かせれば済むというのですか。今度という今度は許しません。謝っても許しません。この不知火を本気で怒らせたわね、ポイポイ!

 

ポイポイが危険だと知って。勝手に走り出していて。気が付けばこの前と同じボラードの前。何時かのように此処に寄り掛かっていれば、時間が経てば落ち着いても来るのでしょうか。

 

涙が止まりません。どうして。どうしてなのですか。どうして運命というモノは不知火にばかり辛く当たるのですか。萩風や陽炎だけでなく、ポイポイまで‥‥‥不知火の大切な人さえも奪うというのですか。

 

駄目ですね。立とうにも、もう足に力が入りません。腰が抜けてしまっています。嗚呼、不知火はこんなにも弱かったのですね。そうですよね、不知火が今迄やってこれたのは、ポイポイが居てくれたから。貴女が支えてくれたからに他ならないから。その貴女まで居なくなってしまったら、不知火はこの先一体どうやって生きていけばいいというのですか。

 

やはり駄目です。不知火には、貴女が必要なんです。だからポイポイ、お願いです。生きて。生きて帰って来てください。その時は、不知火はきっと‥‥‥。




ポイポイ確保。ヌイヌイの今後はどうなる事やら。

次回に(多分週末か翌週くらい)続きます。



※以下、ネタです※

◆◆神風さんの受難◆◆
ぱーと6

神風「ねえ」

浜風「私は何も聴こえません、何も見ていません」

神風「いや、だって、アレって」



漣「‥‥‥」orz



浜風「漣さんに触れないでください、面倒な事になる予感しかしません」

神風「でも」

漣「ハッ!?二人とも、聞いてくだち!」

浜風「‥‥‥ほら、やっぱり」

神風「あっ、うん。ごめんなさい」

五月雨「あっ!神風さーん!」フリフリ

神風「五月雨、最近演習によく参加してるわよね、今日はちゃんと休んだ?」サザナミ ハ シカト

五月雨「はいっ!次の演習も頑張りましょう」キラキラ

浜風「純粋な笑顔が眩しいですね。それに引き換え‥‥‥」チラッ

漣「あ゛?何やコラ?やんのか?」

浜風「いえ、別に」メソラシ

神風「アレは放っておきましょう。五月雨は最近頑張ってるわよね」ナデナデ

五月雨「はい。暫く待機が続いてたので提督に忘れられちゃったのかと思ってましたけど‥‥‥今は凄く充実してます!」ナデラレ

漣(ここで漣が、「御主人様が『夕張×五月雨モノの18禁SS』読んでて『有りだな!よし、五月雨も育てるか!』って言ってた」ってバラしたらどうなるんだろうか)

五月雨「神風さんはこの前もMVP獲ってましたよね!相手はみんなケッコン艦なのに、夜戦で相手の旗艦をカットインで大破させて勝利‥‥‥凄くカッコ良かったです!」

神風「べっ、別に普通よ。でもありがとうね」ナデナデ ←現在lv73

五月雨「エヘヘ」ナデラレ ←現在lv25

浜風「おや?確か最近の演習は由良さんのレベリングの為だったような?神風さんがMVPを獲っては駄目なのでは?」

漣「それ言ったら駄目だお、二人に聞こえるから」

浜風「‥‥‥漣さんって、何だかんだ言いながらも皆さんの面倒見は良いですよね?」

漣「まあ、初期艦ですし」オスシ

神風「え?二人で何話してるの?」

浜風「いーえ」

漣「何でもないのです」

神風「そう言えば漣は何か言うことあるんじゃなかったの?」

漣「ハッ!?そうだった!」

浜風「折角きれいに終われそうだったのに」

漣「この前漣の進水日(※6月6日)だったっしょ?」

神風「そうね」

漣「で、その日に運営のイレギュラーなアップデートもあったっしょ?」

五月雨「??あっぷでーと?うんえい?って何の事ですか?」

浜風「あ、五月雨さんは気にしなくてもいい事ですよ」

五月雨「えっ?うーん‥‥‥」

漣「で。御主人様と漣は『遂に漣改二来ルー!!』ってウキウキで待機してたんですよ」

神風「あー」

漣「期待してたのに!漣改二期待してたのに!限定グラだけってどういう事なんだお!?納得いかねぇ!!」ジタバタ

浜風「まあ、運営のやる事は常識では測れませんからね。1分の1スケール瑞雲とか作るくらいですし」

五月雨「???」

漣「あ、五月雨ちゃんが混乱してる。神ヤン、慰めてあげて」

神風「神ヤン!?それまさか私のアダ名?」

漣「え?朧→ボーロ、潮→乳牛、曙→ボノたん、だから神風→神ヤンでしょ?」

神風「何の脈絡も無いっ!?それに『神ヤン』なんてやめて!私の高い数値を誇る運の値がゼロになりそうなアダ名はやめて!」

浜風・五月雨(『乳牛』にツッコミは無いんだ‥‥‥)

漣「いいぜ、神ヤンの運がゼロになりそうって言うんなら‥‥‥その幻想をブチ殺すッ!」パキィィン

神ヤン「だからやめてってば!あっ、私の名前表示が『神風』から『神ヤン』に!?お願いですやめてくださいホントやめてください」

漣 ドヤッ

神風「」グスッ

五月雨「幾ら漣さんでも『メッ』ですよ!」プンスカ

漣(だって、御主人様が『神風ともケッコン目指す』なんて言うから‥‥‥)




浜風(どうでもいいですけど、さっきからアソコからコッチを覗いている二人はなんなのでしょうか)




国後|д゚) <カミカゼサン “イツモ” ミテマスカラ

榛名|д゚) <ハルナ ハ ホウチサレタママデモ ダイジョウブデス(←lv35のまま放置され中)


熊野改二は確定でしたけどね?いやあ、漣改二にも少しは期待してたんですよ。イレギュラーアップデートでしたし。 ハハハ、漣さんはまだ先のようですね。


‥‥‥ちとちよの梅雨グラ見ててふと思ったけど、もしかして大和の電探傘って番傘じゃなくて蛇の目傘?

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