抜錨するっぽい!   作:アイリスさん

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先に書いておきます。今回は読み飛ばしても何ら問題はありません。本当に番外です。


番外3 礼号作戦

 

「うぅ‥‥‥気持ち悪いです‥‥‥」

 

どうしてこんな事になったのでしょう。目が回って、頭ががんがんして、吐き気がします。榛名は、全然大丈夫じゃないです‥‥‥。

 

「榛名さん、ホラ水」

 

はぅ。朝霜さん、助かります。水を飲んで少しでも落ち着かなくては。いただきます、ゴクゴク‥‥‥っ!?これ、日本酒‥‥‥ウップ、もう吐きそうですぅ。

 

「アヒャヒャヒャヒャ!!」

 

朝霜さんがお腹を抱えて笑い転げてます。駄目です、怒る気力もありません。誰ですか、朝霜さんにまでお酒を飲ませたのは。

 

話すと長くなるんです。深海棲艦の襲撃も一段落して、皆さん無事に戻られて。夕星さんはまだ要安静ですけれど、一先ず身体の方は心配はないそうです。それで。元気の無い清霜ちゃんの為に霞ちゃんが『妙さんのお店に行こう』と誘って、榛名は保護者として付いていく事になりました。お二人ともまだ子供ですし。

 

妙さんのお店に着いて、カウンターに並んで座って。妙さんと世間話をしながらゆっくりと飲食し始めたところでした。

『妙、来たわよ』という声がして。『いらっしゃい』と妙さんが自然な笑顔になって。榛名が振り向いてその声の方を見てみると‥‥‥そこに居たのは大淀さんと朝霜さん。一言で言えば、榛名の間が悪かったんです。まさかこんなタイミングで礼号組が揃うなんて。

その時は心配なんてしていませんでした。大淀さんと言えば礼節をキチッと弁えた方、という印象しかありませんでしたし、妙さんにしても艦娘時代の確りしていて厳しい方というイメージがありましたから。けれど、榛名が浅はかでした‥‥‥。

 

「可愛い霞ちゃんのお酒が飲めないんですか?」

 

いえ、大淀さん。榛名には今は無理です。これ以上飲んだらどうなるか分からな‥‥‥あっ、朝霜さんも羽交い締めにするの止めてください!本当にこれ以上飲んだら‥‥‥ゴクッ、ゴクッ、ゴクッ‥‥‥ウップ、榛名はもう駄目です、吐きそう‥‥‥。

 

「二人とも止めなさいよ!!榛名さん真っ青じゃないの!アルハラよ!」

 

あっ、霞ちゃん。もう少し早く止めてくれたら良かったのですけれど。もう限界です‥‥‥。清霜ちゃんはこんな中でもスヤスヤと眠っていて、巻き込まれていないのがせめてもの救いです。

 

「妙さん、水よ!本物の水を渡しなさい!アンタ此処の店主でしょうが!」

 

「歳上の面倒まで見るなんて流石霞ね!霞ちゃんを称えよ!」

 

アレッ?妙さんまでおかしくなっているのですが。こんなテンションの妙さんや大淀さんは初めて見ました。

 

「アンタまで酔っ払うな!早く水よ、水!‥‥‥あーっ、駄目よ榛名さん!吐くならせめてトイレまで‥‥‥袋!袋は無いの!?」

 

霞ちゃん、御気遣いありがとうございます。けれど榛名は此処までです。あ、もうダメです‥‥‥(省略)。

 

 

 

はぁ、霞ちゃん、本当にありがとうございました。榛名は危うく粗相をする所でした。お陰で間一髪間に合いました。吐いたら少し楽になりました。あ、その袋まで捨てて頂いて本当に申し訳ありません。

 

「榛名さん、それはもう良いから良いから。全部あのクズ共が悪いんだから」

 

ですが、こんなにお世話して頂いてしまって。榛名は保護者として付いて来た筈なのに。情けない限りです。清霜ちゃんにとって礼号組が揃うのは良いことだと思ったのですけれど、今後は大淀さんと妙さんの組み合わせの時は遠慮する事にします‥‥‥。

 

あっ、入口の扉が開いたみたいです。誰か来たようです。熊野さんと鈴谷妖精さんですね。

 

「‥‥‥出直してきますわね」

 

熊野さん、クルリと向きを変えて外に向かって。逃げるなんてズルいです!榛名にはこのメンバーは荷が重過ぎます。行かないで下さい!

 

「待って下さい熊野さん。霞ちゃんのお酒が飲めないんですか?」

 

「大淀さん!?手を離してください!うっ、お酒臭いですわよ?」

 

あっ、熊野さん、大淀さんに右腕を掴まれて。鈴谷妖精さんも同時に大淀さんに捕まってしまったようです。

ごめんなさい、熊野さん。榛名は悪い子です。道連れが出来て嬉しい、と思ってしまいました。

 

「外の『貸し切り』の札はこれが理由ですの?はぁ、本当はゆっくりと飲みたかったのですが」

 

『しょうがないじゃん、こんな時もあるって』

 

どうやらお二人(?)諦めたようです。仕方ありませんよね?今日はお二人も榛名と同じ目に遭っても‥‥‥。

 

「二人とも、いらっしゃい。ごめんね、騒がしくて。酒入っちゃってるけどやる事はやるわね」

 

「いえ、妙さん。食べ物は軽いもので大丈夫ですわ。今日は異動前に顔を見せに来ただけですので」

 

‥‥‥あれっ?どうしてですか?妙さんったら榛名はこんな扱いなのに、あの二人にはまともに?ううっ、酷いです、グスン。

 

「ホラ榛名さん、貴女戦艦でしょ?泣かない泣かない」

 

ううっ、霞ちゃん、ありがとうございます。妙さんも「ごめん、榛名。ちょっと飲ませ過ぎたわね」ではありません。自覚があるなら少しくらい遠慮して欲しかったです。

 

そう言えば、熊野さんは呉に異動になったのですね。今後は鈴谷さんとも一緒ですね。鈴谷さんを呉に送り出した後もずっと心配していたようですし。夕星さんにこれ以上無理をさせないという意味でも良かったのでしょう。

 

「それと、鈴谷」

 

『ん?妙さん、何?』

 

急に真顔になった妙さん、深々と頭を下げて「申し訳なかったわ」と謝っています。された方の鈴谷妖精さんは困惑した様子ですね。

 

『うん、まあ、もう良いでしょ。終わった事だしさ。こうしてまた会えたんだし』

 

そうですよね。榛名も、鈴谷さんと熊野さんが今度こそずっと一緒に居られたら素敵だと思います。ほら、大淀さんも二人に「良かったですね」って言っていま‥‥‥す‥‥‥し?

 

「良かったですね、お二人とも。お互い想い人と再会できたわけですからね。もう離れ離れになっては駄目ですよ?」

 

『大淀ってば何言ってんの!?想い人って』

 

「そっ、そっ、そうですわ!変な言い方は止してください、勘違いされるではありませんか!」

 

おや?鈴谷妖精さんは兎も角、熊野さんの方は満更でもないように見えます。顔も真っ赤になっていますし。これは‥‥‥大淀さんの勘は案外間違っていないのかも知れません。

‥‥‥何にしても、ターゲットが榛名から外れてくれて助かりました。もう少しだけ遠くから見守りましょう。

 

「へーぇ。熊野、その割には顔紅いわよ?」

 

「妙さんまで!からかわないでください」

 

よくよく考えてみれば。『重巡洋艦熊野』にとって『重巡洋艦鈴谷』は特別な相手ですし、熊野さんが個人的に特別な感情を持ったとしても不思議ではありませんね。艦娘は軍艦の魂に多大な影響を受けますから。それに、鈴谷妖精さんの妹の鈴谷さんの事をあれだけ甲斐甲斐しく世話していたのも、鈴谷妖精さんに特別な感情を持っていたからと考えれば納得出来ます。榛名はやっぱりいけない子です。熊野さんの弱味を握ってしまいした。青葉さんには勘付かれないようにしましょう。

 

「それじゃ、そういう事で!熊野と鈴谷の再会と呉への異動を祝して飲むわよ!大淀、朝霜、いいわね?ホラ、榛名ももう飲めるわよね?」

 

あっ‥‥‥避難しておけば良かったです。流れ弾が榛名にまで。

大淀さん、朝霜さん、妙さんがグラスを持って口を揃えて。

 

「「「せーの‥‥‥霞ちゃんを称えよっ!!」」」

 

熊野さんと鈴谷妖精さんが主役ではなかったのですか‥‥‥。やっぱり榛名は礼号組には付いていけません。ほら、霞ちゃんもみたいです。「このクズ共っ、いい加減にしなさいっ!!」って叫んでいます‥‥‥いますが、何処か楽しそうですね。

榛名は、ちょっと羨ましいです。

 




という訳で。礼号組の飲み会の様子でした。榛名さん御愁傷様でした。

次回は本編に戻ります。



※注※以下ネタです。

◆◆神風さんの受難◆◆

注※7月6日の事。

五月雨「♪」

神風「あれっ?何処かお出掛け?」

五月雨「はいっ♪これから提督とお食事に行くんです♪」

神風「あ、そっか。今日は五月雨の進水日だもんね。おめでとう。行ってらっしゃい」

五月雨「ありがとうございます。では、これで失礼しますね」スタスタ




神風「司令官って進水日の子をお食事誘ってるんだっけ。律儀よね。私は9月‥‥‥あーあ、まだ先かぁ」

神風「あれ?部屋の扉に封筒が挟まってる。なにこれ?」



『第三会議室ニ集合サレタシ―――――鹿島』

神風「えっ、コレって‥‥‥私、殺されないわよね?」ガクブル ←ケッコンカッコカリに向けてレベリング中、現在レベル86

コンコン

浜風「失礼します神風さん‥‥‥って、顔が真っ青ですよ?大丈夫ですか?」

神風「あ、浜風‥‥‥コレ」つ[封筒]

浜風「あぁ‥‥‥ソレですか。議題は多分鈴谷さんの事だと思いますよ?今日でレベル98になったらしいですし。提督も指輪を渡すつもりのようですから」

神風「鈴谷さんか‥‥‥でも行ったら私も絶対責められるわよね?」ガクブル

浜風「でも行かなかったら行かなかったで何をされるか分かりませんよ?」

神風「はぁ~、そうよね」ガクブル


――少女移動中――

神風「失礼します‥‥‥」トビラアケル

オイゲン「Entschudigen(ごめんなさい)、カシマ、Entschudigen‥‥‥」←正座1時間経過

鹿島「ウフフフッ、駄目ですよ。前回不参加だった罰です」

オイゲン「もう足が痺れて‥‥‥」プルプル

鹿島「そうですか。それならそろそろ正座を解いてもいいですよ?」

オイゲン「Danke‥‥‥」プルプル

鹿島「えいっ」←オイゲンの足を突っつく

オイゲン「わひゃあ!?」ビクンッビクンッ

鹿島「えいっ、えいっ」←オイゲンの足を以下略

オイゲン「んひゃあ!?やめっ、やめてっ、んはぁっ!?」ビクンッビクンッ

神風(ナニコレ)

鹿島「あ、来ましたね、神風さん」ハイライトオフ

神風「」ビクッ

鹿島「そんなに怖がらなくても大丈夫です。今日は五月雨さんについてですから。あ、勿論後で神風さんについてもターップリと『お話』しますけどね」ハイライトオフ

神風(タスケテ)

鹿島「五月雨さん‥‥‥今日進水日ですよね?提督さんは優しいのでお食事に行く事については仕方ありません。仕方ありませんが‥‥‥」

神風「?」

鹿島「今日は『提督さんの誕生日』でもあるんです。それなのに五月雨さんが独占なんて‥‥‥これは絶対に許せませんよね?許せる筈ありません、あの雌豚駆逐艦っ!!この鹿島から寝盗りなんて良い度胸ですっ!後でたっぷりと『教導』してあげますっ!」ギリッ

神風(そういう事‥‥‥五月雨ちゃん、大丈夫かな?あ、今日司令官の誕生日なんだ、覚えておこう)



Z3「カシマ、そこまでよ!」トビラバターン

鹿島「!?‥‥‥マックスさん、何の用ですか?」

Z3「貴女に大本営異動の辞令が出ているわ。貴女の横暴も今日までよ」

鹿島「そんなっ!?それじゃあ皆さんの教導は今後は誰がやるって言うんですか!」

Z3「カトリが来る手筈になってるわ。アトミラールが大本営に貴女を推薦したみたい。アトミラールに信頼されていて良かったわね」

鹿島「嘘ですよね?提督さんが‥‥‥って、香取姉!?」ビクッ

香取「話は聞いていますよ。さあ、一緒に皆さんに今までの行いを謝りに行きましょう」

鹿島「嫌です!提督さんと離れるなんて嫌ですぅ‥‥‥」ヒキズラレ

香取「妹が大変申し訳ありませんでした」ヒキズリ

神風・オイゲン「」ポカーン

Z3「それじゃ。オイゲン、貴女もカシマに良いようにやられ過ぎよ」スタスタ

オイゲン「助かった‥‥‥の?」

神風「‥‥‥‥‥‥えいっ」ツンツン

オイゲン「わひゃあ!?まだ痺れてっ!?」ビクンッビクンッ



‥‥‥翌日、7月7日

青葉「七夕の短冊ですか。風流ですねぇ」

漣「ご主人様の計らいでね」

青葉「成る程。夕飯が素麺なんて珍しいと思ったらそういう事だったんですか」

漣「そうそう。あ、短冊と言えば数人の娘が同じ願い事書いてたお」

青葉「同じ願い事ですか?何です?」

漣「『大本営から鹿島さん帰ってきたら性格が良くなってますように』」

青葉「‥‥‥あー。それで?漣さんは何と書いたんですか?」

漣「秘密」

青葉「そうですか(まあ何と書いたかは知ってますけど)」




五月雨ちゃん、進水日おめでとうございました。だからといって特別扱いはしてませんけど。
ウチの鈴谷さんレベル98まで来ました。ついこの間まで放って置かれた子だったのですがね。なんか『そうだ、ケッコンカッコカリしよう』ってなってました。

夏イベント来ました大規模宣言。提督の皆様備蓄は万全ですよね?因みに私は7月5日にEOで沼って資源多数とバケツ100個ほど溶かしました_ノ乙(、ン、)_
‥‥‥まだひと月有るしへーきへーき(震え声)

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