喉が渇いたぞ!水を持って来てくれ!喉が渇いたのじゃ~、筑摩~、ち~く~ま~!
そうじゃった。此処は呉、しかも演習用の海上だったのぅ。むぅ、仕方無い。自分で取りに‥‥‥おぉ、そこのお主!吾輩に陸から水を持って来るが良いぞ!‥‥‥なんじゃ、連れないのぅ。
吾輩が利根である!
今は呉鎮守府に来ておる。駆逐艦達の引率という奴じゃ。ムムッ、失礼な奴じゃの。吾輩とてその位出来るに決まっておるであろう?
ん?そうじゃ。呉の新米共の演習相手をしてやってくれ、と夕立に頼まれたからのぅ。こうして吾輩が態々出向いたのじゃ。羽黒には悪いが執務室に籠りっきりというのは息が詰まるからの。
吾輩は出ぬぞ。舞鶴側の旗艦は吹雪。ホレ、其処で相手の訓練を見学しておる。
「あっ‥‥‥利根さん見てください!夕立ちゃんですよ!」
うむ、本当じゃな。彼奴、艦娘として海に出て大丈夫なのか?夕立の艦の魂はボロボロだった筈ではなかったかの?
「海面に立っておるな。彼奴‥‥‥体は大丈夫なのか?」
「夕立ちゃん心配ですし。私、ちょっと行ってきます!」
実の所、吾輩は吹雪の事も心配しておった。翔鶴の成れの果てに向けていた悲しみと憎しみ。それと後悔。吹雪は裏表の無い分かりやすい奴じゃ。吾輩にもそれらが手に取るように分かった。吾輩とて気持ちは同じではあったが。何せ、翔鶴を沈ませた戦いに吹雪も、吾輩も出撃していたからじゃ。
しかし、今見ている限りでは大丈夫な様じゃな。少々安心したぞ。やはり夕立が生きて帰ってきたのは大きかったのじゃろうな。
「これ吹雪。彼奴は既に提督で吾輩達の上官。『夕立ちゃん』というのは止さぬか。せめて少佐と呼ばぬか」
「それも‥‥‥そうですよね。はぁ。何だか夕立ちゃんが遠い存在になった気がしますね」
‥‥‥む?何じゃ?吾輩の顔に何か付いておるのか?ん?吾輩も吹雪の事は言えぬじゃと?何を言うておるのか分からぬ。言い掛かりじゃな。
「さて。吾輩も『少佐』に挨拶くらいはしておくか」
幾ら神通が指導しているとは言え流石に此方の艦隊は新米共には負けぬじゃろう。新米共よ、良い経験と思って精々頑張るが良いぞ。昼戦、その結果を踏まえての夜戦まで付き合ってやる。平時だからこそ精進する事じゃな。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
むっ?あれは吹雪に‥‥‥利根さんですか。漸く現れましたか。ポイポ‥‥‥司令に挨拶をするのでしょうね。二人にとっても司令は上官ですからね。
何でしょうか?不知火に落ち度でも?
司令がどうかしましたか?不知火の上官なのですから司令と呼ぶのは当然でしょう。
怒っていない、と言えば嘘になりますね。この不知火の気持ちを知った上での狼藉、更には不知火の唇まで奪っておいて他人行儀とは。気持ちを弄ぶにも程があります。それにどうして‥‥‥どうしていつも。相談してくれればいいではありませんか。『空母水鬼は陽動の可能性があるから』とか『陽炎を着任させようと思う』とか。不知火に一言も言わずに勝手に一人で突っ走って。そんなに不知火は信頼出来ないのですか。
‥‥‥もしや。やはり不知火の事を受け入れられないのでしょうか。そうですよね、相手が異性なら兎も角、同性同士な訳ですし。
ハァ‥‥‥。仕事は勿論こなしますよ。日本の、延いては人類の未来が掛かっていますからね。けれど、ポイ‥‥‥司令の事は簡単には許しません。
「不知火ちゃん!元気だった?」
そんな不知火の気持ちの事などお構い無しに声を掛けてきましたか。やはり吹雪は吹雪のようですね。少しはポイポイのように機微を感じ取って欲しいものです。
「‥‥‥ええ。元気でしたよ」
ポイポイのように‥‥‥ですか。そう言えばポイポイは昔から不知火の微妙な表情の変化を感じ取ってくれていましたね。機微に人一倍敏感という可能性も有りますが、当時のポイポイはどちらかと言えば鈍感な方でしたし。やはり不知火はポイポイにとって特別だったと‥‥‥フフッ、そうでしたね。忘れていました。意味は今は『まだ』違えど、ポイポイにとっても不知火は特別だったのですね。ではまだチャンスはあるというもの。
とは言え、陽炎の件は許しません。いえ、勿論分かっていますよ。萩風の件も含めて、いつかは不知火自身が乗り越えなくてはならない事ですから。ですが、不知火にも気持ちを整理する時間が欲しいんです。今は‥‥‥まだ受け入れられない。あの後任陽炎には悪いですけれど。ですから。
不知火は呉の艦隊を一時停止させました。相手旗艦がこうして態々話しに来てくれた訳ですし、新米として挨拶をさせるべきですからね。
「此方は本日の演習相手旗艦の吹雪です。全員敬礼しなさい」
今日の演習艦隊には陽炎も入っています。勿論特別扱いなどする筈がありません。寧ろ、獅子奮迅の活躍を見せてもらわねば困ります。不知火の知っている陽炎は‥‥‥不知火や萩風ばかりでなく他の子達の事も気にかけてくれて。当時の世界でも最大勢力だった横須賀鎮守府の最高峰、第一艦隊で活躍できる程の実力を持った有数の駆逐艦。その『陽炎』の名を継ぐ以上、同じ位の力を見せてもらわねば困りま‥‥‥おや?吹雪が慌てているようですが。
「えぇ~、そんな堅苦しく無くていいから!ね、不知火ちゃん」
全く吹雪は甘いですね。仮にも此処は海軍であり、吹雪は大先輩に当たる訳ですからね。新米組に示しがつかないというものです。
肘を挙げない海軍式の敬礼で、新人組が「宜しくお願い致します!」と声を揃えていますね。つられて吹雪も敬礼。ハァ。これではどちらが先輩なのか分かりませんね。一体何年艦娘をしているのですか、貴女は。
「それじゃ、私はちょっと夕だ‥‥‥じゃなくて沖立少佐に御挨拶しに行ってくるから!」
おや?吹雪も最低限の礼儀は弁えているようですね。司令は神通さんと向こうに居ますし、積もる話もあるでしょうからゆっくりしてくるといいわ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
うへぇ、緊張したぁ。吹雪先輩初めて見たよ。元々呉の第一艦隊に居たんでしょ?第一艦隊って今でも凄いメンバーなのに、当時はもっと凄かったんだよね?そんな艦隊を支えた吹雪先輩、それに利根先輩も‥‥‥。緊張しない方がおかしいよ。それに比べて私なんて‥‥‥あはは。何だろう、涙が滲んできた。
風雲よ。
今回は提督も見てるし、何とか結果を残したいけど‥‥‥相手が悪いよ。吹雪先輩達なんて。何で私なんかが演習に選ばれたんだろう?
とにかく頑張ろう。せめて加入したばっかりの陽炎には負けないようにしなきゃ。あっ、でも新人なのに選ばれるくらいだし、陽炎だってきっと才能を持った艦娘なんだよね。私なんかと違って。
全員並んで挨拶を交わして。一度大きく離れる。コッチの旗艦の阿賀野さんが最後の作戦、陣形の確認。うぅ、緊張するなぁ。
『うむ。では演習開始じゃ』
利根先輩の合図。あぁ、始まっちゃった。どうしよう。先ずはえっと、えっと‥‥‥。
『複縦陣だよ!風雲ちゃん、遅れてる!』
うわっ、阿賀野さんから直接通信。本当だ、気付いてみたら私一人隊列を乱してる。駄目だ駄目だ、余計な事考えてたらみんなの足を引っ張っちゃう。何とか付いていかないと。
相手は単縦陣でコッチに向かってくる。反航戦。何とか一発でも多く当てないと。
うわっ、吹雪先輩の砲がコッチに向いた!撃たれるっ!たっ、助けて!
‥‥‥あれっ?あ、そっか。駆逐艦だからまだ射程外なんだ。でもどうしよう、あの砲身の角度じゃきっと直撃コース‥‥‥って、雷跡が向かってくる!?みんな気が付いてないのかな‥‥‥旗艦の阿賀野さんに知らせた方がいいのかな?それともギリギリまで引き付けておく作戦なのかな?えっと、えっと‥‥‥。やっ、やっぱり確認した方がいいよね?
『風雲ちゃん、どうしたの?』
「あっ、あの‥‥‥魚雷が来るんですけど‥‥‥方角はえっと‥‥‥0‥‥‥2‥‥‥5‥‥‥」
少しの間。出方を考えてるのかな?それとも『知ってたのに余計な事言わなくていい』とか思ってるのかな?どうしよう‥‥‥。
そのあと更に少し。『うそっ!?ホントだ!!きっと酸素魚雷ね!全員回避して!』って阿賀野さんからの指示。おっ、怒ってた訳じゃないんだ。良かったあ。
全員回避行動。私もみんなに合わせて回避行動。でもドジっちゃって被弾、小破。あーあ、私はやっぱり駄目だなぁ。
『大丈夫!?』って心配してくれた阿賀野さんに「まだいけます!」って応えはしたけど、声はきっと震えてた。折角神通さんが私を演習メンバーに選んでくれたのに、また一人だけ足を引っ張っちゃってる。何とか少しでも、少しでも挽回しなきゃ‥‥‥。
筑摩~、ち~く~ま~! ←コレが書きたかっただけの為に利根さん出演してもらいました。あしからず。
一人ドジっているように見える風雲ですが‥‥‥?
次回に続く。
※以下ネタです※
◆◆神風さんの受難◆◆
――番外編・集積地夏姫の受難――
2017夏イベ、E-4Lマス。
~vs.集積地夏姫戦50回目~
集積地夏姫(以下集積)「イタイ!ヤメロ、燃エテシマウ!」
鈴谷「うわっ、キッモー」三式弾砲撃
集積「ギャァァ」ドッカーン
霞「やったわ!‥‥‥って何でドロップ無しなのよ!」
集積(オマエラガ照月目当テ ナンテノハ オ見トーシ ナンダヨ!出ルワケネーダロ!ザマーミロ)
~vs.集積地夏姫戦60回目~
集積「艦娘ドモメ、マタ来タノカヨ!ドウセ無理ナンダカラ諦メロヨ!」
陸奥「撃てっ!」三式弾砲撃
集積「ギャアッ!?」ドッカーン
衣笠「やった!」
妖怪猫吊るし<チュウセン ノ ジカン ダヨ
ドロップ抽選結果→菊月
集積「フハハハ!マタ ハズレヤガッタ!艦娘ドモメ、ザマーミロォォ!」
~vs.集積地夏姫戦70回目~
集積「マタカヨッ!照月ナンテ出ルワケネーッテ言ッテルダロ!イイ加減諦メロヨォ!」
羽黒「今度こそっ!」三式弾砲撃
集積「ヤメロッテ言ッテンダロォ!折角集メタ資源ガァ!?」ドッカーン
抽選結果→伊401
集積「ハ‥‥‥ハハハッ!ザマーミヤガレ!!艦娘ドモメ!マタ401引キヤガッタ!」
神風「‥‥‥」
集積「レア背景ダト思ッタラ マタ401デシタァ!残念ダッタナァ!今ドンナ気持チ?ネェネェ今ドンナ気持チ?」
北上「‥‥‥す」
集積「ハ?」
北上「潰す潰す潰す潰す潰す潰す‥‥‥」
集積「」
~vs.集積地夏姫戦80回目~
集積「モウヤメテクレ!オ前ラノ提督ノ運デアンナ抽選当タルワケネーンダヨッ!大人シク諦メテクレヨォ!本当ニ死ンジマウダロ!」ボロッ
山城「不幸だわ。姉様は元気にしているかしら‥‥‥」三式弾砲撃
集積「ギャァァッ!」ドッカーン
抽選中‥‥‥
集積「モウ耐エラレルカッ!毎回毎回死ヌ程イタインダヨッ!抽選ナンテ無視ダッ!モウ照月解放シテヤル!」
妖怪猫吊るし<ハーイ
集積「‥‥‥アッ」
妖怪猫吊るし<フセイ、ダメ、ゼッタイ
集積「アッハイ」
抽選結果→鈴谷
集積「チックショォォォオ!!」
~vs.集積地夏姫戦90回目~
集積「モウ来ルナヨォ!ドウセ出ナインダカラヨォ!」
羽黒「うるさい、黙れ」三式弾砲撃
集積「オ前ナンテ キャラ マデ変ワッテルジャネーカヨォ‥‥‥ッテ、ギャァァアッ!」ドッカーン
抽選結果→三日月
集積「モウイヤダ モウイヤダ モウイヤダ モウイヤダ‥‥‥オウチ ニ帰ルゥゥゥウ!」
妖怪猫吊るし<ダメ デス
集積「クソガァァァア!!」
~vs.集積地夏姫戦93回目~
集積「ホントモウ諦メテ下サイ オ願イシマス オ願イシマス‥‥‥」半泣き
神風「‥‥‥」WG42発射
集積「ソレ乙女ガ無言無表情デ撃ツモノジャネーダロォ!ッテ、ギャァァアッ!」ドッカーン
抽選結果→→→照月
神風「‥‥‥‥‥‥やったぁぁあ!!!」
集積「‥‥‥‥‥‥ヤッタァァァア!!」
神風「えっ?」
集積「アッ‥‥‥」
神風「疲れたしこの際もうどうでもいいわ。やっと鎮守府に帰れるし。みんなお疲れ様。撤退よ」
集積「ヤット、ヤット解放サレタ。忌々シイ艦娘ドモダッタ‥‥‥モウ二度ト来ルナ!バーカバーカバーカ!!」
提督の皆様、2017夏イベントお疲れ様でした。今回アークロイヤル入手率、もといイベント全突破率は運営発表で65%、ベテランの元帥閣下の方々は突破できたようですね。え?作者ですか?(目逸らし)
見事フラグ回収しました本当にありがとうございましたチクショウ誰だ四週間もあるからヨユーヨユーとか抜かしやがったのは。
最後の一週間とかリアルの仕事が忙しくて殆んど艦これにin出来なかったですし(言い訳)。
まあ、照月getできたし、松輪ちゃんは作者にしては珍しくゲージ削り途中でドロップしたし、狭霧も掘り16回目で出たし良しとしま……出来ないですね。アークロイヤルとかもう邂逅出来ないかも知れませんし(白目)。え?天霧とルイージ?天霧とか掘りにすら行ってません。ルイージは‥‥‥触れないでください‥‥‥燃料3万、弾薬5万、鋼材5万5千、ボーキ4千まで減らして出なかった‥‥‥。