ー日本 紀ノ川市ー
「ん〜、もう朝か…」
カーテンの隙間から覗いてる光が眩しく、俺は目が覚めた。
俺の名前は、天月 統夜《あまつき とうや》
ここ、紀ノ川市の生まれで13歳、中1だ。
「統夜〜、早く学校行こうよ〜」
「あー、ちょっと待て。すぐ支度するから」
ったく、自己紹介くらいさせてくれよ。
とにかく待たすのもあれだから素早く着替えて…
「ういーっす」
「おはよう統夜」
「おはよシンク」
「おはよう統夜、もしかしてさっき起きたでしょ?」
「おはよベッキー、まぁ10分くらい前だな」
外で待っていたのはこの2人、俺の友達シンク・イズミとベッキーことレベッカ・アンダーソン。
この2人とは小学生の頃仲良くなった。シンクとベッキーは幼馴染のようだ。
「ああ、そういやシンク。今日だっけか出発?」
「うん、終業式途中で抜けてね」
「そっか、統夜も行くんだっけ?イギリス」
「うん、まさか統夜も来るとは思わなかったよ」
「いいだろ、たまには」
実は今日は、3学期の終業式で明日から春休み。
俺とシンクは、シンクの故郷イギリスに旅行に行くことになった。
言ってなかったけど、シンクは日本人の父とイギリス人の母のハーフだ。そして今彼の両親は世界中を飛び回っている。
といっても旅行というよりシンクは里帰りで向こうで練習がしたいとのこと。
シンクの趣味はアスレチック。毎年行われているアイアン・アスレチックという大会で優勝するという目標があるようだ。
俺はただ、暇だったしイギリスに行こうかなという理由だけ。
そんなこんなで俺たちが通う学校、紀ノ川インターナショナルスクールに着いた。
「ああ、そうだ。忘れてた」
「なに?」
「春休みの最後の3日間、ベッキーのお父さんとお母さん暇?」
「どうかな?なんで?」
「うちの父さん母さん戻ってくるから、一緒に和歌山の別荘に行かないかって。あと統夜も来るよ」
和歌山に別荘って…、やっぱりこいつの両親ハンパねえ…
出掛けようとは聞いてたが別荘までは聞いてねえぞ…
「ほんと?」
「うん、七海も来るんだって」
七海とは、シンクの従姉で2歳年上って言ってたな。
確か、高槻七海だったな。今はロンドンに住んでるようだ。
俺も何回かはあったことある。
「ちょうどお花見の季節だし、お父さんとお母さん忙しそうだったらベッキーだけでもって」
「そ、そう…。でもやーよ?いつかみたいに私を放っといてアスレチック遊びとか棒術ごっこばっかりとか…」
お前…、構ってやれよ…。ベッキー可哀想だろ…
「平気!前日までにボロボロになるまで特訓しとくから!」
なんで目輝かせてんだよシンク…
「う、うん…。あんま無茶苦茶しないようにね…」
「安心しろ、一応俺もいるし危なくなったら止めるからよ」
「うん、お願いね統夜」
まぁ、こいつの場合は無茶がいつものことってゆーかなんとゆーか…、止める側の気持ちも考えてくれよな…
「あっ、そろそろ時間。それじゃベッキー、予定空けといてね。行こう統夜」
「おう、じゃあなベッキー」
「うん、メールする」
俺たちはそれぞれの教室へと走った。
後ろに不思議な剣を咥えた犬がいることを気づかずに…
修了式途中、俺とシンクは静かに抜け教室に荷物と取りに行き、俺は先に下で待っている。
シンクはというと…、2階の踊り場から降りようとしている。
ったく、派手好きなやつだな…
「お前、ここで怪我しても知らねえからなー?」
「だいじょ〜ぶ、平気だよ」
そしてシンクは鞄を空中に投げ、飛んだ。
もう見慣れてるからあんま驚かないが、他人からしたらビックリするだろうな…
シンクが飛んだ瞬間、俺の背後から何かが通り過ぎた。
「ん?あれは…、犬?」
犬だった。なんとシンクの着地地点に向かって走っていた。
するとその犬は咥えていた剣を地面に突き刺してた。
すると、魔方陣みたいなものが出てきた。その中心はどこかに繋がってるかのようなものに。
「ええっ!?」
「おいおい、なんだよこれ!?」
ヤバい、しかもあいつシンクの真下にやりやがった。このままじゃ…
「くそ…、シンク!!」
俺は急いで駆け寄り、シンクの腕を掴もうと伸ばしたが届かず、俺も魔方陣の中へと入ってしまい、俺たちは吸い込まれてしまった。
「「うわあああ!!」」
「ったた…、ここどこだ…?」
気がつくと俺は、知らない森の中にいた。
「確か、俺たちは学校にいて、変な犬が魔方陣みたいなの出して、そしたら…。ってシンク?おいシンク!」
シンクがいない。まさか逸れたのか。
でもここは何処だかわかんねえ、とりあえず進むか。そしたらシンクに会えるかもしんねえ。
歩き始めること数分…
一向に森を抜けられない。
「それにしてもここ何処なんだ…。早くシンクも見つけないとだし…。ーーーん?なんだこの音…?」
森を進んでいるとなにやら音がする。
もしかしたら人が…!
なにか情報が得られるかもしれない。
俺は走り出した。
どんどん音が大きくなっていく。
抜けた…!森を抜けられた!…って
「あれ…?」
抜けた先には人はいた。だが…
「お主、何者じゃ?」
なんか女の人に剣向けられてる…
って、猫耳?尻尾!?
「え、ええっと…」
「お主、名は」
「あ、天月統夜です…」
「統夜…、何処かで聞いたことあるような…。わしはレオン・ミシェリ・ガレット・デ・ロワ。閣下と呼べ。それより貴様、なぜここにおる?見たところ異世界の人間のようだが」
とにかく今は現状を説明しないとこの状態をどうにかしないと…
ー説明中ー
「そうか、つまりお主は勇者召喚というものに巻き込まれたようじゃな」
「勇者、召喚…?」
なんだよそれ?勇者ってアニメに出てくるようなものだよな…
『姫さまからのお呼びに預かり、勇者シンク、ただいま見参!』
「シンク…?」
あいつなにやってんだ…?しかも勇者って…
「ほう…、お主やつを知ってるのか?」
「ええ、友達です。そうか、あいつが勇者なのか…」
「ーーーー閣下!」
突然、部下であろう人が走ってきた。なにやら焦っているような…
「む?なんじゃ?」
「じ、実はーーーー」
「ーーーーふむ、そうか…。わかった。統夜といったな?わしについて来てくれるか?」
俺はいきなり閣下について来いと言われ、閣下に着いて行った。
そこは、砦というか本拠地というか…。とにかくそんなところに連れてかれた。
閣下は俺に手を差し出した。手の上には1つの指輪が置いてあった。
「統夜、お主にはこれから戦に参加してもらいたい」
「い、戦!?ちょっと待ってくれ、俺は人を殺すとか…」
「ん?なにを言っておる?この戦は人は死なん」
え…?
ー説明中ー
「な、なんだ…。そういうことなのか…。それでなんで俺に…」
「こいつに一度触れてみてくれ」
閣下が俺に見せたのは先程の指輪。
俺は恐る恐る触れる。すると指輪からすごい光が放たれる。
「え…?なんだよこれ…」
「これは冥剣レーヴァテイン。こいつは他の宝剣とは違ってこいつ自身が主を選ぶ。つまりこいつが使える人間はこいつが決めるということだ。これが先程お主が現れた時に急激に反応したようでな。もしかしたらと思ったのだがやはりそうであったか」
「ええっと、つまり俺はこいつに選ばれたと…」
「お主がここに現れたのはなにかの運命。統夜、我らに力を貸してくれるか?ガレットの勇者として」
そう言って閣下は頭を下げてくる。
でもあの指輪に触れた時、なんか変な感じがした。
俺は…、こいつを知ってるのか…
考えても仕方ねえ。こういうのは…
「わかりました。力を貸します。勇者として」
動いて考えりゃいいんだよ!
「礼をいうぞ。ではすぐに準備に取り掛かろう」
準備完了!
俺は戦闘用の服に着替えた。
そして現状も理解できた。どうやらシンクが来たことによってビスコッティ(さっき閣下に教えてもらった)側が、巻き返しているとのこと。
「さて統夜、準備はいいか?」
「ええ、いつでも。こいつもなかなか使えそうですし」
そう言い俺は両手に持っている銃を回す。
この銃は先程渡された冥剣レーヴァテインで、形状をイメージするとその武器が具現化されるようだ。
そして俺が選んだのがこの銃。
「やはり、それを選んだか…」
「え?なんか言いました?」
「いや、なんでもない」
閣下はマイクを持ち…
「ビスコッティの犬姫ども!貴様らは勇者を召喚し戦況を覆そうとしている。だがそんなことは無用!貴様らは敗北する!なぜなら…、我らにもいるのだ!貴様らと同じ勇者が!」
閣下…、ハードル上げすぎ…
さて、やってやるか!
「刮目してみよ!我がガレット獅子団の勇者の姿を!」
俺もやってみるかね、シンクみたいに。
俺は高い場所からバク宙で飛び、着地すると両手に持つ銃をカッコよく回し構える。
決まった…
「閣下からのお呼びに預かり、ガレットの勇者、天月統夜。此処に参上!」
どうもアスティオンです。
今回、2作目はある『DOG DAYS -もう1人の英雄-』を書くことになりました。
タグどおり、この作品のヒロインはノワールで行きます。
正直エクレかリーシャで悩んだ挙句、1番推しのノワールで行かせていただきます。
今後もよろしくお願いいたします。
ついでに自分のもう一つの作品『インフィニット・ストラトス〜Hell Brothers〜』も見てください!