遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる! 作:v!sion
コート出したってのに
◐月下-
「何とかなりましたね」
「あぁ」
大通りでの戦闘から一時離脱し、本部を直接狙った須藤らは予定通り城内への侵入に成功した
成功したというよりかは何の妨害も無かった
道中
あの集団を抜けて以来は驚く程にスムーズにことが進んでいる。見張りがもう少し居てもいい気がするが、若しかするとあの大通りにいる黒服が全てなのかもしれない
一度無機質な室内で歩を止めると、4人の顔を見合わせた。引き連れたのは秋天堂と灰田と鬼禅から託された蛭谷だけ
だが、なぜか須藤と合わせ5名がこの場にいた
「...なぜ君がいるんだ」
「えっ、俺ですか!?」
灰田は灰田だが、輝元の弟である光明までま須藤について来てしまっている。呼んだ覚えはない
表情と態度からでは光明につたわっていないらしく、もう一度なぜ着いてきたか問い出すと、その青年は実に単純明快な答えを放った
「いや、呼ばれたから!」
「蛭谷はそうだが君は呼んでいないだろ」
「いやいや!灰田!って呼びましたよ!」
「...そうだな」
人の事を苗字で呼ぶのはやめようか
ため息と共に突拍子も無い反省だけが浮かんでしまった
鬼禅のお墨付きとは言え蛭谷を敵の本拠地に連れていくのは抵抗があるのに、もう1人学生等頼まれても断っていただろう
それが輝元を呼んだつもりが付いて来てしまっている。引き返すよう命じるかも考えたが、既にここは敵の本拠地。単独行動そのものが危うく思え、静かに付いてこいとだけ最後に命じておいた
「仕方ない、行くぞ」
光明、輝元、秋天堂と蛭谷を後ろに連れ須藤は再び歩き始めた
敵が何処にいるか伺いながら慎重な足取りではあるが、全くの迷いなく中へ中へと歩いていく
その行動が解せないのか、蛭谷の表情にはなぜ道がわかるのか?と疑問で構成されていた
それを汲んだのか、輝元が小声でこう告げだした
「須藤さんは何度もここに来ているからな、地図も頭の中に全部入っている」
「そ、そうっすか...でも何処目指してるんですか?」
「メインコンピューター室だ」
目的地については須藤自ら口を開いた
メインコンピューター
何を司るそれか理解出来ないでいると、今度は秋天堂が補足しだした
月下にあるメインコンピューターについてを
「この地の
「なるほど...あ、それを抑えちまえちまえば!」
「あぁ、奴らも降伏せざるを得ないだろう」
そこからさらに須藤がつけ加えた
メインコンピューターを動かける、管理できる者は快凪のみであり、月下が
つまりはその二つさえ奪還すればこの戦争に意味は無くなる。当然敵もそれを理解しており、メインコンピューター室にも間違いなく
「つまり...その快凪さん?って人も必要なんすよね?」
「あぁ、だが場所が分からない以上まずはメインコンピューター室を制圧する。最悪の場合はこれを使う」
須藤は背中を向けたまま左手で小さな何かの部品のようなものを掲げた
目を凝らしても何の機械なのか分からない
分からなくて当たり前だと言わんばかりに須藤が詳細を続けた
「月下のメインコンピューターは日本の物と違い、管理者を最大3名までしか登録出来ない。第三者による制圧に対策するための処置だ」
「快凪さんとあと二人は誰なんすか?」
「月下生まれの王家の人間だ」
「お、王家?」
普段から聞きなれない単語であり、ましてや事前に聞かされていない内容に驚く事しか出来なかった
日本とは異なり月下は王国という事か?これについても須藤が自ら詳細を語りだしてくれた
それについて端折られてしまっては処理しきれる自信がなかった
「完全なる月下生まれのとある家系が代々予備の管理者として登録する予定なんだよ。分かりやすく王家と呼んではいるが、別に月下王国っ訳では無い。あくまで形だけの存在だよ」
「...確かに管理者が日本人だけだと支配っぽくなるっすよね」
「察しが良くて助かるよ」
あまり話しにくい内容だったようだ
名だけの家系と植民地との差別化と蛭谷が端的に咀嚼したが、須藤は否定しない
兎に角話は見えてきた
蛭谷が口を閉ざした事を確認すると、追って話を続ける
「...で、こういう時のために管理者の枠を呼びで用意されている。つまりは三人目の管理者、僕が一時的にそれを担う」
「それって、
「管理者になるには快凪さんかその王家の人間の
「あ、じゃあメインコンピューターはまだ
「
「それって」
「今も尚メインコンピューターが作動したままってことだ。つまりは誰か管理者が無事だという事だ」
その瞬間、蛭谷は須藤が放った「最悪の場合」の意味を理解した
「間違いなく快凪さんか王家の人間、若しくは両方が裏切っている。快凪さんがあっち側なら僕が管理者になる事すら出来ない」
「それ...やばくないっすか。どうやって管理者になるんすか?」
「そこでコイツの出番なんだよ」
須藤は再びあの機械を見せた
月下のメインコンピューターの管理者になる為に必要なそれなのだろう
「これはバックアップ用の簡易的な端末だ。これにメインコンピューターを同期させ、これの管理者を僕に設定して同期しなおせば実質的に月下のメインコンピューターの管理者に僕はなれる」
「...それを使うってことは快凪さんが裏切った場合ですよね?上手く行くんすか?」
「同じ地に2つもメインコンピューターが存在する状況になるからな、何が起こるかは正直分からない」
詳細を聞けば聞くほどに不安が形をなして行くように思える。目的はメインコンピューターの奪取。今初めてその役割を聞いたばかりの蛭谷でも事の重大さは見えている
だが、2つのメインコンピューターが共存できるのか、そもそも現在何名の管理者が居るのかも分からない
分からない事ばかりだが、現在も稼働しているメインコンピューターは不条理にも物語っていた
裏切りの有無に関わらず月下のメインコンピューターは
ーーー
ーー
ー
◐月下-北側大通り / 午前5時30分
「始めようぜ、爺さん」
「えぇ」
オキナが何らかのカードを発動し、カードを引いた所で
黒川か無残にも二度散ったのを無駄にしない為にも、ある程度の前情報があるこの
そして何よりも鬼禅自身に負けられない理由があった
「俺にはよ、あの娘と同じぐらいの年の倅がいるんだぜ」
「おや、息子さんのお話でも聞かせて頂けるのでしょうか」
「まぁな」
オキナは6枚の手札と並べながら敵対する鬼禅の話に耳を傾けだした
嫌な顔ひとつせず、ただ本当に興味があるかのように鬼禅を真っ直ぐ見据えている
そして鬼禅は語った
この戦いにかける私情についてを
「俺もおっさんになってよ、倅も20歳を越えた。でも未だに親子アホみたいに仲良しでよ」
「.....それは結構な事でしょう」
「あぁ、幾つになっても可愛いガキだぜ。そんなガキが毎日嬉しそうに
「えぇ」
「明日もまた戦争の事なんか知らずに大学に行くんだ。そして笑顔で帰ってくる。それが家の倅にとっての当たり前なんだろうな」
「...」
「だからよ」
いつまでも身内の話等されてはオキナも困惑しただろう。だが、話題の最中で何を言わんとしているのかオキナも理解していた
それが彼の戦う理由なのだろう
息子の当たり前を
自分たちの日常を
またいつもの私生活の為にもこの戦いに敗北は許されないのだと
それをオキナが感じ取ったのを鬼禅もまた察知していた。故に続きは語らず、口を閉ざす
それを二度目
「...«цпкпошп»を召喚します」
«цпкпошп» ATK ?
「手札の«цпкпошп»を提示し、«цпкпошп»の効果により手札から«цпкпошп»を特殊召喚します」
「あぁ、構わない」
«цпкпошп» DEF ?
「では...«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング」
「お?シンクロか」
「えぇ、«цпкпошп»をシンクロ召喚!」
«цпкпошп» ATK ? ???カウンター?→?
「そしてスケールに«цпкпошп»をセット、効果を発動。自身を破壊することによりデッキから«цпкпошп»を引き入れます。そしてセット。再び自身の破壊によりエクストラデッキの«цпкпошп»を特殊召喚します」
«цпкпошп» ATK ?
「手札の«цпкпошп»と«цпкпошп»を発動します。デッキから«цпкпошп»を引き入れ、そのまま発動。手札の«цпкпошп»を提示し、デッキの«цпкпошп»を手札に引き入れます」
«цпкпошп» ???カウンター ?→?→?→?
カウンターが増加していく様や、サーチを繰り替えす中鬼禅は何もしなかった
オキナについては
だがこのターンに出来る事などデッキの行動パターンを整理するぐらいか。注意深く睨んだ先の«цпкпошп»は、今まで相手してきたそれらよりも禍々しく見えた
「手札から«цпкпошп»を発動します。デッキから3種類の«цпкпошп»を提示し、ランダムに選ばれた物を手札に引き入れます」
「ランダムねぇ...」
無論ソリッドヴィジョンが見せた3枚は全て«цпкпошп»
だがランダムによる選択が幾分マシに思わせるだろう。見えない以上選ぶに選べないため、鬼禅は適当に真ん中を選択する
処理が終わると選ばれなかった2枚はオキナのデッキの中へと沈んで行ったようだ。ランダムによるサーチカードだ
«цпкпошп» ???カウンター?→?
「手札の«цпкпошп»を糧に、«цпкпошп»を発動し、2枚ドローします」
«цпкпошп» ???→?→?
「...ふむ、«цпкпошп»を発動し、«цпкпошп»の攻撃力を1000ポイントアップさせます」
«цпкпошп» ???カウンター?→?
「攻撃力を...?」
先攻においてはあまり意味をなさない効果だ。だがあのカウンターの増加を見ていると、効果自体では無くカウンターのトリガー、恐らく魔法の発動自体に意味があると直ぐに理解できる
だがそのカウンターがどんな効果をもたらすかまでは推測出来ない
今までカウンターが乗った回数は6つ
大雑把にカウンターは6つあるとだけ念頭に置いておくことにした
「«цпкпошп»を発動します。デッキトップ2枚をめくり...蛇足でしょう、捲ります。そして2枚とも手札に引き入れます」
「なんだその効果は?教えてくれたっていいじゃねぇか」
«цпкпошп» ???→?→?
「意地悪なお方だ、«цпкпошп»の効果です」
そう言うとオキナは2枚ある手札のうち、片方を捨てた。それが効果コストである事を見届けるが、フィールドに変化は無いように見える
何が起きたか理解するのに少しだけ時間がかかってしまった。シンクロモンスターのカウンターが増えている
ただ、それだけだ
«цпкпошп» ???カウンター?→?
「では再び«цпкпошп»の効果を発動します。フィールド上の???カウンターの数×500ポイントのダメージを与えます」
「...なっ!?」
鬼禅が次に注目したのは己のディスク
そこには見慣れない警告画面があった
チェーンの確認画面だ
通常は優先権が移った場合に発動のし忘れ、を防ぐための処置。だがそれがゲームエンドに繋がる場合は警告画面としてディスクが提示する機能もある
そしてこれらが«цпкпошп»への対策として重宝されてきた機能だ。何が発動出来るか、何が不可能か等を模索するためのそれ
だが何も出来ない場合の警告画面は、脱兎のごとく消滅してしまう。
何も出来ないのだから
「うっ...ぐわぁぁあッっ!!」
LP8000→0
鬼禅 LOSE
それは
ぶっちゃけどうですか?
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読みたいからやめて欲しくない
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読みたいけど無くなったら読まない
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普通
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無くてもいい
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読むのが億劫