遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

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もっちーおかえり








第百二十四話 日の植物 vs 強者の白

 

◐月下-??? / 午前8時41分

 

 

《慎也君...あの人達、大丈夫なのかな?》

 

「渡邉さんや...南の事?」

 

 

慎也が南の戦地から離脱した少し後

遅れてやってきた体節々の痛みを受け入れ、黙って疾走を続けていた所にスフィアードが控えめに口を開いた

 

内容は南の戦いを任せた2人の戦士の心配

南に至っては随分と消耗しており、渡邉も最強の(フロ-)が相手だ

不安が無いといえば嘘になる

 

 

「...大丈夫だよ、きっと」

 

《そうです...よね...っ、慎也君っ!》

 

「どうした」

 

 

スフィアードが突如何かを感じ取った

それは風向きや気圧の変化等ではなく、曖昧で未知なものの変化

 

決闘力(デュエルエナジ-)

精霊だからこそ早期の段階で察知出来たことだ

 

 

《知らない決闘力(デュエルエナジ-)が...あの場所に!》

 

決闘力(デュエルエナジ-)...?」

 

《はい!敵か味方かも分かりませんが...強力な反応が近づいています!》

 

「...」

 

 

ガルナファルナがまたゲートを使い現れるのか、それとも失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)の加勢か

慎也達へ何の情報が無いあたり、S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)の可能性は限りなく薄い

 

スフィアードが指さした南の戦地には渡邉と南しか残っていない。その未知の増援にまで対処出来るのか新たな不安分子が生まれてしまった

 

 

「...行くよ」

 

《あの人達に...託すのですね?》

 

「うん」

 

 

もうあと少しの所で渡邉から聞いた医療班の元に辿り着く

その為には一度振り向きかけた体をもう一度目的地に向き直し、再び走り出すだけだ

 

あの場所を任せたからではない

慎也自身が渡邉に託されたからだ

 

 

「俺は...俺のやるべき事をするんだ」

 

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

◐月下-南側大通り / 午前8時44分

渡邉 vs シッド

 

 

「まずは[ローンファイア・ブロッサム]を通常召喚だ」

 

 

[ローンファイア・ブロッサム] ATK 500

 

 

「効果発動だ。自身をリリースし、デッキから[シード・オブ・フレイム]を特殊召喚する」

 

 

[シード・オブ・フレイム] DEF 1200

 

 

「そして[フレグランス・ストーム]を発動だ。[シード・オブ・フレイム]を破壊し、1枚ドローする...引いたカードが植物族のためもう1枚ドロー出来たんだがな」

 

「だがそのお陰で破壊された[シード・オブ・フレイム]の効果がタイミングを逃さねぇな?」

 

「まぁ、な。破壊された[シード・オブ・フレイム]の効果で墓地の[ローンファイア・ブロッサム]を特殊召喚し、あんたのフィールドにシードトークンを特殊召喚する」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「もう一度[ローンファイア・ブロッサム]の効果発動だ。自身をリリースし、デッキから今度はジャスミンを特殊召喚するぞ」

 

《出番だ!》

 

 

[アロマージ・ジャスミン] DEF 1900

 

 

「ここで[地獄の暴走召喚]を発動だ。デッキから可能な限りジャスミンを特殊召喚する。あんたもメインデッキにシードトークンが居るなら特殊召喚してみ構わないが?」

 

「今度から入れておこうか」

 

《皆集合〜っ!》

 

 

[アロマージ・ジャスミン] DEF 1900

 

[アロマージ・ジャスミン] DEF 1900

 

 

「[アロマガーデン]を発動する。効果でライフを500ポイント回復し、ジャスミンのトリガーにする。3枚ドローだ」

 

《はい、どうぞ!》

 

 

[ロンファ]、[暴走召喚]と[アロマガーデン]の3枚消費からジャスミン3体と3枚ドローを成した

渡邉の普段通りの盤面だ

 

シッドから先攻を奪えただけに収まらず、もっと先を見据えた決闘(デュエル)が叶いそうだ

 

 

「俺はジャスミンの効果増えた召喚権を使い、手札から[ナチュル・ローズウィップ]を通常召喚する。さらにフィールドにドラゴン族チューナーがいる時、[ホワイト・ローズ・ドラゴン]は特殊召喚可能だ」

 

 

[ナチュル・ローズウィップ] ATK 00

 

[ホワイトローズ・ドラゴン] DEF 1200

 

 

「俺はレベル4の[ホワイトローズ・ドラゴン]にレベル3の[ナチュル・ローズウィップ]をチューニング。シンクロ召喚!頼んだぞ、[ブラック・ローズ・ドラゴン]!」

 

 

[ブラック・ローズ・ドラゴン] ATK 2400

 

 

「おっ、全破壊か?」

 

「使うわけ無いだろ。シンクロ素材になったホワイトローズドラゴンの効果発動だ。デッキからレベル4以上の植物族[ベルガモット]を墓地に送る」

 

「...おう」

 

「手札から永続魔法[超栄養太陽]をジャスミンをリリースして発動する。デッキからそのレベル+3までの植物族モンスターを特殊召喚できる。俺は[スポーア]を特殊召喚する」

 

 

[スポーア] DEF 800

 

 

「俺はレベル7の[ブラック・ローズ・ドラゴン]にレベル1の[スポーア]をチューニング、シンクロ召喚!頼んだぞ、[クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 

[クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

 

「さらに手札の[アンゼリカ]の効果発動だ。墓地に捨て、墓地のアロマージモンスターの攻撃力分ライフを回復する」

 

 

渡邉 LP 8500→10900

 

 

「そして俺のライフが相手より多く、フィールドにアロマージモンスターがいる時、[アンゼリカ]は墓地から特殊召喚可能だ」

 

 

[アロマセラフィ-アンゼリカ] DEF 0

 

 

「俺はレベル2の[アロマージ-ジャスミン]2体に[アロマセラフィ-アンゼリカ]をチューニング、麗しき花弁の少女、魅惑の芳香放ち群生を導く。大地を踏みしめ、舞え![アロマセラフィ-ローズマリー]!」

 

 

[アロマセラフィ-ローズマリー] ATK 2000→3000

 

 

「[ローズマリー]の永続効果により、俺のライフが相手より多い限り俺の植物族モンスターの攻・守は500ポイントアップする」

 

《お姉ちゃんだ!》

 

「お姉ちゃんだったのか...[貪欲な壺]を発動する。墓地の[ローンファイア・ブロッサム]、[ナチュル・ローズウィップ]、[ホワイトローズ・ドラゴン]、[シード・オブ・フレイム]、[ブラック・ローズ・ドラゴン]をデッキに戻して2枚ドローする」

 

 

[アロマガーデン]の永続効果と合わせ、[ローズマリー]の永続効果が適用されると合計1000ポイントの上昇が見込める

起動効果でライフを回復するだけでだ

 

 

「[ソウル・チャージ]を発動だ。墓地の[ジャスミン]3体を特殊召喚する」

 

《再び参上っ!》

 

 

渡邉 LP 10900→7900

 

[アロマージ-ジャスミン] DEF 1900→2900

[アロマージ-ジャスミン] DEF 1900→2900

[アロマージ-ジャスミン] DEF 1900→2900

 

 

「カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

 

渡邉 手札 : 0枚 LP7900

モンスター/[クリスタルウィング] ATK 3000

     /[アロマセラフィ-ローズマリー] ATK 2500

     /[アロマージ-ジャスミン] DEF 2400

     /[アロマージ-ジャスミン] DEF 2400

     /[アロマージ-ジャスミン] DEF 2400

魔法・罠 /リバース1枚

フィールド/[アロマガーデン]

 

 

「随分なフィールドじゃねぇか、ドローするぜ」

 

 

シッドの手札が6枚になった瞬間

ドローフェイズを終えスタンバイフェイズに移行した刹那に渡邉は唯一のセットカードを表替えした

 

ブラフとして取っておく事などせず、ただ能動的な発動と言える渡邉らしいフリーチェーンのタイミングだ

 

 

「[潤いの風]のサーチ効果を発動する。ライフを1000ポイント支払い、デッキから[アロマセラフィ-アンゼリカ]をサーチする」

 

「終わりか?」

 

「あぁ、続けてくれ」

 

 

いつもならそのままライフ回復効果を使用し、さっさと3枚ドローを済ませているところだが、今回は[ローズマリー]も存在している

 

ライフゲインをトリガーとし、強制効果によるモンスター効果無効があるため、下手にライフを回復してしまうと無駄にシードトークンの効果を無効にするだけに終わってしまう

モンスター効果を封じる効果は強力ではあるが、やはり強制効果故の発動タイミングのジレンマがある

誘発効果を止めるのは不可能ではないが、«цпкпошп»に対しそれが果たして可能なのだろうか

 

 

「まずは...あれだな、あぁ...«цпкпошп»だ。手札の«цпкпошп»を捨てて渡邉の兄ちゃんの[潤いの風]と[アロマガーデン]を破壊するぜ」

 

「[ツイツイ]、だな...仕方ない、ここは諦めよう」

 

 

チェーンを重ねればライフ回復は出来た

が、それは[ローズマリー]の効果を捨てる事と繋がり、無理に発動する必要性を感じなかった

手札に[アンゼリカ]がいるため、ライフ回復はいつでも行える。そのため、今後のサーチを失ったと考えるのが自然だ

 

 

「次は...«цпкпошп»を通常召喚だ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果発動。手札の«цпкпошп»を捨てて...デッキから«цпкпошп»を墓地に送るぜ」

 

「墓地肥やし...召喚権を使っているし、いいだろう」

 

「ならカードを1枚セットだ」

 

 

渡邉の眉間に皺が寄った

それはシッドのやる気のなさにではなく、まさかもうターンを終えるつもりなのかと疑ったからだ

通常魔法・罠のセットはエンド前に行う。展開の最中相手の効果で無駄に破壊されるのを防ぐためであり、故にセットはターンを終えるともとれる

 

が、シッドは異なる

手札にあって邪魔なカードを1度セットする必要がある。それだけだった

 

 

「墓地の«цпкпошп»の効果発動。除外すりゃぁ、手札の«цпкпошп»を特殊召喚できる」

 

「ここだな、[クリスタルウィング]の効果発動だ、その発動を無効にして破壊する...っ!」

 

 

1度は温存を考えた[クリスタルウィング]だったが、手札が残り1枚になった所で狙いが定まった

そのモンスターを特殊召喚したい事など誰にでも分かる。そしてその手段を潰せばただ手札で待機せざるを得なくなる。召喚権も使ったからだ

 

これでどうだ

余裕は無いが相手のそれは崩せただろうかと渡邉はシッドを見上げるが、その男はただ眠そうにしているだけだった

 

 

「んじゃ、セットした«цпкпошп»だ。1ターンに1度手札の«цпкпошп»を捨てられる」

 

「何...?」

 

 

シッドのプレイングはよく分からない物だ

発動可能なカードをわざわざセットしたり、特殊召喚したかったはずのモンスターを捨てたり

何か制約があるのか

この時の渡邉はまだ違和感程度にしか浮かんでいなかったが、その永続魔法の効果が確信へと帰えた

 

 

「«цпкпошп»を墓地に送って墓地にいる«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚するぜ」

 

「...っ!手札の[アンゼリカ]の効果発動だ、墓地の[ベルガモット]の攻撃力分ライフを回復する!」

 

 

渡邉 LP 7900→10300

 

«цпкпошп» ATK ?

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「おっ、だがそれじゃぁ召喚成功時の効果は止められねぇぜ?」

 

「分かっている...チェーン1であんたのそっちのモンスター効果を無効に、チェーン2,3,4で合計3枚ドローだ」

 

「おいおい...んじゃチェーン5で俺は«цпкпошп»をサーチするぜ」

 

 

これが[ローズマリー]の弱点だ

強制効果故にライフ回復を先出し出来たとしても召喚成功時の誘発効果は無効化できない

それでも渡邉がこのタイミングで[アンゼリカ]を使用したのにも理由があった

 

永続魔法自体を墓地に送り2体蘇生

それと手札0枚が渡邉に答えを導いたのだった

 

 

「なるほどインフェルニティか、道理で手札を減らしたがってたわけだ...」

 

「永夜河の嬢ちゃんといい[ガン]でバレちまうんだな」

 

 

奇しくも渡邉は永夜河と同じタイミングでシッドの使用テーマを推測出来た

が、やはり2体蘇生後のサーチ効果を許してしまうのは分かっていても苦しい事だ

 

«цпкпошп»で見えないが、この蘇生でもっとも恐ろしいのはサーチ効果のある[デーモン]と蘇生効果を持つ[ネクロマンサー]の組み合わせだ

前者は発動タイミングの問題上どうしようも無いため、後者の起動効果を封じる事が出来れば良好

そのため今回は運に任せた

目当てのインフェルニティを対象に取ることができたかのか

 

的確な墓地肥やしを経たため、まず間違いなくシッドはその2体を蘇生している

答えはすぐに分かる

 

 

「俺は«цпкпошп»と«цпкпошп»でオーバレイ、«цпкпошп»をエクシーズ召喚だ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果だぜ、デッキトップ3枚を墓地に送る」

 

「...また墓地肥やし、か」

 

「まぁな、3枚送るぜ」

 

 

墓地に送られたのは«цпкпошп»

公開情報にありつつも«цпкпошп»に身を隠す3枚の正体は分かるはずもなく、ただインフェルニティでないことを願うことしか出来ない

 

 

「ほう?«цпкпошп»を発動だ、墓地に送って墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚だ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「«цпкпошп»の効果で«цпкпошп»をサーチ、んでセットしておくぜ。そんで«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚だ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果発動だぜ、渡邉の兄ちゃんの[クリスタルウィング]を破壊し、その攻撃力の半分のダメージを与える」

 

「チッ...ぐっ!」

 

 

渡邉 LP 10300→8800

 

 

「また«цпкпошп»だ。墓地に送って墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚する。んて特殊召喚に成功した«цпкпошп»で«цпкпошп»をサーチだ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「カードをセット。«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»特殊。んで«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果発動だ。墓地の«цпкпошп»を除外して同じ効果を得る。んで自身をリリースして墓地の«цпкпошп»と«цпкпошп»を特殊召喚だ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「«цпкпошп»の効果で«цпкпошп»をサーチアンドセット。«цпкпошп»の効果で墓地の«цпкпошп»を特殊召喚だ」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「そして«цпкпошп»と«цпкпошп»に«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「墓地の«цпкпошп»の効果だ、フィールドの«цпкпошп»のレベル分自身のレベルを下げ特殊召喚する」

 

 

シッド LP 8000→4000

 

«цпкпошп» ☆?→?

 

 

「ライフ半分...随分なコストだな」

 

「まぁな、んじゃ折角だし兄ちゃんから貰ったシードトークンに«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚だ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「«цпкпошп»の効果発動だ。渡邉の兄ちゃんの[ローズマリー]をデッキに戻すぜ」

 

「くっ...」

 

 

[アロマガーデン]の永続効果は破壊された後も適用されるが、モンスターである[ローズマリー]はそうはいかない

 

アロマージの強化に貢献したものの、渡邉の制圧と布陣を越えたシッドの猛攻はかわしきれないらしい

次に来るのはバトルフェイズだ

 

 

「それじゃぁバトルだ...«цпкпошп»で渡邉の兄ちゃんの[ジャスミン]に攻撃するぜ」

 

「通すしかないようだ...ぐぅっ!」

 

《私の片割れがっ!?》

 

 

総攻撃をしかけていれば渡邉に直接ダメージも与えられたのだが、シッドは3体のモンスターでの攻撃は行わなかった

それとも出来なかったのだろうか

 

ジャスミンの守備力は今は無き[アロマガーデン]の残存効果により2400まで上がっている。素直に届かないステータスだと考えるのが自然か

 

 

シッド 手札:0枚 LP 4000

モンスター/«цпкпошп» ATK ?

     /«цпкпошп» ATK ?

     /«цпкпошп» ATK ?

     /«цпкпошп» ATK ?

魔法・罠 /リバース2枚

 

 

「俺のターンだ」

 

 

先のターンのドローを合わせて5枚目の手札を握った

対してシッドは手札を持たず、セットカードも2枚と控えめに思える

 

妨害効果が飛ぼうが充分に動けるようにも感じた

行動に移せなければ勝てないため、渡邉は自分自身に当たり前だと強く言い聞かせた

 

 

「ジャスミンの召喚権から使う。まずは[ローンファイア・ブロッサム]を通常召喚だ」

 

 

[ローンファイア・ブロッサム] ATK 500

 

 

「おいおい...引き強すぎだろうが...」

 

「効果発動だ。自身をリリースしてデッキから植物族を特殊召喚するが?」

 

「あぁ...そりゃ、許せねぇよ。セットしていた«цпкпошп»...その発動を無効にして破壊するぜ」

 

 

まずは1枚の無効効果が渡邉に刺さった

インフェルニティ特有の1枚[インフェルニティ・バリア]だ。サーチ可能なカウンター罠と言うだけで強力にも思えるが、何よりもコストが必要無いという事も重要だ

 

発動条件もインフェルニティが居ることと、インフェルニティ特有のハンドレス状態の時

無論穴はある

今回はその中でも先攻を与えなかったというアドが渡邉にはあった

 

 

「[死者蘇生]を発動、対象は墓地の[クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン]だ」

 

「...そりゃダメだろ。ほら、永夜河の嬢ちゃんを倒した«цпкпошп»の効果だ...その発動を無効にして、破壊だぜ」

 

「...モンスターの方か、ならチェーンだ。速攻魔法[ご隠居の猛毒薬]。俺は1200ポイントライフを回復する」

 

「...なるほどなぁ」

 

 

次に効果を発揮したのは前のターン唯一攻撃宣言をしていたシンクロモンスターだった

こちらも同じく発動の無効化

 

カウンター罠とは別に無効化を持っていたのは苦しい事実だがチェーンによる誘いが出来る

ライフゲインが通ればジャスミン2体の効果が連鎖し、無効にされようと1枚は確実にドローが叶う

意地でも[クリスタルウィング]を止めたいシッドも諦めた様子でチェーン2に対して何も無いと答えた

 

 

渡邉 8800→10000

 

 

「別ブロックでジャスミン2体の効果だ。2枚ドローする」

 

「そんなに手札が欲しいかよ」

 

「インフェルニティとは違うんでな」

 

 

手札が4枚に落ち着くとシッドの残りセットカードは1枚となった

これならあまり恐怖しなくても問題無い

単純な話だか1枚止められたとしてもまだ3枚残る。前のターンある程度の準備を成したためそれでも十分だろう

 

あとは4体のモンスターを突破さえすれば4000となった残りライフを削るだけ

 

 

「俺は手札の[捕食植物 サンデウ・キンジー]を相手に見せ、[捕食生成]を発動する。あんたのそのモンスターを対象に取り、捕食カウンターを乗せるが」

 

「...」

 

「どうするんだ?」

 

「あぁ...融合素材にされちまうのか...ダメだな。«цпкпошп»を発動するぜ」

 

 

コストは見せるだけのため墓地に落ちたのは[捕食生成]のみだった

渡邉の狙いは捕食カウンターが乗った相手モンスターと融合可能な[サンデウ・キンジー]の召喚と[スターヴ・ヴェノム]の融合召喚だった

 

が、提示したモンスター情報を読んだシッドがそれを許すはずもなくカウンターすら乗らずに作戦は失敗に終わる

 

 

「墓地の[アンゼリカ]の効果発動だ。自身を特殊召喚し、俺はレベル2の[アロマージ-ジャスミン]2体にレベル1の[アロマセラフィ-アンゼリカ]をチューニング。蒼く未熟な花弁の其方、勝鬨あげるべく咲き誇れ彼方に!シンクロ召喚、現れろ[ガーデン・ローズ・メイデン]!」

 

 

[ガーデン・ローズ・メイデン] DEF 2400

 

 

残り少ない手札を補うべく、後の展開のためにも渡邉は[ローズ・メイデン]のシンクロ召喚を選択した

蘇生効果として[ブラック・ガーデン]が欲しかった事もあり、加えてこのモンスターの墓地効果による蘇生対象に[クリスタルウィング]が含まれているからだ

 

活路だった

どれだけモンスターを並べようと[クリスタルウィング]の力があれば突破も制圧も可能になり、シッドにはもうセットカードが無い

が、[ローズ・メイデン]の召喚成功時にシッドのモンスターが輝いた

 

 

「その瞬間俺の«цпкпошп»の効果発動だ。そのモンスターをバウンスさせてもらうぜ」

 

「...全く«цпкпошп»は厄介だな。チェーン2で[メイデン]の効果を使っておく。[ブラック・ガーデン]をサーチだ」

 

 

予想外の«цпкпошп»が妨害となる効果を所持していた。あくまで展開の寄り道で行ったシンクロ召喚が通らず、墓地にすら行かなかった

 

サーチこそは叶うが、上記の目論見全てが失敗に終わった

 

 

「...4枚じゃ足りないって、あぁ...あれだ、そんな顔だぜ」

 

「あんたこそさっきからどうした」

 

「眠いだけだ...気にすんな」

 

 

プレイの過程でシッドの反応が鈍い事を渡邉は指摘したが、シッドは眠いとだけ答える

そんな事は見ればわかる

 

初めてその顔と向き合った時からこちらにも眠気が電波するような錯覚すら覚えるクマを彼は持っているのだ

そして今はそれどころでは無い

残り手札は[サンデウ・キンジー]と[ブラック・ガーデン]を合わせて4枚

 

 

「手札の[サンデウ・キンジー]を捨てて[ワン・フォー・ワン]を発動する。デッキから[スプラウト]を特殊召喚する」

 

 

[森羅の神芽 スプラウト] DEF 100

 

 

「効果発動だ。デッキトップを2枚めくり、その中の植物を墓地に落とす...デッキトップは[姫芽君スプラウト]と[渇きの風]だ。[渇きの風]はデッキに戻るが、[スプラウト]を墓地に送って効果発動![スプラウト]のレベルを7にして特殊召喚だ」

 

 

[森羅の姫芽君スプラウト] ☆1→7

 

 

「そして墓地の[スポーア]の効果発動だ。[ベルガモット]を除外してそのレベル分上げ特殊召喚する」

 

 

[スポーア] ☆1→7

 

 

「...ん、あ?」

 

「エクシーズだ。俺は[スポーア]と[スプラウト]で[森羅の鎮神オレイア]をエクシーズ召喚だ!」

 

 

[森羅の鎮神 オレイア] ATK 2800

 

 

「効果発動だ。デッキトップ3枚をめくる。その中の植物族を墓地に送り、その枚数だけフィールドのカードをバウンスする」

 

「おいおい...」

 

「何も無いだろ?いくぞ」

 

 

全て植物族ならばシッドのモンスター3体を突破する事が出来る

しかしいくら植物族のデッキとはいえなんの操作も無く全て植物族が落ちるとは限らない

 

運だ

肝心な箇所を運に任せて戦うなど同級生の齋藤を思い出してしまう

 

 

「カードは...[レギア]、[リーフ]...そして[ピース]だ。3枚を墓地に送りあんたのモンスター3体をバウンスする」

 

「...あぁ」

 

 

墓地肥やしを行ったエクシーズモンスターと、[死者蘇生]を無効にしたシンクロモンスター。さらに[クリスタルウィング]を効果破壊したモンスター合計3体の渡邉は選択した

 

無論手札基エクストラデッキにそれら全てバウンスされると、シッドのフィールドにはモンスターが1体残るだけだった

だが渡邉のデッキトップは最高に望まれていたもの

それで済むはずもなかった

 

 

「墓地に送られた3体の森羅の効果発動だ。[レギア]でデッキトップ3枚を操作し...[ピース]の効果で墓地の[スポーア]を蘇生し、[リーフ]の効果であんたの最後のモンスターを破壊する」

 

「あぁ、いいぜ...いいよ」

 

 

[スポーア] DEF 800

 

 

[リーフ]の墓地効果が加わり、合計4体のモンスターを突破する事に繋がった

後はシッドに直接拳を叩き込むだけで勝敗は着くのだが、如何せん渡邉のモンスター達では攻撃力が足りていない

 

そこで渡邉は[ブラック・ガーデン]とは別の1枚に触れた

彼のデッキアロマ植物森羅の切り札ともなる1枚だ

 

 

「[真実の名]を発動する。デッキトップを当てることが出来ればそれを手札に加え、神に触れる事ができる...っ!」

 

「ん...あぁ、いいよ...」

 

 

シッドは相変わらず気だるそうにチェーンの無いことを答える

手札とフィールドには何のカードも無いため、それも当たり前に思えた

 

しかし嫌に無関心だ

初めて渡邉のデッキを見る者にとってはアロマと森羅。捕食植物が同席し、尚且つ神まで混ざっているのは畏怖すらしてしまうはず

 

本当に興味が無いような男だ

 

 

「俺は[継承の印]を宣言。デッキトップは勿論...[継承の印]だ、手札に加え俺はその後[ラーの翼神竜]を手札に加える!」

 

「...ぁぁ」

 

「本当に眠そうだな...終わらせてやる。俺は[継承の印]を発動だ。墓地に同名モンスターが3体存在する[ジャスミン]を特殊召喚する」

 

《おっ!》

 

 

[アロマージ-ジャスミン] DEF 1900

 

 

《私参上!逸ちゃん、もう私出番無いかと思ってたよ!》

 

「悪いがもう出番はお終いだ。俺はジャスミン、[スポーア]、[オレイア]をリリース!」

 

《んあっ!?ちょっとまってよっ!》

 

 

何の反応を示さなくなったシッドはこの際無視した

彼は眠いと放つが、どうやら本当らしい

 

だが関係無い

慎也に任せろと言った手前この場は勝たなければならなかったのだ

この切り札で終わらせるのだ

 

 

「神々しき翼、古代より遡りてこの天を覆い被さん。巨なる神竜、神翔せよ![ラーの翼神竜]をアドバンス召喚!」

 

 

[ラーの翼神竜] ATK ?

 

 

「効果を発動だ...俺はライフを100になるまで払う!そしてその分[ラー]の攻撃力とする!」

 

「...」

 

 

[ラーの翼神竜] ATK ?→9900

 

 

「これで終わりだ。[ラーの翼神竜]でダイレクトアタック!”ゴッド・ブレイズ・キャノン”!」

 

 

長くも感じた戦いだったが、渡邉に2度目のターンが回っただけだった

ターン数だけで言えば短い

 

だが、やはり強者

渡邉なりの制圧布陣も容易く突破された挙句に一時期は逆に苦しめられてしまった

 

だがそれももう終わる

仮に残りライフ8000だとしても一撃で沈める高火力だ

 

アロマ植物神ラーの底力なのだ

最早フィールドを見ることもしないでシッドは両手で頭を抑え項垂れていた

 

その苦しみも沈めてやらんと言わんばかりに[ラー]は雄々しき咆哮を放った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

 

「...なん...だと?」

 

「墓地の...цпкпошп».....だ」

 

 

直接攻撃時に現れたのは墓地に身を隠していた«цпкпошп»

効果は攻撃を止めつつ自身を特殊召喚するものらしい

 

やっとの思いで顔を上げたシッドが発動したその効果は、今の渡邉には厳しすぎるそれだった

 

 

「くっ...」

 

「あぁ.....最高に眠いよ、視界がぼやけてるしよ、頭もいてぇ...最高の気分だぜ...」

 

「俺は...[ブラック・ガーデン]を発動してターンエンドだ...」

 

 

渡邉 手札:0枚 LP 100

モンスター/[ラーの翼神竜] ATK 9900

魔法・罠 /なし

フィールド/[ブラック・ガーデン]

 

 

「俺はよ...不眠症でショートスリーパーで...偏頭痛...持ちなんだよ...」

 

「...」

 

 

突然語り始めたシッドを前に、今度は渡邉が言葉を失う番だった

気味が悪い

 

今まで徹夜明けで暁をぼんやりと眺める如く無感情だったというのにも関わらず、渡邉からターンを奪い取った刹那饒舌に自身の不調を語り始めた

 

 

「俺はいつも眠いけどよ...いつも寝れねぇんだ.....日本にいた時も、こっちに来てからもだ」

 

 

シッドは初めましてと言わんばかりに己を語る。が、決闘(デュエル)の手は緩めたりはしない

引いたカードはすぐに効果を発動し、フィールドに降り立つとまた効果を発動し別のカードを持ってくる

すると今度は墓地の効果を使用しそのカードがフィールドに現れまた別のモンスターを特殊召喚する

 

だが苦し紛れに置いておいた[ブラック・ガーデン]が効いている

シッドのモンスターは何れも攻撃力が半減し、相対的に渡邉のフィールドにはトークンが生成され続けた

 

 

[ローズ・トークン] DEF 800

[ローズ・トークン] DEF 800

[ローズ・トークン] DEF 800

 

 

「でもよ、1番眠くてしんどい時...1番デッキが分回るんだよ...」

 

「...何が言いたいい?」

 

「今の俺は多分負けねぇ...«цпкпошп»と«цпкпошп»«цпкпошп»をチューニング、«цпкпошп»をシンクロ召喚」

 

 

«цпкпошп» ATK ?→?

 

[ローズ・トークン] DEF 800

 

 

「渡邉の兄ちゃん、バウンスは良くねぇよ...また出しなおせばいいだけなんだからよ」

 

「...」

 

「終わりなんだよ、«цпкпошп»の効果発動...渡邉の兄ちゃんの[ラーの翼神竜]を破壊するぜ」

 

 

破壊効果だ

渡邉がバウンスしたはずの例のシンクロモンスターだった

 

単純な破壊だけでない事などよく覚えている。バーンのおまけつきだ

 

 

「これは...S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)2,3人倒した«цпкпошп»だ...渡邉の...旦那も光栄に思って倒れていいんだぜ」

 

「くっ...くそっ!」

 

 

渡邉に手札は無い

フィールドには相手ターンに何の効果も持たない神と唯のトークン。相手モンスターの攻撃力を半減させるフィールド魔法もあるが、やはり意味をなさない

 

今の渡邉のライフで受けきれるバーンダメージなどないからだ

 

 

《は、逸ちゃん!?》

 

「ほら、パセリの花言葉は...”死の前兆”だったな....」

 

「村上...っ!」

 

 

 

 

LP 100→0

 渡邉 LOSE

 

 

 

 

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