遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

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随分とお久しぶりです...
長くなりそうなので多く語らないでおきます


第百二十九話 毛布に包まう悪魔

◐月下-??? / 午前10時

 

 

「...詩織...ちゃん...」

 

「うぅん...」

 

 

謎の少女がいたたまれなくてか、それとも自身がただ何もせず立ち尽くす事に違和感を覚えたのか慎也はひとまず詩織の名前を口にしてみた

 

が、非常に深い眠りにあるのか詩織は小さく喘ぐだけだった

その後も何度か名前を呼んでみるも、眠姫は目を覚ますことは無い。敵の本部で何をしているのか馬鹿らしくなった頃、意を決するまもなく慎也は詩織の元へと歩み手を伸ばしていた

 

その時だった

別の眠姫が思わぬタイミングで目を覚ましたのは

 

 

「...っ!」

 

「誰」

 

 

詩織の極め技を受けていたもう1人の小柄な少女

サイズのあっていない黒のパーカーとその若さから、初めは詩織と同じように拉致された日本の少女かとも考えたが、今なら分かる

 

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)

その慎也を危険視でもするような瞳はまるで被害者のものではなかった

 

 

「誰、あなた」

 

「...俺は詩織ちゃんを助けに来たS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)決闘者(デュエリスト)だ」

 

「...」

 

 

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)を強調して慎也は語った

恐らくS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)である事などその少女にも分かっている事であり、慎也もその事を知っている

だからこそS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)である事を強く口にしたのだ。お互いが敵であることを言の葉を経由して示すために

 

 

「そう」

 

 

たった二文字の返事

しかしそれは戦いの火蓋を切るのに充分な言の刃だった

 

 

「...」

 

「...」

 

 

だが少女は臨戦態勢に入れない

臆している訳では無い

 

ただ単純に詩織の魔の手から物理的に逃れられないだけなのだ

何度か首にかかる詩織の右腕に力を入れては見るが抵抗虚しく起き上がることも叶わない

 

 

ビーッ!!

 

 

刹那響くは決闘(デュエル)終了のブザー

扉を隔てていても大きく聞こえるのはすぐ近くで戦いが終焉を迎えたからだろう

 

灰田達だ

灰被(シンデレラ)の相手を担った彼らの戦いだ

それは何も出来ないままの慎也を急かす役割と同時に、この沈黙を打ち破るトリガーともなっていた

 

眠姫を起こしたのだ

 

 

「...んっ...あっ」

 

 

ミリ単位で開かれる詩織の大きな瞳

寝起きを見るなど初めてだったが、どこか懐かしくも思える光景だった

 

全てが愛おしく思えた

味方を背にしても

敵を眼前にしても

片目を失っても、救うべき存在が目を覚ました感動には至らないだろうと心は頷いていた

 

 

「む…村上…さん?」

 

「…遅くなってごめんね、詩織ちゃん」

 

 

その沈黙はさほど続かなかった

詩織が極め技を解くのも、慎也が歩み寄るのも

お互いがお互いに手を取り合える距離まで辿り着くまでも全てが迅速に感じられた

 

 

「村上さん....っ、それ...」

 

 

「あぁ...これ」

 

 

鼻息が感じられる程の至近距離で視界に入ったのは慎也の右眼

汚れ1つない純白な眼帯が施されているが、その奥が気になる

ものもらいなどの類でもないだろう

むしろ月下の地にくれてやったのだ

 

 

「ちょっと...事故っちゃってね」

 

「ちょっとの怪我ではありませんよ!」

 

「...」

 

 

右眼に痛みは無い

しかしずっと追い求めていた詩織を拝むことも出来ない

それどころか再開の挨拶も疎かにさせてしまう材料にもなっていた

 

右眼の代わりに心が傷む

我武者羅に走ってきた必要経費とすらも思わず、応急処置の手間すらも煩わしかった右眼だったものがそんなに気になるのかと

 

 

「詩織ちゃん」

 

 

右腕が先に動いた

すぐ側にあった詩織の身を自らの元へ引き込むと、もう何処にも連れていかれないように力強く抱きしめた

 

 

「ふぇっ!?」

 

「...会いたかった」

 

 

沢山話すべき事がある

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-)

S(スペシャル)D(デュエリスト)T(チ-ム)

日本

月下

LL∵Huna=E-t0S0n(ルナイトサン)やガルナファルナの事もある。ここまでに至る為に尽くした事も、今の状況も

 

だがどうしても目の前の詩織しか目に入らなかった

現実逃避とも取れるだろうか

今はただ解決すべき問題よりも追い求めてきた存在の温もりを感じていたかった

 

しかし無論ここは敵地

誰もが黙って眺めている訳では無い

 

 

「っ!」

 

「きゃっ!」

 

 

ここ数日で見飽きたアンカーだった

無論慎也が放ったものでは無い

 

今の今まで不思議に沈黙を続けていた小柄な少女のものだ

 

 

「離れて」

 

 

彼女は短く告げた

慎也と詩織の再会を陰ながら喜ぶかのように、まるで邪魔をする気など毛頭も無いように感じられていたがそれはどうやら違う

 

一体どんな生き方をしていればこれほどの殺意を宿せるものか

先程まで寝具を共有していた詩織でさえ思わず言葉を飲み込んでしまった

 

 

「...離れて」

 

「ま、まってくださいバシュさん!」

 

 

敵の戦意がここまで顕著に表れてなお棒立ちのままで慎也はいられなかった

デッキの選別も心の準備も疎かながらひとまず構えたディスクだが、今度は詩織がそのバシュと呼ばれた少女と慎也の間に身を投じ遮る

 

殺意

防衛

懇願

 

実に感情が散らかる一室に変わった

 

 

「...バシュはバシュに与えられた事をやる」

 

「与えられた...楠さんの命令...ですか?」

 

 

覚えたのは違和感

ある一定まで戦い続けた慎也は不似合いな程に失彩の道化団(モノクロ・アクタ-)の本部に招かれてきた

今すぐ外で灰田達と戦う灰被(シンデレラ)もそうだ

慎也他を拒む素振りを微塵を見せなかった

カムイもそうだった

そもそもここまで来れたのもカムイから手渡された詩織の発振器を辿るこの端末の力あってこそ

 

それがいざ詩織を助ける目的に王手をかけたこの瞬間に手の甲を見せた

このバシュという少女だけが失彩の道化団(モノクロ・アクタ-)としてS(スペシャル)D(デュエリスト)T(チ-ム)へ抵抗を成そうとしているのだ

 

 

「バシュは望まないし求めない」

 

「...?」

 

「ボスが私に命じたのは皆木詩織を見守る事」

 

「...」

 

「だから、離れて」

 

 

彼女の言っている事を慎也はよく理解出来ていない

しかしながら戦うべき相手、避けられない決闘(デュエル)という事は初めから脊髄まで染み渡るほど分かっている

 

 

「詩織ちゃん」

 

 

詩織は決闘(デュエル)ディスクを装着していない

慎也の目の前で失彩の道化団(モノクロ・アクタ-)に没収されていらい返されているわけも無い

 

 

「下がって、俺が」

 

「待って...ください」

 

 

言葉を投げかけても詩織は下がらない

視線は真っ直ぐバシュに向け、バシュもそれを受け止める形で戦闘態勢に入ったまま

 

慎也は理解した

彼女は彼女自身で戦うつもりなのだと

 

 

「...詩織ちゃん」

 

「私に...やらせてください」

 

 

詩織自身も思うことがあるのだろう

自分が攫われたから慎也がここまで来た

自分のために慎也は右眼を失った

 

自分の監視役を務めていたバシュとの別れにもなる

ケジメだ

彼女はそれをつけるために戦うつもりなのだ

 

 

「...」

 

 

肩、肘のサポーター

デッキ、本体の留め具と慎也は無言のまま順番に外して行った

 

詩織に手渡すためにだ

全く発言を忘れていたスフィアードを含めその場の全員が黙ったままでいるが、バシュのみが懸念を抱いていた

 

 

「理解できない」

 

 

なぜ?

漸く詩織が自分自身と戦うつもりなのだと理解が追いついたものの、その理由を彼女は咀嚼出来ていなかった

知樹に命じられた"見守る"事に慎也を倒すことは含まれるだろう

 

詩織はこの部屋にいるだけでいいはず

それなのに何故彼女は戦おうとしているのだろうか

 

 

「...」

 

 

分からなかった

そのためバシュは戦ってみることにした

誰が敵で倒すべき相手なのかを考えるにはまだ彼女は幼いのかもしれない

 

 

「村上さん、ありがとうございます」

 

「...うん」

 

 

詩織は受け取った決闘(デュエル)ディスクを装着すると、次に自らのデッキを咥えさせた

すると慎也は先程の言葉とは反対に1歩下がる

 

一任することに異議はなかった

実力や時間を度外視した選択

皆木詩織の奪還任務はその本人に依存する形におさめるのだ

 

 

「バシュさん...いきますよ!」

 

「...」

 

 

決闘(デュエル)!」

バシュ LP 8000

詩織  LP 8000

 

 

バシュにとっては意味の分からないカード

皆木詩織と戦う理由も倒す理由も無いはず

 

それでも気がつけば戦いは始まっていた

それもバシュの先攻で

 

 

「...」

 

「どうしました、貴女のターンですよ...っ!」

 

 

決闘(デュエル)の請求

早く始めろとの事

 

命令されるのは楽だ

そうか、結局変わらないのか

 

与えられたのは詩織の相手

その次に真の目的である慎也の打破に勤しめばいい

 

 

「«цпкпошп»」

 

「...ふぇ?」

 

 

バシュが漸く1枚のカードを発動した

それはいわゆる日常を過ごしてきた詩織には見覚えのないカード、«цпкпошп»

カードの種類も効果も分からない未知なる«цпкпошп»

 

 

「詩織ちゃん、落ち着いて。これは奴らが使うカード情報を隠す技術だ」

 

「そ、そうなんですか...」

 

 

やはりいきなり任せるには荷が重かったか

«цпкпошп»に対して詩織は動揺を隠せずにいた

 

しかし慎也のアドバイス通り懸命に平然を繕うとはしている

彼女も立派な実力者だ

«цпкпошп»を相手にしようと普段通り戦うことが出来れば勝算もなくは無い

 

戦うと決めた手前引くことはありえない

 

そしてきつく睨んだ先のカードは場に残り続けている

フィールド魔法の席にだ

疑うこと無くそれはフィールド魔法という事になる

 

 

「...モンスターをセット。カードを2枚セット。エンド」

 

 

バシュ 手札:1枚 LP 8000

モンスター/ 裏守備

魔法・罠 / リバース2枚

フィールド/ «цпкпошп»

 

 

モンスターのセットから始まるデッキ、かと早くも詩織は«цпкпошп»戦に適応し始めていた

 

見えない情報から分かる事を探す

これはこれまでの戦いに身を投じてきた多くのS(スペシャル)D(デュエリスト)T(チ-ム)達に課せられた難題であり、それ無しには勝利は無いとも言いきれる

 

幸いにも聖帝大学での決闘(デュエル)の日々がある。全く見た事のないカードなど少ないはず

戦える

そう自分自身を信じたのは彼女のドローフェイズだった

 

 

「私のターン!」

 

 

強いアクセスからの展開とカードの破壊

これが詩織とデストーイの強みだ

ワンショットキルも決して難しくないが、焦りは禁物

 

こちらにはカード情報が見えていない以上、相手に絶対に埋まらないアドバンテージが握られているのだから

 

 

「まずは...[融合]を発動します!手札の[エッジインプ・シザー]と[ファーニル・キャット]を融合、愛くるしい姿はやがて悪魔と化す、来るものを鋏の錆にしろ!融合召喚!現れでちゃってください![デストーイ・シザー・タイガー]!」

 

 

[デストーイ・シザー・タイガー] ATK 1900→2200

 

 

フィールドに着地した瞬間自身の永続効果の恩恵を受ける

それは見慣れた光景であり、2200が元々の攻撃力だったと錯覚する程だ

 

しかしシザー・タイガーは現れない

カードとしてのそれではなく、短い間連れ添った彼女に宿る精霊としてのシザー・タイガーがだ

 

 

「む、村上さん...シザー・タイガーは?」

 

「シエン達に任せてある。また会えるよ」

 

「そう...ですか」

 

 

詩織も薄々感ずいてはいたようだ

月下に連れ去られて以来姿を見せていないシザー・タイガーだが、心のどこかではディスクさえ起動させればまた現れると信じていたのも打ち砕かれた

 

目まぐるしい程に詩織の環境は変化しているのだ

他国に拉致されるのも精霊を宿すのも

そして愛しの人物が助けに来るのも、精霊が姿を消すのも

まるで対局的な変化だが、心がぐらついてるのがわかる

 

 

「...私は!融合召喚に成功した[シザー・タイガー]の効果に融合素材として墓地に送られた[キャット]の効果をチェーン発動します!」

 

「«цпкпошп»をチェーン」

 

 

詩織がセットカード2枚の破壊を企むが、チェーン3にバシュはカードを発動させた

[キャット]の効果を挟んでいるため、発動を無効にする効果では[シザー・タイガー]に届かない。

破壊から逃れるためには[シザー・タイガー]そのものの効果無効が必要であり、バシュもそれを発動したのだと詩織は推測をたてた

 

が、チェーンの逆順処理よりも先に詩織の決闘(デュエル)ディスクに«цпкпошп»の表示が現れた

何の意味があるのか困っていると、慎也が指を伸ばし説明を始めた

 

 

「バシュ...って言ったっけ?バシュが最後に発動したカードのコストだと思う。"相手に見せて発動できる"みたいな」

 

「見せて発動も«цпкпошп»なんですね...では逆順処理します」

 

 

バシュのカードから効果の処理が行われる

何らかの無効効果かとも思われたが、ディスクを眺めている限りそのような処理は無かった

次に[キャット]のサルベージ効果が行われ、詩織は1枚カードを手にする

 

そして一連の流れは終わりを迎えた

 

 

「破壊できない...っ?」

 

「...」

 

 

効果で破壊されないセットカード等聞いた事もない

しかしセットカードを守る効果を持つカードはいくつか存在するため、バシュがチェーン3に発動させたカードはそれに当たるのだと慎也は比較的早期に辿り着いていた

 

だが詩織も決闘者(デュエリスト) 

一瞬理解が遅れようと«цпкпошп»に起きざれにはされていられない

 

 

「破壊耐性...ですかね」

 

「多分」

 

 

フリーチェーンによる破壊耐性付与は特別珍しくない

しかし今回は顔も見せていないセットカードを守っていた

 

発動コストとして正体不明のカードも提示されているため、非常に聞きなれない1枚だと言える

 

 

「...構いません!私は[ファーニマル・ドッグ]を通常召喚します!そして効果発動です、デッキから[ファーニマル・エンジェル]を手札に加えます!」

 

「...」

 

「何もありませんね?でしたら私は[ファーニマル・エンジェル]をペンデュラムスケールにセッティングします。そのまま効果で発動です!墓地の[エッジインプ・シザー]を特殊召喚します!」

 

 

[エッジインプ・シザー] DEF 800

 

 

「もう一度[融合]を発動!です!フィールドの[ファーニマル・ドッグ]と[エッジインプ・シザー]を素材に融合召喚!悪しき海底より這いずりいでよ!広がる繋ぎ目より湧きいでし闇よ、敵を引きずり込め!融合召喚、現れでちゃってください[デストーイ・ハーケン・クラーケン]!」

 

 

[デストーイ・ハーケン・クラーケン] ATK 2200→2800

 

 

ファーニマルとエッジインプであれば構わない非常に緩い召喚条件のデストーイ

効果も2回攻撃に加えて、直接攻撃の制約がつくものの相手モンスターの墓地送りを備えている

 

[シザー・タイガー]の攻撃力上昇とも噛み合っている

他にも選択肢がある中、前のめりに攻撃的な手段を取ったのはデストーイ故にか、詩織の戦術に故にだろうか

 

 

「バトルです![シザー・タイガー]でその裏側に...っ!?」

 

 

[シザー・タイガー]が裏守備を突破し、[ハーケン・クラーケン]による2回攻撃をプレイヤーに直接ぶつける

シンプル且つ大きなアドバンテージに繋がりうる戦闘なのだが、それは叶わないらしい

 

 

「攻撃対象に出来ない...?」

 

 

唯一存在する裏守備が攻撃対象に選択できない

地縛神と似た裁定かと疑いもしたが、裏守備モンスターにそこまでの効果は無い

 

となると先程のカードにより付与された耐性だろうか

裏守備のモンスターを攻撃と破壊から守る効果でとは聞いたことがない

しかし抜け道はあった

 

 

「...なら!」

 

 

攻撃そのものが不可能な訳ではなかった

ただ、その裏守備モンスターへの攻撃が叶わないだけ

 

攻撃対象なら他にもあるのだ

 

 

「[シザー・タイガー]で貴女にダイレクトアタックです!」

 

「...」

 

 

攻撃対象にならないモンスターが一定以上ある時、攻撃宣言そのものが不可能となる裁定がある

俗に言う「切り込みロック」と呼ばれるものがそれにあたるが、今日ではプレイヤーへのダイレクトアタックを許す事でそのモンスターが戦闘を経ない効果が見られるようになった

 

あの裏守備モンスターもそれにあたるらしく、詩織の決闘(デュエル)ディスクでもその処理が可能だった

 

 

「...«цпкпошп»」

 

 

全ての攻撃をその身で受けるというのならワンキルの達成だ

しかしバシュはカードをプレイする

 

受けきれない攻撃をいなす為のそれは、手札とフィールドのそれぞれで発動した

 

 

「チェーン«цпкпошп»。攻撃を無効に、手札の«цпкпошп»を特殊。デッキから«цпкпошп»を手札」

 

「なっ」

 

 

詩織のモンスターによるダイレクトアタックが通らないどころかバシュにモンスターと手札が増えてしまった

 

 

[裏側守備表示] DEF ?

 

 

「見たことの無い効果です...」

 

「詩織ちゃん...」

 

 

攻撃を止める手札誘発モンスターなのだが、バシュはそれを裏守備のままフィールドに置いた

モンスターに攻撃できず、仕方なくプレイヤーを直接狙ったというのにも関わらず、それは止められ挙句新たにカードをサーチされてしまった

 

«цпкпошп»と相まって詩織は目に見えて混乱に陥っている

 

 

「まだです![ハーケン・クラーケン]でダイレクトアタックです!」

 

「同じ事。«цпкпошп»と«цпкпошп»。攻撃を止めて«цпкпошп»を特殊...«цпкпошп»をサーチ」

 

「っ!」

 

 

次のアクセスも欠かさないしっかりとした守りのコンボ。恐るべき強みはそれらにターン1の制限が無い事だった

先程と全く同じだ

 

裏守備モンスターと手札が増え、詩織の攻撃は通らない

 

 

[裏側守備モンスター] DEF ?

 

 

「でも[ハーケン・クラーケン]は2回の攻撃が!ダイレクトアタックです!」

 

「«цпкпошп»と«цпкпошп»。同じ事」

 

 

[裏側守備モンスター] DEF ?

 

 

「詩織ちゃん、落ち着いて」

 

「わ、分かってます...」

 

 

いずれも同じカード達なのなら三積み全てこのターンに使い切ったこととなる

攻撃が通らなかっただけであり、それだけならあの強力なギミックを枯渇させることに成功したとも言える。が、詩織はやはりいつも通りの戦いが出来ていなかった

 

それを分かっているのか無意識なのか、出来ることも無いのにバトルフェイズに思考を続けていたが、[ハーケン・クラーケン]は攻撃の構えを解いてしまっていた

 

 

[ハーケン・クラーケン] DEF 3000

 

 

「くっ...メイン2に[融合再生機構]を発動します。手札を1枚捨ててデッキから[融合]を手札に加えます!そしてエンドフェイズにもう1つの効果も発動です!このターン融合素材にした[ファーニマル・ドッグ]を手札に加えて...ターンエンドです」

 

 

詩織 手札:2枚 LP 8000

モンスター/[デストーイ・シザー・タイガー] ATK 2500

     /[デストーイ・ハーケン・クラーケン] DEF 3000

魔法・罠 /なし

フィールド/[融合再生機構]

スケール /[ファーニマル・エンジェル]

 

 

「ドロー」

 

 

結果として相手に何の影響も与えることの出来なかった1ターンだったが、サーチ効果を持つモンスターと[融合]の1枚、融合モンスター2体と比較的展開は叶った

 

しかしそれはバシュにも言えることだった。相手ターンと言うのに3枚のカードをサーチし、3体のモンスターをフィールドに展開させてみせた

詩織の融合を経ながらのアクセスとはまた違う、攻撃をいなしながら繋がるアクセスだ。奇しくも相性はお互いにいいとは言えない

 

 

「モンスターをセット。«цпкпошп»発動。3体の«цпкпошп»を表にする」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「モンスターの表示形式を変えるカード...っ!」

 

 

わざわざ表示形式を変更するカードを採用するのは珍しい。リバース時に効果のあるモンスターが多いのか、都合のいい表示形式があるのかトリッキーな構築に見える

 

先程詩織の猛攻を防ぎきった裏側守備のモンスター2体に加え、バシュはたった今セットしたばかりのモンスターを選択し、表側守備表示に変更した

しかしバシュのカードは自らのモンスターが頭を上げるだけに収まらない

こちらのモンスターにも干渉する効果を持っているのだ

 

 

[裏側守備表示] DEF ?

 

[裏側守備表示] DEF ?

 

 

「そして相手モンスターを裏にする」

 

「[シザー・タイガー]と[ハーケン・クラーケン]が!?」

 

 

自分を表、相手を裏に

それだけでシンプル且つ盤面を支配できる効果だ

 

しかしまだデストーイが表で無ければならない状況下にない事と、裏側でも融合できる事からこの表示形式はそこまで痛手では無い。ただ面食らい戸惑う詩織をバシュは待つことなどしない

 

 

「2体の«цпкпошп»でエクシーズ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果。セットカード破壊」

 

「[シザー・タイガー]!」

 

 

セット状態のカードでなければ破壊できないように聞こえるが、詩織のモンスター全てが顔を隠している手前防ぎようの無い事だろう

 

いつもなら汚い言葉の1つでも吐き出すシザー・タイガーだが、唯のカードとなった今では何も物言わず破壊を受けいれた。

それが何処か寂しく感じてしまうのは、詩織と精霊の友情があったからだろうか

 

 

「«цпкпошп»1体で更にエクシーズ。«цпкпошп»」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「1体で...?」

 

「効果。デッキから«цпкпошп»サーチ。墓地に行った«цпкпошп»の効果も。墓地の«цпкпошп»を手札に」

 

「なっ」

 

 

いわゆるオーバレイネットワークの再構築

デッキに直接触れ、カードを手札に引入れるだけに留まらず墓地に送られた素材までもが更なる手札増強に加担している

 

これによりバシュの手札は3枚

次の手の予測がつかなくなったこの時、フェイズが移行した

 

 

「バトル。«цпкпошп»2体でダイレクトアタック」

 

「直接攻撃っ!?きゃあっ!」

 

 

詩織 LP 8000→7600→5600

 

 

どうやらお互いの裏側守備に攻撃が出来ない状況のようだ

つまり、全てのモンスターが裏側守備にされてしまった詩織のフィールドには相手の攻撃を受ける事が出来るモンスターがいないという事

 

しかしさほどダメージは大きくない

まだ巻き返せる

キツく目を釣りあげ詩織は意識的に闘志を再燃化させてみた

 

 

「メイン2。カードを2 枚セット。エンド」

 

 

バシュ 手札:1枚 LP 8000

モンスター/«цпкпошп» ATK ?

     /«цпкпошп» ATK ?

     /裏側側守備 DEF ?

魔法・罠 /リバース2枚

フィールド/«цпкпошп»

 

 

「くっ...私のターン!」

 

 

詩織の手札はサーチ効果を持つ[ドッグ]と[融合]。それに加えて今引いた新たな1枚

前のターン回収していた2枚があれば融合召喚は約束されているため、新たに[シザー・タイガー]を召喚し場を荒らすことは難しくない

 

しかし破壊耐性の効果を見ている

使用され墓地にあるが、恐らく先程のサルベージはそれの再利用を企んでいるだろう

 

 

「スタンバイ。«цпкпошп»を発動する」

 

「...表にしただけですか」

 

 

詩織が何か行動に移すよりも早くバシュはとある永続罠を主張する

しかし何らかの処理は働かず、恐らく表である事に意味があるように感じられた。

つまり今は何も抗えない

永続罠の«цпкпошп»とは実に姑息

«цпкпошп»に順応すると次は憤りだった

 

 

「[ファーニマル・ドッグ]を通常召喚します!」

 

 

[ファーニマル・ドッグ] ATK 1700

 

 

「効果を...」

 

「«цпкпошп»の強制効果が先」

 

「ならチェーンです。デッキから[ファーニマル・キャット]を手札に加えます!」

 

 

詩織がサーチ処理を終えると、ディスクはバシュのモンスターにエフェクトを掛けた

それはエクシーズモンスターでは無い表側モンスター。セットし直ぐに表にしたモンスターの強制効果のようだ  

 

どんな効果か、身構えるとそれは実に見逃しそうな変化だった

 

 

裏側守備表示 DEF ?

 

 

「...っ![ファーニマル・ドッグ]!?」

 

「召喚されたレベル4以上のモンスターは裏」

 

 

バシュは親切にも卑屈な効果を説明する

召喚に反応する誘発効果は通常なら非常に強力で執拗くうっとおしいが、詩織は融合使い

 

面食らってしまったが、まだ挽回できる

寧ろ融合モンスターでは無く融合素材となるモンスターに反応されたのは救いだろう

 

 

「構いません...っ![ファーニマル・エンジェル]の効果で墓地の[エッジインプ・シザー]を特殊召喚します!そして[融合]を発動!フィールドの[ファーニマル・ドッグ]と[エッジインプ・シザー]、手札の[ファーニマル・キャット]を融合させます!再び現れ出ちゃってください![シザー・タイガー]!」

 

 

[デストーイ・シザー・タイガー] ATK 2200

 

 

3体素材の[シザー・タイガー]が3枚割る事が叶えば至高。破壊耐性も使わせなければならないため、それでも御の字

 

詩織は[キャット]の回収効果と、その破壊効果のチェーン順を決めようとディスクに手を伸ばすが、ここで驚愕な事実が発覚された

 

詩織の効果はチェーン3に組み込まれていた

 

 

「こ、これは...?」

 

「チェーン4。«цпкпошп»、破壊されない」

 

「まさか...っ!」

 

 

例の破壊耐性は案の定と言うべきか

[キャット]の効果で[融合]を回収しておき、チェーン2の[シザー・タイガー]は不発に終わった

 

詩織の予測ではこれで終わるはずだった

チェーン1の効果は見たはずのそれだったのに

 

 

裏側守備表示 DEF ?

 

 

「裏側守備にする効果...ターン1じゃない!?」

 

「...」

 

 

そのモンスターがいる限り、詩織の攻撃要因達は1ターンのブランクが挟まれるという事

相手ターン中裏側守備モンスターが壁の役割を果たせない事と加えると、ただ次のターンまでモンスターゾーンを圧迫するだけの存在となってしまっている

 

厄介極まりない

だが顔を隠している[ハーケン・クラーケン]にはまだ表示形式の変更権利が残されている。墓地送りの効果を使えば今後の展開に活かせるだろう

その作戦もディスクの操作ボタンを3回押した時に打ち砕かれた

 

ただエラー表示が3回表示されるだけ

 

 

「表示形式が...っ!」

 

「«цпкпошп»」

 

「え?」

 

「永続罠«цпкпошп»。貴女は反転召喚出来ない」

 

「っ!」

 

 

バシュがスタンバイフェイズにわざわざあのカードを発動した事に合点がいった

メインフェイズに[ハーケン・クラーケン]を表にさせるよりも早くロックを完成させたかったのだ

 

詩織がレベル4以上のモンスターを召喚すれば裏に 

そして裏になったモンスターは表になることは無い

裏側を融合素材に出来る融合召喚の利点はとうに消えていた

 

 

「...スケールに[オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン]をセットしてエンドフェイズに入ります![ペンデュラム・ドラゴン]の効果でデッキから[デストーイ・マイスター]を、[融合再生機構]の効果で墓地の[ファーニマル・ドッグ]を手札に加え...エンドです!」

 

 

詩織 手札:3枚 LP 5600

モンスター/裏側守備 DEF ?

     /裏側守備 DEF ?

魔法・罠 /なし

スケール /[ファーニマル・エンジェル]

フィールド/[融合再生機構]

 

 

「...」

 

 

バシュは不思議なものでも見るかのように詩織を眺めている

デストーイにオッドアイズが混ざっている事が物珍しいからではなく、詩織が依然として凛と戦闘態勢を解かないからだ

 

段々と積みに近づいているのは詩織も分かっている

諸悪の根源であるバシュも勿論の事

しかし詩織は決闘(デュエル)を諦めない

 

 

「«цпкпошп»。デッキから«цпкпошп»をサーチ。«цпкпошп»を反転召喚、«цпкпошп»を発動、墓地の«цпкпошп»を特殊」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

«цпкпошп» DEF ?

 

 

「2体の«цпкпошп»でエクシーズ。«цпкпошп»」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果。そのセットカードを破壊」

 

「[ハーケン・クラーケン]...っ!」

 

 

前のターンと同じだ

エクシーズ召喚からのセット破壊

そうなると次の手は恐らくオーバレイネットワークの再構築

 

こればかりは案の定と言える結果になった

 

 

「«цпкпошп»1体で«цпкпошп»をエクシーズ」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果。デッキから«цпкпошп»をサーチ。墓地に行った«цпкпошп»で墓地の«цпкпошп»を手札に。さらに«цпкпошп»、2枚ドロー」

 

「くっ...」

 

 

これによりバシュの手札は5枚。前のターンと合わせるとほぼ全ての手札が望み通りサーチしたカード達であり、手数の多さに恐縮するばかりだ

 

また破壊耐性を回収したに違いない

少ないカードで完結した非常に強固なギミックだ

 

 

「«цпкпошп»を張り替え。わバトル。«цпкпошп»でダイレクトアタック」

 

「くぅっ...っ!」

 

 

詩織 LP 5600→5200→3200→1200

 

 

あのサーチ効果を持つエクシーズモンスターが増えたことにより、ダイレクトアタックのダメージも加算された

次のバトルフェイズは凌げない

 

痛みを歯ぎしりで誤魔化し見上げた先には、そんな詩織を憐れむように見つめるバシュが居た

無口な彼女だが、この時ばかりは疑問をこぼしてしまった

 

 

「なんで?」

 

「...何がですか」

 

「なんで戦うの」

 

「...」

 

 

文面だけ見れば煽り文句だろうか

召喚したモンスターが全て裏になり、それから表になることは無い

それらのロックを完成させているカードも破壊耐性が守っている。そしてその破壊耐性はほぼ毎ターン回収可能

 

こんな状況において戦いを諦めない詩織に対しての言葉だ

 

 

「...帰るためですよ」 

 

「なんで帰るの」

 

「何でって...皆のいる日本でまた過ごしたいからですよ!」

 

「ここにも居る」

 

「え?」

 

「ここにも"皆"、いる」

 

「...」

 

 

朧気ながら楽しかった月下での日々が過った

ガンリの作ったパスタ

シッドの入れたミルク

皆で囲った分厚いステーキ

不安で仕方のなかった空間と時間だったのだが、総じて楽しかったと記憶してしまっていた

 

その事を責められているようにも聞こえる

攫われの身であることを忘れてしまったのかと

しかし皮肉の意味を込めているつもりは無いらしい。ただ、純粋無垢な疑問なのだろうとは彼女の瞳を見ただけで詩織になわかった

 

 

「...違います」

 

「なに」

 

 

バシュはリバースカードを2枚、モンスターを1枚セットするとわ、やる事も無くなったのか何度目かの疑問を詩織にぶつけていた

いい加減うんざりもしてくる頃だが、バシュは未だ一つとして首を縦に振り納得出来ていない

 

最早詰問だ

なぜ、どうして、どうやって

物心着いた幼子が母親から満足の言葉を貰えるまで延々と続けるそれだ

 

 

「私は...」

 

 

詩織はそれを黙らせる言葉を放つよりも早くカードを引く

引いたカードを眺めてみると、不思議と散らかっていた言葉達が整列していた

 

 

「私は楽しかった過去を...あのころの当たり前を!これからも心から楽しむために帰るんです!だから...月下での思い出はここで斬ります!私は通常ドローで引いた、[七皇の剣(ザ・セブンス・ワン)]を発動!」

 

「っ!」

 

 

一発逆転の活路はデッキトップにあった

それは自らを奮い立たせるものであり、強固な布陣を破壊尽くすものでもあり、別れを決意した少女のケジメの剣でもあった

 

 

[CNo.107 (ネオ)銀河眼(ギャラクシ-アイズ)時空龍(タキオンドラゴン)] ATK 4500

 

 

「デストーイ...デッキ?」

 

「面白いですよね」

 

 

初めてバシュが興味の欠片を見せた

融合でもペンデュラムでも無い全く未知の1枚に、焦燥よりも関心が勝ってしまったのだろう

 

それに対して詩織は多く語らなかった

顔を覗き込んできたバシュに対して、ただ真っ直ぐな笑顔で一言

 

 

「無理して無茶して見せて魅せられて...勝って負けるんです。楽しいですよね!?」

 

 

初めてバシュが面食らう番だった

まるで誤って豆鉄砲でも飲み込んでしまったかのような、言葉も忘れ瞳孔が思わず開いている

 

しかしそんな事は敗北の言い訳にすらならない

故に3枚のうち1枚のリバースカードは温存できない

起動効果よりも先に発動しなければ二度と叶わなくなってしまうからだ

 

 

「...«цпкпошп»を発動。«цпкпошп»を表にして、貴女の[時空龍(タキオンドラゴン)]を裏守備にする」

 

 

«цпкпошп» DEF ?

 

[裏側守備表示] DEF ?

 

 

「リバースした«цпкпошп»...デッキトップ4枚を裏側で除外して」

 

 

非常に珍しいデッキ破壊効果だ

表になると言う比較的難易度の高いトリガーとも言えるが、再利用の難しい裏側で複数枚除外されるという事は痛手だ

 

ピン刺しのカードや要の1枚

詩織は持ち主にだけ許されるその中身の確認を程々に済ませると、問題ないといった瞳で決闘(デュエル)を続けた

 

 

「除外は痛いですが...その効果をメイン前に使ってくれましたね、なら私はメインフェイズに[ファーニマル・ドッグ]を通常召喚!」

 

 

[ファーニマル・ドッグ] ATK 1700

 

 

「それは...裏守備」

 

「分かってますよ、でも効果でデッキから[ファーニマル・ペンギン]を手札に加えます!」

 

 

例の表示形式変更の1枚を早期に使わせる事が出来たため、残るは今まさに被ったあのレベルに反応するモンスター効果だ

 

それを突破するための手札は無い

ならば引くのだ

そのためだけのサーチ対象なのだ

 

 

「[融合]を発動します!手札の[ファーニマル・ペンギン]と裏守備の[デストーイ・シザー・タイガー]を融合させます!あらゆるものを喰らう猛獣紡がれし時、新たな魔玩具デストーイが創り出される!融合召喚、現れでちゃって下さい[デストーイ・サーベル・タイガー]!」

 

 

[デストーイ・サーベル・タイガー] ATK 2800

 

 

「それも...裏」

 

「構いませんよ。ですが[ペンギン]の効果発動です!2枚ドローして...1枚すてますよ。そして今捨てた[トイポット]の効果も発動します!デッキから[ファーニマル・ベア]を手札に加えます!」

 

「...後からでたのも、裏」

 

 

何度でもタイミングを逃すこと無く詩織のモンスターを裏へと変える強制効果がやはり刺さっている

これにより3体ものモンスターが裏守備へとなり、それら全てが表示形式変更不可という状況に陥った

 

そしてそれは相手ターン中壁の役割も担う事はできない

いくら展開を重ねようと自分自身の首を絞めているだけ、そうバシュは皮肉げにただディスクの確認ボタンを押しているだけだった

 

 

「手札の[ベア]を捨てて効果発動です!デッキから[トイポット]をセットして、そのまま効果を発動します。手札の[ファーニマル・ウイング]を捨てて1枚ドロー!引いたのはファーニマルモンスターの[オウル]です、手札から特殊召喚します!」

 

 

[ファーニマル・オウル] DEF 1000

 

 

「効果でデッキから[融合]を手札に加えます、まだですよー!墓地の[ベア]を除外して、[ウイング]の効果発動です。私は1枚ドローします。その後、フィールドの[トイポット]を墓地に送りさらに1枚ドローします!そして墓地に送られた[トイポット]の効果でデッキから[ファーニマル・オクト]を手札に加えます!」

 

 

デッキ圧縮を経て強力な手札増強を果たしたがやはり融合モンスターは表情を隠していた

あれだけのことをやっておいて結果としては手札を3枚増やしたぐらいであり、思わずバシュも嫌気が差したのかそれを態度に隠さなくなっている

 

何を狙っているのか

デストーイの破壊効果によるロックの突破は何度も失敗している。対象にも取れないため[ハーケン・クラーケン]で1枚ずつ剥がしていくことも出来ない

 

 

「私は手札を1枚捨てて」

 

「っ!」

 

 

融合による破壊は難しい

ならばと詩織がデッキから掘り起こしたのは、融合のカードだった

 

 

「[超融合]発動です!バシュさんのそのモンスターと、私の[サーベル・タイガー]で融合です!現れ出ちゃってください![スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン]!」

 

 

[スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン] ATK 2800

 

 

「貴女...バシュのモンスターが」

 

「はい!」

 

 

«цпкпошп»の先が見られた

バシュは迷いない詩織の融合召喚から自らの使用テーマの露呈を疑うが、しかし詩織はさらにその先で笑っていた

 

眩しいほど満面の笑みで

 

 

「«цпкпошп»で見えないので分かりませんでした。闇属性で良かったです!」

 

「...は」

 

 

ピン刺しの[超融合]を引くだけででなく、バシュの操るモンスターが闇属性である事を前提とした奇抜で突飛な作戦だった

これにはバシュも等々言葉を発することを忘れ、呆れも興味をも尽きた果ての表情に陥ってしまった

 

 

『慎也君...』

 

「うん...」

 

 

それは味方であるはずの慎也とスフィアードにも言える事だ

決闘(デュエル)を預けた身、本来は助けに来た救出対象、そして最愛の人

 

全部忘れてしまうほど不安定で愚かなプレイングなのだ

 

 

「これで裏守備にはなりません!スケールに[デストーイ・マイスター]をセットし、効果を発動します!私のファーニマル、エッジインプ、デストーイモンスターをリリースして、同じレベルの悪魔族モンスターをデッキから特殊召喚します!これは裏守備でも平気です![ドッグ]をリリースしてデッキから[ゲリラカイト]を特殊召喚します!」

 

「...え」

 

 

[ゲリラカイト] DEF 200

 

 

「...なに、それ」

 

 

エッジインプモンスターでなければ、汎用性の高いモンスターでも無い見慣れない異質なカードだ

レベルのあった悪魔族なら干渉できる範囲の広さに着目したのだろうが、どの角度で見てもシナジーの欠片も見えることはない

 

バシュもテキストを確認し初めて気づいた事なのだが、それはチューナーモンスターだった

 

 

「私のデストーイの...新しい魅せ方ですよ!私はレベル2の[ファーニマル・オウル]にレベル4の[ゲリラカイト]をチューニングします!現れ出ちゃってください、[ドロドロゴン]!」

 

 

[ドロドロゴン] ATK 500

 

 

「フィールドから墓地に送られた[ゲリラカイト]の効果発動です!500ポイントのダメージを与えますよ!」

 

「...」

 

 

バシュ LP 8000→7750

 

 

囁かなバーンが詩織の今決闘(デュエル)初ダメージとなった

 

しかしそれよりも現れたシンクロモンスターは、その中でも珍しい融合補助の効果を持つそれだった

[ドロドロゴン]には起動効果による融合と、融合素材の代用となる効果があるが、デストーイにとってはどちらもわざわざチューナーを無理して採用するまで欲しいものでは無い

 

何が目的なのか

それもここまで来ればすぐに分かることだ

あとたった2つの手順で事が成すまでのところまで来ている

 

 

「私はペンデュラム召喚を宣言します!」

 

「...っ?」

 

「初めてやりますよ、エクストラデッキから現れ出ちゃってください![オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン]!」

 

 

[オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン] ATK 2500

 

 

「...なにがしたいの」

 

「これで準備は終わりました!私は[ドロドロゴン]の効果を発動します!フィールドのこのカードを含むモンスター達で融合召喚を行います!私は...」

 

 

詩織のフィールドには裏守備の[時空龍]、[スターヴ・ヴェノム]と[ペンデュラム・ドラゴン]。そして[ドロドロゴン]がある

[ドロドロゴン]の融合素材代用の効果があったとしても、その並びからデストーイに縁のあるモンスターは融合召喚出来そうにない

 

 

「まさか...詩織ちゃん」

 

「私はフィールドの[ドロドロゴン]と...[オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン]と[超銀河眼の時空龍]と[スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン]を融合!多次元交わり、歪な姿表す。四次元を統べる覇王よ、似て非なるこの現世を殲滅せよ!融合召喚!現れ...出ちゃってください、[覇王龍ズァーク]!!」

 

[覇王龍ズァーク] ATK 4000

 

 

「デストーイデッキから[ズァーク]が...っ」

 

「...っ」

 

 

4体もの素材を用い姿を表したのは覇王龍だった

融合、シンクロ、エクシーズ、ペンデュラムのドラゴン族を要求するその龍はどう見繕っても到底デストーイのデッキから現れると予想出来ないだろう

 

「効果発動です!相手フィールド全てのカードを破壊します!」

 

「...«цпкпошп»を、チェーン」

 

 

1度場に降りるだけでその力は発揮され、単純明快な相手のみの殲滅は脅威そのもの

しかしこれは例の破壊耐性によりかわされてしまう

 

だが、それもまた詩織の予想範囲の出来事

レベル4以上の裏守備も、フリーチェーンによる裏守備も無くなった以上彼女を止める材料は貧弱すぎた

 

 

「[貪欲な壺]を発動します。墓地の[サーベル・タイガー]、[シザー・タイガー]、[ハーケン・クラーケン]、[フュージョン・ドラゴン]、[ゲリラカイト]をデッキに戻して2枚ドローします。そして[融合]を発動です!。手札の[ファーニマル・オクト]と[エッジインプ・シザー]を融合召喚!現れ出ちゃってください、[デストーイ・ハーケン・クラーケン]!」

 

 

[デストーイ・ハーケン・クラーケン] ATK 2200

 

 

「素材となって墓地に送られた[オクト]の効果発動です。除外されている[ベア]と[ウィング]を墓地に戻しますバトルです![ハーケン・クラーケン]でそのモンスターに攻撃します!」

 

「っ」

 

 

バシュ LP 7750→7650

 

 

「そのまま2回目の攻撃です!」

 

「...手札の«цпкпошп»の効果発動。無効」

 

 

[裏側守備表示] DEF ?

 

 

「でしたら[覇王龍ズァーク]でそのモンスターに攻撃です!」

 

「っ...」

 

 

パシュ LP 7750→6750

 

 

「バトルフェイズ終了時に[ハーケン・クラーケン]は守備表示になります。私はカードを2枚セットし、[融合再生機構]の効果で墓地から[融合]を手札に戻してターンエンドです!」

 

 

詩織 手札 : 1枚 LP 1200

モンスター/[覇王龍ズァーク] ATK 4000

     /[デストーイ・ハーケン・クラーケン] DEF 3000

魔法・罠 /リバース2枚

スケール /[ファーニマル・エンジェル]

     /[デストーイ・マイスター]

フィールド/[融合再生機構]

 

 

ターンの初めからあまり手札は減らずにバシュにターンを返すことが出来た

初めてまともにバシュのモンスターを破壊し、微量ながら戦闘ダメージを与え遅咲きながらもロックの打破と自らのペースを掴んだ事は非常に大きく、耐性持ちの大型モンスター相手に今度はバシュが立ち回る番となっている

 

活路だ

だが、固唾を飲み込む慎也やまだ確信にたどり着いていない表情を浮かべる詩織達を他所にバシュは1人戦っていた

 

 

「...なんで」

 

 

上手くいっていたはずだった

永続的に裏側のままで居させるロックも

デストーイの破壊効果を交わすギミックも

セットしていたデッキ破壊はダメ押しのつもりもあった

 

しかし突破されてしまっている

破壊から守ったとはいえ既に現れてしまった効果対象に取れない融合モンスターをどうすることも出来ない

 

 

「...どうして」

 

 

気がつけば行っていたのは今までの反芻

しかしそれらこれまでのプレイングについてではない

 

 

 

おまえが求めるから皆が不幸になったんだよ

 

 

「今回は...今回はちゃんと言われた通りにやったのに!」

 

「っ!」

 

「«цпкпошп»...発動っ!」

 

 

突然の豹変はまるで別人と表現するのも生ぬるく、自らの立ち位置も見誤る程にバシュは視線を集めていた

少し離れた慎也は恐怖すらした

存在を忘れられがちなスフィアードも同じく

 

しかし相対する詩織だけは別のもの抱いている

彼女の過去に何があったのか

そう言った一銭にもならない同情でどうにかなるものでは無いのだが、不思議と恐怖は無かった

 

 

「バシュさん...」

 

「黙って...墓地の«цпкпошп»を5枚戻して...2枚、ドロー。«цпкпошп»を召喚。2体で...エクシーズ...」

 

 

«цпкпошп» ATK ?

 

 

「効果発動...そのセットカードを破壊」

 

「...」

 

 

破壊されたのはたまたま引くことが出来た[デストーイ・マーチ]。申し訳程度にと忍ばせていたのだが、展開の最中に砕かれてしまえば意味もなくなる

 

セットカードの破壊は今までよく見てきたものだ。

今までの流れから予想できる事はこのモンスター1体のみで行われるエクシーズ召喚

確かサーチ効果だった。それも素材として墓地に送られると墓地からサルベージもあった

 

つまりまた裏守備化と破壊耐性を準備出来るということになる

前のターンド派手に[ズァーク]まで召喚したというのに、一手返してみるとまたロックの片鱗が見えていた

 

 

「«цпкпошп»をエクシーズ。効果...デッキから«цпкпошп»、墓地から«цпкпошп»」

 

「...」

 

 

詩織の額に汗が滴る

いくら[ズァーク]が睨みを利かせているとはいえ、彼女には3つの不安分子が残っていた

 

1つ目は単純にライフポイント

1200に対し、あのエクシーズモンスターの攻撃力は2000。また裏側守備になってしまえば例のフィールド魔法の効果により、ダイレクトアタックを宣言するだけで敗北に繋がる

 

2つ目はそれに通ずる事だが、あのモンスターを裏守備に変更させる罠カード。発動時にバシュは自らのモンスターを対象に取っていたため、おそらくこちらのモンスターの表示形式を変更するのに対象発動とっていない

そのため[ズァーク]の耐性を無視して処理可能

あの永続罠も現在なため、それだけで詩織に突破方法は消滅してしまう

 

そして3つ目は

 

 

「«цпкпошп»、墓地の«цпкпошп»を特殊。そして«цпкпошп»の効果。自分を裏にする」

 

 

先のターン戦闘破壊したため、今蘇生したモンスターは墓地の順番で分かった。

あのデッキ破壊効果を持つモンスターだ

ちらほらと削られていた詩織のデッキは残り9枚にまで減っていた

ビートダウンとどちらが早いかいよいよ分からなくなる程にに疲弊しているのだ

 

[融合]のカードは早い段階で手札に引き入れていたため無事だが、またあのロックを築かれた時この残りのカード達で突破出来るのだろうか

 

 

「...バシュさん」

 

「私は負けない...カードを3枚セット...エンド」

 

 

バシュ 手札:1枚 LP6750

モンスター/«цпкпошп» ATK ?

     /裏側守備 DEF ?

魔法・罠 /«цпкпошп»

     /リバース3枚

フィールド/«цпкпошп»

 

 

バシュは今2つの勝ち筋を握っていた

1つは今セットした罠による詩織のモンスターの裏守備化。その為にはバシュ自身のモンスターを表にする必要があるため、現段階では一体のみしか止めることが出来ない

そこに合わせるのがもう1枚の罠。墓地からモンスターを裏側守備で特殊召喚するそれと合わせる事でバシュには更なる展開と裏側守備化、加えてあのデッキ破壊が起動する

 

無論それらを守る破壊耐性も準備してある。発動のためのコストも握っている。仮にこれらが突破され攻撃を許そうと、ダメージを半減するフィールド魔法もある。

詩織が勝利する為には実に13500もの戦闘ダメージを与える必要があるのだ

 

 

「...もう、諦めて」

 

 

懇願にも近かった

自分らしさなど分からないが、バシュはとにかくもう戦いたく無かった。

ただ詩織を見守っているだけでいい。簡単な命令だったはずなのに、今はどうして頭を悩ませているのだろうか

 

勝利すれば楽になるだろうか

それとも後ろに控えているあの男も倒さなければならないだろうか

 

 

「...ごめんなさい」

 

「なに」

 

 

余計な事を考えていると詩織がターンを受け取らない事に気がついた

早くその残り少ないカードの束から引いて、お得意の破壊効果でも使うといい。それを交わした上でデッキ破壊でもビートダウンでも勝てる方法など余っている。

 

バシュが初めて油断とも言える心境に入った時は、まだ彼女のエンドフェイズだった

 

 

「私の...勝ちです」

 

「...は」

 

 

詩織がバシュのエンドフェイズに行ったのは1枚の罠カードの発動

それはバシュが砕いた物と共に伏せられていた1枚

 

[ズァーク]や[ハーケン・クラーケン]によって霞んでいた、バシュが見落としていたデストーイの可能性だった

 

 

「それは...っ!」

 

「[死魂融合(ネクロ・フュ-ジョン)]です。墓地の素材を除外して融合召喚します」

 

 

バシュの布陣は非常に強固だった

それに加えてフリーチェーン故の余裕があった為に詩織は今まで満足に行動が出来なかった

しかし罠故の圧倒的弱点を詩織は静かに狙い定めていたのだ

 

セットの隙だ

まだ発動のタイミングが訪れていない内にこちらもフリーチェーンの破壊を御見舞すればいい

おあつらえ向きな詩織のエースモンスターの登場には相応しい場だ

 

 

「私は墓地の[エッジインプ・シザー]...そして」

 

 

出し惜しみをしている状況では無い

持てる全てをこの罠に込めて、詩織は墓地を彷徨う天使と悪魔を乱暴に掻き乱した

 

 

「[ドッグ]、[ペンギン]、[オクト]、[ベア]、[ウィング]、[キャット]2体を墓地から除外します。愛嬌ある姿はやがて悪魔と化す、来るものを錆にしろ!

 

 

融合素材は8体

破壊耐性効果を発動できないバシュのカード全てを破壊してもお釣りが来る

 

詩織が得意とする勝利方法でもある、大量破壊からの怒涛のビートダウンは今この瞬間完成したのだ

 

 

「...」

 

「...融合召喚、お願いします.....現れでちゃってください[デストーイ・シザー・タイガー]!!」

 

 

その名を呼ぶのは初めてでは無かったはずだが

今までに無い程に強く求めて叫んだ

 

 

[デストーイ・シザー・タイガー] ATK 1900→2500

 

 

「...効果発動です。バシュさんの7枚のカード、全部破壊します。お願いします、"テンペスト・シザー"!」

 

「...」

 

 

『あいよ!』

の一言が聞こえた様な気もした

空耳だったのだろうか、そんな様な事を考える事自体煩わしい

 

もう終わらさた方がいい

この忌々しき戦いなど

 

 

「[ハーケン・クラーケン]を攻撃表示にします...バトルフェイズです」

 

 

バシュのエンドも、詩織のドローもスタンバイも必要無い

[ズァーク]と[ハーケン・クラーケン]、そしてシザー・タイガーの合計攻撃力は充分に足りている

 

 

「[ハーケン・クラーケン]で2回のダイレクトアタックです!」

 

「...っ!」

 

 

バシュLP 6750→3950→1150

 

 

「シザー・タイガー...ダイレクトアタックです!」

 

 

真面にライフが削れていく様は圧巻なのだな、愉悦は無い

わざわざシザー・タイガーでトドメを指す必要も無い

そしてこの戦いにもきっと意味は無いのだろう

 

なんて情けない心境なのだろうか

 

 

 

LP 1150→0

 バシュLOSE

 

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

 

 

視界を遮っていた巨大なソリッドヴィジョンが消えるのを確認することもなく、詩織はバシュを抱き抱えていた

もう痛々しくて見ていられなかったのだ

 

最後の最期には何も発せず、ただ敗北を受け入れていたのかも怪しく謎

再び例の寝具に優しく寝かせるとバシュに抱いていた違和感の1つに気がついた

 

 

「っ」

 

 

何時だったか彼女に触れた時に指先で感じた凹凸

ブカブカのパーカーを捲り上げるとそれの正体が見えた

 

 

「...ひどい」

 

 

白い肌におぞましく存在を主張する痣があった

それも夥しく触覚で分かるほどに肉体に変化を産んでいた

 

怪我と表現するのも生ぬるい、そんな過去の痛みがそこにあった

 

 

「...詩織ちゃん」

 

「.....」

 

 

何処か上擦った慎也の声で我に返った

咄嗟にバシュのパーカーを元に戻したのは、バシュの半裸を慎也に見せないための考慮だったのだろうか

 

無意識に、隠すように、詩織は慎也の視線の前に立っていた

そのまま自然と慎也に振り返るつもりだったのだが、次の一言がその視線の先を変えた

 

 

 

 

『ご主人』

 

 

 

 

 

 




ーーーR D Cーーー

ーーー城外ーーー

○医療班駐屯地  
→大神忍 (負傷中)  →オキナ(敗北)
→鬼禅義文(負傷中)  
→早乙女哲夫(負傷中)
→齋藤健太(負傷中)
▷黒川美姫      
▷近藤虎鉄 
S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)医療班20名

◐北大通り
▷皇崇人        →ジャヴィ(敗北)
▷劉毅透織       →海堂晶(敗北)
▷海堂一樹       ▶︎氷染菫
▷           ▶︎形谷繰人
            ▶︎灰被(シンデレラ)残り18名 
▷西条麗華(交戦中)  ▶︎黒服兵残り8名
▷古賀拓郎(交戦中)
▷草薙花音(交戦中)
▷東野圭介(交戦中)
S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)部下残り0名 

◐南大通り(終戦)
→島崎春磨(敗北)  →カムイ(敗北)
→山本薫(敗北)   →グラス(敗北)
→南結衣(敗北)   →シッド(敗北)
→新妻友奈(敗北)  →灰被(シンデレラ)0名
→新田優介(敗北)  →黒服兵 0名
→渡邉速之(敗北)
→永夜河文佳(敗北)
▷化野雅紀(待機中)


ーーー城内ーーー

〇???
→ガンリ(敗北)

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)本部内通路
→蛭谷楓希(敗北)

〇メインコンピューター室
→灰田輝元(負傷中) 
→須藤余彦(負傷中)  

〇詩織の部屋
▷皆木詩織    →バシュ(敗北)
▷村上慎也

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)本部内通路
▷灰田光明   →灰被(シンデレラ) 残り3名
▷小鳥遊有栖
→秋天堂光

〇???
▶知樹

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)
▷戦闘可能 : 14名
▷精鋭   : 14名
→負傷中  : 9名
→非戦闘員 : 20名

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)
▷戦闘可能 : 22名
(フロ-)    : 0名
▷ゲスト  : 2名
灰被(シンデレラ)   : 21名
→負傷中  : 123名
→捕虜   : 93名

◐ガルナファルナ
▷戦闘可能  : 0名
▷天禍五邪鬼 : 1名
→負傷中   : 30名
→捕虜    : 104名




ぶっちゃけどうですか?

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  • 読みたいけど無くなったら読まない
  • 普通
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