遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

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どうもこんにちわ!あつすぎます!

デュエリストパック買いました、が、見事に外れましたと言っておきます!


実質今回決闘なしですどぞ!


第十二話 傷心

 

詩織の勝利、2連勝を遂げた慎也達。

3対3の試合だが、草薙と慎也の決闘(デュエル)を前に決着はついてしまった

 

 

「そ、そんな…」

 

「やりました!村上さん!!」

「うん、おめでとう!」

 

飛び上がって喜びを表現する詩織。慎也も笑顔で迎える。灰田も交え、慎也達は改めて勝利を喜びあった

 

 

「も、申し訳ありません!花音様!愛莉…!」

「…いえ、あなたは頑張りましたわ」

「…そうだ、お疲れ様」

 

「で、俺ら2連勝したけど…」

 

 

気まずそうに近づく慎也に気が付き、草薙が少し考える素振りを見せた。

 

そして語る。

 

 

「ええ…ここは引きましょう。でも近々貴方とは決着をつけます」

 

 

草薙が慎也を見つめて宣戦布告をする。確かに自らの出番を前に必要せいを見失い、不完全燃焼だろう。慎也もそれを理解した上で、複雑な顔をしていた。

 

やがて言葉を発する。

 

 

「…うん。同じ大学だし機会はいつでも…」

「いいえ、構内大会です」

 

 

草薙が言葉を遮る。告げられた単語は同じ大学なら知っているはずのものだ

 

 

「来週に行われる構内大会。そこで決着を付けましょう」

 

 

人差し指を立て話を続ける草薙。自然と周りに緊張が走る

 

「構内大会か…うん、でも俺も負けないよ」

「ええ、その時を楽しみにしてましょう」

 

 

静かに左手をおろし、ゆっくりと振り返る。そしてその場を去る草薙。愛莉と鈴もその後を追う

 

慎也達は望みの決闘(デュエル)スペースを勝ち取った

 

 

「皆木お疲れ!慎也でる必要なかったな!」

「うん、でも....」

「どうしました?村上さん??」

 

「...ううん、何でもないよ。知樹達が来るまで俺らも決闘(デュエル)してよ。俺今日やってないし」

 

「お?一番奥にいたのかぁ?」

 

 

話をそらし、改めて決闘(デュエル)を提案した時、知樹達がやってきた。

勝負の末に手に入れたスペースに6人も集まると、少しだけ狭く感じる

 

 

「あら?決闘(デュエル)してたんじゃないの?」

「さっき同じ大学の奴らとすれ違ったぞ…」

 

「ああ、うんまあね」

 

遅れてきた知樹達に事の経緯を語る。

 

決闘者(デュエリスト)らしく、どんなデッキを使用してきたか、どんなスタイルで戦うか、それだけで話題は充分存在していた

 

 

それが済むとその後は本来の目的、休日を楽しむ事にした

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

午後20時30分。一通り遊び尽くし、何故か慎也宅で夕食を取ることになった慎也達。

慎也は蛭谷と詩織の助けを受けながら大人数の食事を用意する。一人暮らし歴の長い慎也、毎日弁当を自作する蛭谷、将来のために勉強したという詩織が手を組めばかなり贅沢な夕食にありつける。

 

食卓には様々な料理がひしめき合っていた

若者らしい物から渋い小鉢まで多種多様だった

 

 

 

「蛭谷は料理できるんだな!少し意外だ!!」

唐揚げを頬張りながら灰田が言う。

 

「親が共働きで妹の面倒見なきゃいけなかったからな。家事はだいたい出来るようになったんだよ」

白身フライにソースをかけながら蛭谷が言う。

 

「あら?妹さん何歳なの?」

黒川が焼酎の入ったグラスを傾けながら言う。

 

「颯人の妹さんは…4個下だよな?」 

知樹が大皿のパスタを取り分けながら言う。

 

「高校2年生れすかぁ?まだこの年でもなかよしなんれすね!村上しゃん!あーんしてくらさい!」

顔を真っ赤にしながら詩織が言う。何故か酔っ払っている。右腕が使えない慎也のためにかわりに箸を操っている。

 

「普通に仲はいいぜ。今でも俺があいつの弁当作ってやってるしな」

蛭谷が白身フライを食べながら言う。

 

「電話きてたけど大丈夫だったの?」

慎也が詩織の頭を撫でながら言う。もちろん詩織の願いだ。

 

「別に急用じゃないしな、今日は大丈夫だ。…慎也、俺も焼酎もらっていいか?」

「ああ、どうぞ。…黒川は勝手に呑んでるしね」

 

「ごめんなさいね、でも意外ね?村上君呑めないんじゃないの?」

「ん?あぁ、たまにはね...」

 

 

蛭谷も自分のグラスに焼酎を注ぐ。それは慎也がシエンに買ってきた物だ。シエンのことを話すわけにもいかないので友人達に振る舞う事にした。

 

 

(新しいの買ってくるから許してね)

『いえいえ、我のことは気にしないで下さい』

 

脳内でシエンと会話を試みると、返答と同時に口元に何かが迫っていた

 

箸につままれたロールキャベツだった

その先には真っ赤な顔をした詩織。自らが作ったそれを食べてもらいたいようだ

断る理由もなく、慎也は口で受け止めた

 

 

「...」パク

「村上しゃん!おいしいれすか!?」

「うん、おいしいよ」

「うれいしれす!!」

 

 

満面の笑みを浮かべて慎也の右腕にしがみつく詩織。慎也同様に酒に弱い詩織だが、酔ったあとの行動は慎也とは真逆だった。

 

普段では考えられないほど積極的だ

 

 

「黒川、皆木にどんだけ呑ませたんだ?」

「ほんの一口よ」

「慎也みたいにすぐ寝てくれたほうが楽だね!」

 

 

今宵、一人の女性の酒乱は1人の被害者を出すだけに留まった

無論それは慎也の事なのだが、気にせず夜は更けていった...

 

 

 

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「...どうしてこうなった?」

 

 

午後22時13分。浅い眠りから覚めた慎也は困惑していた

 

瞳を開くと、目の前に詩織の寝顔があった。よく思い出せないが、どうやらあの後眠った詩織を知樹達が残して帰ってしまったようだ。

 

まるで恋人のように同じ掛け布団と時を共有し、机に伏していた。

 

 

(...知樹達の野郎、いつの間に俺のグラスに盛ったんだ)

 

 

一人暮らしだが女子を泊めた事は無い慎也。無理矢理起こして帰らすわけにも行かないので、どうにかベッドに連れていこうとする。

 

両腕で詩織を抱き抱え、自室のベットに連れて行った。なれない行動で居心地がいいとはいなさそうだが、詩織に全く起きる気配はなかった。

 

そもそもの帰らすことは出来なかっただろう

 

 

(俺はソファーで寝るか.....詩織ちゃん、ベッド一つしかないから俺ので我慢してね...もう、眠い)

 

 

ついに限界を迎え、酒に夢の世界に誘われる慎也。力尽き、ベッドの反対位置にあったソファーに倒れ込んだ

 

詩織はすでに夢の中にいる

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後、午後13時。慎也たちは講義の無い空いた時間を学食で過ごしていた。話題は草薙が言い残した構内大会について

 

現代らしく携帯を操作しながら

 

 

 

「構内大会の情報、ポータルサイトに出てるな」

「お?ちょっと見せて」

 

 

蛭谷が提示した端末の画面を慎也らはのぞき込んだ。普段は休講案内などを確認するぐらいだが、決闘(デュエル)関係のお知らせも同様のサイトで確認できるようだ

 

 

 

 

〜構内大会開催のお知らせ〜

 

 

7月3日(日)に行われる関東大学対抗大会の出場メンバーを選別します。選別方法は6月24日(金)に構内大会を開催します。3ブロックに別れてトーナメント形式で行い、その各ブロック1位の生徒3名が関東大学対抗大会に出場可能です。構内大会の選出者は6月10午後13時〜6月17日午後18時までの間のデュエルディスクの記録から決めます。

また、例外として学園長が選択した以下の生徒は特別枠として記録関係なく参加を許可します。

 

・法律学部 4年 秋天堂光(しゅてんどうひかる)

 

・工学部 2年 色嶋雄太(しきじまゆうた)

 

・経済学部 3年 高城千夏(たかぎちなつ)

 

・外国学部 3年 村上慎也(むらかみしんや)

 

・教育学部 4年 小鳥遊有栖(たかなしありす)

 

 

期間中、記録に公平を期すため、以下の条件を設けます。

 

 

・最低20戦した生徒から選別します

 

・同じ相手との決闘は最初の決闘(デュエル)のみ記録します

 

・構内に設置された決闘棟(デュエルパーク)での決闘のみ記録します

 

 

全構生徒の皆さんは奮ってご参加ください

 

 

 

 

「なるほどなぁ…それにしても」

 

蛭谷が携帯から慎也に視線を移す

 

「慎也すげぇな…堂々たるメンバーのなかにいるじゃねえかあ?」

 

特別枠の生徒は他学部の生徒でも知っているような強者揃いだ。慎也も例外ではないが他の生徒は一線を画している。草薙に宣戦布告された時には思いもよらなかった事だ。それもそのはず、慎也は今の今まで特別枠について等知らされていなかった

 

 

「...あ、うん、緊張するね」

 

「まぁ、俺らは3日後から連戦だな。頑張ろう颯人」

「そうだなぁ、大会でてえしなぁ…」

 

「皆!!」

 

灰田が息を荒げながら走ってきた。話がひと段落した事もあり、慎也達の視線はそちらに釘付けだ

 

 

「大変だ!!」

「ど、どうしたの?」

 

大粒の汗と必死の形相。誰もが悪いニュースを覚悟した時、灰田は語った

 

 

 

「構内大会で慎也が特別枠に選ばれてた!!すげえ!」

「その話は今終わったよ」

「どこいってたんだよ?」

「掲示版見てきてた!」

「携帯で見れるようになっているんだが...ポータルサイト知らないのか?」

「よくわかんないから走ってみてきた!」

「そうか…今度教えてやるからな。取り敢えず座れよ」

 

 

灰田が席についた。いつもの天然の発動処理を終えると、濡れた額をハンカチで丁寧に拭き始めた

その様子を見届ける前に更なる人物が現れる

 

 

「村上さん!」

 

今度は西条が大股で近づいてきた。同じく驚きの表情をみせていた

 

 

「見ましたよ、やりますね特別枠とは...」

「お前もか」

「...こないだ機種変したばっかだしな。取り敢えず座ったらどうだ?」

 

 

西条が席につき、一息ついた。蛭谷が自らの携帯を操作し、携帯での学内ポータルの使い方を講義し始める。

灰田も西条も同じく「そんな便利な機能があったのか」と言わんばかりの顔をしていた

 

そんな平和なテーブルに新たな客が現れた

 

 

 

「...あれれぇ?村上ちゃんじゃーん?」

 

 

じゃらじゃらと音を立てながら誰かが近づく。名前を呼ばれた慎也が振り返ると、ほこにはやたらアクセサリーをぶら下げた男がいた。黒髪に紫色のメッシュを施し、周りに数人の女性を集めるその男の名を慎也は知っている。

 

 

「"古賀(こが)"か...どうしたの?」

 

「いやね〜掲示版見たんだけどさ、特別枠とかいうのに入ったらしいじゃん?....やろうぜ決闘(デュエル)?」

 

 

"古賀拓朗(こがたくろう)"慎也とは2年の必修でであった。正直慎也は少し苦手としている。

それは何事も自分が一番でなくては気がすまない性格とこの馴れ馴れしさ。遊戯王に対しても熱意は無く、当時は遊戯王をやっていなかった。共通の趣味と言えるものも無く、疎遠になりかけていた頃に決闘(デュエル)を挑みに彼はやってきた

 

 

「あれ、決闘(デュエル)するの?」

 

「まあね〜どうせすぐ飽きるかもだけどね?やろうぜ特別枠?」

 

 

この言動は知樹だけでなく慎也までも不快にさせた。

ほんの少しだけ眉間にシワが集まり始めた

 

 

(どうせ女の子達にキャーキャー言われたいだけなんだろ?)

『無粋な輩ですな』

 

 

そんな気持ちを飲み込み会話を続けた

 

 

「いいけどさ、まだ期間じゃないよ?」

「あ、そっか〜無駄に決闘(デュエル)するのももったいないもんね〜じゃあまた来るわ」

 

 

騒々しい集団がその場を去る。火がついたように慎也達は...

 

 

「...なんなんだあいつは、決闘(デュエル)を楽しむ気はないのか?」

「流石にあれはむかつくなぁ...?」

「村上さん、わざわざ相手をする必要もないんじゃないんですか?」

「そうだよな!無視しよ!?」

 

「...う、うん」

 

「まぁいい。古賀の事はともかく移動しよう。次の講義もあるしな」

 

 

知樹が空気を入れ替え、移動を促した

大学に抗議を受けに来ているのだから否定する者はいない。皆が学食を後にし、講義の行われる棟を目指して歩き出した

 

 

移動距離はさほど長くなく、あと数分もし無いうちにたどり着くだろう。その道中、古賀のことだろうか慎也の表情は硬いままだった。それでも棟に入ってすぐ、ある人物と出会った。それがきっかけとなり、慎也の俯きがちの顔を上げさせた

 

 

「おや?村上君達だね、こんにちわ」

「あ、"秋天堂(しゅてんどう)"さん、こんにちわ。特別枠おめでとうございます」

 

 

笑顔の挨拶に笑顔で応える慎也。

秋天堂と呼ばれた人物は、携帯で名前を見たばかりの特別枠の先輩だ。

 

綺麗な顔立ちと、若い声、優しく後輩思いで尚且つ決闘(デュエル)の腕前も高い。密かにファンクラブが生まれるほどの人気者だ

 

 

「ありがと、貴方こそおめでとう。構内大会楽しみにしているよ」

 

「はい、頑張ります」

「ところで...」

 

 

秋天堂が西条を見て問うた

 

「そちらの女の子は誰のガールフレンド?村上君の?」

「ち、違いますよ!私は西条麗華。ただの友達です!」

 

「そんなに否定することないんじゃないかい?ねぇ村上君?」

 

「いえいえ、勘違いお嬢様よりも詩織ちゃんの方がいいです」

「秋天堂さん、これ以上クレイジーお嬢様に勘違いさせないでださい」

「最近までガラケーお嬢様、気にしないでくれや」

「聖帝2位!気にすんなよ!」

 

「やめてください!!」

 

「はは、楽しそうだね。そちらの二人は自己紹介がまだだったよね?僕は"秋天堂光“だよ、よろしくね」

 

「西条麗華です。よろしくお願いします」

「蛭谷颯人です、よろしくっす」

 

 

最近でこそ行動を共にしているが、彼らが秋天堂と出会うのはこれが初めてだった。何かと大学で決闘(デュエル)を楽しむ慎也達はそこでつながりを持っていたようだ

 

親しそうに話をしている

 

 

「よろしくね。ところで皆も次の"決闘(デュエル)歴史学"受けるんだよね?」

 

「ええ、多分特別枠も全員いるんじゃないんですかね?」

 

"決闘(デュエル)歴史学"はオープン科目に分類されている

学部関係なく全構生徒が履修可能であり、それに伴いとてつもない人数が受講してる科目だ。

 

 

「そうだね。あの講義すっごい人数だもん」

「楽単とか言われてますからね」

「あの...皆さん歩きながら話しませんか?そろそろ時間ですよ」

 

 

同じ大学で学んでいるため、思うこともあるだろう。それでも西条に促され、時を把握させられた。仕方なく進行方向を定め、いざ第一歩を踏もうとするが先頭にいた秋天堂の道を壁が塞いだ

 

 

「キャー!秋天堂さん!!」

「秋天堂様!こないだはありがとうございました!」

「構内大会の見ましたよ!!」

「次の講義のご一緒してもよろしいですか!?」

「秋天堂さん!クッキー焼いてきたんですけど良かったら食べてくれませんか?」

「特別枠おめでとうございます!」

 

 

先程も言った秋天堂のファンによるものだ。男女構わずファンは多いが、やはり比率は女性が上回っていた

 

 

「あ!いや君たち僕はいま…」

 

「秋天堂様!私絶対構内大会でますからね!」

「秋天堂さんの優勝間違いないですよ!!」

「応援してます!!」

 

「う、うん。ありがとう...でも」

 

「秋天堂様、俺ら先行ってますね」

「ちょ、村上君!?」

 

 

壁からの救出を諦め、笑顔で秋天堂を置き去りにする慎也達。男女問わずファンが多い彼女の周りにはところ構わず壁ができる。見慣れた光景だ。

 

 

 

(...助けてくれてもいいじゃないか)

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 

チャイムが講義の終わりを告げる。講義中も、秋天堂は相変わらず囲まれていた。講義が終わった今でもその光景は続いているが、慎也は構わず帰り支度を済ませていた

 

 

「あん?慎也、今日もやっていかないのか?」

 

 

決闘(デュエル)の事だ。問うた蛭谷の顔をろくに見ずに慎也は語った

  

 

「あ、うん。ちょっと用事があってね...ごめんな」

「なんだよたまにはやろうぜぇ?」

「明日な、先帰るわ」

 

 

慎也が一足先に教室を後にする。

口々に別れの挨拶を口にして慎也を見送った

 

 

「どうしたんだ?最近付き合い悪いな...」

「そうえば知樹、黒川と皆木は!?」

「あら?そういえばいらっしゃらないのね」

「さっきLI○E来たけど、皆木は体調不良で黒川は今向かってるってさ」

「いや遅すぎだろ」

「皆木はこないだから体調崩しっぱなのかな!?」

 

 

遅刻、欠席組の話の最中、西条は気になる事があるようだ。灰田の発した”こないだ”の部分に何があったのか気になる様子だ

 

 

「こないだとは?」

「西条はいなかったな。一昨日慎也宅で遊んでな。酔って寝た皆木を慎也宅に残して俺らは帰ったんだ。それから体調が優れないみたいでな...」

「そ、そんな…男女一つ屋根の下なんて…っ!本人達はなんと!?」

 

「特に何も!」

「そうだなぁ」

「駄目ですよ!か弱い女性を殿方の部屋に一人残すなんて...!」

 

顔を真っ赤にして怒り出す西条だが、知樹らは平然としていた。あの2人の事を信頼しているのか単にそこまで考えていないのか...

 

 

「いいじゃん!付き合っちゃえばそれはそれで!」

「そ、そういう問題じゃありません!不純ですよ!」

 

「あぁ、安心しろ。鍵はちゃんとかけて帰った」

「論点はそこじゃありません!」

 

 

「まあまあ、次は誘ってやるから」

「そこで怒ってるんじゃありません!!」

 

 

慎也が居なくとも通常通り西条はからかわれていた

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

 

午後16時30分。自宅についた慎也。シエンがこの時を待っていたかのように話しかける。適当に荷物を片付けている慎也の背中に向かって

 

 

『殿、よろしいですか?』

「ん?なに?」

『一昨日の...草薙と申してましたか?』

「ああ、うん」

「その決闘(デュエル)以来何やら考え事をしている時間が多く感じるのですが...悩み事でしたらお話ください」

 

 

突然のシエンの質問に少し戸惑う慎也。

時もきっかけもバレてしまってはごまかし用がない

 

 

「うーん...悩み事っていうかさ.....」

 

 

頬をかきながら口ごもる、言い難い内容なのだろうか。やがて意を決したように話し出す。

 

 

「...聖帝でさ、決闘(デュエル)見てるとさ」

『はい』

 

「不純な目的のために始める奴とかさ」

『古賀の事ですな』

 

「馴染みやすいように講義をたくさん用意してくれるのは嬉しいんだけど...単位目的で適当に来る奴とかさ」

『ふむ...あの”決闘(デュエル)歴史学”という講義ですな』

 

「取り巻きを従えたり、勝手にファンクラブ作ったり...決闘(デュエル)がなんか...蔑ろにされてるようで.....皆が平等に楽しめればいいなって思ってら自分が特別枠とかに選ばれるしさ.....」

 

 

歯切れは悪いがポツポツと語る慎也。彼なりに思うことがあるのだろう。

 

『殿、お気持ちは分かります。ですが前向きに考えましょう特別枠は殿の実力が認められたのです。古賀のような者が現れるのはそれほど決闘(デュエル)が馴染みやすい存在だからです』

 

 

シエンの視点を変えた発言は聞くに値するものだった。遊戯王の精霊本人からの意見を前に真剣な面持ちを見せた

 

 

決闘(デュエル)は義務ではありません、我々は決闘者(デュエリスト)を拒みませんが、辞める者も追いません。殿がそれについて気にする必要はないと思いますぞ』

 

「...うん、でも」

『殿はお優しい方だ、気に病みすぎですぞ。精霊が言っているのです』

 

 

シエンが優しい笑みを浮かべる。慎也はその笑顔により自らの後悔を恥じた。それは抱えていた悩み事ではなく、シエンに気を使わせてしまった事へのものが大きいのかもしれない

 

前向きに捉えよう

 

 

「...考え過ぎだよね、ありがとうシエン。吹っ切れたよ!」

『えぇ、それは良かったですな殿』

「今度古賀をボッコボコにしてくる!」

『そ、そうですな!』

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

3日後午後15時36分。構内大会出場者選抜の記録期間に入った。いつも賑わう決闘棟(デュエルパーク)だがこの期間はいつもと比ではない。そのため慎也達は講義中の時間を狙って来たのだがそれでもなかなか賑わっていた。

 

 

「あ、村上さん!」

 

 

慎也を見つけると小走りで詩織が近づいてきた。実は久しぶりに合う2人だった。

 

 

「やあ、もう平気なの?」

「は、はい!そ、その節はどうも...」

「うん、また「村上ちゃ〜ん!南側にいたんだね!?」

 

 

相変わらずの雑音と共に古賀が現れる。

3日前と何ら変わりはなかった。強いていえば、慎也の中にある決意のみ熱く闘志で燃えている

 

 

「来たね...詩織ちゃんごめんね、ちょっと待ってて」

「は、はい...」

「可愛いガールフレンドだね?こんにちわ古賀です〜」

「み、皆木です...」

 

 

初対面でも古賀は構わず自分のペースで進めていた。戸惑う皆木の前に慎也は出ると、決闘(デュエル)を催促した

 

 

「さぁ、早くやろうよ」

「うん〜楽しみにしてたよ?村上ちゃんぶっ倒すの」

 

 

かなり強きに出ると、スペースに入る古賀。最近始めた初心者がなぜここまで強気でいられるのだろうか

慎也の実力が特別枠クラスだと知っていての挑戦のはずだ

 

 

 「「決闘(デュエル)」」

   古賀 LP 8000

   慎也 LP 8000

 

 

「先攻は俺だね〜[強欲で謙虚な壷]発動、めくるよ?[ダーク・シムルグ]、[天罰]、[エフェクト・ヴェーラー]...」

 

「.....まさか」

 

 

公開されたカードを見て、周りの何人かが顔をしかめた

 




ちらほら新キャラが出てきます。古賀君は何デッキなんだろう…?w

  
〜おまけ〜

友樹たちが帰った翌日、詩織が先に目覚めた。

「むむむむ村上さん!?なんで…あ、私酔っちゃって…」

「相変わらず寝顔も素敵ですね…//」

「ん…?あぁ詩織ちゃんおはよう」

「おお、おはようございます!すみません泊めてもらっちゃって…」
(そっかお風呂入らないでそのまま寝ちゃったんだ…)

「全然起きないからそのまま寝かせちゃった、ごめんね」

「い、いえ…こちらこそ呑めないのにすみません…」

「ご飯たべてきなよ?シャワーも浴びたいでしょ?」

「あ、ありがとうございます!…でも着替え持ってきてないんですよ…」

「あー、俺のしかないからね…いy「いえ!あの、村上さんが良ければ私は全然!!」

「う、うん…じゃあ洗濯機回すからその間だけ我慢して着てね」

「ありがとうございます!!」

「取り敢えずご飯たべよ」
(そういうの気にしない子なのか…?)

「手伝います!」
(美姫ちゃん!おいてってくれてありがとう!幸せです!!)

(顔真っ赤だな…大丈夫かな?)

『殿…我は少し出てきます』

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