遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

61 / 136
時間が空いちゃいました。OCG化を待っていたのと、単純に長くなってしまったのが原因でした。すみません




第五十四話 適合の有無と所以

寒風とも言えるものが吹き荒れる

気温の変化を露出した肌で感じると、2人の若者は睨み合った

 

双方の決闘(デュエル)ディスクには「決闘(デュエル)開始」と刻まれ、臨戦態勢に入っていることを表している

 

 

 

「俺の先攻ですよ...」

「あぁ、始めろ」

 

 

ディスクは慎也を先攻に指名していた

一度決闘(デュエル)が始まれば手加減など選択肢には無く、青年は同時に敗北への強い劣等感を噛み締めた

 

”負けられない”ではなく、”負けたくない”

 

 

これは長年の愛用デッキ、SR(スピ-ドロイド)使いとしてのプライドをかけた戦いと言っても過言ではない

 

目的は完封というよりかは、輝元を納得させる事

SR(スピ-ドロイド)の名に恥じないプレイングを目指し、慎也は1枚のカードをプレイした

 

 

「....手札から[ベイゴマックス]を特殊召喚!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)ベイゴマックス] DEF 800

 

 

「効果でデッキから[タケトンボーグ]を手札に加えますよ」

「あぁ」

 

 

一時期ではランク3出張パーツとして有名だった動きだ。

召喚権を要さない、次に繋がりやすいギミックだが、SR(スピ-ドロイド)では[赤目のダイス]の存在により、2から7までのシンクロ召喚が可能になる

 

風属性モンスターに偏るが、[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]までは約束されているようなものだ

 

 

「手札から[バンブー・ホース]を通常召喚!効果で手札から[赤目のダイス]を特殊召喚する!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)パンブー・ホース] ATK 1100

 

[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

 

「[赤目のダイス]の効果発動、[ベイゴマックス]のレベルを1にする!」

「レベル1...なるほど、初めから全力のようだな」

「当たり前ですよ...俺ほレベル4の[SR(スピ-ドロイド)バンブー・ホース]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン]!」

 

 

[TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン] ATK 2400

 

 

「手札から[アイアンコール]を発動!墓地の[赤目のダイス]を効果無効にして特殊召喚する!さらに手札から[タケトンボーグ]を特殊召喚!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

[SR(スピ-ドロイド)タケトンボーグ] DEF 1200

 

 

「俺はレベル1の[SR(スピ-ドロイド)ベイゴマックス]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[フォーミュラ・シンクロン]!」

 

 

[フォーミュラ・シンクロン] DEF 1500

 

 

「[ラリアン]と[フォーミュラ]の効果をチェーン発動!2枚ドローする!」

「あぁ、続けろ」

 

 

まずは2体のシンクロモンスターを召喚した

いずれのモンスターもシンクロデッキでは要と言える存在であり、後続を呼ぶ手札もある。

 

しかし輝元は表情を変えない

慎也ならこれくらいは可能だと分かっていたかのようだ

 

 

「まだまだ行きますよ...[パッシングライダー]をスケールにセット、そして効果も使います。手札の[電々大公]を捨てて自身のスケールを1まで下げます」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)バッシングライダー](3)→(1)

 

 

「墓地の[電々大公]の効果発動!除外し、墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚する!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

 

「効果で[タケトンボーグ]のレベルを5にする。俺はレベル5になった[SR(スピ-ドロイド)タケトンボーグ]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[スターダスト・チャージ・ウォリアー]!」

 

 

[スターダスト・チャージ・ウォリアー] ATK 2000

 

 

「またドローだな」

「えぇ、[ラリアン]と[チャージ・ウォリアー]の効果で2枚ドローします」

 

 

再び手札を回復した

まだ[タケトンボーグ]の効果を使用していないため、制約も一切無い

 

適合の有無を考えさせない怒涛のプレイングだ

 

 

「[音響戦士ギータス]をスケールにセット、効果発動!手札を捨て、デッキから[音響戦士マイクス]を特殊召喚する!」

 

 

[音響戦士 マイクス] ATK 2300

 

 

「[スピード・リバース]を発動!墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚する!そして俺はレベル5の[音響戦士マイクス]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[HSR(ハイスピ-ドロイド)魔剣ダーマ]!」

 

 

[HSR(ハイスピ-ドロイド)魔剣ダーマ] ATK 2200

 

 

「[ラリアン]の効果でドローする。さらにレベル6の[スターダスト・チャージ・ウォリアー]にレベル2の[フォーミュラ・シンクロン]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[クルスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 

[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

 

「[ラリアン]でドローします」

「[クリスタルウイング]か...」

 

 

協力なシンクロモンスターが現れた

[ハイパー・ライブラリアン]の強制効果はさらなる補給を可能にし、これ以上の制圧力を求めている

 

連続シンクロはSR(スピ-ドロイド)の特徴であり、慎也の得意とする高速展開と一致する

 

その自らの十八番が輝元に否定されたのだ

慎也にとって飲み込める事実ではなく、認められないだろう

 

だからこその全力の決闘(デュエル)だ。適合者である証明の

 

 

「[マイクス]で増えた召喚権を使い、[ダブル・ヨーヨー]を通常召喚!効果で墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚する。[赤目のダイス]の効果で[ダブル・ヨーヨー]のレベルを1にする!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)ダブル・ヨーヨー] ATK 1400

 

[SR(スピ-ドロイド) 赤目のダイス] DEF 100

 

 

「俺はレベル1になった[SR(スピ-ドロイド)ダブル・ヨーヨー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[フォーミュラ・シンクロン]!」

 

 

[フォーミュラ・シンクロン] DEF 1500

 

 

「[ラリアン]と[フォーミュラ]の効果です。2枚ドロー」

「...」

 

 

黙っている輝元を他所に、慎也はまだターンを渡さない様子だ

 

出し惜しみはしない

SR(スピ-ドロイド)を使い慣れている慎也だからこそ次のシンクロ召喚まで考えられている

 

だが、次に現れるだろうモンスターはどうやら輝元も分かっていたようだ。

彼が考えていることは次ターンでの動きなのかもしれない

 

 

「俺はレベル6の[HSR(ハイスピ-ドロイド)魔剣ダーマ]にレベル2の[フォーミュラ・シンクロン]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 

[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

 

[ハイパー・ライブラリアン]の効果も忘れずドローした。

 

猛スピードの連続シンクロ召喚を経て、場に残ったモンスターは3体。そのうち2体は[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]である

 

高レベルのモンスターを扱う輝元にとって、[クリスタルウイング]は戦闘でも効果で対象しづらい存在だ

 

 

「カードを2枚セットし、ターンエンドです」

 

 

慎也 手札:2枚 LP 8000

 

モンスター/ [TG(テッグジ-ナス)ハイパー・ライブラリアン] ATK 2400

 

     / [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

     / [クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000

 

魔法・罠 / リバース2枚

 

スケール / [音響戦士ギータス](7)

 

     / [SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー](3)

 

 

「文句の無い初動だったな、ドロー」

 

 

やっと回った輝元のターン

元々は慎也がSR(スピ-ドロイド)に適合していない事の証明のための決闘(デュエル)だったはずだ。しかしその慎也は充分に展開して見せた

 

モンスター効果無効は2度飛びかかってくる

6枚の手札から導き出せる事を思考し、輝元はフェイズ移行した

 

 

「[堕天使ユコバック]を通常召喚する」

 

 

[堕天使ユコバック] ATK 700

 

 

「効果を使用する。デッキから堕天使カードを墓地に送るが」

「...[クリスタルウィング]の効果発動、その発動を無効にして破壊します」

 

 

[クリスタルウイング]の効果使用を問うていた

召喚権を使ったことよりも、墓地に堕天使カードを送らせる事よりも、場に堕天使を残す事を警戒したようだ

 

[クリスタルウィング]では対処できない魔法・罠に触れさせる訳にはいかない。そう考えたなら効果無効の対象は間違っていない

 

だが、まだ輝元を睨むシンクロ龍はもう1体残っている。輝元は睨み返すように慎也のフィールドを一瞥すると、再びディスクにカードを渡した

 

 

「なら手札の[イシュタム]の効果を[魅惑の堕天使]と共に捨て使用する。これはどうする?」

「それも駄目です。[クリスタルウィング]で無効にして破壊します」

 

 

コストで捨てたため、輝元は残り3枚まで手札を消耗してしまった。単純なアド損である

 

だが、[魅惑の堕天使]が見えている以上どちらが有利かは判断しかねる。だが、慎也が輝元に突き立てているものは鋭利な刃物等ではない。弾数に限りのある銃火器のようなものだ。

懐に潜り込まれれば対処は難しい

 

 

[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン] ATK 3000→5500

 

 

「[堕天使の追放]を発動する。デッキから[堕天使スペルビア]を手札に加える。そして[堕天使の戒壇]を発動する。墓地の[イシュタム]を守備表示で蘇生するが」

「...どうぞ、何も無いですよ」

 

 

[堕天使イシュタム] DEF 2900

 

 

「[イシュタム]の効果1000LP払い使用する。墓地の[魅惑]をデッキに戻し、その効果を適用する。慎也の[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]のコントロールを貰うぞ」

「くっ...」

 

 

輝元

LP 8000→7000

 

既に察しがつく効果だ

己のプレイングを瞬時に後悔したが、[イシュタム]は無効にされようがされまいが墓地には落ちる

 

[堕天使の戒壇]を握っている輝元はいくつかの選択肢を持っていたことになり、慎也はそれを狭めたに過ぎなかった

 

せめて[ユコバック]を見過ごしていれば、[魅惑の堕天使]を一度伏せさせ、一ターンは遅らせられたかもしれない

 

 

 

「バトルだ、[クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン]で慎也の[クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン]に攻撃だ」

 

 

奪ったモンスターをアタッカーとして運用するようだ。同じモンスターどうしの先頭だが、この場合は相打ちには終わらない

 

それを見越した上で慎也のモンスターを狙っていたのだろう

 

 

「ターンプレイヤーである俺の強制効果を先に発動する。相手モンスターの攻撃力分攻撃力をアップさせる」

「...それにチェーンしてこっちの強制効果です、同じく攻撃力分アップさせます...」

 

 

チェーンは逆順処理されるため、攻撃を仕掛けた輝元のモンスターが上回る

[イシュタム]の効果を無効にした事も、攻撃力の上がる処理も、すべて裏目に出てしまったと思わざる得ない数値が垣間見えた

 

 

 

(慎也)[クリスタルウイング] ATK 3700→9200

 

(輝元)[クリスタルウイング] ATK 5500→14700

 

 

慎也 LP 8000→2500

 

 

「ぐうっ!」

「随分削れたな、メイン2に移行する。[アドバンズドロー]を発動、[クリスタルウイング・シンクロ・ドラゴン]をリリースし、2枚ドローする」

 

 

[魅惑の堕天使]の効果が適用されるのはこのターンのみ。強力なモンスターの除去だけでなく、手札の回復まで済ませると[イシュタム]のアド損は気にならない

 

対する慎也は[クリスタルウィング]を2体とも失ってしまった。思わずしていた歯ぎしりは悔しさによるものか

 

そうではないことは彼自身が良くわかっている

 

 

 

...あの時と同じだ

カムイにも自分のモンスターを利用された

嫌な記憶に脳内がかき乱されている気分だ

 

 

「.....くっ」

 

 

思い出したくも無いようなあの男の顔

大切な友達を奪った失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)

 

トラウマにも近い負の感情は増すはがり

 

それから目を背けるかのように慎也は顔を上げた

 

 

フィールドに残っているのは[ハイパー・ライブラリアン]と2枚のリバースカード

それらは慎也を慰めてなどくれはしなかった

 

 

「俺は3枚カードをセットし、ターンを終了する」

 

 

輝元 手札:1枚 LP 7000

 

モンスター/ [堕天使イシュタム] DEF 2900

 

魔法・罠 / リバース3枚

 

 

「俺の...ターン、ドロー」

 

 

今は戦いの最中

慎也がSR(スピ-ドロイド)に適合しているか否かの確認中だ

まだ2度目の自ターンだが、既にライフは半分を下回っている。考えるべきは輝元を倒すことだけだ

 

それでも青年はフェイズ以降すらままならない様子だ

 

 

「.....」

「どうした慎也、まさかもう諦めた訳じゃないだろうな」

 

 

慎也は黙って1枚のカードを見ていた

関東大会に向けての調整で新たに導入されたモンスターだ

 

カムイとの決闘(デュエル)では出番がなかったが、今回は使用するつもりらしい。何をしてもあの男は記憶から消えはしないようだ

それを理解すると、目をそらすように決闘(デュエル)に戻った

 

 

「...[ギータス]の効果を発動します。手札の[ガスタ・グリフ]を捨て、デッキから[音響戦士ピアーノ]を特殊召喚します!」

「ガスタだと...?」

 

 

[音響戦士ピアーノ] DEF 1300

 

 

「さらに手札から墓地に送られた[ガスタ・グリフ]の効果発動!デッキから[ガスタの静寂カーム]を特殊召喚!」

 

 

[ガスタの静寂カーム] ATK 1700

 

 

「ガスタのギミックまで入っていたのか...」

「元々[ピリカ]は入ってました。それに足しただけです」

「...なるほどそういう事か。[カーム]の召喚成功時、セットしていた[魅惑の堕天使]を発動する。手札の[スペルビア]を捨て、慎也の[ハイパー・ライブラリアン]のコントロールを奪う」

「くっ...」

 

 

ドローエンジンを奪われてしまった

クリアウィング系統のモンスターならば[ライブラリアン]の効果も防ぐことが出来るが、[魅惑]と[イシュタム]が存在している以上、安易な抑制は出来ない

かといってシンクロ召喚をしないわけにも行かない

 

多少のドローは仕方の無いことかもしれない

 

 

「[ラリアン]が...仕方ない、俺はレベル4の[ガスタの静寂カーム]にレベル3の[音響戦士ピアーノ]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]!」

 

 

[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン] ATK 2500

 

 

「[ライブラリアン]の強制効果を使用するが」

「...どうぞ」

 

 

一ターンのみのコントロール奪取といえど、シンクロデッキから[ライブラリアン]を奪う事に意味がある

 

このターン中は手札補給が望めないと同時に、輝元に手札を回復される危険性も孕んでいるからだ

 

 

「だったら...墓地の[スピード・リバース]の効果発動!墓地の[ダブル・ヨーヨー]を手札加える。そして[ダブル・ヨーヨー]を通常召喚!効果で墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚します!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)ダブル・ヨーヨー] ATK 1400

 

[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

 

「[赤目のダイス]の効果で[ダブル・ヨーヨー]のレベルを6にします。俺はレベル6になった[SR(スピ-ドロイド)ダブル・ヨーヨー]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[クリアウィング・ファスト・ドラゴン]!」

 

 

[クリスタルウィング・ファスト・ドラゴン] ATK 2500

 

 

「ほう、[ライブラリアン]の強制効果を発動するが」

「それにチェーンして[ファスト・ドラゴン]の効果を発動![ラリアン]の効果を無効にする!」

 

 

2枚のドローを試みた[ライブラリアン]を沈めたのは、2体目のクリアウィングだった

 

1枚相手に引かせてしまったが、[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]の効果を残したまま[ライブラリアン]を抑制できた

 

何かと自分のモンスターのコントロールを奪われてきた慎也だが、最近では柔軟に対応できているようにも見える

 

 

慎也自身も手応えを感じているようだ

先程の暗い表情はいくらかマシに見えた

 

 

「...ペンデュラム召喚!現れろ、[マイクス]!」

 

 

[音響戦士マイクス] ATK 2300

 

 

「墓地の[ピアーノ]の効果発動、除外し、[マイクス]の属性を光に変更する。さらに[サイザス]の効果発動!除外し、除外されている音響戦士を特殊召喚する。行け、[ピアーノ]!」

 

 

[音響戦士ピアーノ] DEF 1300

 

 

 

「[サイザス]...前のターンの[ギータス]のコストか」

「えぇ、さらに[ピアーノ]の効果を発動。自身の属性を闇に変更します。俺はレベル5の[音響戦士マイクス]にレベル3の[音響戦士ピアーノ]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[魔王龍ベエルゼ]!」

 

 

[魔王龍ベエルゼ] ATK 3000

 

 

 

「音響戦士の効果を上手く使ったな」

「属性指定のあるシンクロモンスターにも対応できますからね。召喚権を増やす以外にも色々と応用が効きますよ」

 

 

属性変化は墓地で[サイザス]の蘇生対象をつくるだけでなく、本来のシンクロ召喚にも応用する事が可能だ

 

今回はチューナーに闇属性を要求するシンクロモンスターために効果を使用した。破壊耐性に優れた[ベエルゼ]がいる限り、輝元は[魅惑の堕天使]の効果対象がほぼ固定化されてしまった

 

 

「.....SR(スピ-ドロイド)を主軸とし、様々なギミックが導入されているのか」

「...えぇ」

 

 

慎也自身SR(スピ-ドロイド)にここまで調整を重ねてきた訳だが、ここまでは綺麗に回せたのは今回の決闘(デュエル)が初だった

 

[バンブー・ホース]やペンデュラムモンスターの新規だけでなく、シナジーのあった他テーマの存在は、慎也にとって手数が増えることを意味している

 

本来であればフラットな状況でのお披露目が望ましかったが、今は楽しんでいる暇はない

 

 

そんな決闘(デュエル)の最中、慎也は言葉に表せない複雑な心境のようだ

先程から表情に変化がみえるものの、何かを心の奥底に抱えている

 

気持ちがいいほどに噛み合った手札

試したかった新しいギミック

言うまでもない強敵との戦い

 

全ては失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)、カムイ達の存在がいけないのか

慎也自身にも自らの感情がわからなかった

 

 

「...慎也」

「な、なんですか...?」

 

 

突然声を掛けられ虚をつかれた

視線を作るために確認していたリバースカードから顔を上げると輝元がいる

 

当たり前の事だが、異質なのは彼が柔らかい表情をしていたこと。

あまり見たことのない、笑顔とも形容できるものだった

 

慎也が恐る恐る目を合わせると、すぐにいつもの鋭い目付きに戻り、言い放った

 

 

「何度も言わせるな、今は決闘(デュエル)の事だけを考えろ」

「.....考えてますよ」

「勿論決闘(デュエル)の事も考えているだろうがな、俺は決闘(デュエル)の事だけと言っているんだ」

 

 

”だけ”の部分を強調していた

それでも慎也の理解は一息遅れていた

 

どういう意味か、考えてみたがよく分からなかった

 

 

「余計な事を考えすぎだ、今は俺との決闘(デュエル)中だ」

「...余計な事?詩織ちゃん達の事を言っているんですか!?」

 

 

青年は青筋を立てて怒りを表す

歪な情緒はもはや狂ってすらいるのかもしれない

 

その青年の事などつゆ知らず、秋の風が二人の間を煽るように吹き荒れた。それを合図にしたかのように、輝元は続けだした

 

 

「では聞くが、今のお前に出来ることは何だ?」

「.....S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)の加入を断った以上...軟禁を受け入れるしか...」

 

 

絞り出す様に出した答えは稚拙なものだった

それは答えの中身がではなく、輝元の質問の答えに相応しくないからだ

 

輝元は鮮明な言葉を求め、もう1度問うた

 

 

「違う、”今の”お前に出来る事だ」

「.....ですから軟禁を「違う」

 

 

慎也に最早言葉も出なかった

遮られた答えが唯一編み出されたものであり、それ以外は何も存在しない

 

故に青年にはもう何も言えることは無い

 

あるのは情けなさと虚無感

 

 

「いいか、今のお前に出来ることはこのままターンを返すか、バトルフェイズに以降し攻撃宣言をするか、そう言えば[マイクス]で召喚権が増えているな...ならまだ展開もできそうだな」

 

 

聞き間違えではなかった

輝元は確かに慎也のターンでの行動について話していた

 

勝手に慎也は月下や失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)の事についてを考えていたが、もっと身近な、それも目の前についてのことだった

 

 

「.....え?決闘(デュエル)の事...ですか?」

 

 

控えめに慎也は尋ねたが、慎也ではなく、輝元の方が不思議だと言わんばかりの表情を見せた

 

現在お互いが思う事は同じだ

 

「何を言っているんだ?」

 

双方が同時に思ったこの感情、このすれ違いを正しに向かったのは輝元の方だった

 

 

「他に何がある?」

「...い、いえ....月下の事かと...」

 

 

挙げた足では無く、軸足をなぎ倒された気分だった

冗談を言うような人物ではないと分かっているからこそ、全く予想できなかった言葉だった

 

怒りも忘れ、途方に暮れるような困惑が残ると

自然と青年は混乱の解消、輝元の言わんとしている事を求めた

 

 

「.....分からないですよ、結局何が言いたいんですか...?」

「慎也、お前は周りの事を考えすぎる所がある。対して自分の事は疎かだ」

「...俺はS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)の加入を断りました。詩織ちゃんを助けに行かない方を選んだ.....それのどこが周りを考えているんですか?」

「違う、その件は自分の事を疎かにしているだけだ」

 

 

そう言い放つとディスクに触れた

あまり使われないスリープモード機能だった

 

双方の同意が必要になるため、慎也も仕方なく承認の文字に触れた

 

 

「本当は皆木を助けに、知樹に会いに月下に行きたかったんだろう?」

「...」

「だがあの時は断った、何故だと思う?」

「.....俺の実力じゃ「違う」

 

 

また遮られえしまった

だが慎也もやっと理解した

 

輝元が求めているのは建前じゃない。

慎也の本音だと

 

 

「.....«цпкпошп»で情報を隠して、禁止カードまで使ってくる......そんな奴らが7人もいるって聞いて...」

「怖かったのか?」

「...違う」

 

 

今度は慎也が否定した

問いかけた輝元自身もそれは分かっていたようだ

 

 

「...そんな奴らと戦うS・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)に俺が呼ばれたのは.....俺が強いからじゃない。俺の記憶を操作できないから仕方なく入れるんだ...」

「それだと他のメンバーが納得しないと?」

「.....今回月下に送り込まれるメンバーは選ばれた人達。政府の専属の決闘者(デュエリスト).....その中に俺が自分勝手な思いで入るなんて...」

 

 

思いを吐き出したように見える

だが全てではない

 

慎也すら気づいていない心の内面、それに触れるように輝元は語ってきたが、やっと慎也の口から本音を吐き出させた

 

 

「自分勝手か、それの何が悪い?」

「.......」

S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)に入った所で自由にはさせない、組織の一員として命令には従ってもらう。月下との全面戦争にもなりかねない危険な仕事だ。だが慎也、それでも月下に行く理由はお前にはあるんだろう?」

「......俺は...」

「素直になったらどうだ?」

 

 

声の位置が少し遠ざかった

俯きかけていた顔を上げれば、輝元の向きが横に変わっていたことだと分かる。

 

 

輝元につられ、慎也も同じ方向に視線を移した

 

彼が見ていたものは屋上からみえる夕日

名前もわからない山に、太陽が身を隠し始めている

 

特筆して珍しい光景ではない

それでも何故か、慎也は目が離せなかった

 

ゆっくりと、ゆっくりと暖色が消えゆく

 

 

「綺麗だな」

「.....俺は」

 

 

輝元が先に夕日から目を離した

何かを言いかけた慎也に向き直り、やがて慎也は強く発言した

 

 

「...俺は詩織ちゃんを救けたい。知樹に会って...どうしてなのかを聞きたい...」

「やっと本音がでたな。なら質問を変える。慎也、お前には何が出来る?」

 

 

口に出せなかった本音

やっとひねり出した思い

 

青年は新たな質問を受けたが、今回は質問の意味が分かった。答えは輝元の弟、光明が教えてくれたものだからだ

 

 

名残惜しくも夕日から目を背け、輝元と向き合った

 

 

「...何でもできます!黙ってここで待つ事も、S・D・T(スペシャル・デュエリスト・チ-ム)に入って月下に行くのも...っ!」

「それでいい、では今は何をする?」 

「.....SR(スピ-ドロイド)決闘(デュエル)を続けますよ!」

 

 

軽快な音が鳴り響いた

二人の若者が同時にスリープモードを解いた結果だ

 

再び慎也の元に[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]と[クリアウィング・ファスト・ドラゴン]、そして[魔王龍ベエルゼ]が現れると、対峙する輝元の場にも堕天使が姿を見せた

 

 

「来い、慎也」

「行きますよ!」

 

 

いわれたばかりだが、この決闘(デュエル)が終わった後するべき事について考えてしまった

もう1度安山に会いに行こうと

 

だがまずは輝元との決闘(デュエル)

 

 

「墓地の[バンブー・ホース]の効果発動!デッキから[電々大公]を墓地に送ります。そして[電々大公]の効果発動!墓地から[赤目のダイス]を特殊召喚します!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] DEF 100

 

 

「俺はレベル7の[クリアウィング・ファスト・ドラゴン]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[閃珖竜スターダスト]!」

 

 

[閃珖竜スターダスト] ATK 2500

 

 

「[スターダスト]...3体目の[クリスタルウィング]は入っていなかったか」

「えぇ、まぁ...でもこれでいいんですよ、バトルフェイズ![クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]で[ハイパー・ライブラリアン]に攻撃!”旋風のヘルダイブスラッシャー”!」

 

 

宣言後、美翼を靡かせ[クリアウィング]は高く飛翔した

矛先は慎也のモンスターだった[ハイパー・ライブラリアン]に向けている

 

[クリアウィング・ファスト・ドラゴン]の効果が残っているため、[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]の攻撃力をそのままダメージ計算する。

 

 

対して[ライブラリアン]の背後には2枚のリバースカード

 

モンスターはそれらを守るために前へ出ている訳では無いが、後方の伏せはモンスターを守るものでもある

 

モンスター効果なら止められる

しかしその魔法・罠に対処できるのは[スターダスト]の破壊耐性ぐらいだ

 

 

攻撃宣言を終えた慎也は待つのみ

 

伸ばした切っ先が届くか

輝元の返し刀が現れるか

 

 

 

「セットしていた[聖なるバリア-ミラーフォース-]を発動する」

「うっ...」

 

姿を見せたのは刀というよりかは壁。

攻撃モンスターを拒むバリアは、眩い光を主張し、慎也のモンスター達を呑み込もうと体積を膨張させた

 

 

「チェーンして[スターダスト]の効果発動![クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]はこのターン1度だけ戦闘効果で破壊されません!」

 

 

[ベエルゼ]は元々破壊耐性を持ち合わせているモンスターだ。そのため慎也が守るとしたら[スターダスト]本人か[クリアウィング]になる。

 

効果無効を使用していないため、どちらを残すかは明確だった。

忘れてはいけないが今は攻撃宣言中、チェーンの処理が済めば通常は[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]の攻撃が続行される

 

だが今度はダメージステップで何かあるようだ

 

 

「ダメージステップにセットしおいた[ガード・ブロック]を発動する。戦闘ダメージを0にして1枚ドローするぞ」

「罠か...仕方ありませんね」

 

 

ダメージを防ぎ、ドローを行う

 

少ない手札を慎重に扱う輝元のフィールドには、[イシュタム]しか残っていなかった

 

[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]が残ってしまった以上、輝元は堕天使を起動させることは難しい

 

 

「続いて[ベエルゼ]で[イシュタム]に攻撃!”非導の魔皇覇(ベエルズ・バ-ス)”!」

「...通そう」

 

 

二頭の口内に歪な邪気が募った

それらが狙いを定めているものは守備の堕天使

 

2900と高い守備力を持ち合わせようと、3000の攻撃力はそれを上回っている。戦闘においてそれだけで十分だ

 

 

二つの光弾を[イシュタム]はその身で受けると、粉塵が舞散る。軽く黒い羽が厨に靡かれた光景が、戦闘破壊出来たことを知らしめていた

 

 

「...ダメージを与えられなかった」

 

 

 

墓地に堕天使カードはいくつか落ちている

が、肝心の堕天使モンスターは存在していない

 

次のドローフェイズと合わせても手札は3枚。輝元は疲弊しているように見えるが、手札はすべて未知のもの。油断は出来ない

 

 

「俺はカードを1枚セットしてターンエンドです」

 

 

慎也 手札:1枚 LP 2500

 

モンスター/ [クリアウィング・シンクロ・ドラゴン] ATK 2500

 

     / [魔王龍ベエルゼ] ATK 3000

 

魔法・罠 / リバース3枚

 

スケール / [音響戦士ギータス](7)

 

     / [SR(スピ-ドロイド)パッシングライダー](3)

 

 

「俺のターンドロー」

 

 

輝元はここで警戒の念を強めた

それは慎也の意志が固まったことによるものではなく、その上で発動する気配の無い2枚のリバースカードにだ

 

聖帝の構内大会を観戦していた輝元は、元々慎也があまりリバースカードを伏せないことを知っている。現に古賀との決闘(デュエル)では蘇生カードしかデッキに入っていなかった

 

そのため発動は自ずと慎也自身のターン中に偏ると思われていた

 

 

そのリバースカードは2回目の自分のターンにまで発動する気配を見せていない。

さらに今3枚目までセットされた

 

 

「...」

(妨害効果は無さそうだが...頭の片隅に入れておくか)

 

 

今日は風が強い

まるで2人の決闘者(デュエリスト)を焚きつけるように轟音を鳴らしている

 

何度目かの強風を身一つで受け、輝元はメインフェイズに突入した

 

 

「[強欲で貪欲な壺]を発動する。デッキトップ10枚を除外し、2枚ドローする」

「兄弟ですね...」

 

 

どのデッキであろうと払えるコストを要求するドローカードだ。灰田家次男も同じように大雑把なドロー手段として用いていたが、どうやら長男もドローソースとして投入していたようだ

 

慎也に何もチェーンがないと分かると、ディスクはデッキトップ10枚を削りだした。ディスクの部品がぶつかる音が忙しなく響き続けると、漸くドローの処理に移った

 

 

「手札から永続魔法[神の居城ヴァルハラ]を発動する。そして効果を使用、手札から天使族モンスターを特殊召喚するが」

「何もありませんよ」

「そうか、なら手札から[アテナ]を特殊召喚だ」

 

 

[アテナ] ATK 2600

 

 

「[アテナ]...やっぱり堕天使と言うよりかは...?」

「終世に近い、か?バトルだ、[アテナ]で[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]に攻撃、”ヴァルハラ・ワイズ”!」

 

 

宣言後、[アテナ]が武器として使用したのは右手に持つ杖のようなものだった

 

盾を前に突き出し、守りの体制を見せつつも、敵陣地に侵入すれば[クリアウィング]に鋒を突き立てる

 

 

攻撃力の差は100と少なく、戦いは接戦を余儀なくされた。しかし、[アテナ]に疲弊の色が見える前にその決着はついた。慎也の龍が地に落ち、勝者を主張させた

 

 

慎也 LP 2500→2400

 

 

戦闘ダメージこそ少ないが、これで慎也はこのターン輝元の堕天使を止める手段を失うことになる

だが輝元の場に攻撃可能なモンスターも存在せず、バトルフェイズを使わせたと考えることも出来る

 

 

墓地に[魅惑の堕天使]も[堕天使の戒壇]も落ちている

既に慎也は[ベエルゼ]に期待しきることは出来なかった

 

しかしこの時、慎也の手札に発動可能なカードがあった

それは発動こそ可能だが、悩ませる1枚

 

このまま黙って眺めているよりかはいいと発動を選んだ

 

 

「バトルフェイズ中にダメージを受けた時、手札の[SR(スピ-ドロイド)OMKガム]の効果発動!自身を特殊召喚します!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)OMKガム] DEF 1000

 

 

「ほう、だが効果は使用出来ないな」

「えぇ...」

「ならばメイン2に以降する。手札から[死者蘇生]を発動する。墓地の[イシュタム]を蘇生させる」

「特殊召喚...っ!しまった!」

 

 

[アテナ]によって慎也は[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]を失った。しかし、それの脅威はモンスター効果を止めることが不可能になったことよりも、[アテナ]の誘発効果にある

 

天使族モンスターが召喚される度に相手に800ポイントのダメージを与える効果。

残りライフは2400と、3回起動すれば敗北が決定してしまう

 

そのため、慎也は今動くしかなかった

 

 

「チェーンします!リバースカードオープン、[リサイコロ]、[ペンデュラム・リボーン]、[緊急テレポート]!」

「3枚ともモンスターを特殊召喚するカード...やはり、妨害効果は無かったか」

 

 

チェーン1の[死者蘇生]を数えると実に4枚の特殊召喚効果が重なり発動した

慎也がこのチェーンにぶつけた3枚は、墓地、エクストラデッキ、メインデッキの3箇所からモンスターをフィールドに集める

 

 

「チェーン4の[緊急テレポート]の効果でデッキから[ガスタの神裔ピリカ]を特殊召喚します!」

 

 

[ガスタの神裔ピリカ] DEF 1500

 

 

「次にチェーン3、[ペンデュラム・リボーン]の効果でエクストラデッキの[音響戦士マイクス]を特殊召喚します!」

 

 

[音響戦士マイクス] DEF 1100

 

 

「さらにチェーン2です。[リサイコロ]で墓地の[赤目のダイス]を特殊召喚します。そしてサイコロを振り、[赤目のダイス]のレベルを出た目の数値にします!」

「サイコロか、やってみろ」

 

 

不確定要素に一任するものの、特殊召喚は決まったカード。5や6といった目が出てしまうとリカバリーは非常に困難となるが、それでも採用する理由は墓地効果にある

 

全てはディスクが処理するため、発動し終えた二人はソリッドヴィジョンを黙って眺めるしかない

緊張の中、サイコロが目まぐるしく回転する

 

 

余談だが、このサイコロの演出はディスクの所有者が

選択出来る。

よりスピードを求める場合は無造作に選び出した数字だけを表示させることも出来る

 

慎也の場合は白と黒のシンプルなサイコロが回るエフェクトを選択している。そのためこのような処理時にはソリッドヴィジョンで大きなサイコロの猛回転を楽しむことが出来る

 

2回、3回とバウンドするとサイコロは止まり、頂点の数字は”3”を指した

 

 

[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス] ☆1→3

 

 

「チェーン1の[死者蘇生]を処理する。墓地の[イシュタム]を蘇生させる」

 

 

[堕天使 イシュタム]DEF 2900

 

 

「別ブロックで[アテナ]の強制効果を発動する。天使族モンスターが特殊召喚に成功したため、慎也に800ポイントのダメージを与える」

「それにもチェーンします!墓地の[リサイコロ]の効果発動!フィールドのSR(スピ-ドロイド)チューナーを使用した、風属性シンクロモンスターをシンクロ召喚します!」

「ならば俺もチェーンだ、[イシュタム]の効果を墓地の[魅惑の堕天使]を対象に発動するが」

「何もありませんよ」

 

 

再びチェーン合戦が始まった。

[魅惑の堕天使]によりチューナーを奪われればシンクロ召喚効果は不発になってしまう。が、バトルフェイズ中に召喚していた[OMKガム]の存在がそれを杞憂に終わらせてくれた

 

目当てのシンクロ召喚は叶いそうだ

 

 

「[魅惑の堕天使]の効果により.....慎也の[ベエルゼ]のコントロールを貰うぞ」

「...」

 

輝元 LP 7000→6000

 

 

「チェーン2の[リサイコロ]の効果です。俺はレベル5の[音響戦士マイクス]とレベル3の[ガスタの神裔ピリカ]にレベル1の[SR(スピ-ドロイド)OMKガム]をチューニング!シンクロ召喚、現れろ[ミスト・ウォーム]!」

 

 

[ミスト・ウォーム] DEF 1500

 

 

「そして[アテナ]の効果だ、慎也に800ポイントのダメージを与える」

「ぐっ!?」

 

 

慎也 LP 2400→1600

 

 

「まだです![ミスト・ウォーム]の強制効果を輝元さんの[イシュタム]、[アテナ]と...[神の居城ヴァルハラ]を対象に発動。そしてそれにチェーンしてシンクロ素材として墓地に送られた[OMKガム]の効果も発動します!」

「.....通そう」

 

 

双方少し悩む様子を見せた

それは[ベエルゼ]に対してのものだ

 

輝元は[魅惑の堕天使]を[ベエルゼ]に使用し、慎也は[ミスト・ウォーム]の効果を[ベエルゼ]を避けるように対象にとっていた

 

見えているカードでは計り知れないものがあるようだ

それを証明するかのように、2人の青年に焦りのようなものが見えてきた

 

 

「まずは[OMKガム]の効果です。シンクロ素材として墓地に送られた場合、デッキトップを墓地に送ります。それがSR(スピ-ドロイド)モンスターだった場合、シンクロモンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせます。デッキトップは...[スピード・リバース]、効果は不発です」

「次は[ミスト・ウォーム]だな、3枚のカードを手札に戻そう」

 

 

[ミスト・ウォーム]の攻撃力は上がらなかった

だがめあてのバウンスは叶い、尚且つ墓地に[スピード・リバース]が送られた

 

 

「....手札から[堕天使の追放]を発動する。デッキから[堕天使アムドゥシアス]を手札に加える。そして[イシュタム]と[アムドゥシアス]と共に捨て、[イシュタム]の効果を発動する。2枚ドローだ」

 

 

バウンスされたカードを上手く使用されてしまった

このために[ミスト・ウォーム]を許したかのようにも見えるが、慎也がバーンダメージで敗北を避けたのには代わりない

 

輝元は4枚まで増えた手札を眺めている

慎也には確認する手札が無いため、[ミスト・ウォーム]越しにその光景を見据えていた

 

 

「[トレード・イン]を手札の[スペルビア]をコストに発動。さらに2枚ドローする」

「手札を入れ替えだしましたね」

 

 

4枚の内、2枚は[アテナ]と[ヴァルハラ]だ

残り2枚だけで手札を交換しているが、目当てのカードでもあるのだろうか

 

 

「[アトバンスドロー]を発動、[ベエルゼ]を墓地に送り2枚ドローする」

「ま、また俺のモンスターを...」

 

 

破壊出来ない[ベエルゼ]を処理すると同時に、ここでアドを稼いだ

手札は5枚になったが、まだドローが続くようだ

 

 

 

「[手札抹殺]を発動する。4枚捨て4枚ドローする」

「手札が全部入れ替わりましたね」

 

 

[アテナ]や[ヴァルハラ]が墓地に落ちたことよりも、輝元の手数が全く測れなくなった事に反応を見せた

 

何が来るか全くわからない

そして次のターンは手札1枚で動かなければならない

 

慎也は冷や汗を拭うと、一先ずこのターン凌げたことを飲み込んだ

 

 

「カードを3枚セットしてターンを終了する」

「3枚...」

 

 

輝元 手札:1枚 LP 6000

 

モンスター/ なし

 

魔法・罠 / リバース3枚

 

 

 

「俺のターン!」

 

 

 

たった1枚の手札では利き手に余る

今引いたこのカードのみが選択肢だが、慎也には墓地もエクストラデッキもある。出来ることは少なくはない

 

それでも不安にさせるものは残りライフと輝元の[アテナ]の存在だ。下手をすればバーンダメージだけで敗北することもあり得る

 

リバースカードは3枚

蘇生札はまずあるだろう

 

 

「スタンバイフェイズに[戦線復帰]を発動する。墓地の[スペルビア]を蘇生させる」

「やはりありましたか...」

 

 

[堕天使スペルビア] DEF 2400

 

 

「さらに[スペルビア]の効果を発動する。墓地の[イシュタム]を蘇生させる」

「どうぞ」

 

 

[堕天使イシュタム] ATK 2500

 

 

輝元が堕天使を場に揃えたところで慎也はメインフェイズに移れた

今最も気をつけなければならないのはやはり[アテナ]だ。墓地にはもう一体の[スペルビア]が存在するため、[イシュタム]が墓地の[戒壇]を使用すれば簡単に帰還が可能だ

 

 

「まずはペンデュラム召喚、現れろ[クリアウィング・ファスト・ドラゴン]、[音響戦士マイクス]!」

 

 

[クリアウィング・ファスト・ドラゴン] ATK 2500

 

[音響戦士マイクス] DEF 1100

 

 

「墓地の[ピアーノ]の効果を発動![マイクス]の属性を闇に変更させます!」

「[サイザス]はもう居ないはずだか?」

「これでいいんです、俺はレベル5の[音響戦士マイクス]にレベル3の[SR(スピ-ドロイド)赤目のダイス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[覇王眷竜クリアウィング]!」

 

 

[覇王眷竜クリアウィング] ATK 2500

 

 

「覇王眷竜...そうか、慎也らしいな?」

「クリアウィング系統は全部入ってるんですよ![クリアウィング]の効果発動!相手フィールド上の表側表示モンスターすべてを破壊します!」

「[イシュタム]の効果をチェーンする。墓地の[背徳の堕天使]の効果を適用する。[覇王眷竜クリアウィング]を破壊だ」

「でも...[イシュタム]と[スペルビア]も破壊だ!」

 

 

[手札抹殺]で落としていたであろう堕天使カードが[クリアウィング]の喉元に迫った

 

全体除去に報いるかのように、[イシュタム]は[クリアウィング]を破壊した。が、[クリアウィング]の怒りの咆哮は収まることなく、破壊が確定した後も猛威を振るっていた

 

 

輝元 LP 6000→5000

 

 

「次は...[ギータス]の効果を発動!手札を捨て、デッキから[音響戦士ベーシス]を特殊召喚します!」

 

 

[音響戦士ベーシス] DEF 400

 

 

「そして墓地の[シャッフル・リボーン]の効果を発動します。フィールドの[ギータス]をデッキに戻し、1枚ドローします...」

「ほう?」

 

 

デッキに音響戦士が残っていないのか、それともペンデュラム召喚を終えたからなのか[ギータス]を放棄する選択肢を選んだ

 

輝元のフィールドにモンスターが居ないとはいえ、まだリバースカードは2枚残っている。ここでなにか逆転のカードを引かなければ慎也は残りライフを削りきれず、黙ってターンを渡すことになる

 

博打だ

不確定な望みをデッキトップに託し、手をかけた

 

 

勝ちたい、SR(スピ-ドロイド)で勝ちたい

負けたくない、劣勢のこの状況を覆したい

 

そして...

月下に行くんだ

 

失彩の道化団(モノクロ・アクタ-ズ)と戦うんだ

 

 

いくつもの希望をたった二つの指にかけ、青年は力強く引き抜いた

 

 

「ドロー!」

 

 

ここて青年は思い出した

自分はSR(スピ-ドロイド)に適合していないのだと

 

その意味がわかった気がする1枚を青年は握っていた

 

 

「...墓地の[スピード・リバース]の効果発動!墓地の[ベイゴマックス]を手札に加えます。そして[ベーシス]の効果発動!手札の枚数分自身のレベルを上げます!そのご[ベイゴマックス]を召喚!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)ベイゴマックス] ATK 1200

 

[音響戦士ベーシス] ☆1→3

 

 

「効果発動!デッキから[タケトンボーグ]を手札に加えます!」

「チェーンしてセットしていた[リビングデッドの呼び声]を発動する。墓地の[アムドゥシアス]を蘇生させる」

 

 

[堕天使アムドゥシアス] ATK 1800

 

 

「堕天使が出ましたね、俺は[タケトンボーグ]を特殊召喚!」

 

 

[SR(スピ-ドロイド)タケトンボーグ] DEF 1200

 

 

「俺はレベル3の[SR(スピ-ドロイド)ベイゴマックス]とレベル3の[SR(スピ-ドロイド)タケトンボーグ]にレベル3となった[音響戦士ベーシス]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[氷結界の龍トリシューラ]!」

 

 

[氷結界の龍トリシューラ] ATK 2700

 

 

「効果発動です!チェーンは?」

 

 

[トリシューラ]は対象を取らない効果。リバースカードが2枚ある以上チェーンの有無の確認は必須だった

 

[アムドゥシアス]の効果もチェーン発動でき、何かしらの効果は覚悟していた

 

覚悟していたはずだった

 

 

「セットしていた[天罰]を発動する。手札を捨てモンスター効果を無効にして破壊する」

「か、カウンター罠...」

 

 

[トリシューラ]が覇気を纏い、輝元を威嚇したが意味はなさなかった。ソリッドヴィジョンが演出した落雷に包まれると、効果そのものを無効にされ、墓地へと落ちていった

 

 

「くっ...」

「まだだ慎也、墓地の[天空聖騎士アーク・パーシアス]の効果を発動する。俺が相手の効果を無効にした時、天使族モンスターを2体除外することで蘇生できる」

「ぱ[パーシアス]!?」

 

 

堕天使は闇属性天使族テーマ。パーシアスは光属性天使族テーマであり、シナジーはあまり感じられない。

 

[アテナ]に視線を奪われていたが、手札を入れ替えていた時に捨てていたらしい

 

 

[天空聖騎士アーク・パーシアス] ATK 2800

 

 

「...輝元さんも結構詰め込んでます?」

「どうやら俺に適合していたのは堕天使では無く、光と闇の天使族だったようでな、40枚に収めるのが大変だった」

 

 

照れ隠しにも見えた

堕天使でも終世でもなくカオス天使デッキだったようだ。輝元らしくない構築だが、今はそれどころではない。

 

せめて堕天使を残さないために[ミスト・ウォーム]で[アムドゥシアス]を戦闘破壊するか、守備表示に変更し、戦闘ダメージを逃れるか

 

もはやこのターンでの行動ではなく、敗北しないためのプレイングが求められていた

 

 

「...」

([パーシアス]よりも結局[アテナ]をまた召喚されたらライフが持たない...)

 

 

墓地にはまだ[堕天使の戒壇]が存在していた

[アムドゥシアス]から[スペルビア]を蘇生し、[スペルビア]から[アテナ]に繋がってしまえば次のターンで敗北が決まる。

 

このままターンエンドしたとしても同じ事。ならば確実に生きながらえるためには戦闘するしかない

 

 

「バトルフェイズ![クリアウィング・ファスト・ドラゴン]で[アムドゥシアス]に攻撃!」

 

 

使われるのではなく、使わせるのだ

[ミスト・ウォーム]の攻撃が残っている以上[アテナ]はこのターン中に処理できる。当然この攻撃に輝元が効果を使用する事が分かっているからこそのプレイングだが、またしても輝元は慎也の予想を上回ってきた

 

 

「ダメージステップに入ってもいいか?」

「ダメステ.....っ!?」

 

 

慎也の瞳孔が開いた

その瞳が捉えているものは最後のリバースカード。それは慎也に逆転を許さないことを嫌らしく掲示しているように思えた

 

 

「[ぶつかり合う魂]を発動する。俺のモンスターが自分よりも攻撃力の高いモンスターと戦闘する時に発動できる。500LP払う事でこのダメージステップの間だけ払った数値分攻撃力をアップさせる」

「う、うぅ...」

 

 

輝元 LP 5000→4500

 

[堕天使アムドゥシアス] ATK 1800→2300

 

 

「さて、俺の方がまだ低いな。わかっていると思うが[ぶつかり合う魂]はどちらかがLPを払うのをやめるまで適応される効果だ。俺はもう1度500LP支払う」

 

 

輝元 LP 4500→4000

 

[堕天使アムドゥシアス] ATK 2300→2800

 

 

「さぁ、今度は慎也の方が低い。500LP払うか?」

「お、俺は払いません...」

 

 

慎也が[ぶつかり合う魂]を放棄した瞬間。慎也のフィールドから全てのカードが砕け散った

戦闘をしていない[ミスト・ウォーム]も、スケールのカードも共に爆音を鳴らし姿を消した

 

ソリッドヴィジョンの砕ける演出に、慎也は思わず両腕で顔を守る形をとっていた。とっさに行った動作だが、それに相応しい有様だった

 

 

「[ぶつかり合う魂]の効果でLPを支払わなかったプレイヤーのカード全ては墓地に送られる。その代わり戦闘ダメージは無いがな」

「くっ...まさかそんなカードまで.....」

 

 

仮に慎也が払える1500LPを限界まで払っていたとしても、[アムドゥシアス]を破壊することは出来なかったようだ。慎也が出来る精一杯の事は、今のように破壊を受け入れ、少しでもライフポイントを残すことしかなかった

 

 

「...俺はカードを1枚セットしてターンエンドです」

 

慎也 手札:0枚 LP 1600

 

モンスター/ なし

 

魔法・罠 / リバース1枚

 

 

 

「俺のターンだ、ドローする」

 

 

慎也は最後の手札を伏せてターンを終えていた

それは[シャッフル・リボーン]でドローした1枚のカード。エンドフェイズのデメリットを避けるために伏せた可能性もあるが、結局フィールドにはその1枚しかない

 

 

「...バトルフェイズだ、[アーク・パーシアス]でダイレクトアタックだ」

 

 

高く掲げられた大剣は眩い光をまとっていた

それはモンスターを破壊するための者ではなく、言わば介錯のそれ

慎也の灯火をかき消すよう、止めの一撃が振り下ろされた

 

慎也はその剣を見上げ、呟いた

 

 

「輝元さん、俺、月下に行きます」

「...そうか」

「適合とか、精霊とか、実力だとかもういいんです」

 

 

慎也はディスクを操作していた

リバースカードを発動するようだ

 

 

「だって.....遊戯王に罪はないんですから、SR(スピ-ドロイド)に適合していなくたって、こんなことだって出来るんですから!リバースカードオープン、[集いし願い]!」

 

 

[シャッフル・リボーン]が慎也に預けたカード

慎也が望むこと、小さな事から大きな事まで、全ての殿を務めるはこの1枚ということか

 

発動しない理由はない。

集いし願いは美翔しだした

 

 

「俺の墓地に5種類のドラゴン族シンクロモンスターがいる時、エクストラデッキから[スターダスト・ドラゴン]を特殊召喚し、このカードを装備します!」

 

 

[クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン]

[クリアウィング・シンクロ・ドラゴン]

[閃珖竜スターダスト]

[魔王龍ベエルゼ]

[覇王眷竜クリアウィング]

[氷結界の龍トリシューラ]

 

条件は十分に満たしている

ペンデュラムシンクロモンスターである[クリアウィング・ファスト・ドラゴン]は残念ながらエクストラデッキにいるため、カウントはされない

 

それでもこのドラゴン達が慎也を支えていたことには代わりない。

そしてここからが[集いし願い]の本境地だ

 

 

「そして[集いし願い]のもう一つの効果です![スターダスト]は墓地のドラゴン族シンクロモンスターの合計の攻撃力分アップします!」

 

 

[スターダスト・ドラゴン]

 

2500→5000→7500→10000→13000→16000→18700

 

 

ここまでの攻撃力をたたき出しておきながら、慎也は悲しげな表情を見せていた。それは敗北を覚悟しているものであり、それでもなお[集いし願い]を発動したのには理由があった

 

 

「輝元さん、[魅惑]落ちてますよね?出来れば俺のドラゴンで終わらせてください」

「どうしてだ?」

「ケジメです。これから月下に行くのに適合していないデッキで行くわけにはいかないですよ。今まで適合していなかったのに...無理させてたのかも知れません。お願いします、この[スターダスト・ドラゴン]で...俺の願いが詰まったこのドラゴンで!」

 

 

この決闘(デュエル)は別れだった

それを戒めるために召喚した[スターダスト・ドラゴン]は低く、何か悲観するように唸っている

 

SR(スピ-ドロイド)デッキとして、主への思いを代弁しているのか、正確な事は誰にもわからない

 

 

「...バトルを続行する」「えっ!?」

 

 

しかし輝元は[魅惑]を使わなかった

[アーク・パーシアス]の攻撃宣言を取り消さず、そのまま[スターダスト・ドラゴン]との戦闘に期した

 

 

「慎也、これで終わらせはしない。[スターダスト・ドラゴン]と...その願いと共に今は敗北を味わってもらう」

「って事は...まさか!?」

 

 

輝元は手札を捨てた

光属性天使族最強の手札誘発を起動させる

 

 

「[オネスト]の効果を発動する。慎也、逃げるんじゃないぞ。SR(スピ-ドロイド)ともドラゴンともな」

「輝元さん...」

「その願いは俺も共に背負う。[アーク・パーシアス]の攻撃力を[スターダスト・ドラゴン]の攻撃力分アップさせる!」

 

 

[天空聖騎士アーク・パーシアス] ATK 2800→21500

 

 

「何回敗北しようと、何回挫折しようと良い。ただ逃げるな、敗北を恐れるな、挫折を悔やむな」

 

 

[アーク・パーシアス]はソリッドヴィジョン限界まで巨大化したいた。もはや見上げても表情は見えず、プレイヤーには文字通り手の届かない存在と化していた

 

 

「慎也、前にも聞いたが覚えているか?」

「えと...何がですか?」

「"強さとはなんだと思う?”だ」

 

 

聖帝で決闘(デュエル)した時の台詞だ

あの時は質問の意味よりも、反応出来なく答えられなかった

 

でも今なら分かる

今なら答えられる

 

 

「...”自分に嘘をつかない”なんてどうですかね?」

「さぁな、だがそれがお前の答えなんだろう」

 

 

慎也の何かが吹っ切れた時、ディスクは0を刻んでいた。慎也と輝元の再戦は、輝元が制した

 

 

1600→0

 慎也LOSE

 

 

悔いは

残らなかった

 

 




まだまだ伏線回収していきたいと思います


ぶっちゃけどうですか?

  • 読みたいからやめて欲しくない
  • 読みたいけど無くなったら読まない
  • 普通
  • 無くてもいい
  • 読むのが億劫
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。