遊戯王が当たり前?→ならプロデュエリストになる!   作:v!sion

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これでやっとまとまりました
慎也・草薙のラストターンです。厳密には相手のエンドフェイズからですが


第七十九話 戦兵地の演習

▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼

 

 

ーーー

ーー

 

 

「[降雷皇ハモン]、[地縛神wiraqocha Rasca(ウィラコチャ ラスカ)]、[創星神Tierra(ティエラ)]、[sin トゥルース・ドラゴン]...凄い重いデッキだよね」

 

「えぇ、まぁ...」

 

 

これは慎也の記憶だ

詩織と草薙の猛烈な戦いの末、興味はやはり草薙のハイビートの中身に向いていた

 

60枚の重みを左手で受け、順番にカードを見比べていくと何度も手が止まってしまう

 

それは否定的な意味では無く、どうやって召喚するのか、そしてどんな場面で輝くのかといった前向きな興味に過ぎない

 

 

「凄いね...これを回すなんて」

 

「そ、そうですかね...私は高い攻撃力が美しいと思った迄ですわ」

 

 

高いステータスに見合う召喚条件が勿論ある

比較的簡単なものから、複数枚カードの消費が求められるもの。はたまた専用構築が必要なほどのものもある

 

特に[創星神 tierra(ティエラ)]後者だ。少したげ反芻してみたが、慎也のデッキで召喚できるものは恐らくないだろう

 

それ故に憧れに近いものがあった

 

 

「いやぁ...凄い」

 

「確かに[tierra(ティエラ)]は難しいですがもう御一方の方はほぼ不可能でしたので...」

 

 

カード名を示さずとも、決闘者(デュエリスト)にはそれで何のカードの事か伝わるだろう

慎也もすぐにあのモンスターか、と想像したが確かに草薙のデッキでは難しい。寧ろ殆どのプレイヤーのデッキに言える事だろう

 

悪戯混じりに慎也がいくつかのカードを言い放つと、草薙は苦笑いを浮かべた

 

 

「竜剣士シリーズでシンクロ、融合、エクシーズ揃うよ?メタルフォーゼも居るしいいんじゃない?」

 

「確か[イグニスターP]が破壊をしますけど...流石にこれ以上のテーマは混ぜられませんし、儀式も足りませんわよ?」

 

「メタルフォーゼがバニラだし、[高等儀式術]なんてどう?」

 

「村上さん...」

 

 

呆れとまで表せる態度になると、今度は草薙が慎也を困らせる番となった

 

そこまで言うのなら貴方がやりなさいと言わんばかりのタイミングだった

 

 

「村上さんがお使いになられては?メインギミックとして儀式があるのですから難しくは無いでしょう?」

 

「出せるとは思うけど墓地使うデッキだからな...折角貯めた墓地がなくなるのはちょっと...」

 

「あら?」

 

 

そもそものシナジーについて慎也が否定すると、草薙の方が怪訝な面持ちになった

 

根本的な話になると、シナジーの有無の証明が求められる。彼女はそれを語り出した

 

慎也の懐から一つのデッキを取り出すと、その中から2枚のモンスターを抜き取って見せた。探すのに苦労がかからないそれだ

 

 

「この子達なら発動できるのでは?」

 

「...確かに...そうかも?いやでも素材......もそれこそ[高等儀式術]か...」

 

 

少し自分の世界で己自身と会議を経ると、慎也が施したアドバイスが自分そのものに対応していたと分からされた

 

おかしな話だが、実に興味深いシナジーだ

顔を上げるとすぐ近くにあった草薙の顔を目掛けて、満面の笑顔を送った

 

 

「ありがとう!面白そうだ」

 

「い、いえ...お力になれたのなら...///」

 

「む、村上さん!融合ならこれを!」

「バニラならこれもいいよ!」

 

 

[魔玩具補佐(デスト-イ・パッチワ-ク)]を高く掲げて詩織がなにか言いたそうにしているが、既に慎也の脳内はそのモンスターへ繋がるルートの制作でいっぱいだった

 

[青眼(ブル-アイズ)白龍(ホワイトドラゴン)]を同じく掲げる灰田の声こそうるさいものだが、慎也は構わず続けたのだった

 

 

あれも大型のカードショップでの出来事だった。

ディスクの発動確認のランプで現実に戻される中、思い出した

 

 

 

ーーー

ーー

 

 

「...はっ!俺はエンドフェイズに!」

 

 

まだ決闘(デュエル)は終わっていない

うんざりする様なライフとフィールドの差は健在だが、まだ負けてはいない

 

慎也は[バック・ジャック]の背中を見つめながら、墓地にあるカード達を除外させた

 

 

「墓地の[混沌の使者]の効果を発動!墓地の光と闇のモンスターを除外することで手札に戻す。俺は[開闢の騎士]と[宵闇の騎士]を除外して回収する!」

 

「なんだ、もうとっくに諦めたのかと思ったが...好きにしろ」

 

 

ディスクからレベル4のモンスターを手札に迎え入れると手札は3枚になった。

全て公開情報だ、[超戦士の萌芽]、[超戦士カオス・ソルジャー]、[混沌の使者]だ。そしてまだこのターンに、それらは増えることとなる

 

 

「除外された[宵闇の騎士]と[開闢の騎士]の効果でデッキから[カオス・ソルジャー]と[超戦士の儀式]を手札に加える!」

 

「そいつは効果を持たない方の...?」

 

 

これで5枚と、次の通常ドローがある。敵が何も無いためそのまま慎也のターンに移ると、力を込めて1枚引き抜いた

 

 

「ドロー!」

 

 

これで6枚

充分な数だがまだカードは使わない

 

まずは一度諦めかけた敵の分析に戻らなければならなかったからだ

 

 

(...効果無効を持つモンスターは少なくとも一体)

 

 

初めてのターンのモンスター効果を無効にするモンスターを見据えた。そのモンスターは[ルミナス]の起動効果だけでなく、墓地で発動し、解決時に除外ゾーンにいた[超電磁タートル]の効果までも無効にしていた

 

対象をとる効果でも無い

ならば慎也のモンスターの発動に対してコストを支払う事で発動する誘発効果。それだけ分かれば後は対策のしようもある

 

 

(...2つ目の効果が分からないモンスターが2体)

 

 

そしてそのプレイヤーが2体のリリースでアドバイス召喚を行ったモンスターと、特殊召喚成功時にバーン効果を持つモンスターに至っては効果すら分かっていない

 

共通性があるため、魔法・罠の無効だろうか

加えて2人目のプレイヤーにはセットカードがある。これも忘れてはならない

 

 

(...墓地の[カオス・ソルジャー]は相手に...なら一番手っ取り早いのは)

 

 

整った

何を無効にさせるべきか、何を通すべきか

 

少し長めのスタンバイフェイズもそれにより終わりを告げた

 

 

「[超戦士の萌芽]を発動する」

 

「それはターン1だな、なら俺は«цпкпошп»の効果を発動、手札の«цпкпошп»を捨て、その発動を無効にする!」

 

 

無効にされる事は考えていたが、それを果たしたのは先程まで効果が分からなかったモンスターだった

 

やはり手札コストも共通のようだ

不完全燃焼の[萌芽]が墓地へ送られるのを見届けると、慎也は早くも次のカードを手に取っていた

 

 

[混沌の場] 魔力カウンター 6→7

 

 

「墓地の[超戦士の儀式]の効果を発動。墓地の[ライトロード・ビースト ウォルフ]と[魔装戦士ドラゴノックス]を除外し、手札から[超戦士カオス・ソルジャー]を特殊召喚する!」

 

「チッ...いいだろう」

 

 

[超戦士 カオス・ソルジャー] ATK 3000

 

 

これは効果の発動

«цпкпошп»で情報が見えない以上、プレイヤーの反応は非常に有力な情報になる。慎也はそれによりあのセットカードは魔法の効果は無効に出来ないと仮定した

 

モンスター効果を無効にし、その攻撃力分回復する効果かと思っていたが、魔法カードの発動自体は無効にできるのかもしれない。このように厳しめに推測していたのだった

 

 

「[混沌の場]の効果を発動。魔力カウンターを3つ取り除き、デッキから[高等儀式術]を手札に加える!」

 

 

3種類目の儀式魔法が姿を表す

それは他の儀式魔法とは少し異質な物であり、セットカードを残したプレイヤーは発動を悩み出した

 

 

「[高等儀式術]を発動するよ」

 

「ふむ...いや、でてきたのを止めるまでだな」

 

 

敵は慎也の手札をほぼ把握している

現るモンスターも恐らく[カオス・ソルジャー]、何も効果を持たないそれを警戒するよりかは、それを使った次の手を止めるべきと判断したようだ

 

チェーンが無い事を確認すると、慎也は儀式の贄を選択した

 

 

「何も無いならデッキの[青眼(ブル-アイズ)白龍(ホワイトドラゴン)]を墓地に送り、俺は手札から[カオス・ソルジャー]を儀式召喚する!」

 

 

[カオス・ソルジャー] ATK 3000

 

 

「今落としたのも気になるが...そのバニラで何をするつもりだ?」

 

「すぐ見せるよ...俺はレベル8の[超戦士カオス・ソルジャー]と[カオス・ソルジャー]でオーバレイ、エクシーズ召喚。現れろ[No.15 ギミック・パペット-ジャイアントキラー]!」

 

 

[No.15 ギミック・パペット-ジャイアント・キラー] DEF 2500

 

 

「効果を発動する。ORUを1つ取り除き、そのモンスターを破壊する!」

 

「チッ...エクシーズメタめ...」

 

 

エクシーズモンスターが、2人目のプレイヤーのフィールドに居ることは覚えていた。あの、慎也の[カオス・ソルジャー]を奪ったモンスターだ

 

そして[ジャイアント・キラー]を選んだのには3つの理由があった

 

1つは単純に除去を担わせるため。

2つ目は少し重複するが、エクシーズモンスターだと分かっているためバーンが挑めたらいいと考えたからだ

 

そして3つ目はあのセットカードを発動させるためだ。慎也はそのカードに何らかの発動条件があると睨んでいる。良く見る条件は特定のモンスターが居る事

サーチ可能な事からテーマデッキであり、恐らく条件もそのテーマの名を冠するモンスターが居ることなのだろうと推測していた

 

そして[ジャイアントキラー]なら、[カオス・ソルジャー]を除いた2体のモンスターを同時に処理できる。元はとあるモンスターの為の下敷きとして採用していたモンスターだったのだが、この場面においては非常に優秀だと言えるだろう

 

 

「仕方無い。«цпкпошп»を発動する、そのモンスター効果を無効にして破壊だ!」

 

「まぁ、止めるよね」

 

 

無効にされるまでが慎也の狙いだった

 

 

«цпкпошп» LP 6500→8000

 

 

[ジャイアントキラー]の攻撃力分が相手のライフに上乗せされると、残った慎也が見るべきモンスターは2体となった。

 

片方は初めのプレイヤーのモンスター効果を無効にするモンスター。もう一体はいまセットカードを発動したプレイヤーが、モンスターの攻撃宣言時に特殊召喚したモンスター。

 

だが、警戒には至らない

慎也の中でそれらは既に意味をなしていないからだ

 

 

「これでやっと自由だ、俺は[ライトロード・サモナー ルミナス]を通常召喚」

 

 

[ライトロード・サモナー ルミナス] ATK 1000

 

 

「効果発動。手札の[混沌の使者]を捨て、墓地の[ライデン]を特殊召喚する」

 

 

[ライトロード・アサシン ライデン] ATK 1700

 

 

「[ライデン]の効果も発動。デッキトップの[ウォルフ]、[トリック・クラウン]を墓地に送り、攻撃力を200ポイントアップさせる!」

 

「くっ...運の良い奴め」

 

 

[ライトロード・アサシン ライデン] ATK 1700→1900

 

 

やっと叶った墓地肥やしは優秀の一言だった

あくまで[ライデン]のパワーアップはおまけだが

 

 

「デッキが応えてくれるんだよ。[ウォルフ]と[トリック・クラウン]の効果で特殊召喚!」

 

 

慎也 LP 1600→600

 

[Em(エンタメイジ)トリック・クラウン] DEF 0

 

[ライトロード・ビースト ウォルフ] ATK 2100

 

 

「ぐぅぅっ...」

 

「自ら少ない命を削るとは...」

 

 

ライフが1000よりも多ければその代償は受けることが出来る。ただそれだけの事だが、この«цпкпошп»と決闘撃痛(デュエルショック)がそれを躊躇させる

 

それも、慎也にはささやかなものだった

痛みも«цпкпошп»も慣れてしまったのだ

 

 

「...まだだ、俺はレベル4の[ライトロード・ビースト ウォルフ]と[Em(エンタメイジ)トリック・クラウ]でオーバレイ、エクシーズ召喚!現れろ[ライトロード・セイント ミネルバ]!」

 

 

[ライトロード・セイント ミネルバ] ATK 2000

 

 

「今更墓地を肥やした所で...!」

 

「知らないのか?[ミネルバ]はドロー効果だ、効果発動!デッキトップは[エクリプス・ワイバーン]、[ライトロード・アサシン ライデン]そして[ライトロード・アーチャー フェリス]...2枚ドローする」

 

「こいつ...本当にやりやがった...」

 

 

ドローよりも、墓地に落ちたカードはそれ以上に有難かった。これにより慎也の手札2枚は相手にも未知のものとなるが、まずはそのドローの処理を済ませよう

 

するとその2枚のカードから、[エクリプス・ワイバーン]の効果対象も絞られた

 

やはり、あのコンボでケリをつけようと

 

 

「墓地に落ちた[フェリス]と[エクリプス・ワイバーン]の効果を発動!デッキから...[戒めの龍(パニッシュメント・ドラグ-ン)]を除外し、[フェリス]を特殊召喚する」

 

「なんだと...[裁きの龍(ジャッジメント・ドグ-ン)]の方では無いのか...?」

 

 

[ライトロード・アーチャー フェリス] DEF 2000

 

 

敵が言うように、墓地にライロが3種類溜まっており、除外ゾーンにはまだ1枚しかいない

 

無論出しやすさも裁きの方が圧倒的に高く、これから後3種類除外するのはカオスでも難しい

 

慎也が何を考えているのか、この状態ではまだ分からないようだ

 

 

「少しフィールドが圧迫してきたな...[フェリス]の効果を発動、自身をリリースし、お前のそのモンスターを破壊し、デッキトップ3枚を墓地に送る」

 

「チッ...」

 

 

慎也が狙いを定めたのは2人目のプレイヤーのモンスター。[フェリス]は己自身で墓地へ行くと、[カオス・ソルジャー]の隣に位置していたモンスターを共に墓地へ誘う

 

 

「...やっぱりダメか」

 

 

実の所、どこかで[カオス・ソルジャー]が戻ってくるのでは無いかとも考えていた。いつもモンスターを奪われた時は、自らで破壊してしまう事が多く、やはり気にはしているようだ

 

仕方なくコントロールを奪われたままにすると、[フェリス]が更にデッキを削る

 

 

「デッキトップは[開闢の騎士]、[超戦士の魂]、[エクリプス・ワイバーン]だ。[エクリプス・ワイバーン]の効果でデッキから[裁きの龍(ジャッジメント・ドラグ-ン)]を除外する」

 

「両方入っているだと、...どういう構築をしてやがる!?」

 

 

敵の疑問は答えられることは無かっな

カードを墓地へ見送ると慎也は一先ず額の汗を拭った。これは一体何の汗だろうか、恐怖出ない事は確かだが

 

無論身体的な疲れもあるが、恐らくそうではない

 

 

「...墓地の[超戦士の魂]の効果を発動。除外し、デッキから[宵闇の騎士]を手札に加える!」

 

 

好奇心に近いもの

恐らく新たに決めようとしているコンボに対する緊張だ

 

後一歩までそれは迫っている

 

 

「そして俺はレベル3の[ライトロード・サモナー・ルミナス]にレベル4の[ライトロード・アサシン ライデン]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[シューティング・ライザー・ドラゴン]!」

 

 

[シューティング・ライザー・ドラゴン] ATK 2100

 

 

「効果を発動。デッキから[亡龍の戦慄-デストルドー]を墓地に送り、そのレベル分自身のレベルを下げる」

 

 

[シューティング・ライザー・ドラゴン] ☆7→1

 

 

「そして俺はレベル1の[絶対王バック・ジャック]にレベル1になった[シューティング・ライザー・ドラゴン]をチューニング、シンクロ召喚!現れろ[フォーミュラ・シンクロン]!」

 

 

[フォーミュラ・シンクロン] DEF 1500

 

 

「[フォーミュラ・シンクロン]の効果にチェーンして[絶対王バック・ジャック]の効果をチェーンする。デッキトップ3枚を好きな順番に入れ替え...1枚ドローする」

 

「デッキトップ3枚から好きなカードが手札に行くというわけか...」

 

 

チェーンの関係上、慎也は言わばデメリットの無い[強欲で謙虚な壺]を発動した事になる

 

慎也の欲しかったカードは上から3枚目にあった

ならばデッキトップに置いておこう。それを引くのはあと数秒後になるが

 

 

「今引いた[おろかな埋葬]を発動!デッキから3体目の[エクリプス・ワイバーン]を墓地に送る。効果でデッキから[破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ]を除外する」

 

「またレベル8ドラゴンだと...」

「なんて重いデッキなんだ...」

 

 

[エクリプス・ワイバーン]が3積みという所より、[エクリプス・ワイバーン]が3回も効果が使えるほどデッキにドラゴンが眠っている事に敵は驚きを隠さなかった

 

しかし、慎也は構わず次のカードをディスクに預けている

敵がデッキを把握しようとしなかろうと関係は無いようだ

 

 

「[龍の鏡(ドラゴンズ・ミラ-)]を発動!墓地の[覚醒の暗黒騎士ガイア]と[青眼(ブル-アイズ)白龍(ホワイトドラゴン)]を融合!現れろ[天翔の竜騎士ガイア]!」

 

 

[天翔の竜騎士ガイア] ATK 2600

 

 

「効果でデッキから[螺旋槍殺(スパイラル・シェイバ-)]を手札に加える」

 

「ガイアの融合体まで...随分色々と混ぜやがる」

「...ん?」

 

 

片方のプレイヤーがある事に気が付いた

それは儀式使いの慎也のフィールドには何故かシンクロ、融合、エクシーズが並んでいるという事に

 

慎也自身もそれが狙いだった

そして今この瞬間まで何もされないのなら、もう何も出来無い。

 

それはとあるモンスターの異質な性質が関係する

召喚除外に似合った圧倒的な体制を持つあのモンスターだ

 

 

「俺のフィールド上の[ライトロード・セイント ミネルバ]、[フォーミュラ・シンクロン]、[天翔の竜騎士ガイア]そしてお前のフィールドに居る[超戦士カオス・ソルジャー]を除外する!」

 

「そ、その...召喚条件は......っ!?」

 

 

気が付いた時にはもう何もかも遅い

あらゆる箇所のリセット、何も発動を許さない驚異的な除去効果まで、あと少しだ

 

 

「星滅していづる者、遍く次元を網羅し、新たな世界を創造する!降臨せよ、神の名を冠する創星者![創星神 sophia(ソピア)]!」

 

 

[創星神 sophia(ソピア)] ATK 3600

 

 

「効果を発動する。お互いの手札、フィールド、墓地のカード全てを除外する....あらゆるチェーンは許さない!”天地開闢の改(アルティメット・スタ-クライシス)”!」

 

「く...お、俺のカードが!?」

「この野郎...っ!」

 

 

あるプレイヤーはフィールドに5体も並んだモンスター立ち全て、あるプレイヤーは恐らく取っておいた墓地のカード。そして慎也は残り2枚の手札とフィールドのモンスター達、そして漸く肥えたばかりの墓地全てがゲームから除外された

 

まさに創造の前の破壊

無に帰したフィールドには唯一の神が残り、アドバンテージと呼べるものはその神のみとなった

 

雄々しく輝くその姿に、両者言葉を忘れてしまったかのように佇んでしまった

 

先に言語を取り戻したのは敵だった

 

 

「き、貴様!俺たちは2人いるんだぞ!そんなモンスターを出した所でどちらも倒せん。なら次からのドローフェイズに託す訳だが俺達は2連続でターンが回るんだ!」

 

「そ、そうだ...それに貴様の残りライフは600。先に絶えるのは貴様の方だ!」

 

「.....効果解決時に何かある?」

 

「なんだと?」

 

 

シンクロモンスターとして[ゼラの天使]を除外していれば次のターンから攻撃に参加し、ドロー勝負も有利になっていたかもしれない

 

だが慎也はドローによる消耗戦をするつもりなど毛頭なかった

 

 

「なら俺は除外された[開闢の騎士]、[宵闇の騎士]、[エクリプス・ワイバーン]3体の効果をチェーン発動する!」

 

「っ!...そ、そうかそいつらは除外された時の効果...まずい!?」

 

 

チェーンは許されないが、除外された後の効果には制限しない

例えば相手の手札に[不知火の宮司]のようなモンスターが入れば[sophia(ソピア)]は着地後そのまま破壊されてしまう

 

今回はその逆だ

慎也のモンスター達はその神の効果をトリガーに各々輝く。シナジーは抜群だ

 

 

「デッキから2枚目の[高等儀式術]...[カオス・ソルジャー]、そして除外していた[戒めの龍(パニッシュメント・ドラグ-ン)]、[裁きの龍(ジャッジメント・ドラグ-ン)]と[破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ]、を手札に加える!」

 

「除外...まさか、ここまで見越して...っ!?」

 

 

[エクリプス・ワイバーン]が3体も墓地に落ちるとは慎也自身も思っていなかった

だがそれは1体目の時までの話、2体目が落ちた時には3体目も落としたいと何故か願っていたのだ

 

[エクリプス・ワイバーン]は勝つために墓地で揃えた訳では無い。やりたい事にはそれが必要不可欠であり、結果叶っただけの話だったのだ

 

そう感傷に浸りかけた慎也だが、まずは手札のドラゴン達を解放しようと辿り着いた

まずは1枚ディスクにカードを通すと、この決闘(デュエル)も終わりが見えてきた

 

 

「[高等儀式術]を発動!デッキの[トライホーン・ドラゴン]を墓地に送り、手札から[カオス・ソルジャー]を儀式召喚!」

 

「そっちの魔法はターン1では無いのか...っ!?」

 

 

[カオス・ソルジャー] ATK 3000

 

 

「そして俺は手札の[裁きの龍(ジャッジメント・ドラグ-ン)]と[戒めの龍(パニッシュメント・ドラグ-ン)]を墓地に送る」

 

「なっ!?」 

 

 

これで残り手札は1枚

敵も先程見たばかりのカードのテキストは、今このフィールドでならではの爆発力を秘めている

 

その効果に恥じぬような、重々しい口上を慎也は悠長に述べだした

これで最後のモンスターだ

 

 

「冥府の門を開きて、この破れた世界に姿映さん。儀は整った、破壊の限りを尽くせ[破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ]!命亡き力をその身に宿せ!」

 

 

[破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ] ATK 0

 

 

「[破壊竜ガンドラ-ギガレイズ]の攻撃力はお互いの除外されているカードに1枚につき300ポイントアップする...”ディストリーム・デストロイ”!」

 

「除外だと!?」

 

 

数えるのも億劫だ

墓地だけでない、手札フィールドのカード全て両者除外している。先に出た創星神の効果でだ

 

創造の前の破壊の次は、これまた破壊なのだ

完膚無きまでに破壊を尽くす慎也の姿勢は、なんと表せば良いのだろうか

 

 

[破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ] ATK 0→22800

 

 

「バトルだ、[ガンドラ-ギガ・レイズ]でダイレクトアタック!”デストロイ・ギガ・レイズ”!」

 

「そ、そんなバカのことがぁ!」

 

 

ライフコストとライフ回復が目立ったプレイヤーだが、初期ライフに戻ったきりその数値は落ち着いていた

 

仮にその数値の倍ライフがあったとしても慎也の[ガンドラ]の攻撃は耐えきれるれるはずはないのだが

 

 

攻撃力20000越えの超過すぎる数値を前に、ただ敵はその演出と決闘撃痛(デュエルショック)を恨む事した出来ない

 

守る手段など除外ゾーンに全て溜まってしまっているから

 

 

LP 8000→0

 «цпкпошп» LOSE

 

 

「次はお前だ[創星神 sophia(ソピア)]でダイレクトアタック!”インフィニット・スタークライシス”!」

 

「ぐっ...ぐおぉっ!?」

 

 

LP 5000→1400

 

 

「止めはお前だよ。[カオス・ソルジャー]でダイレクトアタック!”越闇の波光刃(オ-バ-・ザ・カオスブレ-ド)”!!」

 

 

自らの限界を越えた2人の戦士は、全く異なる地で成すべき事を果たした

 

望むことは勝利よりも”やりたい事”

命を賭けた戦いにおいて異端な感情とも言えるが、

 

午後15時15分

 

聖帝の時計針がその時を示した瞬間

2人の勝利が決した

 

 

LP 1400→0

 «цпкпошп» LOSE

 

 

混沌の戦士と虹色の神龍

その2体のモンスターによって

 

2人の時は、勝利は重なった

やりたい事は叶ったのだ

 

 

 

 

ぶっちゃけどうですか?

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