巡る季節~オレの青春論~   作:ゴルギアス

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今回で、三沢編は終わりです。
てか、ここまでやって時系列的にまだ
2日しか経ってないとか…つらいw
次回からはもうちょい進めていきたいです。

さて、余談ですが、小説を始めてから
20日が経過し、なんだか不思議な気分。
とにかく、書き続けるのみです。

それではー、どうぞ!


勝負のその先

 

 

三沢side

 

 

 

吉川くん、僕は君を理解しかねている。

君がどのような気持ちでその言動を

しているのかなど、正直わからない。

 

しかし、一番の問題は、言動うんぬんより、

その、君自身の意思がはっきりしてないことだ。

 

そんな中途半端な心で、

彼女に関わるべきではない。

 

とにかく、この賭けで君を

『試させてもらう』よ。

 

…吉川くん。

 

 

 

三沢side out

 

 

 

 

浩作side

 

 

 

 

「さて、始めようじゃないか。

1つ目のお題は…コイントスだ」

 

…早速勝負が始まったんだが、

なんだよそれ、運ゲーかよ。

 

「もちろん、イカサマの類がないように

放ったコインは床に落とすようにする、

これで全ては運で決まるだろう?」

「…運も実力の内とでも言いたいのか?」

「まぁ、そういうことだよ」

 

そんなことどうでもいいや。

とりあえず、裏か表は決まった。

 

「それじゃあ僕は…」

 

 

「「裏だ」」

 

 

…どうやら被ったみたいだな。

でも、オレは。

 

「裏は譲らねぇぞ!」

「ふっ、なら僕は表に変えるよ」

 

よし、聞き分けのいい子だ。

といっても、完全に勘なんだけどなぁ。

全て流れに任せるしかない。

 

「では、いくよ」

 

ピンっと放たれるコイン。

高く真上に上がっていき…

そのまま地面に叩きつけられる。

 

さぁ…どっちだ?

 

「…なるほど、してやられたよ」

 

ってことは……裏か、よっしゃ。

コイントスでこんなに喜んだの

生まれて初めてかもしれん。

賭けてるものがものだからなぁ。

 

「君の裏を譲らない姿勢に怯んだ

僕の負けだ。さぁ、2つ目はなんだい?」

 

意外とあっさりしてやがる。

ここから負ける事はなってことか?

…やってやるぜ!

 

「2つ目はなぁ…これでどうだ?」

 

そう言ってオレはポケットから

お題に使う物を出す。

 

「トランプ…かな?」

「せいかーい!」

「どうして持ってたの、さっくん?」

「青春の1つとしてさ、皆でやろうと

持ってきていたのさ!」

 

初めて城山さんが口を開いたから答える。

 

「青春…か、君はそればかりだな」

「生憎、それが取り柄なんでね」

「それで、内容は?」

「簡単だ、ババ抜きだよ」

 

そう、そして、こっからはある意味

運ではなくなるのだ。

 

「カードを持つ側が2枚持ち、取る側は

チャンスは1回きりで取るルールだ。あと、

カードを取るか取られるかはお前が選んでくれ」

「なら、取る側にしようかな」

 

むっ、決断が早いな。

まぁ、どちらでもいいさ。

 

「あと、吉川くんが持つのは3枚でいい」

 

…なに?

オレが反応すると同時に

教室内でもざわめきが。

 

そりゃそうだ、ただでさえ迷いがちになる

2枚なのに、更に自分を悩ます事になるぞ?

 

「わかった、負けてもケチつけんなよ!」

「もちろん、こちらの台詞でもあるけどね」

 

ババ抜きにおける基本的な作戦は2つ。

1つ、ポーカーフェイスを徹底する。

もう1つは、わざと表情に出す。

このどちらかだ。

オレは、ポーカーフェイスを選ぶ。

 

あとは、カードの位置をどうするかだな。

とりあえず今は、最初の1回だけを考える。

もし2回目がきたら…その時に考える。

 

そう、ババを含めたカードが3枚であるため、

相手は、勝つためには2回引かなければならない。

もし、1回でも引かれればこっちが精神的に

追い込まれて、圧倒的に不利になる。

 

…よし、ババを左にセットしよう。

そして…真ん中だけを少し上にする。

こうするだけで相手を悩ますきっかけに

なるはずだ。

 

「…なるほどね、そういう事か」

 

だが三沢は、落ち着いていた。

 

「そのカードの並びでいいのかい?」

「あぁ、オレはいいぜ、さっさと来いよ」

 

「…普段の君は、なんというか直情型、

つまり、単純な性格のように見えるが、

こういった勝負事ではガラリと変わる」

 

…なんだ?心理テストでもしてたのか?

 

「だから君はそのカードの配置を、

単純なように見せかけ、実は

少し凝ったようなモノになっている。

 

つまり…その目立った真ん中に、

 

ババは存在しない。」

 

そして迷わず、真ん中のカードを取る。

…嘘だろ?そこまで読まれたのか?

 

「僕はこれでも、人の仕草や目線などから

相手の考えを読み取るのを特技としてるのさ」

「だから、C組で三沢に逆らう人は

いないのよね~」

「城山さんは本当に僕が嫌いなのだな」

「嫌いじゃなくて、好きじゃないだけよ」

 

その会話を聞きつつ、考える。

どうする、無駄な動作はもう通じない。

こうなったら運だ。とにかく後ろで

何回かシャッフルして、それからはもう

あいつの目しか見ないようにする。

 

そうすれば、恐らく運だけの勝負になる!

 

自分の背にカードを隠し、何回か忘れたけど、

再び戻した時にはババは左だった。

あとはあいつを睨む、ただそれだけだ!

さぁ、来い!

 

「…君は僕に1枚目を引かれた瞬間、

左のカードを見ていたね。

恐らくそれがババだったんだろう。

それじゃあその睨みも意味がない。

となると、今のシャッフルの音が

4回聞こえたから、偶数回で位置は不動。

…つまり、こっちだね」

 

…そして三沢は、右のカードを引いた。

くそっ、これでおあいこかよ。

 

「心理で挑んだのが悪かったね、吉川くん。

では、最後の賭けといこうじゃないか」

 

そうだ、3回目の賭けは、一体何なんだ?

『口喧嘩になるかもしれないけど』なんて

言っていたような気がしたが…

 

「最後は賭けというよりも、討論だ。

そしてその命題は………………

 

どちらが宇佐さんに相応しいかだ」

 

……んーっと、はい?

「えーと、三沢?もう一回言ってくれ」

「2度は言わない、そろそろ分かるだろう」

 

うーん、まぁ、ここまでくればなぁ、

分からなくもないが…でも、

 

「いや、そうなったら『オレだ』って

言う他ないだろ?勝負なんだし」

「そう、これは勝負だ。だから、

ここで決着をつけるしかないんだよ」

「そこまで因縁づけるつもりなのかぁ?」

「因縁などではない、ただの答え合わせだよ」

「…なるほどな」

 

分からないまま納得しておいて、

三沢から切り込んでくる。

 

「君は、君の言葉や行動で、宇佐さんを

困らせてしまった…なんて

思ってたことはないのかい?」

 

…ある。昨日1日で何回あったことか。

「まぁ、あるさ…心当たりくらいはな」

 

困らせてしまったことに対して

もちろん罪悪感だってあった。

 

…けど。

 

「だけどさ、笑った顔だけじゃなく、

困った顔、赤くなった顔、しょんぼりした顔、

いろんな顔が見られる…とも思った」

「…どういう事だい?」

「オレのその言葉や行動で困らせるどころか

嫌われていたらそこまでだったと思う。

だけど、宇佐ちゃんは、優しいから、

『大丈夫』って、微笑んでくれたんだ。

オレのような変人と分け隔てなく接してくれる

…って、当たり前だけど、嬉しいなぁって。」

 

言葉が、止まらない。溢れ出る。

 

「とにかく、一緒いると、安心するんだ。

よくわかんねぇけど、もっと一緒にいたい…と」

 

「そう、思ったんだ。ただそれだけ。」

 

そうだ、ただそれだけだった。

これ以上、オレが言うことはもうない。

それでもオレでは相応しくないのなら、

オレを負けにしてくれていい。

 

オレに出せるありったけの正直を、今出した。

 

 

 

あとは三沢次第だ。

 

 

 

 

浩作side out

 

 

 

陽子side

 

 

 

そう…それが今のあなたの気持ちなのね。

…まだ、大事な所は気づいてないけどね。

 

相変わらず恵は真っ赤っか。

完全に褒め殺しよねあれは。

 

さて、三沢くんはどうするのかしら?

 

 

 

「……………吉川くん」

 

俯きながらさっくんを呼ぶ。

 

 

「今までの無礼…………………

 

 

 

なんと謝ればいいのやら…」

 

 

 

 

 

…なるほど。

認めたのね、さっくんのこと。

 

 

まぁ、『私の助言』がお互いに

プラスとなったのは間違いないわね!

 

 

 

 

 

陽子side out

 

 

 

 

浩作side

 

 

 

 

…なんかよく分からんけど、

三沢に急に謝罪の仕方を聞かれた。

いや、オレは知りませんけども!

 

「とにかく、すまなかった!」

あっ、シンプルに謝られた。

てか、頭を下げて謝罪してるから

オレが謝らせてるみたいだなこれ。

 

「おっ、おい、とりあえず頭上げてくれ!

なんか恥ずかしいから!」

「むっ、そうか…」

 

とりあえず、三沢が冷静になった所で話し出す。

 

「実は、君に敵対しようとしていたつもりでは

なく、試すというか、確かめようとしたんだ。

君にその、邪な気持ちが無いかとか、

そういったことを知りたかったんだ」

 

そう、だったのか。

全然そういうの気づけなかった。

 

「昨日の放課後に君達を見かけたのは

偶然で、その時から僕の中では諦めは

ついていたつもりだったんだ」

 

そうかぁ…でも、だったら。

 

「だったら、なんであの写真を撮って、

教室に貼ろうなんて事をしたんだ?」

「そっ…それはだな、その…

そこにいる、城山さんに聞いてほしい」

 

…え?なんで城山さんなの?

 

「どういうこと?城山さん?」

「実はね、今回の三沢くんの計画の元凶は

この私なんだよね~」

「っはぁ!?何をしたんだよ!?」

 

「いや、昨日の昼休みの後の事なんだけどね?」

 

 

 

浩作side out

 

 

 

三沢side

 

 

 

今、城山さんが話しているのは、昨日の事。

 

僕は、城山さんが宇佐さんと同じ中学である

ということを知り、城山さんに尋ねたのだ。

 

「なぁ、城山さん」

「ん?あら、三沢くんじゃない?どうしたの?」

「昼休みに、偶然B組での出来事を見てね、

まず、宇佐さんに一目惚れをしたんだ」

「あらま、ずいぶん唐突ねぇ~」

 

そして、もう一つ気になったのが。

 

「あと、一緒に座っていた、目が鋭くない方の

男子は、一体誰なのか気になってね」

「あぁ~、さっくんね♡」

「さ、さっくん?」

「うん、吉川浩作くん、恐らく恵の本命よ!」

 

…宇佐さんの、本、命…?

 

「か、彼はどうなんだい?宇佐さんの事」

「よく分かんないのよね~それらしい言動は

あるんだけど、無自覚っぽいのよねぇ」

「…そうか、貴重な時間をありがとう」

 

「ねぇ、城山くん」

「…なんだい?」

「さっくんがどんな男か、知ってみる?」

「え?」

 

最初は、意味が分からなかった。

 

「ほら、諦めつけるにもね、

男なら真正面からドーンとぶつかるべきよ!」

「そ、それは構わないのだが、きっかけが…」

「それは私が考えてあげるから!

ちなみに、あわよくばあなたが恵を

ゲットできるかもしれないけど、

もしそれでもさっくんの事を知ってみて、

認めてくれたら、応援して欲しいの」

「応…援」

 

道は2つに1つということか。

だったら、進むしかあるまい。

 

「わかった、まずは彼を知ることにする。

その、吉川くんのことをね」

「うんうん、そうして!

あ、あときっかけとして、ゲームみたいな事を

してみるといいんじゃないかしら!」

「ゲームか…コイントスとか?」

「そう!そんな感じの!で、最後に

さっくんの気持ちを知る為に…」

 

これで、宇佐さんの事を諦め、

吉川くんの事を認められるのだろうか?

 

まぁ、運命に委ねるとしようか。

 

 

 

三沢side out

 

 

 

 

浩作side

 

 

 

「…ってわけなのよ~」

 

…なるほどなぁ、殆ど城山さんのせいか。

でも、それは三沢も納得の上なんだな。

 

宇佐ちゃんを好きになり、オレのせいで諦め、

そのためにオレと賭けをすることにした。

 

まとめるとこういう事か。

 

「…三沢、なんか、ごめん」

「君が謝らないでくれたまえ、

君は間違ったことをしたわけではない。

むしろ、今朝のようなことをして、

君達に迷惑をかけた僕が間違っていた」

「それはもう良いんだよ、オレはな。

あとは、ほら」

 

そうやってオレは、宇佐ちゃんに

目を向ける。巻き込んだみたいでごめんね。

 

「…宇佐さん」

「は、はい」

「迷惑をかけてしまった、すまない」

「い、いいよこれくらい!

喧嘩にならなくてよかったから…」

 

…うん、やっぱ宇佐さんは優しい。

とてもキラキラしている。

 

「…宇佐さん、僕は君が好きだ」

「…え、えぇ!?」

「けど、それだけだ、それ以上は何も無い」

「え、あ、はい…」

 

三沢…言いたいことは言ったんだな。

…ん?なにやら三沢が宇佐ちゃんに

耳打ちをしているぞ?

 

気になるな…あれ、宇佐ちゃん爆発した。

ちくしょう、あいつ何を言いやがった!

 

 

 

なんでだ、ちょっとムカっとするなぁ。

 

 

 

 

浩作side out

 

 

 

 

三沢side

 

 

 

想いは伝えた。けど、もう一つ宇佐さんに

言っておきたい事があるんだ。

 

「…宇佐さん、ちょっといいかい?」

「あ、はい、なんですか?」

 

吉川くんに聞こえないように耳打ちをする。

吉川くん、すまないね。

 

「…君、吉川くんが本命なんだろう?

応援するから、頑張ってくれたまえ」

「…ふぇっ!?!?//////」

 

…僕の告白ではそんなに変化の無かった

君の頬が、吉川くんのことになると

そんなに赤く染まっていくとはね。

 

正直な話、妬けてしまうものだ。

…だが、決めたんだ。

 

「…吉川くん、お願いだ」

「…どうした?」

 

僕は彼女と、この男を支えると。

 

「この僕と、友達になってはくれまいか?」

「いいぜ!」

 

…即答かい?流石だ。

 

「よーっし、三沢…えーっと、

下の名前聞いてねぇや!」

 

ふっ、君らしいよ。

 

「僕は純也(じゅんや)、三沢純也だ」

 

「あぁ、ジュン!オレと青春しようぜ!!!」

 

 

…ははは、君は全く……………

 

 

面白くて、

 

 

 

 

 

 

宇佐さんを安心して任せられる男だ。

 

 

 




はい、今回でVS三沢くん編は終了です!

もしかしたら意外な展開になったと思う人が
多いかもしれないですね。

さて、三沢くんの名前も判明し、
友達となりましたが、あくまで彼は
メインキャラではなくサブキャラとして
今後は登場させるつもりです。

さて、次回から新しい展開が
始まります!の予定!

それでは、また次回会いましょー!
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