「イテテテテテテ!!」
「じっとしてなさい。すぐ済むから」
あの後、警官たちは俺と新一を連れ医務室へと向かい、俺は今手当てを受けてる。
「はい、終了。それにしても、酷い怪我だね。どうしたんだい?」
「えっと………よく覚えてません」
手当てをしてくれた医者にそう言い、俺は新一のところに向かう。
「なぁ、新一。これをどう思う?」
「どうって………体が縮んだ以外にどう思えってんだよ」
「やっぱり縮んでるよな…………」
医務室に運ばれた俺たちは互いの姿を見て驚いた。
何故なら俺たちの姿は小学生の時の姿になっていた。
おそらく、あの男たちが俺たちに飲ませた毒薬。
アレが俺たちを小さくした原因だと俺は思ってる。
それは新一も同じらしく、俺たちはため息を吐く。
「とにかく、こっから逃げるぞ。このままだと警察に保護ってことで連れてっちまわれる」
「だな」
俺と新一はこっそりと医務室を抜け出し、外へ出る。
俺達がいないことに気づいた警官は慌てて俺たちを追うが、なんとか撒くことができ、とりあえず新一の家へと向かった。
「し……新一……位置はこの辺か……!」
「もうちょっと右だ!」
慎重が小さい所為で家の門を開けれず、俺が新一を肩車する。
「も、もうちょっと…………!」
もう少しで手が届くというところで、隣から突然、爆発音が響いて中から一人の老人が出てくる。
「あ、阿笠博士…」
「今度は何をしたんだ………」
出てきたのは新一の家の隣にすんでる発明家の阿笠博士だった。
「ん?なんじゃ、お前ら」
「オレだよ、オレ!新一だよ!!こっちは恭介!」
「なんじゃ、新一と恭介の親戚の子か…、言われてみれば二人の小さい頃によく似とる…」
「だから、俺たちが神崎恭介本人と工藤新一本人なんだよ!」
「ああもう!なら、これでどうだ!阿笠
「自分のことを天才って言ってるけど作ったものはガラクタばかり!」
「「おまけに、お尻に毛が一本出てる!」」
「お、お尻……それは新一と恭介しか知らんはず…………まさか、新一と恭介の奴、ワシの秘密を言いふらしておるんじゃ…………」
「聞いたんじゃなくて俺たちが本人なんだって!」
「薬で小さくなったんだよ!」
「薬で小さく…?」
「ああ…」
「これで信じくれたか?」
「フン!そんな薬があればワシが、お目にかかわりたいわ!来い、あやしい小僧ども!警察に突き出してやる!」
「じゃー、これならどーだ!博士!!あなたは、さっきレストラン「コロンボ」から帰ってきましたね!!それも、かなり急いで!!」
「ど、どうしてそれ!?」
「博士の服ですよ。前の方は濡れてるのに後ろにはそれがない。雨の中走ってきた証拠ですよ」
「付け加えると、急いで変えてきた理由はもう一つ。もし、雨が降ってる時に、出かけたなら傘を持って家を出る。なのに急いで帰って来たってことは、雨が降っていない時に出かけた。そして、帰りに急な雨が降っていたため、急いで帰って来た」
「おまけに、ズボンに泥がはねてる。この近辺で泥がはねる道路は工事中の「コロンボ」の前だけだ!おまけに「コロンボ」特製のミートソースがヒゲについてるしね」
「き、君らは…」
「チッチッチッ…初歩的な事だよ…阿笠君♪」
「し、新一…ということは恭介なのか?」
「だーから、さっきらから言ってんだろうが?薬で小さくされたって…」
「まだ信じられないが、とりあえず…話は家の中で聞こう…」
博士に新一の家の門を開けてもらい、中に入る。
そして、新一は子供の時の服に着替え、何があったのか話す。
「「け、拳銃密輸!?」」
新一から借りた服を着ながら俺も驚く。
「それをネタにゆすってる奴らを見ちまったんだよ」
「つまり、俺は運悪く、お前が口封じされかけてる現場に来ちまって、襲われたってことか」
「そうか……未完成だった薬の副作用で体が小さくなってしまったと言うわけか……」
「なぁ、博士。なんとかできないのか?解毒剤を作るとか」
「そうは言われても、薬の詳しい成分が分からん限りは…………とにかく、新一!恭介!小さくなったことはワシ以外に言ってはならんぞ!」
博士は俺と新一の肩をつかんで言う。
「え?なんで……?」
「もし君たちが工藤新一と神崎恭介だと分かったら、また奴らに命を狙われるじゃろ!それは君たちの周りの人間にも危害が及ぶ!このことは、ワシらだけの秘密じゃ!決して誰にも言ってはいかんぞ!新一!恭介!」
「新一!いるの?」
その時、玄関から蘭の声が聞こえる。
「帰ってるなら電話ぐらい出なさいよー!恭介もいるのねー!」
「い、いかん隠れろ!」
「か、隠れるたって………何処に!?」
「新一!こっちだ!」
新一を引っ張り、博士の後ろにある机の陰に隠れる。
「あら、阿笠博士!」
「や、やー!久しぶりじゃのー、蘭君」
間一髪、蘭が書斎に入ってくると同時に、俺たちは隠れれた。
「うわー!相変わらず凄い本の数ねー!それも推理小説ばっかり……」
「あ、ああ……新一君の父親は世界的推理小説家じゃからのー」
「こんな本に囲まれて育ったから、新一が推理馬鹿になっちゃうのよ」
「うっせぇーなー」
「誰?そこにいるの?」
この馬鹿!
何やってるんだよ!
俺が睨むと、新一は手を合わせて謝ってくる。
とにかく変装を………!
「父さんの眼鏡!これで!」
新一は優作さんの予備の眼鏡のレンズをはずし、顔に掛ける。
まずい!俺だけ変装できる物が………!
「誰、この子?」
とうとう蘭が俺たちを見つける。
そして
「この子達…………かわいい!」
俺たちを抱きしめた。
く、苦しい………
首に腕が…………
てか、蘭の奴、俺に気づいてない?
………………そう言えば、俺たちは確かに幼馴染だけど、正確には俺だけは小学校は違う。
幼稚園まで一緒だったが、小学校に上がる時、俺は転校して、こっちには中学に上がる時に戻ってきた。
だから、俺の小学生の時の顔を蘭は知らないんだ。
よ。よかった…………
「この子達だーれ?」
「わ、ワシの親戚の子と知り合いの子じゃ」
「僕たちいくつ?」
蘭が俺たちに聞いてくる。
「じゅうろ…じゃなくて……六歳」
「小学一年生かー……名前は?」
「な、名前は……」
質問しながら近づいてくる蘭から後ずさりして下がるが、後ろの本棚にぶつかり下がれなくなる。
「え、えーっと、えーっと………!こ、コナン!僕の名前……江戸川コナン!」
「コナン?変わった名前ね」
「と、父さんがコナン・ドイルのファンだからこんな名前に……」
コナンって外人かよ!
「じゃあ、君の名前は?」
今度は俺のほうに聞いてくる。
な、名前……名前………
「わ、輪島!僕の名前は
「尊君ね」
ふー、とっさに思いついてよかった。
「おい、何だよ?輪島尊って?」
「輪島尊を別の読み方してみろ。漢字は輪っかの輪に無人島の島、尊敬の尊だ」
「えっと…………わとうそん?あ!ワトソンか!」
「我ながら咄嗟に思いついた名前にしては上出来だよ」
俺の偽名について新一に教えてると、急に博士が声を上げる。
「そうじゃ!蘭君!すまんが、少しの間この子達を預かってはくれんかの?」
「え?」
「「はぁ!?」」
「いやー、この子達の親が急な用事でワシの所に預けに来たんじゃが、ワシも一人暮らしじゃし、何かと忙しくての!」
「いいけど、お父さんに相談してみないと」
「おー引き受けてくれるか!」
「バカヤロ!そんなことしたら、俺と恭介の正体がバレるだろ!」
新一が博士に小声でそう言う。
「まぁ、聞け。君らの死体が出なければ、いずれ黒ずくめの男たちにも分かる。そうなれば、君たちの家を出入りするものを真っ先に疑う」
「そうだけど。なら、博士の家でもいいじゃねーか」
「馬鹿者。元に戻るならまず奴らの居場所を着きとめにゃならんじゃろ。蘭君の家は探偵事務所じゃぞ!」
「そっか!
博士と新一の会話を聞きながら、俺はあることを思いつく。
「僕、ねーちゃん
新一は小学生みたいに蘭に抱きついて言う。
そして、目が「早く恭介も来い」と言わんばかりの目をしてる。
悪いな………流石に俺は勘弁だ。
「僕、博士の家がいい!」
「ええっ!?」
「ふぁっ!?」
「知らない人のお
我侭を言うように、嫌々と首を振りながら博士の後ろに隠れる。
「阿笠博士。尊君は嫌がってるし、尊君だけでも博士の家で見れない?それに、やっぱ二人も預かるのは流石にお父さんも怒るかもだし」
「う、うむ………そ、そうじゃの。尊君はワシの方で見るからコナン君をお願いできるかの」
「ええ。じゃあ、コナン君。行こっか」
「あ、うん。オジちゃん、尊君、バイバーイ!」
新一は子供らしく手を振って蘭と共に帰っていく。
その後姿を見送りながら、俺はため息を吐く。
「恭介、どういうつもりじゃ?」
「流石に二人も子供を預かるほど、蘭の家に余裕はないだろ。それに」
「それに?」
「四六時中子供のフリなんて嫌だ」
「そうか」
「ま、俺が元に戻るまでお世話になるぜ。博士」
オリ主の居候先は博士の家になりました。