絶狼ーBLOOD SOUL-   作:狼牙竜

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お待たせしました、第3話です!
思ったよりも長くなったので今回は前後編で投稿します。

もうすぐ牙狼 DIVINE FLAMEの公開ですね。

自分は近くで公開しないので、見るとしても遠出かもしれません…

見に行きたい…



第3話 掟―RULE-

女神候補生、ナース、諜報員、魔戒騎士と、常識という言葉を魔界に強制送還した様なパーティーが組まれてはや一週間。

 

日課である『プラネテューヌ内15kmのランニング』を終えた轟雷零夜は教会に戻り、アイエフにこれからのことを尋ねる。

 

「で、これから旅の当てはあるの?」

 

「ええ。まずはプラネテューヌに眠る『ゲイムキャラ』を見つけることからね」

「ゲイムキャラ?」

 

 

ゲイムキャラとは、古の女神によって創造された存在。

 

ゲイムギョウ界の行方を左右すると言われるほどの強大な力を持っており、その存在は一般人どころか殆どの存在が知らない。

 

 

その力は古の犯罪神を女神達とともに封印したという伝説が残っている。

 

その伝説が記されている資料をイストワールが発見し、アイエフとコンパはこの1週間調査を続けていた。

 

 

 

ちなみに、零夜はネプギアと共にクエストをこなしている。

 

女神の力を発揮できなくなったネプギアに少しでも自信をつけさせるためのリハビリとしてクエストを行っていたのだが、クエストで出てくる敵が弱いせいか、どうにも自信がついていない。

 

何かが必要だ。

 

 

もっとこう…立ち直らせるような大きい爆弾が…

 

 

――――――――――

 

バーチャフォレストの奥部。

 

この場所にゲイムキャラがいるという情報を手に入れ、零夜達はゲイムキャラの協力を得るために進んでいた。

 

途中でモンスターが出てくるが、割と簡単に対処できた。

 

「よしっと。こんなもんか」

 

師匠の真似をしていたからか、同じように剣を回転させる。

 

「アンタってホント規格外ね…汚染されて強くなったモンスター3体を1人で倒すなんて…」

「こちとら毎回ホラーと命懸けの戦い繰り返してんだぜ?あいつらと比べたら軽い軽い」

 

 

そんな話をする中、零夜は未だに元気のないネプギアを視界に捕らえていた。

 

「…ネプギアちゃん。本当に大丈夫か?」

 

 

「……はい、大丈夫です。ゲイムキャラの力を借りるのに、プラネテューヌの女神候補生の私が行かないわけにはいきません」

 

俯きながら答えるネプギアに、零夜は困ったような表情をする。

「………でも、無理だけはするんじゃないわよ」

 

 

アイエフが助け舟を出してくれて、彼女がパーティーの先頭に立って進んでいった。

 

「うう…ギアちゃん…私、どうしたらいいんでしょうか…」

 

 

コンパが半泣きになりながらおろおろして、零夜は頭が痛くなってきた。

 

『ゼロ。本当にこのチーム大丈夫なの?』

 

 

 

呆れたような声のシルヴァ。

 

 

 

 

 

「………大丈夫だよ…たぶん」

 

 

――――――――――

 

進んでいく中、僅かだが妙な音が聞こえた。

 

「何だ…この音は…?」

 

小さいが、確かに聞こえる。

 

 

「何かを…叩いてる音?」

「行ってみましょう」

 

アイエフの言葉にうなずいた俺達は音のする方向へと走る。

 

 

 

そこには、黒いフードにまるでねずみの鼻や耳のようなものが付いている緑色の髪の女性が、手に持っていた刀でディスクのような物を破壊しようとしていた。

 

「くっそ…さっさと壊れやがれ、ゲイムキャラ!」

 

 

女性は、刀を振り下ろしてディスク…ゲイムキャラを壊そうとしていた。

 

 

「ダメえぇぇぇ!」

 

ネプギアはとっさに女を押さえ込む。

 

 

「は!?お前ら、誰だよ!?」

 

「どうして、ゲイムキャラを壊そうとするんですか!?そんなことをしたらゲイムギョウ

界が…!」

 

 

ネプギアは必死に女を止めようとするが、女はネプギアを振りほどくと零夜達に向き直っ

た。

 

「ゲイムギョウ界をマジェコンヌの物にするために、こいつは破壊しなきゃいけねぇンだよ!」

 

その言葉に、全員が警戒する。

 

「…あんた、まさかマジェコンヌの一員なの!?」

 

アイエフはカタールを取り出して聞く。

 

 

「その通り!アタイはこのゲイムギョウ界においてマジパネェ勢いを持っているマジェコンヌのマジパネェ構成員の1人…」

 

 

大げさな動きを混ぜながら女は言葉を続けた。

 

 

 

「リンダ様たぁ、アタイのことさ!」

 

 

その言葉に全員はなんともいえない顔になるが…

 

 

 

 

 

 

「それって要するに…下っ端?」

 

 

「……下っ端よね?」

 

「……下っ端さんですよね」

 

 

 

 

『下っ端も下っ端、ホラーで言えば登場して2秒で斬られる素体ホラーみたいなものね』

 

 

 

上から零夜、アイエフ、コンパ、シルヴァの順である。

 

 

「んな!?誰が下っ端だ!誰が!あと、なんかよく知らねえけど、スゲエ馬鹿にされた気がすんぞ!」

 

 

下っ端と言いたい放題にされたのが頭にきたのか、リンダは刀をアイエフ達に向ける。

 

「どうして…どうしてこんな酷いことができるんですか!?ゲイムキャラを壊したら、ゲイムギョウ界が滅茶苦茶になっちゃうんですよ!」

 

 

下っ端と零夜達の間に入ってきたのはネプギア。

 

彼女は涙を流しながら下っ端を説得しようとする。

しかし…

 

 

「…はっ!何を言うかと思えば…いまさらそんな事言うなんて、笑っちまうぜ!」

 

下っ端は愉快そうに笑い出す。

 

 

「な、何がおかしいんですか!?」

 

 

「もうゲイムギョウ界はお終いなんだよ!これからはマジェコンヌのが支配する新しいゲイムギョウ界が誕生すんだよ!だから、アタイは邪魔になるゲイムキャラをぶっ壊して何が悪い!」

 

下っ端は懐から血のように真っ赤なCDを取り出す。

 

 

「女神のいねえゲイムギョウ界なんて、アタイらマジェコンヌのものなんだよ…だから、そこを退きな、クソチビ!」

 

 

下っ端は獰猛な笑みを浮かべ、ネプギアに刀を振り下ろす。

 

「ネプギア!」

 

 

アイエフが止めようとするが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっ!」

 

それよりも早く、零夜が『素手』で刀を掴む。

 

 

「な!?」

 

「え…!?」

 

「零夜君!」

 

 

ネプギア達が驚くが、零夜は手に持っていたライターから魔導火を着火し、下っ端の瞳を映す。

 

その瞳に魔戒の文字は浮かび上がらない。

 

 

「こいつ…ホラーじゃないのか!」

 

零夜は下っ端を蹴り飛ばす。

 

 

 

『ゼロ!分かってるとは思うけど…』

 

「ああ!十分承知!」

 

 

零夜は魔戒剣を取り出さずに、ファイティングポーズをとる。

 

「零夜!どうして魔戒剣を使わないの!?」

 

 

アイエフとコンパが横に立つ。

 

 

「あいつは人間だ…あいつを斬るのは、騎士の掟に反する!」

 

「掟!?」

 

 

 

『そう。魔戒騎士には掟が存在するのよ。重要な掟を破ると、最悪寿命を削られたりすることだってあるわ。文字通り、絶対的なルールってものがね』

 

「そうなんですか!?」

 

「そ。だけどこの程度なら、素手でも何とかなる!」

 

 

「なめやがって…よくわからねえがテメェらが邪魔すんなら、全員ぶっ倒してやる!」

 

下っ端は刀を構えて襲ってきた。

 

 

―――――――――

 

 

「オラオラオラ!大したことねえな!4人がかりでその程度か!」

 

 

下っ端との戦い、思ったよりも苦戦している。

 

 

「こいつ、本当に人間か!?」

「くっ!何であいつ、あんなに強いのよ!」

「ううう…強すぎるです……」

 

下っ端は思ったよりも強い。

 

素手とはいえ、魔戒騎士の攻撃にもある程度対抗ができるレベルだ。

 

 

そして…

 

「そこの黒尽くめの色男!テメェにはこいつをプレゼントだ!」

 

 

俺の周囲には雑魚のモンスターが20体出現。

 

 

しかも、同時に汚染状態になった。

 

 

 

「ちっ!鬱陶しい!」

 

俺はコートの袖から魔戒剣を出す。

 

 

「シルヴァ!モンスター相手なら問題ないな!」

 

 

『ええ!思う存分暴れなさい!』

――――――――――

 

「へっ!あの色男は追い払えたし、さっさと叩き潰してやるぜ!」

 

不適に笑う下っ端。

 

 

「どうして…ここまで差ができてるの…?」

 

「決まってんだろ!ゲイムギョウ界のシェアの殆どはもうマジェコンヌのものだ!テメェ

ら女神に味方する連中はこの世界には殆どいねえ!」

 

 

 

下っ端が強い理由。

 

その理由は、ゲイムギョウ界のシェアの殆どがマジェコンヌの物になっていたのが理由だった。

 

特にプラネテューヌのシェアの低下は著しく、女神であるネプテューヌが敗れたこと、候補生のネプギアが女神化できないなどの情報が知れ渡り、シェアが急速に弱まった。

 

そのため、今のネプギアの力は救出された頃よりも低下していた。

 

 

「私のせいだ…私が………女神の力を使えなくなったせいで…」

 

自分が調子を戻せていない。

 

 

それがこの現状につながっていることを理解したネプギアはショックを受けてひざをつく。

 

「ん?そうか、お前がプラネテューヌの女神候補生か」

 

 

下っ端はネプギアの方を向く。

 

「お前が雑魚なお陰で、アタイ達犯罪組織が大手を振っていられるんだ。感謝してるぜ、クソチビ女神」

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、下っ端にモンスターが激突し、吹き飛ばされる。

 

 

「うわっ!?」

 

吹き飛ばされた下っ端は飛ばしてきた相手…零夜を睨んだ。

 

「何してんだテメ…!?」

 

 

その先にいたのは、零夜…そして消滅したモンスターの塵だけである。

 

 

「テメェ…まさか汚染されたモンスターを全部倒したのか!?」

 

「………黙ってろ、この下っ端」

 

 

零夜の威圧感に驚く下っ端。

 

 

「零夜!」

 

 

アイエフが零夜に声をかける。

 

「零夜はネプギアをお願い!コンパ、行くわよ!」

「はいです!」

 

 

 

――――――――――

 

ネプギアは目の前の光景を見て、あの時の戦いを思い出した。

 

目の前で戦っている女神達。

しかし、戦っている『二人』の敵には届かない。

 

白い羽が女神達を切り裂く。

 

 

ボロボロになっていく姉。

 

その状況に足が震え、泣き叫ぶことしかできない。

 

 

「私は…何もできない…」

 

あの時と同じ、何もできない役立たず。

 

 

その思いがネプギアの心を支配した。

「なんで…私なんかが…」

 

 

すると、目の前に零夜が立つ。

 

「……ネプギア。君はそこで止まっちゃうの?」

 

 

いつになく冷たい目をする零夜。

 

「…無理ですよ。女神の力を使えない私なんて…あの時、アイエフさん達だって、こんな私を助ける必要なんてなかったんです…」

 

 

泣きながら零夜に話すネプギア。

 

「私なんて…戦いでも足を引っ張るばかりですよ…」

 

 

零夜のコートを掴みながら涙を流す。

 

 

「こんな私なんて…最初からいなければよかったんです…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ネプギア」

名前を呼ばれ、顔を上げるネプギア。

 

目の前には、真面目な顔をした零夜。

 

 

その手がネプギアの涙を拭う。

 

「え?」

 

 

「助ける必要がない…?そんなわけがないだろ」

 

まっすぐにネプギアの目を見つめる。

 

 

「あの日、ネプギアが言ってくれたんだぜ。旅についてきてほしいって。あの時、本当にうれしかった」

 

 

ゆっくりと語る零夜。

 

「師匠としか今まで旅をしてなかったからさ、一緒にこうやって…賑やかな旅をする仲間ができたのは、最高に嬉しいんだ…だからさ」

 

ネプギアに優しく語り掛ける。

 

 

「大事な仲間だからこそ、俺はネプギアに笑顔でいてほしいんだよ」

 

「…どうして…そこまで戦えるんですか?」

 

ネプギアは零夜に聞きたかった。

 

 

何で、こんなにボロボロになった世界を救おうとしてくれるのか。

 

 

彼は本来この世界とは関係のないはず。

 

 

 

 

「決まってるでしょ…」

 

零夜は懐から魔戒剣を取り出す。

 

 

「俺は魔戒騎士。人々を守るための剣である『守りし者』だ。だけど…そんなことは関係ないよ」

 

話しながら魔戒剣を見つめ、言い切る。

 

「俺が戦うのは、この世界が好きだからだ!この皆の幸せを守る力があるのなら、俺はその力を、この剣を振るうだけだ!」

 

零夜はネプギアに手を差し伸べた。

 

「守りたいから守る。その心は、魔戒騎士も、人も、女神も、関係ない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「自分の心に従って前に進む。それが『俺達の掟(ルール)』だ!」

 

 

零夜は走り出す。

 

 

自分の心に従うために…

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――ZERO―――――

 

 

次回予告(ナレーション ネプギア)

 

最初は憧れでした。少しでもあの人に近づきたいから。

 

でも、ようやく思い出しました!

 

何をしたいか、何を守りたいのか!

 

これが私の…!

 

Next ZERO『変身―CHANGE―』

 

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