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俺達は、ラステイションの近くにあるダンジョン、ゾーンオブエンドレスへと来ていた。
「ハアッ!」
魔戒剣で片っ端からモンスターを斬るが、ぜんぜん見つからない。
「498…499…」
暇だったのでずっと数えていたが、ついに500体斬った。
「500…全然見つかんない!」
「まあ、簡単に見つかったらレア素材なんて言われないわよ」
「にしても、500体だぞ!見つからないにもほどがあるだろ!」
俺も疲れ果て、座り込んだ。
すると…
「どうしたんだい?随分落ち込んでいるみたいだけど」
声をかけてきたのは、赤い髪をショートカットにした、やや露出度が高い服装の女性だった。
「えっと…どちらさま?」
「ああ、失礼。あたしはファルコム。しがない冒険家さ。ついでに言うと、困ってる人を見るとつい首を突っ込みたくなるお節介でもある」
ファルコムと名乗った女性は自己紹介をする。
「冒険家さんですか…なら、何か知ってるかもしれないです!」
コンパは思いついたように言う。
「そうね…どうせ、アテもないわけだし、ダメ元で聞きましょう」
アイエフも頷いた。
「俺たち、宝玉と血晶って素材を探してるんだが、見つからなくてな…」
「ふむ……血晶は聞き覚えないけど、宝玉なら心当たりがあるよ」
ファルコムの言葉に俺達は驚いた。
「え!?知ってるのか!?」
「うん。あれは確か…プラネテューヌのバーチャフォレストに棲むモンスターが落とすは
ずだよ」
「本当に知ってた!?」
「出来れば案内したいけど、あいにく旅の目的地が逆方向でさ。申し訳ないけど」
ファルコムは苦笑する。
「いえ、こんなに良い情報を頂けただけで十分です!」
ネプギアが笑顔で答える。
「よかった。じゃああたしはここで失礼するよ。…またどこかで会えると良いね」
ファルコムはそういい残して去っていった。
「まさかプラネテューヌにあったとはね」
「急いで行きましょう。だいぶ時間を使いましたし」
俺達はプラネテューヌへと急いだ。
その影を見る影が一つ。
「そうか…あいつら、プラネテューヌに戻るのか…覚悟しとけよ。マジェコンヌが対女神用に作り上げた秘密兵器…それにあの妙な鎧に対抗した『これ』さえあれば、テメェらなんざ怖くねえ!」
――――――――――
バーチャフォレストの最深部で、俺達は宝玉を落としそうなモンスター…茶色い鱗に包まれた巨大なドラゴンを見つけた。
「あいつかな…?」
「あいつね。みんな、準備は良い?」
俺達はそれぞれの武器を抜く。
「ところで、こいつなんて名前のモンスター?」
「あれはエンシェントドラゴン。危険種のドラゴンでもあるから気をつけて…零夜以外はね」
「ちょ!俺以外ってどういうこと!?」
俺のツッコミはスルーされ、戦闘が始まった。
「じゃ、まずは私から!」
アイエフがジャンプし、ドラゴンの足をカタールで切りつける。
一瞬怯んだエンシェントドラゴンだが、すぐさま爪で攻撃してくる。
「避けろ!」
俺の言葉に全員が反応し、攻撃をくらう者はいなかった。
「どりゃああああああ!!」
エンシェントドラゴンの足を斬りながら回転し、足を切り落とした。
「ネプギアちゃん!コンパ!」
「はい!フォーミュラーエッジ!」
ネプギアがエンシェントドラゴンを後ろから攻撃、さらに背中にコンパが武器の注射器を刺す。
『あれ、痛そうよね』
「ああ。あれはくらいたくないな」
シルヴァと話をしながら、俺は魔戒剣を銀狼剣に変化させ、剣を振り下ろす。
「今だ!」
ネプギアがジャンプして剣を振り下ろした。
「ギャアアアアア!!!」
悲鳴をあげるドラゴンだが、俺は銀狼剣を合体、銀牙銀狼剣へと変形させ、思いっきり投げつける。
銀牙銀狼剣は、エンシェントドラゴンの首を切り落とし、ドラゴンはポリゴンのように分解して消滅する。
「ふう…ちょっと強かったな」
俺はドラゴンが消滅した場所を見る。
そこには金色の宝石が落ちていた。
「これか?」
「ええ!これが宝玉よ!よかった、やっとひとつ見つかった!」
「あとは血晶だけだな。早いところ、見つけよう…」
すると、何者かが現れた。
「そいつは無理だな…なぜならテメェらは、ここで死ぬからだよ!」
自信満々に現れたのは、正直言って会いたくないやつだった。
――――――――――
「また来たか、下っ端」
そう、前回逃げた下っ端である。
「何回負けても出てくるなんて、下っ端さんは大変なんですね…」
「やっぱりどの仕事でも、下っ端さんは労働条件厳しいんでしょうか…」
『まあ仕方ないわね。下っ端って大抵戦いでの前座か、組織の新兵器の実験台とか多いんだろうし、労働条件が厳しいのは仕方ないわよ』
「みんな、何気にえげつないわね…ボロクソに貶してるし…」
アイエフが哀れみの目で下っ端を見る。
「だー!黙れ!同情すんじゃねえ!」
「で、今日はどうしたの?迷子?」
零夜はため息をついて質問する。
「誰が迷子だ!ふざけやがって…今日でテメェらの命も終わりだ!来い、新兵器!」
すると、下っ端の後ろから謎のロボットが5台現れた。
「これが切り札、M‐3カスタムだ!」
「へえ、流石に一人じゃ勝てないからホラーだけじゃなくロボットまで連れてきたか」
「時間がもったいないです!女神化して一気に決めましょう!」
「オッケー!」
俺は銀狼剣を天に掲げ、ネプギアも女神化しようとするが…
「バーカ。そう何度も同じ手をくらうかよ!」
M-3カスタムが謎の光を放ち、光はネプギアに命中する。
「きゃっ!?何…これ?」
「どうしたネプギアちゃん!」
ネプギアは困惑している。なぜなら…
「変身…できない!?」
「だから言ったろ!秘密兵器だって。こいつは女神の力を封じるモンスターなんだよ!」
零夜は銀狼剣を構えるが、下っ端はそれでも余裕そうな笑顔を見せる。
「当然、お前の対策もしてある!」
零夜はまさかと思い、召還の陣を描くが、霧散してしまう。
「当然、お前の対策もしてある!アマギ様の用意した切り札でな!」
召還できない鎧。魔戒法師のアマギが用意した切り札。
「…結界だな。それも対魔戒騎士用の」
「その通り!テメェには絶対に解けないぜ!」
自信満々に言う下っ端。
「結界を構成する札を剥がさない限りな!」
……………ご丁寧に弱点まで教えてくれた。
「なるほど…札を剥がせば解けるのね」
アイエフが納得するかのように呟いた。
「零夜さん!私達が前に出ます!その間に結界を壊してください!」
コンパが注射器を持ち、構える。
「く…すまん!」
零夜は札を探そうとしたが…
「待てえええい!!」
突然、どこからか叫び声が聞こえた。
「だ…誰だ!?」
「悪に栄えた例えなし。この世の悪を滅すため、犯罪組織マジェコンヌ、蹴って蹴って蹴り飛ばす!」
突然、赤いマフラーをして少し長い青髪にゴーグルをつけた少女が現れる。
「女神様達の窮地に、颯爽とヒーロー登場!ゲイムギョウ界の正義の味方、日本一が来たからには、もう安心よ!」
少女は無い胸を張りながら、某ヒーローの変身ポーズをとるように宣言した。
「「「「『……』」」」」
他の全員が唖然としている。
「女神様、助太刀いたします!」
日本一はネプギアに声をかけた。
「え?あの…あなたは?」
「話は後!あいつを倒してからです!」
下っ端は敵が増えて警戒していたが、すぐに笑う。
「残念だったな!こっちには取っておきがある!」
下っ端はホラー召喚のディスクを取り出して叩き割る。
「また素体か…なら、鎧無しでも十分だ!」
しかし、出てきたのは素体ホラーではない。
「残念だが、こいつは特別製だ!出て来い!」
ディスクの破片から『闇』が溢れ、ひとつの形となる。
首に枷をはめた恐竜のような姿。
ただし、人面となっている顔が恐怖心を煽る。
「こいつは…」
『気をつけなさい、ゼロ!こいつは、ホラー・メタクリム!この巨体からの攻撃は厄介よ!』
シルヴァの忠告を聞いて零夜は距離をとる。
「く…名前持ちは鎧を着ないと封印できないのに…」
よほど弱いホラーじゃない限り、鎧を着ない限り専用の名前と能力を得たホラーは封印できない。
「はっはっは!残念だったな。結界を構成している札がある限り、テメェはあの銀色の鎧を使うことはできねえ!」
「お札?これのこと?」
日本一が取り出したのは、魔戒文字が刻まれたお札…魔界符だった。
「嘘だろ!?」
「何か意味ありげにそこらに貼ってあったから、何かあると思って剥がしておいたけど…剥がされちゃまずいならトラップでも仕掛けておきなさいよ」
呆れ顔で日本一が呟く。
「でもサンキュー!後は俺が…!」
『全部蹴散らしちゃいなさい!ゼロ!』
零夜は頭上に銀狼剣を掲げ、同時に円を描く。
二つの円が重なり、絶狼の鎧が召還され、零夜の体を覆った。
「な、何あれ!かっこいい!狼の鎧…あれぞヒーローじゃない!正義の味方じゃない!」
「ちょっと落ち着きなさいよ!ほら、巻き込まれたら危ないわよ!」
日本一は絶狼の姿を見て大興奮。
必死にアイエフが止めている。
「…ハッ!」
一気に距離を縮め、銀狼剣でM‐3カスタムを両断。
「テヤアアアッ!」
銀牙銀狼剣へと合体させ、素早くM‐3カスタムへと投げる。
高速回転する銀牙銀狼剣は3体のM‐3カスタムを鉄屑へと変えた。
「うそだろ!?M‐3カスタムが一瞬で!?」
下っ端が驚いているが、絶狼はすぐに残っていた1体のM‐3カスタムを殴り飛ばし、一瞬でスクラップへと変えた。
『さて、後はメタクリムだけよ、ゼロ』
絶狼は銀狼剣を交差させて火花を散らせると、走り出す。
すると、メタクリムは炎を放つ。
「デヤアアアア!!!!」
絶狼は炎の中を走りながら、一気に突破した。
「ハアアッ!」
銀狼剣でメタクリムの眉間を突き刺し、メタクリムは地面に派手に衝突する。
「きゃっ!?」
衝撃でネプギアとコンパがスカートを抑えた。
着地した絶狼はメタクリムを睨み、腰を低くして銀狼剣を擦り合わせながら構え…
「フッ!」
一気に走り出し、銀狼剣を全力で振りぬく。
「ウオオオオオ!!」
メタクリムの右足が切断され、さらに…
「ハアッ!」
もう一本の銀狼剣で左足も切り落とした。
「グウウウ…グアアアア!!!」
突然悲鳴を上げるメタクリム。
見ると、絶狼が上から銀狼剣を二本同時に刺していた。
「貴様の陰我…俺が断ち切る!」
横に引き裂くように剣を振り、ジャンプ。
空中で銀牙銀狼剣へと合体させ、メタクリムの頭を切り落とした。
「グ…アアアアア!!」
断末魔の悲鳴を上げながらメタクリムは消滅した。
――――――――――
鎧を解除した零夜は、魔戒剣を下っ端に向ける。
「どうする?お前の切り札とやらはこの通り、俺が斬った。まだやるなら…相手するぜ?ここにいる全員が」
「畜生が…覚えてやがれ!」
下っ端は一目散に逃げていった。
「ふう…さて、後は帰るだけか」
零夜は魔法衣の内側に魔戒剣を収納する。
「お疲れ様です、零夜さん」
ネプギアが話しかけてきて、ポケットから飴玉を渡された。
「え?俺に?」
「はい。何か零夜さん、疲れてる顔してたので」
ネプギアがの笑顔に、つられて笑顔になる零夜。
「わかってるじゃん」
飴を口に放り込む零夜。
「すごかったよ!」
すると、日本一が話しかけてきた。
「さっきの変身、華麗な動き!そして決めゼリフ!鮮やかにモンスター達を倒すその強さ!君こそ伝説のヒーローかもしれないね!よかったら私と一緒に悪を倒すヒーローになってよ!」
勢いに飲まれそうになるが、
「う~ん…気持ちはありがたいんだけど…俺って基本、厳つい顔の鎧だし、ヒーローとは
違うんじゃない?」
ヒーローなら、兄貴の使う牙狼の方がよっぽどヒーローらしいよな。顔めっちゃ怖いけ
ど。全身金ぴかだけど。
「それより、一旦外に出ない?鎧召還すると腹減るんだよね…」
「それもそうね…一旦外に出ましょうか」
俺達は戦いを終え、一度少しの休息へと向かった。
――――――――――
次回予告(ナレーション 零夜)
宝玉が手に入ったし、早いところ血晶も見つけないとな。
え?血晶の在り処を知ってる?
ってあんた、もしかして…
Next ZERO『―狩りの仕事―Hunting』