絶狼ーBLOOD SOUL-   作:狼牙竜

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長らくお待たせしました、第9話です!
前回の投稿から2ヶ月も空けて申し訳ございません!

これから、牙狼の方となるべく同じスピードで投稿していきたいと思います!


感想、評価も楽しみに待っています!


第9話 ―狩りの仕事―Hunting

 

宝玉を手に入れた俺たちは一度ラステイションへと戻ってきた。

因みに、腹が減った俺達は現在、町の喫茶店にいた。

 

 

「あ、あの、今回はありがとうございます!おかげで私たち、助かりました!」

 

 

「いえいえ、女神様の力になるのは、正義のヒーローとして当然のことです!」

 

 

 

 

「あ、すいませーん!この『DXチョコ&ストロベリーパフェ』ください!」

 

「注文なら後にしなさい!」

 

アイエフがどこからともなくハリセンを取り出し、零夜の頭を叩く。

 

 

「…結局、あなたはどちら様ですか?もしかして、どこかでお会いしたことありました?」

「ううん?初めてだよ!」

 

 

そして、目の前の女性は改めて自己紹介する。

 

「アタシは日本一。ゲイムギョウ界の正義のヒーローよ!」

「そういえば、噂になってたです。女神達が行方不明になってから、マジェコンヌと戦っている人がいるって話。もしかして…」

 

コンパは日本一を見る。

 

「へ~。私のことも噂になってるみたいだね」

日本一は笑っているが、ふと遠い目になる。

 

 

「…でも、最近疲れてきたんだよね…ずっと戦ってきたけど、向こう側がさっきみたいな妙な怪物連れてきてから不利になってきたんだ」

 

 

「妙な怪物って…」

 

 

「お前、よく無事だったな?ホラーに襲われたら、俺らみたいな専門家がいない限り普通は死ぬぞ」

 

まさかと思い、俺は聞いてみることにした。

 

 

「お前、まさか魔戒法師か?」

 

 

「ん?魔戒法師って何?」

 

どうやら、本当に知らないようだ。

 

「いや、何でもない…」

まずは彼女の話を聞いてからでも遅くはないだろう。

 

 

「ですが、悩んでいたときに偶然、ピンチに陥っていた女神様と出会い、今この場にいるのです!」

 

日本一が目を輝かせ、ネプギアに顔を近づけた。

 

 

「女神様だって、悪を倒すために旅をしてるんですよね!」

 

「そ、そうですけど?」

 

 

ネプギアは気圧されながらも答える。

 

「お願いです!私も旅に連れて行ってください!」

「……どうする?」

 

 

アイエフが真顔で俺たちに聞いてくる。

 

 

「俺は…実力はあるみたいだし、歓迎かな」

「私も、お友達が増えるのは嬉しいです!」

 

俺とコンパは了承し、ネプギアは…

 

「…じゃあ、お願いします」

こうして、俺たちのチームに新たな仲間が加わった。

 

 

 

―――――――――

 

「さて、後は血晶だけど…何の手がかりもないわね。日本一、アンタは何か知らないの?」

 

「知らないよ!」

 

堂々と宣言する日本一に俺たちはこけそうになる。

 

「困りましたね…血晶さえ見つかれば、ケイさんたちから情報がもらえるんですが…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまない。聞こえたんだが…君達は血晶を探してるのかな?」

後ろには見慣れない男が立っていた。

 

「そうですけど…どちらさまですか?」

「私はこの町の防衛隊のものだ。血晶なら、前に仕事で行ったダンジョンで見たことがあるけど…」

 

 

「ほ、本当ですか!?詳しく教えてください!」

 

ネプギアが食いつくが、俺は目の前の男から妙な違和感を感じた。

 

 

「えっと、教えてあげる代わりに、ひとつ頼みたい仕事があるんだけど、どうかな?」

 

その言葉に、この国の教祖の顔が一瞬浮かぶ。

 

 

「やります!何でもやります!」

「よかった、助かるよ。それじゃあ、リビードリゾートってところにいるモンスターを倒してきてもらえないかな?どうにも私たちでは手に負えなくて、困っていたんだ」

 

この男の言葉で、俺はある可能性が頭に浮かんだ。

 

 

「そういうわかりやすい仕事なら任せておいて」

 

 

 

「すぐに退治してきます。帰ってきたら情報、教えてください!」

 

ネプギア達は目的地に向かうが、零夜はその場に立っている。

 

 

「悪い、ちょっと先に行っててくれないか?すぐに要件は済ませるから」

「う、うん…」

 

 

アイエフ達が走っていくのを見て、防衛隊の青年が話しかけてくる。

 

「…君は彼女達のところに行かないのかい?」

 

 

零夜はちらっと青年を見る。

 

「…あんた、ここの教祖サマの遣い…だろ?」

 

 

「!?……何のことかな?」

 

 

一瞬動揺する青年だったが、何事もないかのように普通の表情に戻った。

「…妙にいいタイミングでこの話が出たから疑っただけさ。俺の勘違いならそれでいい」

 

零夜はコートを翻す。

 

 

「用件はそれだけだ。あと…」

 

 

「ん?」

 

 

 

 

 

「サンキューな。あんたの上司に伝えてくれ」

 

零夜は一気に走り、あっという間に姿が見えなくなった。

 

 

――――――――――

 

「あれでよろしかったのですか?」

 

青年は零夜達の姿が見えなくなったのを確認し、いつの間にか後ろにいた人物へと話しかけていた。

 

「うん。やはり彼は鋭かったけど、ほかの人はかなり単純だったね。それだけ、焦ってるのかもしれないけど」

 

 

その人物は、やはり神宮寺ケイだった。

 

「こんな回りくどいことをせずに、素直に教えて差し上げればよろしいのに」

 

 

「一方的な妥協はフェアじゃない。とはいえ材料が無いと困るのは僕らも同じこと…」

 

ケイはあることを思い出し、苦笑する。

 

 

「しいて問題点を挙げるならば…ユニにも同じ情報を渡してしまったことかな」

 

どうやら、今回も一波乱起きそうである…

 

 

 

 

――――――――――

 

零夜達はリビードリゾートへと辿り着き、青年から頼まれたモンスターを探していた。

途中、別のモンスターが何体か襲ってきたが、全て返り討ちにする。

 

「あれだね、おじさんが言ってたモンスターって!」

 

 

「おいおい…あの人、俺より少し年上くらいだったろうが…」

 

日本一の言葉にツッコミを入れる零夜。

 

「はい。早く倒して血晶のことを教えてもらいましょう!」

 

 

見つけたのは、継ぎ接ぎだらけで背中に翼があり、イルカに似た外見のモンスター。

名前はシーハンターという。

 

 

「行くぞ!」

 

コンパ以外のメンバーが一気にモンスターに向かってダッシュ。

 

 

シーハンターは零夜が危険と判断したのか、真っ先に零夜を狙う。

 

「ふっ!」

しかし、零夜は懐から取り出した投げナイフ『破邪の剣』を取り出すと、シーハンターの頭に投げつけた。

 

 

痛みで怯むシーハンターの真横にネプギアがビームソード、アイエフもカタールを取り出して挟み撃ちにする。

 

さらに日本一もレーザーソードで切りつけ、零夜は魔戒剣の片方を取り出し、切り裂く。

 

 

「今だ、コンパ!」

 

「はいです!」

 

さらにコンパが注射器から魔力弾を発射して攻撃する。

「ネプギア!とどめは!」

 

 

「わかりました!」

 

とどめに、ネプギアが上からビームソードを構え…

 

 

「フォーミュラーエッジ!」

 

ネプギアの攻撃によってシーハンターは消滅した。

 

「よーっし!お仕事終了!」

日本一がポーズをとって言う。

 

「さて、報告に行きましょう」

 

 

 

 

 

 

「あ…ちょっと待ってください!」

 

 

コンパが突然走り出すと、その先には大きいネズミが倒れていた。

「ちゅ~………」

 

「うわ、でっかいネズミね…そんなのほっときなさいよ」

 

 

「だめです!怪我してるのに可愛そうですよ…ネズミさん、今治してあげますからね」

 

コンパは治療道具を取り出し、治療を始めた。

 

 

 

それからしばらく、ネズミは目を覚ましたものの、コンパの顔を見ると彼女の名前を聞い

て、どこかへと走り去っていった。

 

 

「…そういえばあのネズミ、喋れんのな…」

 

 

後にあのネズミと自分達が面倒な間柄になるとは、このときは想像もしていなかった。

 

 

 

 

 

 

―――――ZERO―――――

 

 

 

次回予告(ナレーション シルヴァ)

まったく、今回は一言も喋れなかったわね…

まあいいわ。あら…ユニちゃんとの再会ね。

すれ違いだらけだけど、二人の絆はどうなるのかしら?

NEXT ZERO『―決闘―Duel』




魔戒指南
①破邪の剣

原作で零が使う短剣で、当たれば普通の人間を一撃で殺せるという危険な武器。
魔戒騎士の命を奪ったこともあるという危険極まりない武装だが、零夜はこれを牽制武器として使用している。
ちなみに、一撃死の力はモンスターには適用されない模様。

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