「ユグドラシル」それは12年前に日本のメーカーが満を持して発表したゲームでありこのゲームはプレイヤーの自由度が異様なほど広い。
今の時代ではありえない自然を堪能することもできるし、さまざまな種族や職業を選びどのようなキャラクターにもなることが出来る。
ユグドラシルのサービス終了日、今の地球ではありえないような大自然の中に一組の男女がいた。
「いや~今日で終わりっすね、このゲーム」
「そうだな、まぁ結構楽しかったよなこれも」
「やることが多いっすからねこのゲームって」
「そうだな。でも、これからは当分ゲーム内で会えないな」
「あれ?寂しくなっちゃいましたか?」
「まぁな、」
「急に素直にならないでください。やりにくいっす」
星空の下で話している二人は高校3年生で5年前からユグドラシルをプレイしているプレイヤーである。
この二人がユグドラシルを始めた理由は中学の途中で女子のほうが引っ越すことになり中々会えなくなるので会うためにゲームを始めたのがきっかけで
しかし、この二人は凝り性なのでゲーム自体にもはまって100レベルのプレイヤーである。
しかしユグドラシルは12年間もサービスを提供していたため100レベルのプレイヤー自体は特に珍しいものではない。二人は
ちなみにこの赤髪の少年は日向陸ゲーム内ではリクと言いう名前で、銀髪の少女は結城彩音ゲーム内ではアヤネである。髪の色や瞳の色以外は基本的に現実の自分の顔をスキャンして作っている。それでもかなり絵になるので二人とも顔のレベルはかなり高いと言える。
二人がユグドラシルでの思い出を語っていたら残り10秒のカウントダウンが始まった
「終わりますね…」
「あぁ、でも夏休みに会いに行くよ」
「はい、じゃ!」
”ちゅっ”
「なっ、アヤ」
「ふふっ、りっくんまた夏に!」
3・・・・・2・・・・1・・・・
ぐわんと視界がゆがんだと思うと森の中に二人はいた。
「「・・・・・・・・・・」」
二人の間に沈黙が流れた。
耐えきれなくなったリクは口を開いた
「お、終わらないな…」
気まずそうにアヤネを見る。
「そ、そうっすね。そんな目でこっちみんな!!」
叫ぶアヤネ、しかしそのアヤネの顔をじっと見つめている。
「なんっすか?バカにしてんすか?似合わないことしてキモイとか思ってるんすか?」
「口が」
「へ?」
「アヤネ口が動いてるよ」
「それがどうしてんすか?ってゲーム内ですよね、ていうかここがどこかもわかんないし…アプデっすかね?」
「いや…そうだアヤネ、ちょっとこっち来て」
「なんすか?」
リクに呼ばれて近づいていくとリクはアヤネに抱き着いた。
「な!?なんすか!?急に発情でもしましたか!?」
「あぁ、ごめんごめん」
アヤネをはなす
「な、なんだったんすか?」
「いや、普通はこんな事したらアカウント停止されるだろ」
「あ、たしかに…つまりあれですか?現実世界になったてことっすか?」
「いや、何とも言えないな…でもログアウトもGMコールもならない…」
「ほんとっすね…」
「とりあえず周りの探索で「ギャッー」も、何の鳴き声だ!?」
声のした方を見るとゴブリンが出てきた。
急に出てきたゴブリンが二人に向かって走り出す。
「アヤ、下がっといて」
「ゴブリンくらい余裕っすよ」
「今まで通りの使用かわからないから危ないよ」
「おたがいさまっすよ」
「ギャーッ」
ゴブリンが飛びかかってきたのをリクがアヤネをかばいながら腰に下げている刀で切り裂く。
”ブシュッー”
ゴブリンの血が飛び散る。そして周りにはえている木もなぎ倒される。
「「へ?」」
予想以上の威力で驚く二人。
「や、やりすぎっすよ…」
「そんなに力入れてない気がするんだけどね…」
なかなかグロテスクな状況だったが、二人ともグロイ映画などが好きなのであまり抵抗がない。
(このキャラクターでいろんなモンスターとか狩ってきたから少しはその影響もあるのかな…)
放心していると、つんと鼻につく臭いがした。
「臭いまでありますね…」
「そうだね、まぁとりあえず安全そうな場所を探そうか」
「そうっすね、行きましょう」
リクの手を握るアヤネ
「手つなぐ意味あるの?」
「現実逃避っす」
二人は星空の下歩き始めた。
周りには木が生えているだけでそれ以外には何もない。月明りだけが頼りで薄暗い中だが二人には鮮明に見えていた。
「にしてもなんかいろんな匂いがするな」
「そうっすね、これが土の匂いなんすかね」
二人は土や植物を見たことない世代なのでこれが土の匂いなのかがわからない。
「現実世界じゃありえないからな~」
「そうっすよね!!映画の中みたいですし!」
楽しそうにいうアヤネ
「この状況でよくまぁ…」
「こんな状況だから楽しまないとやってらんないっすよ」
「そうなんだけどさ…」
「考え込んでたら禿げますよ~」
「うちの家族に禿はいないから大丈夫だよ、多分」
「禿げても嫌いにならないから大丈夫っすよ」
「もうこの話はいいよ!はやく人間を探そう!!」
「はいはい・・・なんか近づいてきます」
「あぁ、」
探知系のスキルによって周りにいる生き物に素早く気付くアヤネ。
”ガサガサ”
「おいっ!!」
顔を隠した集団が二人に近づいてきた。
「この人たちはいい人かな?」
「現実を見てください」
アヤネがツッコム。
そうして二人はこの世界で初めての人間との接触を果たした。