「隊長見に行かなくて、良いのですか?」
「見に行かねーよ黛3等陸尉、それにもうすぐ終わる時間だろ」
煙草に火を付け、咥えながら刹那は振り向かずに言う。
「今の貴方の気持ちを、的確に当てる自信があるのですが如何でしょう、聞きますか?」
「聞きたくねーよ」
「そうですか、残念ですね」
そんな黛を刹那は無視しただボーと、鉛色の雲が覆う空を見上げて舌打ちする。
「今の時期は隊の仲を、取り持つので大変ですね刹那さん」
「慣れたよ、慣れなきゃやってらんねーよ香織」
疲れたように、当たり前のように愚痴を零す刹那を、微笑みながら黛は見守る。
「今のは忘れろ」
「申し訳ありません。森宮刹那3等陸佐」
暫く、お互い笑いあって、笑い疲れたのか晴れ晴れとした顔つきに刹那はなった。
何時ものお約束のやり取りを、笑いながらやる2人は無意識に空を見上げる。
お互い話題は必要ないとばかりに、無言で屋上から天気の悪い空を眺め続ける。
「決勝戦が終わったらしいですよ隊長」
少し意地悪したくなり、刹那の気になる話題を切り出した。
「下の馬鹿共の騒ぎ声を、聞いてれば分かるさ」
そう言って屋上から立ち去ろうと刹那が、黛の隣を通る際に僅かだが刹那の耳元から、戦車道全日本高校生大会のラジオ中継が微かに聞こえてきて笑いを堪えるのに必死になった。
妙に静かで食い付きが悪いと思ったら、聴いてるとは思わなかったのだ。
少し意地悪をしたくなって、意地悪な事を聞いてしまった。
「戦車道は嫌いではなかったのですか?」
「嫌いなのは家であって、戦車道じゃねーよ」
黛のニヤニヤ顔を、見て刹那は舌打ちしながら雨の降り出した屋上を後にする。
「たーいーちょープラウダ優勝ですよー」
「須藤3等陸曹何ですかその言い方は、ちゃんと発音しそのだらしない格好を何とかしなさい」
「分かりましたママ」
「誰がママですか隊長も何か言ってください」
不貞腐れながらも、ちゃんと直すたあり根は真面目なのに普段の行動のせいで悪く見えてしまうが、憎めないのが須藤の特徴だなーと、思いながら二人のやり取りを見ていた。
「別に時と場所選べば良いのでは?」
「流石隊長わかってるー」
「もういいですよ、もう」
黛を無視して団欒室に須藤は駆け戻り、また皆と騒ぎ出した。
「仕事に戻るから、アイツらの面倒頼むよママ」
笑いながら屋上での仕返しとして、やり返す。
「分かりましたが、貴方まで私をママと呼ばないで下さいよ」
そんな言葉を、背中で聞き執務室に戻る刹那だが放置していた仕事量の多さを思い出し、重い足取りで向かうのであった。
ガルパンにお金の大半を使い生活が辛い(笑)