異世界No Life King   作:BiriBiri

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ふとした思い付きで書いた。

後悔はしていない、反省もしていない。


不死者

 

 

 

 

 

俺は所謂転生者だ。

二次創作モノなどではよく見かけられる、チート転生…又は神様転生。

まぁ、実際に俺を転生させたのは神様でも天使でもなく、悪魔だったのだが…

 

悪魔はこう言っていた。

『最近は実に詰まらない』…っと。

神様共が異世界に転生者を寄越し、王道なファンタジーを鑑賞しているんだが、主人公側がチート過ぎて一方的過ぎるんだ…っと。

 

剣と魔法のファンタジー世界で、漫画やアニメ、ゲームなんかの能力使って色んな事件解決したり戦争終わらせたり魔王倒したり…

実に王道過ぎて詰まらない。

 

多少設定やらストーリーやらがややこしくしているだけで、結局のところはテンプレ王道ファンタジーになってしまっている。

最初はまぁそんなもんだろうと楽しめていたらしいが、最近はそんなのばっかりで飽きがきた。

だから少しばかりイレギュラーをぶっ込んでやろう!っと言って実行に移し、俺に白羽の矢を立てたらしいのだ。

 

 

確かに俺は正義感やそう言ったモノが強い訳ではない。

どっちかと言うと悪党やら中々にイカれた作品が好きなスプラッタ野郎だ。

転生前は自衛隊に所属していて、何度手にした銃を人に向けてブッパしたいと思った事か…

 

 

平和な日本ではそんな願いは終ぞ叶うことはなかったが、悪魔のお陰で俺の願いは成就された。

悪魔は俺に言った。

 

 

『好きな能力をくれてやる。

だから神共が転生させたテンプレ共をブチ殺せ。

闘え、殺せ、踏み潰せ、蹂躙しろ。

チート能力を得て調子に乗ったガキ共を圧殺しろ。

ハーレム築いてウハウハしてる奴等を引き裂いてしまえ。

希望を持った群衆共を絶望に叩き落とせ。

平和な世界を再び混沌に陥れろ。』

 

 

そうして俺はチートを与えられ、その世界では強力な種族である“吸血鬼”として世界に転生した。

与えられた能力は《HELLSING》と言う作品に登場するキャラクターの能力が幾つか…

 

 

その力を持ってして俺は、異世界にて残虐の限りを尽くし、人類やら多種族やら、はたまたは同族からも恐れられるモノとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔界

 

 

其処は無数に存在する魔族達が跋扈する異次元の世界。

魔族の頂点である7人の魔王達が各地を収め、強大な力を持つ魔族達を纏めあげている。

 

 

魔王達は一人一人が一騎当千の力を持っており、その力はたった一人で一国を滅ぼす事も容易いと言う余りにも規格外な存在。

そしてそんな魔王達を支える側近、言わばファンタジーの定番とも言える四天王的存在である魔族達もまた、一線を画する怪物だ。

そんな怪物揃いな魔王達は今現在、巨大で不気味な、如何にもな城の中の一室にて集まっていた。

 

 

 

 

「さて、こうして皆が集まるのは久しいな。」

 

 

 

薄暗い部屋の中央、円卓の一席に座る一人の女性が静まりかえった室内で声を発する。

彼女の名は《セラス・グリードリヒ》。

血を連想させる真っ赤な髪に、東部より二本の羊の様な大きな角が印象強いグラマラスな女性だ。

出るところは出て、引き締まるところは引き締まっている、そのビキニアーマーの様な鎧と我儘ボディのダブルパンチは種族問わずに多くの男を魅了するであろう。

 

 

 

「今日こうして魔王の称号を担いし我等が集まったのは言わなくともわかっている事だろう。」

 

 

「フンッ、あの忌々しい“勇者達”の事だろう。」

 

 

 

セラスの言葉に答えたのは、彼女の対面に位置する席に座った男。

名を《エルドラード・グラトリウス》。

円卓の上で足を組み、尊大な態度を取るエルドラードは現在、その数多の女性を虜にするであろう美貌を嫌悪感により歪めている。

 

 

 

「そうだ、エルドラード。

我々魔王軍は《ヴァロンスフィア》へと侵攻した。」

 

 

 

《ヴァロンスフィア》

 

其処は魔界とは違った次元に存在する世界。

緑が生い茂り、広大な海が広がり、五つに分かたれた大陸に魔族以外の多種多様な種族が共存する世界。

魔界とは正反対な美しいその世界は、魔界よりも遥かに住み心地がよかった。

されど人類やエルフなど、彼等は野蛮かつ獰猛な魔族達との共存は不可能だと魔族を魔界に追い返し、彼等の存在を否定する。

 

 

温厚な魔族達が何人か隠れ潜んでいたが、見付かれば迫害され、隷属させられ、凡そ生物として見られる事無くその命を使い潰される。

 

 

そんな彼等の行いに遂に激怒した魔族達は、ヴァロンスフィアへと侵攻を開始する。

しかし、そんな彼等魔王軍の前に立ちはだかったのが先の会話に出てきた勇者達だ。

 

 

 

「勇者…奴等は我々にも匹敵する程の膨大な魔力を保有し、聖剣や魔剣を保持し、果ては我々が見た事も聞いた事もない様な魔法を操り我々の侵攻の邪魔立てをした。

奴等の事に関しては、実際に戦った《ジュラ・リィースト》、お前の方が詳しいだろう。」

 

 

そう言ってセラスは、ジュラと呼ばれた同じ女性の魔王へと目を向ける。

其処にはセラスよりもやや歳上と言った、紫色のウェーブがかかったロングヘアの女性が座っていた。

見るものを釘付けにする巨乳で、胸元を大胆に見せ付ける様に着た黒のドレス。

その鋭利な刃の如き鋭い眼で見続けられれば、そっちの気が無くとも何かに目覚めてしまうだろう美貌を持ったジュラは、エルドラード同様に苛々を隠そうともせずに口を開いた。

 

 

「全く持って忌々しかったわ。

私の放つ魔法は聖剣で切り裂かれ、私の率いていた軍は見た事も無い雷系統の魔法で焼き尽くされて…

挙げ句の果てにはこの…私のっ……顔をっ……っ!!」

 

 

ジュラの右目の下、其処には鋭利なモノで切られたであろう傷が出来上がっていた。

その美貌を怒りで歪ませ、頬の傷をなぞりながら卓に置いていた手に力が入り、円卓に蜘蛛の巣状のヒビが出来上がる。

 

 

「落ち着かんかジュラ。」

 

 

このままでは怒りで円卓を破壊しかねないと見たジュラの隣に座る大柄な男、《ブロッケン・ラウス》が落ち着かせようと彼女の肩に手を置く。

 

 

円卓にいる魔王達の中でも、ブロッケンは最も人よりかけ離れた容姿をした存在だ。

その容貌は一言で表すならば獅子。

黄金の体毛に二メートルを超える巨体、そして手は人と同じ五本指で二足歩行のワービースト。

獣魔族と呼ばれる種を束ねる魔王である。

 

 

 

「ありがとうブロッケン。

さて、ジュラが言った通り、奴等は我々の弱点とも言える聖気を帯びた武器を所持し、我々魔族の大隊を蹴散らす程の魔法を行使する。

そんな我々に並ぶ化け物染みた存在だ。

そんな奴らが…確認出来ただけで10人もいる。」

 

 

「じゅ、10人も!?

おいおいまじかよセラス!?」

 

 

静かな円卓の席の中で、セラスの言葉に大きく反応した一人の女性。

彼女の名は《ハイドラ・プリィースト》

褐色の肌に頭部から生えた二本の角が特徴の彼女は、魔竜族と呼ばれる竜種を束ねし魔王。

胸元や腰、肩や腕は竜特有の強固な鱗に覆われており、それらが鎧の役割を果たしているため彼女には鎧と言ったモノは必要としない。

服装は腰元に巻かれた布のみで、幾ら人外の鱗が張り付いていようとも、その豊満な胸は多くの男の目を惹きつける事間違いないだろう。

 

 

「アタシはまだその勇者って奴等と殺り合った事はねぇが、あのジュラが手傷を負う程の手練れなんだろ?

そんな奴等が10人って…」

 

 

「その10人と言う情報も、まだ不確かなものだ。

下手をするとまだ確認出来ていないだけで、まだまだ隠れ潜んでいる可能性もあるのだ。」

 

 

 

重くなる空気に押し黙る魔王達。

ジュラは魔王の中でも飛び抜けた存在だ。

6人いる魔王の中でも一二を争う程の手練れである。

そんな彼女がたった一人の勇者に敗れ、撤退を余儀無くされたのだ。

その意味がわからない魔王達ではない。

 

 

「あの〜…」

 

 

静まりかえる円卓の中で、一人の魔王が手を挙げた。

《リリス・スロウスィー》

煌めく長い銀髪に、毒気を抜かれる程の幼い容姿。

見るものを萌えさせる可愛らしい顔をした彼女は、恐る恐ると言った様子で立ち上がった。

 

 

 

「どうしたリリス?」

 

 

「あ、あの…コレはもぅ、“彼”に協力を求めた方がいいのではないでしょうか?」

 

 

リリスの言った“彼”と言う単語に、他五人の魔王の表情が一瞬にして強張った。

7人いる魔王の中で、唯一この席に存在していない最後の魔王の一角。

先の会談よりも更に重苦しくなった室内にて、セラスは強張った表情のまま捻り出す様に言葉を発すた。

 

 

 

「奴に…頼むしかないのか。

《ノスフェラトゥアーカード》…」

 

 

 

不死者《ノスフェラトゥ》と言う異名を持つ最後の魔王。

吸血鬼の王にして魔王の中でも一際飛び抜けた化け物の中の化け物。

魔王達が集う城より遥かに離れたとある洋館にて、一人のアンデッドは何かを察したのか、不気味に笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

「クククッ、漸くか。

漸く私の出番と言うわけだな悪魔よ。

クックックッ…クァッハッハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」

 

 

 

 

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