インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者 作:カオスサイン
ルナベース大型ドーム内にて Side音六
「…」
私達は束博士がシャーロット博士との協力を得て造られたロケットで月面にある基地へと上がっていた。
ツクモのことは一時的に鈴ちゃんに託したからまだISの願いは叶っていないけど…また絶対…。
もうすぐそこまで私達のそれぞれが大好きで大切な人を取り戻す為のライブの開幕が差し迫ってきていた。
「何か不安なのかい?」
「ううん?…私もやーちゃんも信じて続けて全力でやる!…カレンちゃん達だってそう…」
「そうですよ!」
「私達も真逆、月でライブが出来るなんて思いもしなかったから緊張するけど全力でやるわよ!」
「どうやら先輩であるこの私からの直々のありがた~いアドバイスは要らないようね…」
「アンタも来てくれてたのねキャロ!…ってかあの子達はアンタのじゃなくて私の後輩なんですけどぉ?!」
「はいはい其処!喧嘩仕掛けない」
「あはは…」
「兎に角、皆で円陣組んでせーので展開するわよ!準備は良いかしら?
じゃあ、せぇーの…」
「「歌姫降臨/聖符/(疑似)百武装&恋愛武装展開!!」」
事前準備を既に済ましていたコメット姉妹以外、カレンちゃんとサクラちゃんは何時もの様に綺麗な桃色の翼とドレスアーマーを展開、武芸者ではないキャロちゃんはあらかじめシャーロット博士から渡されていた疑似百武装を展開しカレンちゃん達と同じタイプの派手な黄金色のドレスを纏った。
やーちゃんと私は束博士が恋愛武装のデータを利用して作り出し、恋愛指輪に収納してあった恋愛儀装〈ラブ・ドレス〉、やーちゃんが白、私は付喪紅炎装を展開後に水色のを纏った。
「皆それぞれの段取りとかはちゃんと把握出来ているわよね?それじゃあもうじき開演行くわよ!」
「「うん!!」」
ライブの開始時刻が遂に訪れサクラちゃんを先頭に私達は会場へと足を運んで行った。
Sideカレン
「はうう~…まだ緊張がぁ…」
「大丈夫よカレンちゃん。
此処で怖気付いていられない事は分かっているでしょう?カレンちゃんはカレンちゃんの想いを貫けば良い!…」
「は、はい!頑張らせて頂きます!」
サクラさん達と励まし合い会場に向かいながら再度段取り等を確認し合う。
まずライブ開始は私とサクラさん、キャロさんの一通りのライブ(この時はこの世界ではイチカさんのお友達限定で生配信が届けられてる)、次にファニールさんらコメット姉妹のライブ、そして生配信は二つの世界に一気に切り替えられ音六ちゃん達を紹介し加えた合同SPライブといった感じで行われる。
その最中でイチカさん達や地上で今も尚戦っている皆さんの事を告げて人々の想いを繋ぎ届けなければならない。
そうこうしている内に会場に着いた。
会場に足を踏み入れると中は事前抽選に当選する事が出来た超満員のファンの皆さん達で埋め尽くされていた。
「おっ待たせぇ皆ぁー!ライブ開始いくわよ!」
「よ、よろしくお願いしますね!」
ステージに上がった私達の挨拶を受けて一斉に歓声が上がってくる。
「まずは一曲目、「MyPlayer」いっくよー!♪~」
ライブがスタートし私とサクラさんは私達の唄を紡いで行く。
そしてサクラさんのソロ、私のソロ、次にキャロさんのソロが終わり、コメット姉妹がステージへと踊り出る。
尚更熱の篭っていくファン達の歓声も楽屋にまで響いてきていた。
「私達の声、届いていますよね?イチカさん…」
それと地上で今も尚戦い続けている皆さんもどうか!…私はその様な事を思いながら自分の中でもう一度リハーサルをするのだった。
Side音六
「…」
「分かってはいたけどやっぱり凄いね!…」
私とやーちゃんはライブを観に来てくれている大勢の観客の人達を見て今迄感じた事の無い高鳴るキラキラした気持ちが沸き出てきていた。
「『次はこの合同生ライブの特別ゲストの登場だよー!
皆大歓声で迎えてあげてねー!』」
「やーちゃん行こう…!」
「そうですね!」
オニールちゃんからの合図と電波が切り替えられ今度こそ二つの世界への中継が始まったはやる気持ちを胸に私達はステージへと上がっていった。
すると観客達は物凄い歓声を上げて出迎えてくれる。
「皆!実はこの生中継ライブを急遽開催したのには理由があるの…」
初めにファニールちゃんが話始めていく。
「ふぁ、ファンのみ、皆さんには未だに公表していないんですけど私達にはそれぞれ大切な人が居るんです!」
戦いの映像を出した後、意を決したかのようにカレンちゃんが告げると「え…」とか小声でちらほら聞こえてきた。
「その大切な人や一部の人達は今も尚地上で地球を守る為の戦いを繰り広げているの!だから皆の声も彼等に届けて欲しいの!」
サクラちゃんが必死な声で観客達に告げる。
「「私達からもお願いします…!…」」
私達も頭を下げて叫んだ。
しばらくすると大多数が納得してくれたのか再び歓声を上げてくれた。
「よっし!それじゃあ、ライブを続行していくわよ!音六ちゃん、矢千夜ちゃん!」
「OK!」
「うん!…歌おう!…♪~~」
気を取り直して私達は全力で希望と愛を繋ぐ歌を紡いだ。
その頃、時空間に囚われ続けていた者達 Sideイチカ
「『!…』」
「リザさん?…むっ!」
「こ、これは!…」
「ああ…!」
「間違い無ぇ!…」
ふとリザさんが何かに気が付き訝しんでいると俺も、否皆もそれに気が付いていた。
「確かに彼女の歌声が、音色が聴こえてきている…!サクラぁぁー!」
「ファニール!オニールーー!」
「うおおおおー!音六ぅぅー!矢千夜ぉぉー!」
それぞれの愛しい人の声が、いやそれだけじゃない…地球のたくさんの人達の想いも確かに聴こえ俺達を再び奮い立たせる源となる。
「カレン…皆!今戻るからな!…よしやるぞ!」
「「おう!」」
俺達は空間に向けてそれぞれの技を放ち巨大な風穴を作り其処に飛び込み空間を脱出した。
Side鈴
「!?あれって!…」
奴等を僅かまでようやく減らす事が出来、流れてくる音六ちゃん達の歌を聴きながら一息ついていると残っていた残存勢力は突如発生した空間の亀裂から降り注いできた無数の閃光によって一掃された。
「イチカ!…それに春季達も!…」
その空間から出てきたのはこの事件の黒幕を打倒し帰ってきたイチカ達だった。
「ただいま!…」
「ようやく…ね!…」
私にはその笑顔が堪らなく嬉しかった。
Side音六
「「!…」」
歌っている最中であったが私達は確かに愛しい人の温もりを確かに再び感じ取った。
外の映像を見てみるとサベージ達が一層されそこにはーくん達の姿があった。
「それじゃあ…次でラストミュージックいくわよ!「Lovewithyoyu」♪~」
正に地球の危機を救った英雄の帰還で会場の皆も大いに盛り上がり、サクラちゃんの号令でラストスパートの歌が紡がれた。
こうして約二日と数時間に渡る私達の戦いは歴史的大成功を記録をも告げたのだった。