インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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プロローグⅢ 新たなる出会いそのⅡ

「せいっ!やっ!はあ!」

「そらそらぁっ!腰にもっと力を入れろイチカ!」

義父さんとの鍛錬は日々俺に心技体共に進化を促していった。

トウカの一件が無事に終わって数日が経った。

ホクト先生の形見の品でもある試作型ハンドレッドの刀はトウカに受け継がれ、一方ソウカさんの形見である星型のペンダントはというと…

~剣崎家の会合が終了した後~

「イチカ従兄上!

お前が私の事で親戚の者達に意見したとリュウセイから聞いた時は流石に焦ったぞ…」

俺は事の詳細を義父さんから聞いたトウカに正座させられこっぴどく怒られていた。

「その…心配かけてすまないトウカ…でも大人達の勝手な都合でたった一人の大事な従妹が不幸な目に遭うかもしれないと思ったらいてもたってもいられなくてな…」

「い、イチカ従兄上!?…///~」

気付くと俺はトウカを思いっきり抱きしめていてしまっていたのでハッと我に返る。

「あー…そ、そのスマン!」

「あ…」

当のトウカはというと顔を赤らめたかと思うと即座に後ろを向いてしまった。

「どうした?」

「な、なんでもない!///そ、それよりもだ!是非とも従兄上に受け取って欲しい物があるんだ」

「トウカが俺にか?」

「何故そこで不思議そうな顔をしてるんだ従兄上は…これだ」

「コレって…」

トウカが俺に手渡してきたのはソウカさんがいつも首に下げていた紅い星型のペンダントだった。

「…ってこれはお前にとっても大事な母親の形見の品だろ!

俺なんかが受け取れないよ」

俺は慌てて突き返すが

「いやいいんだ…私には父上の刀があるし。

だから是非とも母上のこのペンダントは従兄上に持っていて欲しいんだ!」

トウカはそう言いながら自身の首からペンダントを取り外し俺の首へとかけてきた。

「そ、そうか…トウカがそこまで言うのならこのペンダント大事にさせてもらう事にするよ」

「うむ!それはやはり従兄上にも似合うな!」

「なんだか照れくさいな…」

「あ、従兄上それでもう一つ話をしたいのだが…」

「なんだなんだぁ~?こんな所でイイ雰囲気出してお前等秘密の話でもしてるのかぁ?」

「ワッ!?りゅ、リュウセイ!?」

「義父さん…突然割り込んでこないで下さいよもう…」

更にトウカが何か言おうとしてたようだが義父さんが割って入ってきたので止まってしまう。

「あちゃあ~…邪魔して悪かった!でも当主の爺様の側近がトウカの事探していたぞ早く行ってやれよ」

「わ、分かった!…」

「あ…」

トウカは義父さんにそう言われさっさと行ってしまった。

先程トウカは何を言いたかったんだろうか?

俺が考えていると義父さんはなんかくすり笑いをしていたのはなんでだ?

「{トウカの奴…さてはイチカに気をもったな。面白いから本人には黙っておこう}」

それから2年が経過したある日ソレは起こってしまった…そう<第二次遭遇>…セカンドアタックが。

「そっこだあ!」

義父さんの試作型ハンドレッドの刀「闇切」と「剣先流」の技を以て俺は飛来した初のサベージ退治に日々明け暮れていた。

「しまった!ぐあっ!?…」

でもやはりといった所かあくまでも試作品である闇切とまだまだ未熟な俺の腕ではあまり良いという戦果を得る事が出来なかった。

「イチカたまには休息も必要だ。

サベージを取り逃がしたのが悔しいのは分かるがそう気を切り詰めていたら守れるものも守れなくなるぞ。

だからリョウコさんの所でゆっくりしてこい」

「分かったよ義父さん…」

義父さんや武芸者仲間からしばしの休息を貰った俺は孤児院を経営しているリョウコ叔母さんの所へと足を久し振りに運ぶ事にした。

「あら剣崎さん所のイチカ君じゃない!久し振りねぇ~!」

「お久し振りです!リョウコ叔母さんしばらくぶりですがお世話になります」

「良いのよ良いのよ!イチカ君みたいな子ならいつだって大歓迎よぉ~!院内の子供達だって喜んでくれるしね」

「あ!イチカお兄ちゃん来てたんだー!」

「本当だ~!」

足を運んだ俺はすぐに孤児院の子供達に囲まれた。

皆俺を慕ってくれている良い子達ばかりだ。

来る度に剣道の稽古を教えたりもしているからな。

「そういえば新しい子が二人入っているけどまだ顔合わせはよした方がいいかしらね…」

「もしかしてで第二次遭遇でサベージに?…」

「ええ…なんでも家族旅行の最中に襲われたらしくてね…今日迄旅行先の孤児院に入居していたみたいなんだけどね…」

やはりか…少なからずサベージのせいで大事な家族を…それも肉親を亡くしてしまっているとは…

「任せて下さい!俺がなんとか打ち解けてみせますよ。今何処にいます?」

「イチカ君が?なら安心ね是非お願いするわ。お兄さんの方は今出掛けてるけど妹ちゃんなら裏庭にいる筈よ」

「ありがとうございます」

早速俺は会いに裏庭へ足を運んだ。

♪~

「む?…」

裏庭に近付くと綺麗な歌声が聞こえてきた。

「♪~」

「良い歌声だな…」

「だ、誰!?…」

口にだすつもりはなかったがつい出てしまい歌う邪魔をしてしまったようだ。

これが俺の運命の出会いだった。

振り向いた少女は俺を不思議そうな顔で覗き込んでくる。

「スマン!君が歌うのを邪魔するつもりはなかったんだが…叔母さんが心配しているみたいだったから様子を見に来たんだ」

「あ…」

俺が声をかけると少女は顔を赤くしながら俯いてしまう。

「悪かったな邪魔して」

俺は必死に少女に謝る。

「い、いえそうじゃないんです!ただ…カレンは恥ずかしくて…うぅー~///」

「良かったらお話しないか?俺は剣崎イチカだ」

「え…良いですよ。カレンは如月カレンといいます」

それから俺はカレンちゃんと色々話をした。

「それで兄さんはですね…」

彼女と彼女のお兄さんを残して両親が亡くなってしまった事や唯一の大切なお兄さんの事、お兄さんには黙っているが彼女の足が日に日に少しずつ動きが悪くなっていっている事等だ。

「でももう隠しきれない…カレンはどうすれば良いんでしょうか?…」

「カレンちゃんはお兄さんの事大好きなんだな。

心配無いだろう…お兄さんがもしそれで君を嫌うというのなら俺がブン殴って目を覚ませてやるから」

「それはやめて下さい!」

「あ…スマン!熱くなりすぎたみたいだ…」

俺がそう言うとカレンちゃんが泣きそうになったので慌ててなだめる。

「クス…そうですよね兄さんはそんな人じゃないってのはカレンが一番良く知っていますから」

途端にカレンちゃんは舌を出しながら笑う。

「う!…」

か、完全に騙されたぜ…でも彼女のそんな笑顔は俺をドキリとさせた。

「カレン!こんな所に居たのか…ン?」

「あ、兄さん!」

向こうから男の子が駆け足で向かってきた。

「君がカレンちゃんのお兄さんか?」

「あ、ああ…俺がカレンの兄の如月ハヤトだよろしく」

「俺は剣崎イチカだこちらこそよろしくな!」

俺とハヤトはがっしりと熱い友情を交わし合った。

その後ハヤトが剣崎道場に弟子入り志願をしてきたのは驚きだったが。

 

 

 

 

 




やっと長いプロローグが終わった。
次でIS本編入れるな!
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