インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者 作:カオスサイン
嬉しい限りです!
EPⅩⅡ「再会の中国娘と春季の憂鬱PARTⅠ」
Sideイチカ
「という訳でクラス代表は織斑秋彦君に決定致しました!」
山田教諭がそう全員に告げる。
「ヘッ?待って下さい山田先生俺はイギリスお嬢との一勝だけなんですがどうして?…」
「それは俺達が辞退したからだな」
俺は最初からやる気等は無く、サベージ駆逐の事もある。
賢姉殿のせいで巻き込まれただけなので勿論即刻辞退、春に至っては修行不足を理由に辞退した。
「ならここはイギリスお嬢にでも譲り…」
「私も今回は辞退させて頂きましたわ」
愚兄がオルコット嬢にそう言うが跳ね除ける。
彼女に至ってもほぼ春と同じ様な理由で辞退していた。
「異論は無いな?」
「せ、精一杯やらせて頂きます…」
「頑張ってね秋彦君!デザートフリーパスがかかっているんだからね!」
欲望丸出しの一部クラスメイトさんよ…今の愚兄でクラス対抗戦を勝ち抜けると本当に思っているのか…。
良識なクラスメイト達は彼と欲望丸出しな生徒を冷ややかな目で見ていた。
まあ愚兄はそんな事には気が付かず彼の頭の中では今頃果てしない勘違いをしている事であろう。
「転入生?」
「うんそうだよイッチー~。どうやら明日から正式に隣の2組それと5組に入るらしいよ~」
休み時間になって再びクラス対抗戦の事と別のクラスに転入生が入った噂の話題で持ちきりになっていた。
それで俺をイッチーと呼ぶうちのクラスマスコット的存在であるのほほんさん(本名 布仏本音さん)がそう言ってきた。
「何処からの転入生か他に情報はあったりしないか?のほほんさん」
「確かね~…中国とイタリアからだったかな~?」
「ほう…」
中国と聞いて俺は思い出す。
此方の世界で唯一信頼を寄せられた人物の内の一人を…イタリアの方は勿論全く身に覚えが皆無なので後で調べておくか。
「専用機を所持しているのはウチらのクラスと確か4組だけだし余裕だよ!」
フリーパス狙いのクラスメイトがそう言う。
4組の専用機持ちは確か更識会長の妹さんだったな…後で春に聞いた事だが愚兄の専用機が最優先にされた事で彼女の機体開発が見送られてしまったそうだ。
なので自身で機体を組み上げている最中なんだそうだ。
あの愚兄は一体どこまで他人に迷惑をかけるんだよ…。
「だが少し待ってほしい。
確かIS学園の編入試験はかなりの高難易度の筈だ。
それを突破してきたって事はその転入生達は専用機持ちの代表候補生である可能性が高いぞ」
「あ…ああ!?」
「そういえばそうだよねえ…」
実際に編入試験で山田教諭と模擬戦をやり合った俺は思い出しそう言うとフリーパス狙いの子は絶望した様な表情をし同時に思い出した子達が頷いてきた。
「あーその…」
なんだ…フリーパスはもう諦めてもらうしかないなこれは…。
なにせ相手は努力と言う文字が辞書に無いあの愚兄なのだから…これは早計だったかもしれないな。
その後、愚兄のクラス代表就任パーティーが開かれそこに来た新聞部部長の黛薫子先輩にそれぞれ取材された。
そして俺はというとカレンと恋人同士だという事がどうやら先輩達にも伝わっていたようで根掘り歯掘り密着取材という名の拷問を受けそうになったのでカレンと共に教室からさっさと退散するしかなかった。
あー怖かったぜ…でもその時オルコット嬢の表情がなんか青ざめていた気が…それとなんか春が上の空だったような…。
「と…例のもう一人の転入生の情報を調べるか」
件のイタリア代表候補生であろう転入生の情報を調べていた。
が…随時更新される筈の学園のデーターベースになんでか他に情報が無かったのだ。なんでだ?もしや…
その頃、IS学園付近にあるホテルでは…
「…」
少女、鳳鈴音は…いや彼女だけではないホテルの他の客やボーイ達も彼女の目の前に座っているもう一人の少女の食いっぷりに皆唖然としていた。
「IS学園に着く迄ほぼなんにも口にしていなかったって…」
だからといってこの食いっぷりは異常で少女からは想像もつかないのである。
紫の綺麗なロングヘアー+ミニツインテール、青と金色のオッドアイという正に神が与えたであろうなんたる可愛らしい美貌。
同性でノンケである鈴音も思わず見惚れる程のスタイルの持主なのだ。
そして鈴音が思わず「ぐぬぬ…」と言いたい程のそう!巨乳であった。
「なんなの?その完璧過ぎるスタイルは!…やはり養分が頭に回っていないんじゃないの?」
「にゅ?…家から持ち込んできた携帯食料は全部この子達にあげちゃったから」
「ニャー」
「ワン!」
鈴音に半ば嫉妬を交えて若干馬鹿にされた事に気付かなくそう言う少女の傍らには数匹の犬や猫がいた。
皆野良の動物達だ。
「アンタ動物に懐かれやすいタイプなのね…でもその野良の子達が呼びかけてくれなかったら私もアンタが行き倒れになっているのに気が付けなかったわ」
「うん、本当に感謝…勿論私を此処までおぶってきてくれた鈴ちゃんにも感謝!」
そう彼女は動物達のおかげで偶然同じIS学園という場所に向かう最中だった鈴音に発見される迄の間空港を大分過ぎた所で襲い来る空腹に遂には耐えかね生き倒れていたのだ。
鈴音が少女の首にぶら下がっていた生徒手帳を見た事で同じ学園の生徒だという事が分かり予定外にタクシーで向かう事になってしまったのは別の話。
「そういえばアンタの名前ってどう読むのか良く分からなかったんだけど教えてくれる?」
「うん。私は音六・フェッロン・セラフィーノだよ。音に六と書いてねむ」
「音六ね、へーアンタハーフだったのね。
そのスタイルもそれなら納得がいくわね…ある部分以外は…」
「?」
鈴音は音六の容姿のパーフェクトさに納得がいくがそれでもある部分にはいっていないようだ。
何処の部分とはもうあえて言わないけど。
「ま、同じ代表候補生同士のよしみだし音六、アンタも友達よ!」
「うん!」
鈴音と音六は互いに握手を交わし合った。
その夜
「はー…予定が大幅に狂って編入が明日に持ち越されるなんて予想外だったわよ…ン?そういえば音六のファミリーネームってどっかで聞き覚えがあるようなないような…まそれより明日からの学園生活に備えて寝る!待っていなさいよ一夏、春季!」
鈴音はベッドの中で一人高らかに宣言していた。
一方…
「みゅ…はーく…zzz~…」
隣で寝ている音六が寝言で誰かの名前を呟いてる事に鈴音は気が付く事はなかった。