インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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EPⅢⅩ「それぞれの救済PARTⅡ」

Side春季(冬貴)

「…」

事前にヤタさんがツテのある人に頼んで今の世では第三位のシェアに落ちたデュノア社に対しての恰好の餌を撒いてもらい俺はシャルに紹介して貰うという形で夏季斑 冬貴という偽名を名乗り社長夫人に接近していた。

正直初めてのグレーゾーン…いやブラックゾーンに足を踏み入れてかなりの冷汗を感じている。

「如何です我が社のIS技術の結晶は?

かなり画期的な代物であると我々は自負していますが」

「…」

俺はイチカにい…じゃなかったAが考案していた新機体の中には…おっとこれ以上は後に判明する事だ、ここでは伏せておこう。

イネス夫人に詳しいデータベースを見せて彼女の反応を見る。

 

Sideイネス

「これは確かにかなりの魅力的な代物の数々ばかりですわね…だけどなんでウチみたいな企業にこの権利の売り込みに来たのかしら?」

私は少しばかりこの話が怪しく思えてくる。

部下に下調べさせて大丈夫との事だったから彼を招き入れたものの何故こんなに簡単に敵である筈の別のIS企業なんぞに売り込みに来たのかしら?…

私ならこんなにおいし過ぎる代物にそんな愚かな事は絶対にしないで独占するわよ。

「はは…誠にお恥ずかしい限りな話でなんですがその…ねぇ…材料面においては不自由していないんですがね…」

「…ああ、そういう事ね」

IS技権の男、夏季斑が髪をわしゃわしゃしながら話してきた内容は私にも納得せざるを得ないものだった。

彼が言うには材料面は潤沢しているがとにかく資金面が未だに苦しいとの事。

なんならもういっその事だから信頼の寄せられる他企業へ権利にして売っ払ってしまおうという事か。

「それでご契約の方なんですが」

「どれ…ほ、保証金!?」

私は驚く。

私からたかろうとでもいうの?!

「それだけは上司がどうしてもと譲らないのでして…でもご安心下さい!

あくまでもそちらのキャンセル料を含む形の先行保障金という事になるので生産体制が整ったら返金致しますので」

「…」

そういう事か。

恐らく資金面が乏しい企業上層部が少しの間だけでも現金を傍に置いておきたいのであろう。

この契約によって支払う事になる金は保証金を含めると合計で一億二千五百万か…出せない訳では無いのだが現在、会社にプールしている持ち金の四割程の額…。

「少しお時間を下さい。

考えさせて頂きますわ…」

「そうですか。

なら今日の所はここで失礼させて頂きますね。

なるべく良いお返事を期待していますよ」

私はたとえ四割だろうともし不慮の事態に陥った時の事を考え契約を保留させて貰う事にした。

 

Side春季(冬貴) 

「ど、どうだったのかなアレは?…」

シャルがオドオドしく聞いてくる。

「デュノア社再建という今後の事があるから少しばかりの慈悲で四割程の金額に収めてやったていうのに…寄生虫の真似事をやっているだけの癖に不慮の事態に備えているねアレは…」

第一段階はまあそれなりという成果という所だった。

「そ、それでどうするのこれから?」

「奥の手を使うしかないようだね」

第二段階の仕掛けに入ろうとしよう。

 

その頃、Sideイチカ

俺はデュノア社の背後に潜む影についてフランスの図書館で調査を進めていた。

「春の奴は今頃上手くやっている頃か…ム!?」

殺気を感じ後ろを振り向く。

気のせいだったか…付近で誰かに見られているような気がしたのだが…

俺はすぐに気を取り直し進める。

「コイツは!…」

最新のフランス一帯を含むこの世界各国の研究所一覧をPCで検索し閲覧しているとある六つの研究所について気になる点を発見する。

「この六つの研究所の頭文字を合わせると…O、R、V、W、E、Sとなる。

俺はこの頭文字が全て名前にある奴を唯一一人だけ知っているぞ!

この六つの地点の研究所を重点的に他もしらみつぶしに調べてみる他ないか…」

俺は一企業に潜む影が予想外に残していた法則性に気が付き調べを急いだ。

 

 




次回、デュノア社の背後に潜む影が残した法則性に気が付いたイチカは調べを急ぐ。
一方、イネス夫人を件の契約に対して焦らせる為に春季は仕掛けの第二段階へと移行する。
「それぞれの救済PARTⅢ」

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