インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者   作:カオスサイン

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推奨BGM用意イィー!


EPⅢⅩⅡ「それぞれの救済PARTⅣ」

Sideイネス

「遂に!…遂にやったわ!これでこの会社ももうしばらくは安泰ね!」

開発権を譲渡された契約を結んだ直後、私は早速夏季斑から送られてきた設計図を用いて量産体制に入らせた。

量産が完了し売り出すと飛ぶ様に売れて私は狂喜乱舞していた。

後はこの譲渡権利を誤魔化して他の企業に売りつけて特許侵害で訴えを起こせばたちまち賠償金がガッポガッポよ~!

「とりあえずは第二位と第一位にのさばっている奴等に売りつけてやったし後はそうね~…ウチみたいに検討していたモルゲンレーテ社にも売りつけなきゃね~!」

ウキウキ顔と浮き足でモルゲンレーテ社に購入交渉をしにいったのだが…そこで私はとんでもない事を聞かされる事になる。

~モルゲンレーテ社~

「デュノア社社長夫人、イネスさんでしたっけ?…貴方このISの設計図一体何処で入手したのですか?」

「ええ、それは契約ででもそれは…」

私が持ってきた設計図を見てモルゲンの担当者が難しい顔をして聞いてきたので返答する。

なんだというの?

「デュノアさん、はっきり言わせて頂きますよ?

これは我がモルゲンレーテ社が開発予定である新型ISの設計図なんですが…」

「は?…」

今この担当者何て言った?

我が社が開発予定の?…

「それに残りのものも調べてみましたが全て我が社を含む他企業のものもあるみたいですね…これは一体どういう事ですかね?…」

「んなっ!?…」

他の企業のものも含まれているですって!?…

PiPiPI!

私が驚愕しているとスマホが鳴った。

デュノア社の方で何かあったらしく気が付かない内に部下から何件も着信が入っていた。

私は席を一旦離れ電話に出る。

「はいもしもし…」

「『夫人さんやっと出た。

今、サツが令状持って社宅捜索するとかきたんですよ!』」

「なんですって!?…一体どういう事なの!?」

「『なんかウチが先日売りに出した新型ISが実は他社の盗作なのではないかという疑惑がかかりまして…』」

「!…後でまたかけ直すわ」

「『あ、夫人!?…』」

やられた!…そう思った時には既に遅かった…。

急いでアイツに…夏季斑に真意を問いたださなくては!…

 

Side春季

「『はい、もしもし?』」

「あ、夏季斑さんこれは一体どういう事なんですか!?」

俺が電話に出るとイネス夫人が鬼気迫る声で怒鳴ってくるが意に介さない。

「『どういう事って?ああ、仕掛けが発動したって事かな?』」

「『お義母様さよなら!…』」

「し、仕掛け?…それにシャルロットアンタ何を!?…」

一瞬だけシャルに変わり一言言わせた。

 

推奨BGM「抱いてセニョリータ」

「『そうそう、アレ我が社が考案した新型ISの設計図なんて唱っていたけどその中身というのは実はハッキングという裏√で入手した他社の開発予定の新型IS設計図だったワケ。

そんなものをアンタ達が使って売りに出したら…後は分かるよね?』」

俺は壮大なネタバレを披露する。

「そんな!?…だってちゃんと調査したのよ!?」

「『イネスさん、アンタ馬鹿なんですか?』」

「なんですって!?…」

俺はイネス夫人をおちょくるように引き続きネタ晴らしをする。

「『アンタ、こんな世の中なくらいだしいくら自分の派閥の人間だからって同じ人間を長期間信用しない方が良いよ?』」

「!…夏季斑、アンタまさか!?…」

「『ご想像の通りですよ。

俺はあるツテを使ってイネスさん、アンタの派閥にいる人間の弱味を握ってあたかもちゃんと調査したかの様に仕向けさせたんだよ…まあソイツも俺が警察に流した情報でアンタと一緒に法に裁かれる運命は変わんないだけどね。

ああそうだった、モルゲンレーテ社に売り込みに行ったっていうのはアレ嘘だから。

プライドが無駄に高いアンタの事だ。

一度は断ったとしても自分らよりシェアが下の連中に取られるぐらいなら自分が…と考えるだろうと思ったからね。

おかげで予想していたよりも多目に巻き上げ…じゃなかった騙し取り返せたよ』」

俺のネタ晴らしに電話の向こうの夫人は唖然としている事だろう。

「夏季斑…あ、アンタ一体何者!?何が目的!?

もしかしなくてもあの娘とグルになってた訳ね!」

「『シャルはあまり関係無い。あくまであの広告を見た後アンタが食いつきそうだと思って俺を紹介させただけに過ぎない。

そしてアンタはついさっき彼の事をシャルロットと言ったな?』」

「あ…」

イネスはしまったとばかりに顔を引き攣らせているに違いない。

「『まあアンタ等を調査させてた途中で分かった事だけどな。

その事も含めて俺が今回アンタ等に仕掛けたんだ。

それと俺の事だっけか?うー~んあえて分っかりやすい偽名にした筈なんだけどな…所詮は俺や他の二人自身ではなく機体にだけ目がいってただけの単なる寄生虫だよイネス夫人、アンタは!…』」

「だ、誰がたかが寄生虫ですって!?…」

「『夫を…そして例え夫の愛人の義理の娘といえど一切愛する事はせずに只会社とその金目当てで略奪結婚し巣食っているだけのアンタの何処をどう見たら寄生虫じゃないと言えるんだ?』」

シャルの父親への本当の想いを無理矢理封じ込め、そしてローグさんの必死な努力で積み重ねてきた汗と涙の結晶をコイツは一瞬にして蔑ろにしようとした。

両親がいない俺だからこそ分かる。

父親という片方だけでも信じられる家族がいる彼女には幸せになってほしいと。

だからコイツを含む加害者は法で裁かれなければいけない。

「ま、まさかアンタは男性操縦者の一人の織斑春季!?…」

「『ようやくご名答。

今頃ローグさんや良識派の社員は皆、アンタの牢獄から解放されている頃だろうな』」

「私にこんな事しでかしていくらなんでも只で済むと思っているの!?」

「『どの口が言うんだか…最初に言ったろいくらアンタがわめいた所で何の意味も無い…いくらこんな世の中でも庇い切れる事には限度があるんだからな。

俺が買収していた社員も含めてアンタらの派閥の者は皆、法で裁かれる運命だってな。』」

「そんな!?何故私が!?…」

まだ被害者面するイネスに俺はトドメをかける。

「『まだ自分の置かれている立場が理解出来ていないようだから言ってやる。

アンタ、以前に他の企業に詐欺を働いたろ。

それに政治家との癒着も。

その証拠なら俺のツテがバッチリと掴んで俺が二度目に出向いた時に社の机の下に丁寧に置いておきましたよっと。

今頃警察が社宅捜索で発見してアンタ等の逮捕に動こうとしている筈だぜ?』」

「!?」

 

Sideイネス

「そんな…嘘よ…」

彼自身から彼の正体がIS利権部門の社員、夏季斑 冬貴などではなく男性操縦者の一人、織斑春季だと暴露され何故彼が私に対してこんな大それた事をしてきたのかと理解が追い付かなかった。

だが私はようやく自分がどれだけ追い込まれているか只それだけを理解し落胆するしかない。

「『ああ、それと言い忘れていたな。

アンタが頼みの命綱にしている今迄の女利権団体はもう機能していないんでそこの所ご理解下さいな!

アンタの我儘もここまでだ』」

「んなっ!?…」

更に織斑 春季が告げてきた事に私は驚愕する。

まるで行動を読まれているかの様に私の逃げ道は完全に閉ざされていた。

「『という訳で毎度ありぃ~!』」

最後にそれだけ言って一方的に通話を切った。

「ははは…何もかも終わり…」

「イネス・デュノアそしてその他のデュノア社幹部数名!数件の詐欺容疑及び収賄容疑そしてローグ・デュノア氏を含む社員への監禁・暴行容疑その他諸々の容疑で逮捕状が出ている!おとなしくするんだ!」

落胆しながら社に戻ると既に警察が逮捕状を発行し終えて待ち構えていた。

「畜生が!…」

証拠を掴まれて言い逃れが出来ない以上観念するしかなくあえなく私と協力していた幹部達はお縄とされてしまった。

 

Side春季

「っと種明かしはこんな所さ。ふいー初仕事は上出来かな?」

「す、凄い…あの義母をいとも容易く簡単に…だけど…」

「ああ、デュノア社自体に傷が付くような真似はしていないぜ?

あの夫人が働いていた詐欺も奴等が個人レベルでやった事に過ぎないからね」

「そ、そうなの?」

「ああ、だから安心してもいいよ」

「あ、ありがとう!…」

「別に俺がやりたくてやった事だし友人たっての願いだぜ?

他に理由なんかいらないよ」

「それでもありがとう!」

シャルに礼を言われ俺はちょっと木っ恥ずかしい気持ちになっていた。

「後は頼んだよイチカ兄さん!…」

イネス夫人…いや今はもう元かを特許権詐欺に見事に嵌める事に成功し一息ついた俺はシャルと一緒にローグさん達の救出に向かったイチカ兄さん達を信じて吉報を待つのだった。

 

 




次回、見事セラフィーノ・ファミリーで培った知識を巧みに扱いイネス、癒着政治家、女利権団体等を嵌める事に成功した春季そして一つの救済を果たされたシャルロットはローグ・デュノア、良識派社員達の救出に向かったイチカ達の無事を願う。
一方、当のイチカ達がローグ達が監禁されていた場所で見たものは…
「それぞれの救済PARTⅤ」

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