インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者 作:カオスサイン
Sideイチカ
「ギリギリ間に合ったようだな」
今日は治療を終えたイツカがクラスに編入してくる日だ。
でもまさか流石に臨海学校に行く前日になるとは思いもよらなかったが。
Sideイツカ
「い、イツカ・アランシュだ。
よ、よろしく頼む!…」
「…」
今迄学校に通った事などなくアタシは自己紹介するが緊張で硬直気味になっていた。
「よろしくね~!」
とてものんびりとした女生徒が沈黙を破った。
「「ようこそIS学園へ!」」
先程の子に感化されたのか一部の奴を除いた者達がそう歓迎の言葉を言ってきた。
「よ、よろしく」
私は改めて人の温もりというものに触れれた気がした。
そして、昼食の時間になって私は剣崎の所に行き問いただした。
「本当に…アヴリルは生きているのだな?」
「すまない…今もちゃんと彼女が生きているのかは未だ調査中なんだ…」
剣崎は申し訳なさそうにそう言った。
「そうか…」
あの時、アタシの無力のせいで彼女が死ぬ事になるのだけは回避された。
ただそれだけでもアタシの中に僅かでも希望が湧いてきたのだから。
翌日
Sideイチカ
「海だあー!」
皆臨海学校で羽目を外し始めている。
でも俺はそうはいかない。
なんだか凄く嫌な予感がしてならないのだ。
その上、何時ヴィタリーの残党にいる武芸者達が襲撃してきても可笑しくないからというのもある。
気が余り抜けぬ現状に俺は溜息をつく。
「イチカさんそんなに溜息ばかりついていたら幸せが逃げちゃいますよ?
確かにヴィタリー博士の事とかありますけど楽しめる時に楽しまなきゃ損ですよ」
「そうみたいだな…」
カレンにそう諭され俺は肩の力を抜く事にした。
この後に起こる事態に対し息を潜める数々の陰謀が動き出そうとしていた事に知る由もなかった。
そういえばなんか愚兄が良からぬ事を企んでいた様な気がする。
Side春季
「案の定かよ…」
「もうしつこいですわ!」
「なあなあ良いじゃんかよ~」
海に着いた途端に他の観光客のチャラい男性達が音六達を取り囲みしつこくナンパしていた。
「あ、あの私達は臨海学校で来ているので…」
「別に良いじゃん~ほら俺達が楽しませてやるからよ~!」
「フンッ!」
「あでっ!?…」
それにいい加減キレそうだったのか先日入ってきた編入生のアランシュさんが男の足元を蹴り上げた。
「この餓鬼、こっちが下手に出ていれば調子に乗りやがって!…」
「どっちがだよ!」
男の言葉にアランシュさんはすぐさま反論する。
奇遇だな俺もその言葉バット…いや拳で返してやるぜ。
「アンタ等もうその辺にしてもらおうか…」
「んあなんだ手前ぇ…ごふっ!?…」
俺もいい加減堪忍袋の緒が限界を迎えたので一発拳を入れてやった。
「手前ぇ何しやがる!」
「やれやれ正当防衛成立と…音六も他の皆もちょっと待っててね。
この人達とO・H・A・N・A・S・H・Iしてくるから」
「アタシもいくぞ!」
「いやアランシュさんも下がっててくれ。
「そ、そうか」
「はーくん…」
「大丈夫だ音六、すぐに終わらしてくる」
男達がナイフを取り出してきたので俺は音六達を逃がす。
「一人でカッコつけちゃって愚かだねこの餓鬼は~」
「彼女達に早く終わらせると約束したんでね。
鳳流奥義第参の型<鳳凰烈突破>!」
「んなあっー!?」
「第四の型<片速円舞脚>!」
「ぼげえ!?……」
奥義で男達が持っていたナイフを吹き飛ばし間髪入れずにキックを叩き込んで気絶に追い込んだ。
「!そこ!」
付近の草ムラから気配を感じたのでそこに拳を突き出す。
「ヴぇ!?」
今の声は…
Side秋彦
「(ああ!?アイツ等何やってんだよ!?
春季如きにのばされるなんて想定外だ…この俺が恰好良く助け出す手筈だったのに!)」
男達を差し向けたのは織斑秋彦であった。
よくあるパターンで中学時代ツルんでいた友人(腰巾着)に頼んで女生徒達の興味を自分へと向けようと画策していたが見事に潰されてしま落胆していた彼の顔スレスレに拳を突き突けられる。
「ヴぇ!?」
逃げるしかない!今はそう思う秋彦であった。
Side春季
「…」
今の声って間違い無く秋彦兄さんか…何か良からぬ企んでいたらしいが潰せてよかった。
だがまだ警戒しとかなくてはいけないな。
この先に待っている悲劇を知る由も無く…。
次回、米国の新型IS「銀の福音」が日本海上を暴走しているという緊急事態に緊迫する中イチカ達専用機組はこれの迎撃任務へと駆り出される事となる。
其処にヴィタリーの残党を名乗る者達の急襲が開始される。
そこでイチカは使命感に揺さぶられ冷静でいられなくなりヴァリアントの力を暴走させてしまう。
「臨海学校そして陰謀PARTⅡ」