インフィニット・ハンドレッド~武芸の果てに視る者 作:カオスサイン
Side春季
「『夏季斑 春季!今すぐにお前の扱っている機体を此方に引き渡せ!』」
「はああ!?」
「あンの駄教師!…」
何を言っているんだこの世界の駄姉は!?…恐らくあの害夏がやられたから言っているのだろうが今の状況を見て言っているのなら相当頭可笑しいぞ?!
第一、俺が使っていたのはISじゃなくて焔牙だ。
アレは俺の魂を昇華させたもので一瞬だって手放せる物じゃない。
まあ、例え雷牙でも易々と渡すつもりない。
あの害夏に渡すなんて事したら音六と六夢が絶対に嫌がるからな。
「『おい聞いているのか!?』」
未だ喚くことをやめない駄姉を完全無視し、どうしてかこの世界で復活しオルコットさんに憑り付いたホムンクルスへの対応だ。
カレンさん達の歌があればまだ対応が楽だったのだが、今から救援要請してもかなりの時間を要してしまう為俺達だけで状況を打開するしかない。
他にあるとすれば…あれしかないか…。
「黒雪君、三日月君少しの間だけで良い!…時間を稼いでくれ!
くれぐれも彼女に反撃はしないでくれ!」
「良くは分からないけれど任せて!」
「ちっ!…」
俺の提案に千春は快く了承、一方で月夜は相当不満そうな声を漏らす。
まあアレだったから進んで救おうとは思っていないのだろう。
だけど俺は信じる!
「行くぞ音六!」
「うん!…」
焔牙を仕舞い、千式雷牙を纏い音六と共に集中する。
Side月夜&千春
「なんでこんな面倒な奴の事を…」
「ぼやかない。
それにこれはきっとオルコットさんの意思じゃないね」
「そのぐらい分かっている!」
「はいはい」
実は春季とは違う代物であるがISではない「ヴィーヴル」という機体を駆る月夜、非人道的なシステム「阿頼耶識」と接続し運用する「雪桜」を駆る千春はホムンクルスに体を乗っ取られてしまったセシリアと相対していた。
対するセシリアは己の愛機であるブルーティアーズを纏う事無く尋常ではない動きでひたすら触手を伸ばして攻撃してきている。
明らかに普通の人間なら可能な動きではない事は明白である事は二人にも分かっていた。
「この触手だけは斬っても大丈夫みたいだね…」
「ああもう!うざってえな!…」
「二人共!此方の準備は整った!
下がってくれ!」
「「了解!」」
春季の合図を受けて丁度触手を捌き切った二人は後方へと下がった。
Side春季
「よし!いくぞ!」
「うん!…」
「「エナジーバースト!」
俺と音六はエナジーを開放、フィールドを展開した。
「『オルコットさん!』」
「『はっ!私は一体?…って貴方はあの時の!?…』」
「『はーくん!アイツが来る!…』」
「『マタモジャマヲスルカー!』」
「『ひっ!?…』」
空間内で囚われたオルコットさんを見つけ出し解放する。
それに気が付いたホムンクルスが襲い掛かってくるが彼女を解放出来た事で奴の力は弱まっている。
「『いい加減に此処からいなくなれえー!』」
俺は雷砲血神を構え弱体化したホムンクルスへ突き出す。
「『グ、グエエー!?……』」
ホムンクルスは断末魔を上げ今度こそ完全にその存在を消滅させた。
そして…
「理事長!即刻、夏季斑とセラフィーノ、いや彼等だけではない!
三日月や黒雪からも!」
オルコットさんの件で事後処理に呼ばれたはいいがまたも駄姉が空気の読めない発言をしたのだった。